ニートや引きこもりなど若年無業者の問題の深刻化と、不登校や中退などの挫折体験との関連を探るため、文部科学省と内閣府は、不登校と高校中退の経験者約3300人の4年後の意識や就業状況などについて、緊急の追跡調査を行う方針を固めた。調査は不登校では10年ぶり、高校中退では13年ぶり。文科省は「効果的な若者の自立支援策を講じるための基礎資料としたい」とし、3月ごろまでに結果をまとめる。
調査対象は、04年度に中学3年生で年間30日以上欠席した約1500人と、高校を中退した約1800人。それぞれ10都道府県ずつの協力で、書面によるアンケートを行う。
その後の進路や現在の状況に加え、当時の心境や保護者の経済状態も尋ねる。行政などの支援が役立ったかを聞き、どのような支援があればよかったかも質問。ニートや引きこもりなどの状態にある場合には、不登校や中退の経験がどう影響しているかなども探る。
旧文部省は99年、93年度に中3で不登校だった約3300人を対象に同様の調査を初めて実施。1393人が回答し、中卒後の進路は約6割が「希望通りではなかった」とし、4割が不登校を後悔していた。調査時点で就学も就職もしていなかった人は23%。96年に実施した93年度に高校を中退した人への調査では、15%が就学も就職もしていなかった。
総務省の07年のまとめでは、ニートなど若年無業者(15~34歳)は62万人で、フリーター(同)は181万人。文科省の07年度調査では、不登校の小中学生は2年連続増の12万9254人で、中学生の不登校の割合は2.91%と過去最高だった。高校中退者は7万2854人だった。【加藤隆寛】
毎日新聞 2009年1月24日 15時00分(最終更新 1月24日 16時13分)