太平洋と日本海の分水嶺(れい)に位置する高山市一之宮町で22日、大吟醸酒「臥龍桜」の原料水の採取が位山(くらいやま)湧水(ゆうすい)で行われた。
位山湧水は、標高約900メートルのスキー場、モンデウス飛騨位山スノーパークの隣接地にある。午前10時過ぎから、醸造元の酒造会社の社員や、高山市一之宮支所職員、飛騨一之宮酒販売組合の内木良文代表らがトラックに積んだタンクからホースを伸ばし、ポンプで湧水約2400リットルをくみ上げた。
大吟醸酒「臥龍桜」は、町内にある国の天然記念物、臥龍桜(樹齢推定約1000年)にちなんで十数年前の旧村時代に「村おこし」で誕生した。毎年、一流画家の美しいラベル絵がボトルを飾る。今年も大吟醸酒(720ミリリットル、2100円)2500本を仕込む。日本画家の土屋禮一氏と伊藤嘉晃氏らのラベル絵のボトル2種類をつくり、4月初めから町内の酒販店と臥龍公園で発売する。【奈良正臣】
毎日新聞 2009年1月23日 地方版