倒産・動向記事
2009/01/21(水) |
マンション分譲 章栄不動産株式会社 民事再生法の適用を申請 負債292億円 |
---|
「広島」 章栄不動産(株)(資本金8億円、広島市中区中町9-9、代表田中常雄氏、従業員83名)は、1月21日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。
申請代理人は中野辰久弁護士(東京都千代田区平河町2-4-5、電話03-5216-1370)ほか1名。監督委員は鈴木銀治郎弁護士(東京都千代田区霞が関3-2-5、電話03-3595-7070)。
当社は、1955年(昭和30年)4月創業、71年(昭和46年)4月に法人改組した。自社ブランドマンション「フローレンス」シリーズの分譲販売を中心に、不動産売買、賃貸などを手がけていた。当初は土木工事請負、不動産業を営んでいたが、92年4月にマンション分譲業に参画し、現在では、同業を中心とした営業を展開していた。「フローレンス」シリーズは、壁式構造を取り入れたラーメン構造採用により建築コスト圧縮、広空間を実現したほか、「防犯モデルマンション」としてオートドアロックシステムを全戸標準装備するなどして好評を得ていた。
広島都市圏の施主別供給ランキングでは常に上位を占めるなど、当地区トップクラスの実績を誇り、タレント起用のテレビコマーシャル、折り込み広告を積極的に活用することで企業イメージ、販売力の強化を図り、岡山・松江などの中国地方ほか、東北、関東、四国、九州地方に商圏を拡大。一部関係会社の事業を譲り受けたこともあり、2008年7月期の年売上高は約543億5300万円にまで伸長していた。
しかし、建築基準法改正に伴うマンション建築の鈍化、資材価格高騰による建築コスト上昇に加えて、不動産市況が急激に冷え込んだことで販売実績は鈍化。また、不動産取得、マンション建築などに伴う過大な金融債務が経営を圧迫し、資金調達の懸念が指摘されていた。こうしたなか、分譲マンション市況の冷え込みと世界的な経済環境悪化を背景とする金融引き締めもあり、金融機関からの支援が得られなくなり、今回の措置となった。
負債は約292億円。