首都圏放送センター

2009年1月23日 23時53分更新

荒川決壊で最悪97駅が浸水も


首都圏を襲う記録的な豪雨で、荒川の堤防が決壊した場合、最悪のケースでは、都内の地下鉄などの97の駅が浸水するおそれがあるという国の被害想定が公表されました。

大規模な水害の対策を検討している国の専門調査会は、昭和22年に関東を襲ったカスリーン台風に匹敵する豪雨で、荒川の堤防が決壊した場合の地下鉄の被害想定を公表しました。
それによりますと、東京・北区で堤防が決壊した場合、近くを通る地下鉄・南北線などでは、駅の出入り口に浸水を防ぐ高さ1メートルの板を取り付けても、大量の水が板を乗り越えて流れ込むとしています。
水は駅やトンネルを通ってほかの路線に流れ込むため、地上の浸水より早く広がり、12時間後には東京駅の地下や大手町駅などが浸水するほか、地上は浸水しないと想定される霞ヶ関駅や六本木駅なども15時間後には浸水するとしています。
浸水は決壊から3日目以降も続いて、最悪の場合、地下鉄とJRなど17の路線の合わせて147キロの区間と、97の駅に広がり、このうち81の駅は完全に水没すると想定されています。
首都圏の地下鉄は、最も深いところでは地下およそ40メートルを通っていて、水没した場合、大量の水のくみ出しや電気設備などの復旧のため、長期間にわたり運転できなくなるおそれがあります。このため専門調査会は、大規模な水害の際は利用客にいち早く避難してもらった上で、出入り口を封鎖するなどの対策が必要だと指摘しています。