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医食同源ダイジェスト
第1041回 この症状に効くこの栄養〜ビタミン・ミネラル活用術〜 2003年放送分へ
頭痛、肩こりなど、病気とはいえないまでも、なんとなく体の調子が悪いとか、かぜや貧血など、いやな症状がいつまでも続いている場合には、背景にビタミン・ミネラルの不足が考えられます。また、タバコを吸う人やお酒をよく飲む人、ダイエットに励む人はビタミン・ミネラルが不足しがちになります。このような場合、どのようなビタミン・ミネラルをとればよいのか、どんな食品を選べばよいのかを紹介します。

【ビタミン・ミネラルとは】
所要量が定められているビタミン・ミネラルは25種類にも及びます(図1)。ビタミンもミネラルも人間の体内で作るのは難しいので、食品として外からとらないと欠乏症を起こしてしまいます。ビタミンは、エネルギー代謝に関係しています。三大栄養素(糖質、脂質、たんぱく質)を利用しやすいようにする酵素の働きを助けています。ミネラルは、酵素を構成するようなものです。ミネラルがないと酵素はできないのです。ビタミン・ミネラルは決められた量をとっていれば問題ないのですが、症状の改善を期待するなら、さらに追加してとるほうがよいでしょう。 (図1)
(図1)

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【頭痛の時には】
何かの病気があって頭痛が起きている人は、その病気を治さなければいけません。しかし、どこにも病気がないのに頭痛がある場合は、適切なビタミン・ミネラルをとることで症状が改善することがあります(図2)。マグネシウムが欠乏すると血液中のセロトニンが脳内に放出され、痛みの原因物質となるプロスタグランディンが発生します。頭痛の時には、まずマグネシウムを補うことです。ほかに痛みを除去する作用がビタミンB 1にあります。またナイアシンは血管を拡張させて血流を改善するので、頭痛への効果が期待できます。マグネシウムを多く含む食品は図3の通りです。おすすめメニューは、わかめとしいたけの酢の物です(図4)。わかめなどの海藻類には多くのマグネシウムが含まれています。ビタミンB1を多く含む代表的な食品は豚肉です(図5)。 (図2)
(図2)
(図3)
(図3)
(図4)
(図4)
(図5)
(図5)

【肩こりの時には】
肩こりの原因は、血液の循環が悪いことや、乳酸がたまることなどです。ビタミンB1、B2、ナイアシンは乳酸除去効果があります(図6)。それから最近、神経にビタミンB12がいいことがわかってきました。ビタミンEは血液の循環をよくします。これらを含む食品をとると肩こりにいいでしょう。ビタミンB2を多く含む食品の代表はレバーですが、魚類、卵などにも多く含まれます(図7)。おすすめメニューはうな玉どんぶりで(図8)、ビタミンB2を十分にとれます。ビタミンB12はあさり、しじみなどの貝類に多く含まれています(図9)。おすすめメニューはアサリのスープスパゲッティです(図10)。ビタミンB12は、スープに出てしまいますから、スープも一緒に飲んでいただくのがよいでしょう。 (図6)
(図6)
  (図7)
(図7)
(図8)
(図8)
(図9)
(図9)
(図10)
(図10)

【風邪の時には】
かぜの時はウイルスによって鼻やのどなどの粘膜がやられます。ビタミンAには粘膜を強くする作用があります(図11)。抵抗力が弱ると風邪が悪化しますから、ビタミンEで免疫力を回復させます。ビタミンB群は風邪で弱った体力を回復させます。さらにインターフェロンにはウイルスを殺す作用がありますが、ビタミンCはインターフェロンの分泌を助ける働きがありますから、とくにたくさんとりたいものです。ビタミンCを多く含む食品は、果物や野菜です(図12)。ビタミンCは水溶性で、尿中にすぐに出てしまいますから、朝昼晩とこまめにとるとよいでしょう。ビタミンEは油に溶けるビタミンですから油を使う料理でとるとよいでしょう(図13)。ビタミンEは悪玉活性酸素を消去する働きがありますから、十分にとりましょう。おすすめメニューはカシューナッツと豚肉のソテーです(図14)。 (図11)
(図11)
(図12)
(図12)
(図13)
(図13)
(図14)
(図14)

【貧血の人は】
鉄欠乏性貧血の人は鉄分を多くとる必要があります(図15)。そればかりでなく造血にはビタミンB12が必要です。さらにビタミンCは鉄の吸収をよくします。鉄を多く含む食品の代表はレバーです(図16)。おすすめメニューは豚レバーのカレーソテーです(図17)。付け合わせの野菜でビタミンCを一緒にとるとよいでしょう。
(図16)
(図16)
(図17)
(図17)
(図15)
(図15)

【タバコを吸う人は】
健康のためにタバコは吸わないことが一番ですが、吸う人は、カロテン、ビタミンE、ビタミンCなどの抗酸化ビタミンが減ってしまいますから、補う必要があります(図18)。カロテン類を多くとるとがんになりにくいという疫学調査の結果があります。ビタミンEには抗酸化作用があって、活性酸素を消去するのでがん予防などに効果があります。カロテンを多く含む食品は、緑黄色野菜です(図19)。カロテンは油に溶けるので、油料理をすると吸収がよくなります。例えば、モロヘイヤ天ぷらでカロテンを効率よくとることができます(図20)。
(図19)
(図19)
(図20)
(図20)
(図18)
(図18)

【お酒を飲む人は】
お酒も過度に飲むと、ビタミンB1、B2、ナイアシン、ビタミンCなどが減ってきますから、補う必要があります(図21)。とりわけアルコール代謝にはB1が必要ですし、アルコール摂取で生成される過酸化脂質の分解にはB2が役立ちます。アルコールを飲んでいるとビタミンCが吸収されにくくなりますから、多めにとりましょう。ナイアシンは魚類に多く含まれています(図22)。お酒のつまみに工夫するとよいでしょう。   (図21)
(図21)
(図22)
(図22)

【ダイエット中の人は】
ダイエットをする人は、カロリー制限を考えて油をとらなくなります。するとビタミンEやカロテンが欠乏しがちです(図23)。また、食べる量が減りますから、ビタミンB群や葉酸を含め、多くのビタミンをバランスよくとりたいものです。 (図23)
(図23)
【食品の働きを探る新しい研究開始】
どんな食品をどれだけ食べれば病気予防に役立つか、新しい研究が始まっています。例えば緑黄色野菜をたくさんとると、がんになりにくいことはわかっていますが、がんになってから自分の食生活の問題に気づくようでは遅いのです。病気を予防するためには、どれくらいがんや、糖尿病、動脈硬化などになりやすいのかを見つけるマーカーが必要になります。そこで、私たちはどれくらいの食事でどういう病気が予防できるのかを知ることができるマーカーを検索するプロジェクトを始めました。このプロジェクトが成功すれば、どんな食事をすれば何パーセントくらい病気になる確率が減るのかがわかりますから、生活習慣病の予防につながると考えています。この研究は5年後くらいまでには、データを示したいと考えています。

病気の予防には毎日の食生活の積み重ねが大切です。自分の食生活のなかで、何が足りないのかを考えて、補うようにしてください。症状が出る前から、こうしたことを考えて食事をすることが大事です。
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