21日の都選挙管理委員会で、任期満了(7月22日)に伴う都議選の日程が7月3日告示、12日投開票と決まった。定数の127議席をめぐり、全42選挙区で厳しい選挙戦が繰り広げられそうだ。主要政党の幹部は「国政選挙とは関係なく戦う」と口をそろえるが、衆院選の実施時期によって大きな影響が出かねず、万全の態勢で臨む考えだ。【江畑佳明、木村健二】
■自民=現有48議席
昨年10月から立候補予定者の公認を始め、現在53人。豊島区、小金井市、昭島市の3選挙区は未定だが、全選挙区に公認候補を擁立する方針だ。板橋区で候補を公募しているほか、既に候補がいる選挙区も追加公認を検討する。都連は昨年11月28日に衆院選と都議選の合同選対本部を設置し、都議会の高島直樹幹事長は「投票日に向け全精力を注ぐ」と話す。
■民主=現有34議席
前回、第2党に躍進し、さらなる議席増を狙う。新銀行東京への追加出資問題や五輪開催計画などを巡り、石原都政・与党側との対立色を強めている。現段階で33選挙区に43人を公認しているが、全選挙区で候補者を擁立する方針。田中良幹事長は「停滞する都政の打開を目指す」と話している。
■公明=現有22議席
自民とともに与党として石原都政を支えてきた。昨年7月までに23人の公認を決め、06年7月に議員の死去で1減となった世田谷区には新人を擁立した。前回の05年まで4回連続の全員当選を果たしており、今回も「完勝」が至上命題。支持母体の創価学会の本部を都内に抱え、都議選は地方選の中でも特別視されている。都議会の中島義雄幹事長は「候補全員の議席を確保する」と力説する。
■共産=現有13議席
新銀行東京問題などで石原都政・与党側を厳しく批判してきた。既に22選挙区で23人を公認したが、引き続き擁立を目指し、議席上乗せを図りたい考えだ。吉田信夫幹事長は「衆院選の時期がいつにせよ、国政選と都議選を一体ととらえ、両方で庶民の暮らしを守ることを訴えていく」と強調した。
■生活者ネット=現有4議席
既に6人を公認し、全員当選を目指す。大西由紀子幹事長は「大政党による政権争いの流れにのみ込まれないよう、生活者重視の点から存在感を示していく」と話した。
21日の都選管は、採決で選挙期日を決める異例の展開となった。事務局は「期日についての採決は聞いたことがない」と話している。
都選管の委員は計4人。事務局は「3日告示、12日投開票」を提案したが、別の委員が「これまで非公式な協議の中で『(投開票期日が)5日』と内定していた」と反対。採決に持ち込まれ、事務局案に賛成3・反対1で決定した。
都選管の委員は都議会の各会派が推薦し、議員の投票で決まるため、各政党の意向が反映されやすい。早い時期の選挙で民意を問いたい野党側と、春に衆院の解散・総選挙があった場合に都議選までの期間をなるべく空けて影響を少なくしたい与党側との思惑の違いが浮き彫りとなった形だ。【江畑佳明】
毎日新聞 2009年1月22日 地方版