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中国を感動させた「裸足の韓国人医師」

キム・ソンジン博士(中央)が中国山東省青島市の赤十字社韓中博愛奉仕団所属の中国人医師たちと、農村を対象にした無料診療の計画を立てている(写真提供=赤十字社韓中博愛奉仕団)。
 中国では最近、医療制度の改革が進められている。庶民にとって病院の敷居は高く、治療費があまりにも高いからだ。中国人たちはこのような現実を「看病難看病貴」と呼んでいる。そんな中国で毎週末、薬を背負い病院のない田舎の村を訪ね、無料で診療している「赤脚の韓国人医師」がいる。「赤脚」とは中国語で「裸足で走る」という意味だ。

 9年前から中国山東省青島市に暮らしているキム・ソンジン博士(80)。中国共産党の機関紙「人民日報」の電子新聞は13日、「キム博士は韓国で呼吸器を専門とする医学博士だったが、中国に来て裸足の医師になった」と報じた。また、キム博士は6年間、毎週土・日曜日を利用し、青島付近の20の田舎町を歩き回り無料で医療ボランティアをしており、青島の田舎の人々は、誰もがキム博士を「韓国朗中(尊敬を込めて医師を呼ぶ言葉)」と呼ぶと紹介した。

 「引退した後、2000年に青島に来ました。最初は1年間だけのつもりだったんですが…」

 13日午前に行われた電話インタビューで、キム博士はこのように話した。釜山ワレス浸礼病院の院長だったキム博士は、医療ボランティアのために青島を訪問するようになり、2000年に退職した後、完全に青島に定住するようになったという。「看病難看病貴」現象が深刻な中国の農村では、医療ボランティアを必要としていると思ったからだ。

 青島市市立病院国際診療科で医師として働きながら、山東省衛生庁管理顧問になったキム博士は、毎週土曜日になると人知れずリュックいっぱいに薬を詰め込み、膠州、平度、莱西など青島付近の農村地域の郷や村などを訪ね、無料で診療するようになった。

 すでに80歳を超えているが、まだ携帯電話の声もはっきり聞こえるというキム博士は、「最近は一人ではなく、中国人と韓国人の医師30-40人と一緒に訪問するようにしている」と話した。キム博士の「裸足の医師」のうわさが広がると、同行を志願する医師が増えたからだ。医療ボランティアの費用は、古着や古いアクセサリーを集めて売る、青島市内のリサイクルショップ「幸せな店」の収益を使用している。

 平壌出身のキム博士は「チャン・ギリョ博士がわたしの精神的な師匠」と話した。キム博士と同じく北朝鮮が故郷の故チャン・ギリョ博士は韓国戦争(朝鮮戦争)中の1951年、釜山にテントの無料診療所を設立し、45年間にわたり治療費を支払えない人々の治療に専念した。

北京=朴勝俊(パク・スンジュン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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