十勝毎日新聞社ニュース
刑法犯4年連続過去最少 帯広署管内認知件数2138件
2009年01月22日 13時52分
住民巡回実る 侵入盗が大幅減 車上狙い詐欺は増
2008年の帯広署刑法犯認知件数は前年より87件少ない2138件で、1956年(昭和31年)以降の最少記録を4年連続で更新した。前年比減は5年連続で、4年続けて3000件の大台を割り込んだ。検挙率は10ポイントアップの46・5%。同署は「余罪多数の容疑者逮捕が検挙率アップにつながった。民間ボランティアの熱心な活動が、犯罪発生を抑止しているのでは」とみている。
刑法犯全体の8割を占める窃盗犯は前年比23件減の1751件。
このうち侵入盗(空き巣や事務所荒らしなど)は272件で100件(26.9%)の大幅減。空き巣は112件でほぼ半減。04年以降220件を超す空き巣を繰り返していた男を昨年3月に逮捕したことなどが、件数減の主な要因。
重要犯罪(殺人、強盗、強制わいせつなど)は4件減の22件、凶悪犯罪(殺人、強盗など)は前年と同じ10件。粗暴犯罪(傷害、暴行など)は4件増の91件。知能犯罪(詐欺、文書偽造など)は17件増の104件で、特に詐欺は15件増えて94件に。振り込め詐欺は43件で被害額は約3000万円に上った。
同署は04年から「犯罪抑止対策プロジェクトチーム」を発足させ、街頭犯罪の抑止策を展開している。スーパーやパチンコ店の駐車場で犯罪を警戒する「セーフティー・パーキング・ラリー」も継続中で約120団体が参加。地域ボランティアによる「自主防犯パトロール隊」には142団体、「青色回転灯装備車両による防犯パトロール」には141団体が登録するなど、全道1、2位の数を誇る。
今年も民間団体の協力を得ながら防犯活動を展開する方針で、同署は「万引きは大きな犯罪にエスカレートすることが少なくない。小さいうちに犯罪の芽を摘み取れるよう取り締まっていく」と話している。
(吉良敦)