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橘井堂、157人体制に縮小 JA石西厚生連破産 '09/1/23

 ▽共存病院は1病棟

 島根県津和野町の医療・介護の四施設を指定管理者として運営していたJA石西厚生連が自己破産した問題で、同町は二十二日、運営を引き継ぐ医療法人「橘井(きっせい)堂」の職員採用状況を明らかにした。破産前は約百九十人体制だったが経営のスリム化で約百六十人となり、津和野共存病院は一病棟に縮小したままスタートする見通しを示した。

 町によると、採用試験は現在の常勤医六人を除く全職員を対象に実施。百七十二人の応募があり、うち同厚生連職員以外の応募者が十人前後いたという。十、十一の両日、橘井堂の経営コンサルタントを務めている民間企業の担当者が面接をして、百五十一人に採用通知を郵送した。常勤医と合わせ百五十七人となる。

 橘井堂は今月一日に日原診療所の運営を始め、四月から共存病院など三施設も引き継ぐ。共存病院は看護師不足により今月から二病棟(九十九床)を一病棟(五十床)に縮小している。

 これまで町は「(縮小は)一時的な措置」と説明してきたが、この日の記者会見で中島巌町長は「看護師の人数はまだ把握していないが、二病棟での再出発は難しい」との認識を示した。

 二十一人が不採用となったことについては「経営スリム化のためやむを得ない。再就職支援を破産管財人に要請したい」と述べた。

 全員の雇用を申し入れていた石西厚生連労組の村上卓委員長は「納得できない。採用されても賃金が約30%カットされている」として、近く橘井堂に団体交渉を申し入れる。(岡本圭紀)




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