佐賀県庁のホームページに「佐賀県インフルエンザ半減宣言」があった。
そこには7つの「約束」がある。
「かかったかなと思ったら、早めに受診します」「かかったときは、学校や職場を休み、家で静養します」
このほかは、せきやクシャミにはマスクを着用、せっけんを使った手洗いの励行、食事や睡眠をきちんととるなど、ごく基本的なことばかりである。
同県では過去5年間の平均で年10万人がインフルエンザに感染しているという。これを半減させようと、昨年11、12月にかけて県内の企業や医療関係機関、市役所や町役場に協力を呼びかけた。
インフルエンザが九州でも猛威をふるい始めた。福岡県でも集団感染による学級閉鎖や学年閉鎖が相次いでいる。
佐賀県の試みがどれぐらい効果を挙げるか。この冬の流行が終息してみないとはっきりとは言えないだろうが、予防の基本を徹底することは大事である。
東京都町田市の病院では100人以上が集団感染し、高齢の女性患者3人が死亡した。病院を立ち入り検査した都と町田保健所によると、最初に発症した20歳代の女性病院職員から感染が拡大した可能性も否定できないという。
インフルエンザウイルスの感染力は非常に強い。抵抗力が弱い子どもやお年寄りがかかると、肺炎を併発するなどして命にかかわることも少なくない。
当然、高齢者施設や病院、学校なども予防に気を配っているだろうが、集団感染は毎年のように起きる。発生を完全に防ぐのは難しいというのが現実だろう。
ならば、できるだけ早く対応して感染を最小限にとどめることが重要になる。
「熱っぽいな」「風邪かな」と思っても「仕事があるから」「学校にいかないと」と考え、風邪薬を飲んで、医者には行かずに出勤や登校してしまう。
だが、実はインフルエンザだった。その結果、気づかないうちに自分が感染源になっていたというのは避けるべきだ。
「無理せずに休む」「休ませる」。こうした意識や行動を定着させるのは、近い将来、世界的に大流行が予想される新型インフルエンザに備える意味がある。
佐賀県の「半減宣言」もそのためだ。感染予防の徹底など日ごろから習慣化しておけば、いざというときにスムーズな対応が期待できると考えている。
鳥から鳥に感染するインフルエンザウイルスが突然変異を起こし、人から人にうつる新型になる。誰も免疫がないので瞬く間に感染が広がっていく。
1918年から翌年にかけて流行した「スペイン風邪」がよく引き合いに出される。世界で数千万人、日本でも数十万人の死者が出たといわれている。
だが、従来型でも新型でも被害を抑える対策は共通だ。まずは一人一人が体調管理を心掛けること、そして、地域全体として感染防止運動に取り組むことだ。
=2009/01/24付 西日本新聞朝刊=