NY経済紙にも掲載! 世界に一つだけの肩書
油井昌由樹さんは世界でたった一人の“夕陽(ゆうひ)評論家”。とてもロマンティックな職業に感じますが、具体的にはどんなお仕事なのでしょうか? 答えを探るべく、東京・西麻布の事務所を訪ねました。
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「約30年経つけど、夕陽評論家はまだ世界で一人。夜景とか南の島評論家はいらっしゃるそうですよ」
「やあ、いらっしゃい」。そう出迎えてくれた油井さんは、日本におけるアウトドアの先駆的存在でありながら、執筆家や俳優としても活躍されている方。早速ですが、いつから夕陽評論家を名乗っておられるのですか?
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実は肩書きは大嫌い。「夕陽評論家の肩書きの名刺なんて一度も作ったことはないよ」
「最初に雑誌に紹介されたのは1980年夏。黒澤明監督の『影武者』のオーディションに合格して急に取材が増えたんだけど、必ず肩書きを聞かれる。『なしでいいじゃない』と言ったけどダメだと。だったら面白いものを考えようと、思いついたのがこの肩書き」
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夕陽を見て世界中を歩き回った油井さん。「行った国の数は60カ国以上」
「最初は、“夕陽”か“たき火”か迷ってね。でも夕陽の方がダイナミックでしょ。肩書き偏重社会へのアイロニーのつもりだったんだけど、いろんなメディアに紹介されて、1992年にはウォールストリートジャーナルの1面にも載っちゃった(笑)」