あわや医療事故1791件 県立3病院、07年度の事故43件 2009/1/24 10:23
徳島県病院局は二十三日、二〇〇七年度に中央、三好、海部の県立三病院で発生した医療事故と、事故につながる恐れがあった事案(インシデント)を公表した。合計は〇六年度より三百十八件多い千八百三十四件。内訳は、医療事故四十三件(〇六年度七十四件)、インシデント千七百九十一件(千四百四十二件)だった。
インシデントは「ヒヤリ・ハット」と呼ばれ、患者に被害はなかったものの、日常の医療現場でひやりとしたり、はっとしたりした事例。
事故とインシデントを行為別にみると、転倒・転落・けがが四百三十九件(23・9%)、チューブ類の管理が三百六十四件(19・8%)、調剤・製剤が二百四件(11・1%)、与薬・処方が二百二件(11%)-など。
医療従事者別では、看護師千三百六十件(74・1%)、薬剤師百九十九件(10・8%)、栄養士・調理師百九件(5・9%)、医師五十三件(2・9%)-などだった。
病院別では、中央が千二百八十九件(〇六年度千三件)と全体の約七割を占め、三好三百七十七件(四百三十二件)、海部百六十八件(八十一件)となっている。
患者に後遺症が出た医療事故は▽生体監視モニターの警告音が解除されていたため、異常の発見が遅れた▽入院患者がトイレに向かう際に転倒して頭を打った-の二件。
このほか、チューブ外筒を体内に残した状態でチューブを抜いたミスや、内診台と医療機器の間に患者の足を挟んだ事案などがあった。
県病院局は独自の医療事故公表基準を定め、〇四年度から毎年、事故とインシデントをホームページなどで公表。各事案の原因や再発防止策を明示している。同局は「再発防止策を徹底し、医療の質の向上に努めたい」と話している。