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みちのくアスリート:スキークロスカントリーで世界に羽ばたく、近藤大仁選手 /宮城

 ◇“兄貴”の背中見て学ぶ--近藤大仁選手(18)

 高校のクロスカントリースキーで全国トップレベルの実力。高1のときに全国高校選抜大会の15キロフリーで優勝したのを皮切りに、昨シーズンは国体の少年10キロクラシカル、高校総体では15キロフリーなどリレーを含めた3種目を制し、全国高校選抜大会も10キロクラシカルで優勝を果たした。2月初旬には、フランスで開かれる世界ジュニア選手権に出場する。

 「雪とケンカせず、楽しそうに滑るんですよ」。古矢勝久監督は、軽やかな滑りをこう評する。

 華やかなジャンプやアルペン競技に対し、アップダウンのあるコースを長時間かけて滑り続ける過酷さがあるが「性格に合っているんだと思う。つらいレースをした後の達成感が気持ちよくて」と笑顔を見せる。

 小4のとき学校のスキー部に入り、この競技を始めた。先にクロスカントリーをしていた兄を見て、楽しそうだと思ったという。中2で県代表としてリレーに出場し、全国制覇を果たしたのが本格的にのめり込むきっかけとなった。「スキーが生活の中に組み込まれ、常にスキーのことしか考えていない」

 ここまで成長することができた理由に、もう一人の“兄貴”の存在を挙げる。小学校からずっと同じ学校で1学年先輩だった長岐章公さん(19)=DOWAスキークラブ。高校総体の優勝経験もある実力者だ。「目標が身近にあり、意識して練習することができた。背中を見て、全部先輩をまねした」。その長岐さんは「バネがすごい。しかも負けず嫌いと素質がそろっていた。今の実力は自分より上。本当に強くなった」と語る。

 今シーズンは20日の全県大会終了後、世界に飛び出す。同世代の海外勢と競うのは、初めての体験だ。

 「体が大きくパワーがある。こちらは細かいピッチでカバーするしかない」と冷静に分析。だが、気後れしてはいない。「今まで立ったことのない舞台で自分の実力を試すチャンス。わくわくしている」。10位以内の「世界入賞」を目指す。

 卒業後は早大へ。将来の目標を尋ねると、少しためらった後で「五輪で金メダルを取りたい」と自分に言い聞かせるように力強く語った。未来に大きな夢を描きながら、世界の舞台へ確かな1歩を刻もうとしている。【坂本太郎】

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 ■人物略歴

 ◇こんどう・ひろと

 90年9月30日生まれ。秋田県北秋田市出身。鷹巣農林高3年、身長170センチ、体重63キロ。昨シーズンからジュニアランクAとして全日本スキー連盟の強化指定を受けている。

毎日新聞 2009年1月24日 地方版

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