「しっかり食べてしっかりやせる? 究極の食事法」
先に紹介した、61歳の女性が見事肥満解消に成功したケースをよく調べてみましょう。この女性がやっていたのは、1日1500キロカロリー以下に抑えながら、「飢餓に備えろスイッチ」をオンにしない食事法です。その食事は、1食およそ400キロカロリーながら、ボリュームたっぷり! 5か月この食事法を続けると、見事に体脂肪が減少したのです。
この食事法を指導した栄養クリニックでは、すでにおよそ750人の女性がダイエットに成功しています。ポイントは、食事に含まれる「たんぱく質:脂質:糖質」の割合にあります。なかでも、脳のエネルギー源である糖質のカロリーの割合を「およそ6割」にすること。すると、低カロリーでも脳はエネルギー不足に陥らず、「スイッチオン」にならないのです。
※自然に理想の比率にできる食品の選び方を、実習コーナーで紹介します。
一方、スイッチをオンにしてしまった女子学生のみなさんの食事の平均的な比率を見ると、一見、理想の比率とほとんど同じであることがわかりました。実はこの場合、問題は「糖質のとり方」にありました。カロリーを抑えようとして、朝食や昼食を「菓子パンやおにぎり」だけで済ませる人が非常に多かったのです。
甘い糖類などは吸収が早いため、血糖値が短時間で上がりますが、すぐに下がってしまいます。おにぎりなども、それだけを食べると吸収が早く、血糖値があまり持続しません。そのため、そういったものに頼った食生活では、「飢餓に備えろスイッチ」がオンになってしまうのです。
ところが、ご飯と一緒に、野菜などの繊維質や消化吸収が遅いおかずを食べることで、血糖値は「ゆっくり上がり、ゆっくり下がる」ようになります。これでスイッチはオンにならなくなります。
Q・1食400キロカロリーにしないとやせられない?
1食400キロカロリーは、健康を維持しながら無理なくやせるための、最も厳しいダイエットです。一般的に年齢が若く、体格が大きい方や、日頃の運動量が多い方は、消費エネルギーが多いため、もう少しカロリーを高くしてもやせられます。
1ヶ月に1キログラムやせられる程度のペースを目安にして、自分のダイエットに適したカロリー摂取量を見つけてみてください。
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