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多剤耐性菌:23人集団感染 4人死亡、関連調査 福岡

 福岡大学病院(福岡市)は23日、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性アシネトバクター・バウマニ菌に、入院患者23人が院内感染したと発表した。このうち4人が死亡したが、同病院はうち2人について「感染との因果関係はない」と説明している。残る2人については「感染との関係は低いが断定はできない」としている。

 厚生労働省によると、多剤耐性化したアシネトバクター菌による大規模な国内での感染例の報告はないという。

 病院によると、23人は10~80代の男女。いずれも重症の病気で入院し、08年10月~今年1月にアシネトバクター菌が検出された。死亡の4人は20~60代。うち2人については死因が判明していないが、複数の別の菌が検出された。アシネトバクター菌による肺炎も見られないことから、感染が原因で死亡した可能性は低いという。

 感染患者のうち22人は救命救急センターの集中治療室で治療を受けたことがあり、センターで使われた気道確保の際に用いる医療器具からアシネトバクター菌が検出された。

 病院は08年12月1日に集団感染を認知した。調査の結果、渡航中の韓国の病院から昨年10月20日に転院してきた男性が感染源とみられ、この器具などを通じて感染が広がったとみている。器具は消毒の上で複数の患者で使用していた。病院によると、消毒による再利用は一般的だという。

 病院は国立感染症研究所から専門チームの派遣を受け、外部調査を実施する。【高橋咲子】

毎日新聞 2009年1月23日 22時09分(最終更新 1月24日 1時41分)

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