先日、生まれて初めての体験をした。見知らぬ女性に声を掛けられ、「もしかして花澤さんですか。ファンです」。状況が理解できず、かなりうろたえた。
理由を聞くと、記事の署名で名前を覚え、注目して読んでいただいているとのこと。写真を掲載したこともあり、顔も覚えていてくれた。恥ずかしい半面、うれしかった。署名記事が書ける毎日新聞の記者ならではと思った。
ただ、ミスと誤解から結果的に人を傷つける記事を書き、本人から呼び出されて怒られた苦い経験もある。この署名記事で、一人でも多くの人の心を温かくすることができたら。年の初めにそんなことを願った。(花澤)
毎日新聞 2009年1月11日 地方版