小千谷市の医療の中核を担う小千谷総合、魚沼の両病院が統合されることになった。両病院の理事長と谷井靖夫市長が22日、会見し明らかにした。04年の中越地震で被災したうえ、医師不足や国の医療費抑制策などで経営不振に陥ったためと説明し、大規模病院に一本化することで立て直しを図る。統合時期や新病院の建設場所などについては年内にも方向性を示す。
小千谷総合病院は1891(明治24)年の創立。ベッド数は287床で、1日平均の外来患者は490人。しかし、地震で建物が被災したうえ、経営安定化のため人件費を大幅に抑えたことなどが原因で常勤医師は5年前の28人から18人に減った。診療科目によっては大学病院から派遣されるパートの医師に頼っているのが現状だ。
また、魚沼病院もベッド数191床に対して常勤医師は10人。赤字経営が続いている。看護師も過剰労働と医療事故の不安を抱えているほか、国の制度改革が医療サービスの低下に拍車をかける可能性は否めないという。
このため、谷井市長が昨春から両病院に統合を呼びかけ、22日、統合に向けた協議会を設置することで合意した。統合時期などについては未定だが、新病院の建設に関し、市長は「何かしらの支援はする」と明言した。
小千谷病院の横森忠絋理事長は「地域医療の崩壊を防ぐために統合は避けられない」と危機感をにじませ、魚沼病院の堀内義信理事長は「互いに補完し合い、1足す1が3や4になる機能を発揮したい」と強調した。【根本太一】
毎日新聞 2009年1月23日 地方版