2009年1月25日 2時30分
【北京・浦松丈二】中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で中国公安当局が、製造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)の工場内の冷凍庫を管理する従業員が殺虫剤メタミドホスを製品に混入したとの見方を強め、従業員数人を長期間拘束して事情を聴いていることが分かった。事情に詳しい同社関係者が24日証言した。
関係者によると、中国公安省と河北省公安当局でつくる捜査チームは、同社社員100人余りと工場の臨時工数百人らから聞き取りを実施。日本国内でメタミドホスが検出されたギョーザの製造日と出勤記録などから、工場の冷凍庫周辺で製品にメタミドホスが混入された可能性が高いと判断した。また、事件前にメタミドホスを扱った経験を持つ関係者が複数いることも明らかになった。
事情聴取は同社関係者のなかで(1)会社側と過去にトラブルを起こした(2)冷凍庫のカギを開けられる(3)メタミドホスに接触した経験がある--人物を対象に実施。捜査過程で疑いがぬぐい切れない複数の従業員が数カ月にわたって拘束されているという。
事件では、公安当局と同社が合計65万元(約850万円)の懸賞金をかけて容疑者を追っているが、容疑者特定の決め手となる情報は寄せられていないという。一方、当局が内部犯行の見方を強めていることについて、同社社員は「捜査の方向が間違っているのではないか」と疑問視している。