歴史的な大雨で東京の荒川の堤防が決壊したら、地上より早く水がトンネルを通って都心の地下鉄に広がっていく・・・。そんなシミュレーション結果が公表されました。
ホームに流れ込んだ泥水で立ち往生した地下鉄車両。これは1993年、台風11号が関東を直撃した時の東京・赤坂見附駅の映像です。今回、これよりもさらに深刻な被害が東京の地下鉄網の広い範囲で発生することが中央防災会議の調べでわかりました。
シミュレーションは、東京、埼玉を流れる荒川が3日間で550ミリという200年に1度の大雨で氾濫し、北区で堤防が決壊した場合を想定。この時、中央区・銀座の交差点では1.9メートルの高さまで水に浸かるとされています。
しかし、こうした地上の浸水よりも早く水は地下鉄のトンネルを伝って一気に広がっていくといいます。最悪の場合、24時間後には17路線、97の駅が浸水してしまうというのです。
5年前、地上から流れ込んだ雨水によって浸水した麻布十番駅。シミュレーションではどうなるのでしょうか?
麻布十番の駅では、地上では全く被害が出ていなくても地下の駅やトンネルは完全に水没してしまうというのです。このほか、大手町、銀座、東京、秋葉原など81の地下鉄の駅で、改札フロアまで水が一杯になり、完全に水没するといいます。
中央防災会議は今後、各鉄道と行政が連携して浸水対策をしていきたいとしています。(23日16:20)