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性的表現のタブーを打ち破る韓国映画(上)

大法院、露骨な性的表現が含まれる映画の上映を許可

昨年公開された映画『美人図』は、主演女優キム・ミンソンの過激な露出やベッドシーンで話題を呼んだ。
 2005年に公開された映画『王の男』の主たるテーマは「同性愛」だったが、映画の配給元はその事実を徹底的に隠した。だが、それから3年後の昨年に公開された『霜花店』の予告編では、半裸の男性俳優二人が登場した。「韓国人は同性愛を扱った映画を見ない」という映画界の暗黙の了解は、この3年の間に崩れ去ってしまったのだ。

 このほかにも、韓国映画における性的表現に関するタブーが次々と破られている。映像物等級委員会の厳格な事前審査によって規定された「制限上映許可」の等級付けが、最近の大法院(日本の最高裁判所に相当)の判決や憲法裁判所の決定により、事実上有名無実化したためだ。

 大法院第3部は今月15日、米国映画『ショート・バス』の輸入・配給会社が映像物等級委員会を相手取り、「制限上映許可」の処分を取り消すよう求めた行政訴訟で、原告の訴えを認める判決を下した。また、憲法裁判所は昨年7月、「制限上映許可」の等級を定めた映画振興法の規定について、「憲法不合致」の決定を下し、今年末までの法改正を勧告した。

 「制限上映許可」の等級は実質的な上映禁止の措置に当たり、これが取り消されたことで、『ショート・バス』は韓国の映画館での上映が可能になった。この映画では、集団での性交や自慰など、露骨な性的表現を俳優たちが実際に演じている。だが、韓国内外の映画祭で上映された際、評論家たちからは同作品の芸術性を認められていた。

 この映画を輸入・配給するスポンジENT社のチョ・ソンギュ代表は22日、「映画を見るか否かという判断は成人の観客一人一人がすべきものであり、国家がすべきものではない、というのがわれわれの主張だ。近日中に再審査を申請し、新たな等級の付与を求める方針だ」と語った。

韓賢祐(ハン・ヒョンウ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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