庄原市東城町竹森の酪農業「トールファーム」が、牛ふんにリンが豊富な鶏ふんの焼却灰を混ぜた堆肥(たいひ)の生産に乗り出した。肥料高騰の中、地域内で資源の有効活用を図るのが狙い。
リンは窒素、カリウムと並ぶ化学肥料の主原料で、世界的に鉱石の枯渇が危ぶまれている。現在、主要な輸出国である米と中国が抱え込み政策をとっており、昨年は肥料価格が1.5倍に急騰。リンを多く含む鶏ふん灰に着目した。
トールファームは約300頭の乳牛を飼育。牧場内には堆肥センターがあり、町内2カ所に養鶏場を持つアキタ(福山市)の南山ポートリー(三次市三和町)で焼却した鶏ふんを牛ふんに混ぜ、80日かけて熟成させる。鶏ふん灰は農地散布の際に飛散しやすく、これまで国内の農家では需要が低かった。化学系リンの使用量を2割減らせ、県が認定する「安心!広島ブランド」の取得も容易になるという。
【写真説明】センター内で熟成させた鶏ふん灰入り堆肥を手にする田川吉男社長
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