県立病院・地域診療センターの入院ベッド廃止(無床化)問題で、県医療局は20日夜、九戸村内で住民代表らと懇談会を開き、九戸地域診療センターについて、休日・夜間も医師を配置する方針で検討を進めていることを明らかにした。同局は地域の実情に合わせて対応策を示し理解を求める考えだが、住民らに反対意見が根強く、議論は平行線となった。
村内には開業医がおらず、無床化が実施されると、休日・夜間は「無医村」になるという危機感がある。懇談会では、地域婦人団体協議会の佐々木トマ会長が、10年前母親が夜間に脳血栓で倒れたが、県立伊保内病院(当時)で応急手当てを受けたお陰で後遺症がなく無事だった例を挙げ、「開業医がいる地域と同じような案はおかしい」と語った。
医療局は「土日・夜間について何らかの対応ができないか考えたい」と回答。根子忠美・経営改革監は「医師を派遣することになる二戸病院と協議する」と話した。
懇談会後、住民からは「地域から医師がいなくなるとますます過疎化が進む。子供を育てる立場でも必要だ」(保大木信子・村PTA連合会副会長)といった声が上がった。【山口圭一】
毎日新聞 2009年1月22日 地方版