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憂楽帳:買え、もっと買え

 熊本県水俣市の村おこし施設「愛林館」館長の沢畑亨さんが、本紙熊本版のコラムで、自分が住む山村と都市生活者を対比して書いている。「(都市部では)食べ物は買うしかないから、お金がないと命にかかわる。都会は『買え、もっと買え』の洪水だ。その中で買い物ができなければ、精神的にもつらいだろう」

 「買え、もっと買え」の洪水。世界を揺るがした米のサブプライムローン問題はそのなれの果てだし、少子高齢化の日本で曲がりなりにも大企業が業績を伸ばしたのも「もっと買え」と消費者をあおった結果だ。しかし、大企業はもうけを人件費に還元せず、内部留保をためこんだまま、派遣切りに走った。

 消費に金を回して企業の業績が上がれば、景気は上向き、私たちの暮らしも良くなる、というのはウソだった。もうだまされてはいけない。「買うな、買ってはいけない」だ。

 国会で、閣僚がもらうの、もらわないのと低俗な議論をしていた定額給付金も「もっと買え」政策。しっかり貯蓄に回しましょう。いつ、何が起きるか分からない世の中だから。【友田道郎】

毎日新聞 2009年1月14日 西部夕刊

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