プロスキーヤーの三浦雄一郎さん(76)が24、25の両日、中高年にスキーの楽しさを伝えるため、飯綱町のいいづなリゾートスキー場を訪れる。改めてゲレンデの魅力や、中高年になってからの楽しみ方を聞いた=社会面参照。【竹内良和】
--スキーの魅力をどう考える?
冬は引きこもりがち。運動不足になり、太陽に当たる時間は短く、骨ももろくなる。でも雪の遊びを覚えれば、冬がワクワクできる世界になります。
雪山は非日常性があって魅力的です。大自然の中で遊ぶ楽しさや爽快(そうかい)感はずっと体の記憶に残り、生きる力の原点になる。多くのスポーツは空気中に含まれるほこりを吸いますが、雪はほこりを抑えてくれるのでスキーは肺にもいい。
--どんな運動効果があるのか。
海外の研究では、リフトでゲレンデの上まで登って滑り降りた人と、リフトなしで上まで登っただけの人を比べると、滑った人の方が運動効果が上がった。スキーには瞬発力が必要で、普段は使わない筋肉も動く。リフトからの景色と滑る爽快感はメンタル面に好影響を与える。
--中高年にも向いていそうだ。
上までリフトを使えばいいので無理せずに済む。亡き父は100歳を超えても1シーズン100日以上滑っていた。スキーは100歳から3歳までの人が楽しめる珍しいスポーツ。子や孫とも楽しめる。
--高齢でもスキーができる秘けつは?
私は「スキーをしたい」「エベレストに登りたい」と思い続けてきた。だからこそ体を鍛えた。人は目標があれば、いろんなことができると思う。
毎日新聞 2009年1月22日 地方版