人工心臓装着の女性死亡  昨年、東京女子医大病院で

　東京女子医大病院（新宿区）で治験中の補助人工心臓「エバハート」を装着した都内在住の女性＝当時（４１）＝が昨年１０月に死亡していたことが２２日、分かった。遺族の代理人弁護士が同日、厚生労働省で会見し「基準を満たさず治験が実施された疑いがあり、検証してほしい」と、同病院に第三者調査委員会の設置を申し入れたと発表した。

　東京女子医大広報室は「患者の個人情報で患者側からの要請がなければ内容は話せない。治験については適切に行われていると認識している」としている。

　エバハートをめぐっては、国立循環器病センター（大阪府吹田市）で治験中の少年が死亡、同センターが外部委員を含む調査委員会を設置した。

　女性の遺族の代理人弁護士によると、女性は狭心症で治療中の２００６年５月、急性心筋梗塞で緊急入院し、０７年３月にエバハートの埋め込み手術を受けた。０８年７月にエバハートが原因で胃に穴が開いたことが判明し、緊急手術を受けた。

　女性はその後、敗血症から脳出血を併発し、同年１０月に死亡した。遺族側には治験と死亡の因果関係について説明がないという。