ニュース: 国際 RSS feed
中国製ギョーザ、省政府が横流し斡旋 新たな中毒も (1/2ページ)
このニュースのトピックス:中国製ギョーザ中毒問題
【北京=矢板明夫】一昨年12月に起きた中国製冷凍ギョーザによる中毒事件後、製造元の「天洋食品」(河北省石家荘市)が売れ残った大量のギョーザを、地元政府の斡旋(あっせん)で同省内の鉄鋼工場に横流し、新たな中毒事件を引き起こしていたことが24日までに分かった。「中国国内での毒物混入はない」と断定した中国当局の発表を信用したためで、同省関係者もギョーザを食べた従業員も危険性について認識していなかったようだ。
河北省の国有企業幹部によると、日本との取引を中止され経営難に陥った天洋食品を救済するため、地元の国有企業を管轄する同省国有資産管理監督委員会は、同じ国有企業の同省鉄鋼グループに対し、売れ残った10万食以上のギョーザの購入を持ちかけた。ギョーザは同グループ傘下の唐山、承徳、張家口など各地の子会社で無料配布されたが、それを食べた複数の従業員が下痢や嘔吐(おうと)などの中毒症状を訴えたという。
「唐山鉄鋼」の50代の男性従業員は「昨年5月ごろに会社からギョーザを数袋もらったが、同僚の中にギョーザで体調を崩し入院した人もいるため、しばらくして回収された」と証言した。配布された際に「日本で中毒事件を起こしたギョーザ」と社内でうわさになったが、多くの従業員は気にせずに食べたという。