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「医育制度」としてのメディカルスクール

 1月22日に開かれた四病院団体協議会・メディカルスクール検討委員会の発表会では、「医育制度としてのメディカルスクール」と題したシンポジウムが開かれ、山崎學委員長(日本精神科病院協会副会長)を座長に、7人のパネラーがそれぞれの立場から意見を述べた。

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 本田宏委員(済生会栗橋病院副院長)は「私自身もそうだったが、高卒で医学部に入った時点で社会をほとんど見ていない。だから医療は良くならない」と喝破(かっぱ)。
 これに金村政輝委員(東北大病院総合診療部講師)も同調。「医学部に入る学生は、大部分は臨床医になりたい、いい医師になりたいというイメージを持っていると思う。それに十分に応えられるようなプログラムを提供できているのかというと、残念ながら難しいところがある。いい臨床医をつくるためのプログラムの一つという形で、(メディカルスクールを)考えることは非常に良いと思う」と述べた。また、堺常雄委員(日本病院会副会長)は「大学は大学であっていいと思うが、新たな制度としてメディカルスクールをつくることは、起爆剤になるのではないか」と強調した。

 パネラーとして参加した自民党の鴨下一郎衆院議員は、「ただ偏差値が高くて受験技術があるから医学部に入れるというのではなく、むしろ平凡で人の痛みが分かる人の方が、医者としては立派になる可能性もある」とした上で、「これは麻生政権でやるのか分からないが、少なくとも医療への国民の信頼を取り戻すという思いで、国を挙げて何らかのメッセージを国民に出して、さらに制度にもしっかり反映させなければならないギリギリのところに来ている」との認識を示した。

 場内からは、「医師不足の話をすると、数が増えると質が下がるという議論が必ず出てくる。その理由はどこにあるのか」などの質問が出た。
 これに対して中田力委員(新潟大脳研究所統合脳機能研究センター長)は「医者というのはある程度のIQを持っていなければいけないという評価がある。もちろん、50%の国民を全員医者にしたら質は下がると思うが、現状で経済的に許される範囲で増やしたところで、おそらく良くなることはあっても下がることはない」と答えた。
 中田委員はまた、臨床医の教育について、「本来は地域病院を利用して、大学内部から能力のある臨床医を使いながら教育をするのが理想だが、なぜ今の日本でそれをやるとまずいか。大学で派遣する人間とそれを引き受けてやる人間の間に格差ができる。米国と同じ教育病院システムをつくった後であれば、それが正しいが、今の日本では難しいと思う」と述べた。


更新:2009/01/23 19:00   キャリアブレイン

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