2006-10-31
■ [週刊文春] 読売主筆「不正蓄財」は根拠なし、文春に謝罪広告命令
不正な蓄財をしたかのような記事を週刊文春に掲載され名誉を傷つけられたとして、読売新聞グループ本社の渡辺恒雄会長・主筆が発行元の文芸春秋と同誌編集長に慰謝料などを求めた訴訟の判決が31日、東京地裁であった。
綿引穣裁判長は、「記事は真実と信じる相当な理由がなく、許される推論の域も逸脱し、違法」と述べ、謝罪広告の掲載と慰謝料200万円の支払いを命じた。
週刊文春は、2004年11月18日号と同月25日号で「『10億円不動産』の謎」などの見出しをつけ、渡辺主筆の資産について「収入に比べてあまりにも大きすぎるように見える」などと報じた。
判決は、「原告が不正な蓄財をしていたとうかがわせる資料は一切見当たらない」と認定したうえで、記事が1992年以降に限定して手取り額を推計し、自宅マンションを購入できないとした点について、「92年より前の収入を無視した推測は合理的でない」と指摘した。
また、国税当局が渡辺主筆の資産に関心を持っているとの記述についても、税務調査が行われた形跡がないことなどから、「真実であるとか、真実と信じる相当の理由があったとは認められない」と述べた。
判決は、同様の記事が2度にわたり掲載されたことを重視し、名誉回復のために「不正な蓄財を行っているとの事実は一切存在しませんでした」「週刊文春編集部では、十分な事実の確認を怠ったため、このような記事を掲載してしまいました」「渡辺様にお詫び申し上げるとともに、今後は事実確認を徹底することを誓約します」との謝罪広告を週刊文春に掲載することが必要と判断した。
渡辺恒雄・読売新聞グループ本社主筆の話「ずさんな推計をもとにした事実と全く異なる記事だったことが明確にされた。不正な蓄財をしたように書かれ、新聞社の主筆として大きな被害を受けたが、裁判所が正確に理解し、賠償金に加えて謝罪広告という厳しい判決を出したことに満足している」
【読売新聞】
2006-10-24
■ [週刊現代] JR労組大宮地方本部 名誉毀損で講談社提訴
「週刊現代」の記事で名誉を傷つけられたとして、JR東労組大宮地方本部の長谷川利一委員長が23日までに、発行元の講談社と記事を書いたジャーナリストを相手取り、約140万円の損害賠償と謝罪広告を求める訴訟をさいたま地裁に起こした。
訴状によると、講談社は7月から9月にかけて「週刊現代」に掲載された「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」の連載記事で「テロリスト」など事実に反する表現で、長谷川委員長の名誉を毀損したとしている。
「週刊現代」の加藤晴之編集長は「取材には万全をつくしており、記事の事実関係には絶対の自信を持っている。今後は法廷でも、キャンペーンの正当性、連載記事の真実性を証明していきたい」とした。
【産経新聞】
2006-10-20
2006-10-19
■ [週刊新潮] 父親が実名報道の新潮に抗議 筑前いじめ自殺
福岡県筑前町のいじめ自殺問題を報じた19日発売の週刊新潮について、自殺した男子生徒(13)の父親(40)が同日までに、意に反して実名報道されたなどとして発行元の新潮社に出版差し止めを求める抗議文を送った。
記事は「中2生徒を『自殺』に追い込んだ『いじめ教師』の素顔」のタイトルで、男子生徒と、一年生の時の担任でいじめを誘発する言動をした男性教諭(47)をそれぞれ実名で報じた。教諭の顔写真も掲載した。
父親によると、抗議文は18日、弁護士を通じてファクスと内容証明郵便で送った。父親は「息子を実名で報道していることが非常に不満だ。記事に書かれたいじめの中身にも間違いがある」と話した。
男子生徒の自殺が判明した13日以降、父親は生徒や家族を匿名で報じることと、取材時に自らの顔を撮影しないことを地元の報道各社に要望していた。
【中国新聞】
2006-10-18
■ [週刊新潮] 広告による名誉棄損認定 新潮社が逆転敗訴
斎藤明前毎日新聞社長の監禁事件を報じた「週刊新潮」の記事や広告などで名誉を傷つけられたとして、同社と前社長が新潮社などに約4900万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は18日、請求棄却の1審東京地裁判決を変更、新潮社側に100万円の支払いを命じた。
小林克巳裁判長は「記事には公益性があり、重要部分も真実だが、記事の見出しだけを載せた中づり広告などは誇張の限度を超え、前社長の名誉を棄損した。広告だけ見る人が圧倒的に多く、社会的評価の低下は避けがたい」と判断した。名誉回復記事の掲載や毎日新聞社の請求は退けた。
判決によると、週刊新潮2004年3月11日号は同年1月に発生した斎藤前社長の監禁事件に関する記事を掲載。広告を新聞に載せたり、電車内に掲示したりした。
【秋田魁新報】