どうも、関西です。
新年2回目のエントリは何をしようかな、とつれづれなく考えていたのですが、たまにはインタビューっつーのも面白いなと思いまして。
で、全国のアニメ好きの大きなお友達が一度は考えてみる職業の一つ、アニメーター。
それの
最前線にいる人をネタにしてみたら面白いと思ったのですよ。
実は関西にはアニメーターの知り合いがいまして。 実家が岡山なのですが、そいつにインタビュー？と称して聞いてみるのもいいなあ、と。
と、いう事でインタビューに無理やり応じさせた人はこの人。
どうみても、
「三浪くらいしてる浪人生」 の雰囲気をかもしだすこの男、実は現役のアニメータで、名前を
兼高里圭と言う名前。
小汚いとっちゃん坊やと言う無かれ。 彼の関わった作品は今の大きなお友達なら
誰しもが知っている作品ばかりなのですが、ちょいと彼の関わっていた作品を挙げますと。
・ゲゲゲの鬼太郎 原画参加
・ノエインもうひとりの君へ 原画参加
・瀬戸の花嫁 原画参加
・ゼロの使い魔 ＯＰ原画参加
・コードギアス 第二原画参加
・スレイヤーズEVOLUTION-R 原画参加予定
・まりあ†ほりっく 原画参加予定
他、ここに挙がっている作品以外にも動画含め多数のアニメ作品に関わっている
現役バリバリのアニメーターさんなのです。
そんな彼に雑談をしつつ、今の状態を聞いてみますと。
つか、きったねえなあ。もちっと身なりよくしろよ。
兼高 「五月蝿いよ。お前らと会うのに綺麗なかっこしてても仕方ないだろ」
まあそうだわな。（笑）もう、何年やってるんだっけアニメーター。
兼高 「ん〜と、もう動画のときをあわせると11〜12年。 動画を5年ほどやったなあ」
初任給いくらだった？
兼高 「4000円。 始めの1〜2年はとてもじゃないけどやっていけなかった。 始めは動画から皆入るんだけど、書いても書いても採用されなかったらお金にならない。 同じ仲間とアパートで一緒に暮らして家賃浮かしてたりしてたし、親から仕送り貰ってどうにかやりくりしてた」
今は原画担当？
兼高 「うん、原画担当。動画のときと比べると圧倒的に描く枚数は減ったけど、お金は断然上がったなあ」
枚数は減った、って日に何カットくらい描くの？
それと1カットいくらくらいのお値段？
兼高 「ストレートな質問するなよ。 大体日に5カット。動画と違って原画だからぞんざいに扱えないんでそんなにたくさんかけないし、他のアニメの原画も掛け持ちするからなあ。
1カット辺りの金額は大体平均〜円くらい…かなあ。（大体CDアルバム一枚分くらいと思ってくだされ）」
今、掛け持ちしてるタイトルは？
兼高 「スレイヤーズとまりあほりっく。 スレイヤーズはAT-�召里呂困世韻鼻△泙蠅△曚蠅辰�って岡山でやるんだっけ？」
う〜ん、ごめんわかんね。
兼高 「なんでだよ！ この俺様が原画やるんだぞ！見るだろ普通！」
…と、雑談を交えながらこの場じゃとてもじゃないけどかけないような業界の裏側も（ごめんなさい、
とてもじゃないけどかけません） 聞きつつ、あるものを渡してみました。
兼高 「何…これ」
見て分からないの？スケッチブック。
何か描いて。
兼高 「
何でここで描かせるんだよ！（場所ドトール） 俺は仕事終わって、正月休みで岡山帰ってきてんだぞ！」
と、言いつつも何か描き始める兼高。
流石に上手。
普段は原画担当なので鉛筆を使いつつ、仕事をするらしいのですが、サインペンでよどみなくスラスララと描いていきます。
兼高 「本当はこんな風に一発描きなんかしないんだよ。 人によってやりかた違うかもしれないけれど、鉛筆と消しゴム使って資料見つつ、
描いちゃ消し描いちゃ消しの繰り返しでやるんだけどなあ」
始めは香川にいたんだっけ？
兼高 「そう。専門でてさ、一緒に卒業した奴と香川に支所ががあるスタジオに入ったんだけど。 そこがXXXXでホニャララになっちゃって、OOOOがピ〜ヒャララなもんだから（ｽﾝﾏｾﾝ、やばいんで書けません）このままじゃここで埋もれちゃうと思って一念発起して東京の知り合いの所にいるスタジオまで押しかけた訳」
凄い話だねえ、それって。
考えてみると押しかけても相手が 「お前にやれる仕事は無い」 とか言ったら、来た意味無くなるじゃん。
兼高 「やっぱり上に行くには地方にいちゃ駄目だな、って思ってた所があって。 この世界って腕もいるけど、運の要素がかなりあると思うんだよ。 正直香川にいるのと東京にいるんじゃ、何かを掴み取るって言う根本からのスタートにかなり差があると思ってる」
そうか、兼高は諦めが悪いんだな。
兼高 「どーいう意味だよそれ（笑）」
いやいや、別に悪い意味で言ってるんじゃ無いのよ。
正直さ、初任給4000円って言う労働基準もへったくれも無いような世界で、上に登っていこうと思ったときに普通頭のいい奴だったらすぐに金勘定に入って、現実知って辞めると思うのよ。 そこを、あがいてあがいて 「まだやれる！まだやれる！」って今までやって来たからここまできたんじゃないのかなあ、って。
兼高 「う〜ん、どうも言い方が釈然としないけど納得してやろう。（笑） まあ、実際毎年新人は入ってくるんだけど全然持たないなあ。 早い時で3日、長くて半年持てばいい方じゃない。 5人入ってきて5人全員辞めるなんてザラで、いつの間にか来なくなる。 プロになるんだ、って意識がどーも薄い。 遊びの延長上で 「簡単にできる」 みたいな感じで入ってくるからなあ」
正直、辞めたいって思ったことは？
兼高 「無いと言えば嘘になるかもしれないけれど、自分にはもうこれしか無いって思ってる。
いい歳だしさ、潰しが効かなくなってきてるとこもあるけど（笑）」
…と、ここで渡したスケッチブックが出来上がったみたいでして、それを
奪い取って見てみると。
う〜ん、お見事。
スケッチブックを渡して
3分少々でここまで描くとは…。
…と、時間にして30分少々の雑談をしつつ…の話をまとめてみたのですが、いかがだったでしょうか。
この一月からも数多くのアニメが新たに始まり放送されますが、彼のような
縁の下の力持ちの人達がいるからこそやっていける訳でして。
「ああ、こういう人達が
頑張って書いてるんだなあ」 と感じてもらえるだけでも、大したインタビュー？では無いのですが今回のエントリを作ったかいがあると思いますし、現役のアニメーターの
考え方や苦悩？が分かれば…と考えたのですが。
まあ、一つだけ言える事は、
生半可な考えではやっていけない職業という事なのでしょう。初任給4000円…。 私の場合、初任給が手取りで98000円で給料明細を家に持って帰ったら家族に 「
こんな給料取らせる為に大学行かせた訳じゃない」 と言われた覚えがありますが…。 いやはや、本当に大変な職業です。
あいつに描いてもらったこのラフ？絵って置いておいたら
価値が上がるかなあ…。
何かしゃくに障るけど、 もしもの為に取っておこうそうしよう。
（お前最悪）