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日本社会に拡大する「反新自由主義」(下)

◆雇用に敏感な日本の反動

 また舛添要一厚生労働相も今月5日、「自分は製造業への派遣労働を存続させた方がいいのか、今も悩んでいる」と公の席で語っている。政府と自民党の内部では、派遣労働を禁止すれば、▲日本企業の国際競争力が低下する▲失業者がさらに増える可能性がある―などとして慎重な見方が今も多数を占める。財界からも派遣労働の維持を求める声は根強い。しかし政府と自民党内部でも今の制度を補完する必要については多くが認めており、かなりの修正が行われるのは避けられない見通しだ。

 日本では小泉政権時代の2004年、製造業に対しても1年を限度として派遣労働を認め、2007年にはこれを3年に延長した。派遣労働は2000年ごろから急激に増加し、現在は就業者全体の3分の1に達すると推定されている。しかし経済危機が起こってからの解雇は、そのほとんどが派遣労働者に集中している。

◆雇用を重視する日本従来の姿に戻るべき

 小泉改革路線に大きな影響を及ぼした、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの中谷巌理事長(65)のざんげ録といわれる『資本主義はなぜ自壊したのか』が、1カ月で10万部以上も売れた。これも新自由主義に対する反動の動きととらえられている。この本は自らが叫んできた米国式資本自由主義からの転向を宣言するという内容だ。中谷氏はこの本で、「かつてハーバード大学に留学していた当時、米国の豊かさに圧倒された」「市場がしっかりと機能すれば幸福な社会が実現する、という新自由主義を信奉するようになった」と告白し、「改革を全面的に否定するわけではないが、再検討する必要はあるだろう」と主張している。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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