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2004/07/02 00:06 更新
「HDDウォークマンは半年、1年でiPodを追い抜く」――ソニー・安藤社長
ウォークマン発売から25年。初めて「ウォークマン」の名を冠したHDD搭載プレーヤー「NW-HD1」が発売される。ソニー代表執行役社長の安藤国威氏は、「HDDウォークマンは半年、1年でiPodを追い抜く」「一社独占状態への挑戦だ」と、自信を示す
ウォークマン(TPS-L2)の発売から25年。この発売25周年を記念してのイベントで、ソニー代表執行役社長の安藤国威氏は新発売となったHDD搭載ウォークマン「NW-HD1」を、「HDD搭載は大きな流れに沿ったもの。(HDD搭載タイプの投入で)ラインナップは一応の完成を見せた」と評し、ライバルと目されるアップルのiPodについても、「HDDウォークマンは半年、1年でiPodを追い抜く」「一社独占状態への挑戦だ」と強気を見せた。
「HDDウォークマンは半年、1年でiPodを追い抜く」と安藤国威社長。携帯プレーヤーと携帯電話との融合に関しても、「携帯電話へのHDD搭載は必然的な流れ。具体的なことは言えないが、検討している」
NW-HD1について、「自信はある。“やっぱりソニーが5割のシェアを握ったか”と言われる世界がすぐに来ると思う(笑)」。iPodについては、「電池寿命や検索性、操作性など、われわれの目から見ればまだまだ手を入れるところはある」と自信のコメント。
新発売のHDD搭載ウォークマン「NW-HD1」
同社は発表されたNW-HD1を始め、VAIO Pocket(VGF-AP1)、ポータブルビデオプレーヤーPCVA-HVP20など、HDDを搭載したポータブルデバイスをいくつかリリースしている。それぞれに特徴はあるものの、“HDDを搭載したメディアプレーヤー”である点は共通しており、ユーザーに分かりにくさを与えている。
この点について安藤氏は「個人の好みはそれぞれ異なり、一つの商品でカバーするのは難しい。発売している商品は、それぞれユーザーニーズの切り取り方が異なっている」と主張。
同時に発売すればユーザーが比較検討しやすいのでは?という意見には、「開発スピードの問題もあり、(同じような使い方ができる商品でも)発売時期をそろえることは難しい。それに、ターゲットとするユーザー層が異なるならば、同時期に発売する必要もない」。ユーザーから見ると“混乱”にしか見えない製品リリースのやり方も、ポリシーを持って臨んでいると反論した。
同イベントで行われたトークセッションには、自身もCDウォークマンを愛用するという鳥越俊太郎氏が司会として登場。出席者として、ソニー執行役副社長兼COOの高篠静雄氏、ソニーマーケティング代表取締役 宮下次衛氏、ソニーパーソナルオーディオカンパニープレジデントの福島貴司氏、エイベックスネットワーク代表取締役の前田治昌氏らが名を連ねた。
左から鳥越俊太郎氏、高篠氏、福島氏、宮下氏、前田氏
「NW-HD1はiPodと比べてどうなんでしょう?」という鳥越氏の質問に、福島氏が「いいモノです!(笑)」と力説。「電池が長持ちして、胸ポケットに入って、落としても大丈夫。そうでなければ、ウォークマンとは言えないです」と持論を展開する一幕も。
会場にはこれまでに発売された様々なウォークマンが。写真左は初代ウォークマン「TPS-L2」、右は初代CDウォークマン「D-50」
初代MDウォークマン「MZ-1」、初代ネットワークウォークマン「NW-MS7」
TPS-L2(カセットテープ)とNW-MS77DR(シリコンストレージ)の分解模型(上)。基板の作り(下)に時代を感じる
[渡邊宏,ITmedia]
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