情報公開と言えば、行政が出す黒塗りの文書がおなじみ。でも今度のやつはなかなかお目にかかれないほど真っ黒。もう少し出しようがあるでしょう、とあきれた。

▼福岡県筑前町で昨年１０月起きた中学生のいじめによる自殺。両親が法務局に調査記録の公開を求めていた。いじめに関する聞き取り調査の内容だが、遺族からの聴取部分を除いては真っ黒。ご丁寧に一番下のページ数の所も黒塗りしてある。「何も教えたくありません」と書いてあるのと同じ。公開したら、「同様の事件が起きた場合に調査がやりにくくなる」というのが理由らしい。

▼そりゃ、何も出さない方が仕事は楽に決まっている。情報を持つ当事者が「どこまで公開するか」の決定権者にもなっているから、こんなことが起きる。お役所の「殻」は固く厚い。

＝2007/11/17付 西日本新聞朝刊＝