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メディカルスクールで厚労、文科省の合同検討会を

 日本病院会や日本精神科病院協会などでつくる四病院団体協議会のメディカルスクール検討委員会は1月22日、昨年10月にまとめた報告書の発表会を東京都内で開いた。基調講演後に開催されたシンポジウムであいさつした山崎學委員長(日精協副会長)は、「できれば厚生労働省と文部科学省を中心に、(メディカルスクールの)制度をつくるかつくらないかという検討会をぜひともスタートさせてほしいという提案を、この(四病協の)検討委で出したいと思っている」と述べ、医師の臨床研修制度と養成機関をそれぞれ所管する両省合同の検討会設置を求める意向を示した。

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 「医療の原点」と題して行われた基調講演では、米国の医療行政に詳しい中田力委員(新潟大脳研究所統合脳機能研究センター長)が、日米英の医療政策の違いなどを説明。
 日本では「良心的な医者であればあるほど、行き詰まる状態を生んでいる」とした上で、チーム医療やハイテク化などが進んだ現代の医療では、「いい医者、いい病院という概念があってはならない。“神の手”は要らない」と訴えた。
 さらに、現在の日本の医療は「末期症状だ」と強調。その“応急処置”として、「まず病院医療を守るため、とにかく金を使うのが第一の対策」と指摘した。同時に「単なる資格制度ではない、正しい専門医制度が必要だ」とも述べ、専門医制度をつくるための委員会を内閣府に設置することを提言した。

■「名称にこだわりはない」―山崎委員長

 シンポジウムには、山崎委員長、中田委員、本田宏委員(済生会栗橋病院副院長)ら7人の委員に加え、自民党衆院議員の鴨下一郎氏(前環境相)もパネラーとして参加した。

 鴨下氏は冒頭、直前に入手したという厚労省側のメディカルスクールに関する見解について説明し、「皆さんが検討会でまとめたのとほとんど同じだった」と述べた。
 同省側は制度の評価点として、▽医師になるモチベーションを強く持つ人が入学する▽効率的で質の高い医学教育ができる▽病院に併設すれば臨床志向の強い医師の養成ができる―などを列挙。一方で、問題点として、▽学士編入制度導入で優れた臨床医育成の評価が得られていない▽医師養成課程が2種類になることが“ダブルスタンダード”を生む▽医師の質に差が生じ、医療現場が混乱する▽恒常的に養成数が増加する―などを挙げている。

 山崎委員長は報告書の委員長総括として、▽6年制と4年制のダブルスタンダード問題▽メディカルスクールの名称▽基礎医学研究者減少の懸念▽教育費用の捻出(ねんしゅつ)―の4つの論点に対する見解を表明。
 2つの医師養成課程が同時に存在する点については、「現在の学士入学の制度で、3年から編入して6年で卒業して、医学士というふうな制度があるわけだから、新たに全入制の医学士制度をつくるということの変形であっても、決してダブルスタンダードにはならないのではないか」との認識を示した。名称については、「制度をつくることが重要なのであって、言葉にこだわりはない」と述べた。
 「メディカルスクールは臨床医をつくるだけではないか」との批判に対しては、優秀な基礎医学研究者の育成で学費免除や生活費助成などを行っている米国のような制度の導入で、問題が解決できるとした。また教育費用の捻出に関しては、州出身者とそれ以外の学生で学費を差別化している米カリフォルニア州の例を挙げ、各都道府県の奨学金制度の活用などに期待感を示した。


更新:2009/01/22 22:31   キャリアブレイン

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