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[米国]
シーゲイト、HDDの不具合に無償のデータ復旧サービスで対応
記録データへアクセス不能になった場合の対処、多数のトラブル報告を受けて
(2009年01月21日)
米国Seagate Technologyは1月20日、同社製HDDの一部モデルを2008年12月までに購入した顧客を対象に、データ・リカバリ・サービスの無償提供を開始した。これは、ファームウェアのバグが原因でトラブルが多数報告されていることを受けての措置だ。
不具合が確認されたモデルの1つ、Barracuda 7200.11 |
Seagateのオンライン・サポート・フォーラムおよびサポート・サイトの情報によれば、同社のデスクトップPC向け主力HDD製品である「Barracuda 7200.11」のほか、2008年12月までに製造された「Maxtor DiamondMax 22」「Barracuda ES.2 SATA」などのHDDでは、ストリーミング・ビデオの再生中やファイルを低速で読み書きしている最中に、30秒間程度フリーズすることがあるという。同社は16日に声明を発表し、この不具合の存在を認めたうえで、該当するHDDのファームウェア・アップデートを呼びかけている(関連記事)。
「このバグのせいで、HDD上のデータにアクセスできなくなるケースもあるようだ。データそのものはHDD上に残っているので、そうしたケースについては無償のデータ・リカバリ・サービスで対応したい」とSeagateの広報担当者、マイケル・ホール(Michael Hall)氏は説明している。この復旧サービスは、Seagateの子会社である米国i386が提供する。
ホール氏は、市場に出回っているBarracuda 7200.11のうち、実際にどのくらいの割合の製品に不具合があるのかは把握できていないとしながらも、「今のところ、その比率はかなり低い」としている。
一方、データ・リカバリ・サービスを手掛ける英国Retrodataの最高経営責任者、ダンカン・クラーク(Duncan Clarke)氏は、「Barracuda 7200.11の不具合についてはすでに昨年11月から報告されており、当社は他のHDDと比べて30倍ほどの台数(修復依頼)を受け付けた」と証言している。同社では、不具合の発生する製品の比率を「30%以上にのぼるもの」と推測している。
サポート・サイトでは、該当モデルのHDDかどうかをチェックするためのツール(Windows用)が公開されている。また、該当するHDDのシリアル番号なども公開されているので、ユーザーはチェックすべきだ |
ホール氏はこの見解に対して「不具合の比率はそこまで高くはない」と否定し、「リコールの実施についてはまだ決定していない。現在はまだ問題の詳細を調査している段階だ」と述べた。「HDDのファームウェアは随時改良されていくものだ。タイミングによっては、まだ問題が認識されていない(バグのある)ファームウェアが組み込まれたHDDが出荷され、のちに予期せぬ問題を引き起こす場合もある」(ホール氏)。
一方、クラーク氏は、Seagateがデータ・リカバリ・サービスの無償提供を発表するまでに時間がかかった点に触れ、「Seagateは粗悪な製品を出荷しただけでなく、その問題を解決するという企業責任を果たしていない。それどころか、同社は傘下にデータ・リカバリ会社を有しており、今回の不具合のおかげで利益すら上げている」と非難している。「Seagateが問題解決に専念してくれることを期待する」(クラーク氏)。
ホール氏によれば、Seagateでは現在、今回の不具合に対する公式発表以前にi386やその他のデータ・リカバリ・サービスを利用したユーザーについて、弁償金を支払うかどうかを検討しているという。また、SeagateのHDD製品をめぐっては昨年11月にも、「MacBook」や「MacBook Pro」に広く採用されている2.5インチSATA HDDで不具合が見つかっている。
(Lucas Mearian/Computerworld米国版)
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