兵庫県教委が、体罰のあった学校名などの公開を求めた県情報公開審査会の答申に従わず、非公開としていたことが分かった。県情報公開条例は行政側に答申を尊重するよう定めているが、県教委は「決定が妥当かを検討し、結論に至った」としている。
馬場健一・神戸大大学院教授が04、05年度の体罰報告書に記載された学校名や校長名、体罰をした教員名などの公開を請求したのに対し、県教委は07年1月、これらを黒塗りにして開示した。
馬場教授の異議申し立てを受けた審査会は昨年10月、教員名は非公開としたものの、学校名や校長名は「公表しても被害児童や教員の特定はできない」として、公開するよう答申。しかし、県教委は「学校名などから教員が特定される」などとして今月22日付で改めて非公開と決めた。
馬場教授は「県教委は審査会の決定を尊重せず、独善的だ。提訴も考えている」としている。【川口裕之、吉川雄策】
毎日新聞 2009年1月24日 12時17分