兵庫県香美町村岡区大笹のハチ北高原スキー場で二十一日、県消防防災航空隊のヘリコプターが出動したほか、地元の警察や消防、救助隊などが参加する大規模な遭難訓練が行われた。
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遭難者を収容する県消防防災航空隊のヘリ=21日、香美町村岡区大笹のハチ北スキー場
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同訓練は、スキー客がハチ北高原頂上から滑走中に行方不明になったと想定。同航空隊、美方郡広域消防本部、美方警察署、同町村岡山岳遭難救助隊、同スキー場パトロール隊の五団体四十三人が参加した。
訓練に先立ち、同町の亀村庄二副町長が、昨シーズンに町内のスキー場で遭難した四人が救助されたことを紹介し、訓練の必要性を訴えた。
参加者らは二班に分かれて捜索現場の頂上付近へ登山。横一列になり、ゾンデ棒を雪の中に突き刺して雪中を探索した。遭難者を発見後、雪を掘り起こして救出し、体温などに注意を払いながら、ヘリが遭難者を引き揚げることが可能な場所へと運んだ。一方、連絡を受けた航空隊ヘリは現場に急行。遭難者をつり上げて収容した。
美方警察署の森本和博署長は「(遭難は)いつ発生するか分からない。有事には緊張感や危機感を持って迅速に行動してほしい。訓練の連携を見て心強く感じた」と講評した。