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【ページの目次】
- 健康だより『冬の健康管理について』
- 明日に向かって〜差別をなくしていくために〜『インターネット上の差別事象に対し、今求められていること』
- 国際交流員サミュエル・アネスリーの世界見聞録−Part8−『感謝祭って、大売り出しじゃないの?!』
- 聴診器 市民病院だより 『ピロリ菌の除菌について』
健康だより『冬の健康管理について』
伊賀地方にも冬が近づいてきましたが、皆さんお元気ですか?今回は、寒い冬を元気に過ごすためのポイントを紹介します。
☆環境☆
風邪などを引き起こすウイルスは、低温で乾燥した場所を好みます。例えば、インフルエンザウイルスは、湿度50%の環境では約10時間でほぼ全滅しますが、湿度35%以下だと1日たっても生存しているといわれています。加湿をしていない部屋の湿度は、冬場には20%程度になることもあります。室温は20℃前後、湿度は50%から60%以上に保つよう、加湿器を使ったり洗濯物を室内で干すなど、工夫しましょう。
冬の寒さは、血管を収縮させて血圧を上げます。また、寒さだけでなく温度差も血管に大きな負担をかけます。温度差が大きいと血管の拡張と収縮が急激に行われるため、血圧が大きく変動して心臓や脳血管の障がいを引き起こす心配があります。暖かいところから寒いところに移動する時は深呼吸をして血管への負担を軽減し、衣服を調節して保温しましょう。
☆入浴☆
寒くなると血液の循環が悪くなり、手足や腰などが冷えやすくなるので、ゆっくりお風呂につかることをお勧めします。38℃から40℃ぐらいのぬるめのお湯に10分から15分程度ゆっくりつかると、全身が温まって血液の循環が良くなり、疲労を回復させます。ただし、血圧が高い時や降圧剤の内服直後、食事や運動の直後は控えましょう。また、脱衣室や浴室を暖かくしておくこと、入浴後は水分補給をすることも大切です。
☆衣服☆
衣服は軽くふっくらとしていて、空気をため込むタイプのものをお勧めします。空気の層によって、体温と外気が遮断されて保温効果が高くなります。また、厚手のもの1枚より、薄手のものを重ね着する方が、保温に効果的です。首や袖、足元など衣服の開口部をしっかりふさぐと、体の熱が逃げにくくなり、保温効果が高まります。マフラーや手袋・靴下・レッグウォーマーなどを上手に使いましょう。
本庁健康推進課
保健師 山本裕美子
明日に向かって〜差別をなくしていくために〜
『インターネット上の差別事象に対し、今求められていること』
インターネット上の差別・人権侵害事象については、このコラムでも何度かとりあげてきました。昨年度から名張市・三重県と連携し、実態把握をしながら広域で取り組んでおり、昨年度把握できただけで、伊賀地域の児童生徒の名前を出し、誹謗中傷する書込みなどが携帯サイトで129件、同和地区名や同和地区出身者に対する差別書込みなどが119件ありました。これらの書込みに対しサイト管理者へ削除依頼を出すとともに、学校や関係機関と連携し対応してきました。
そうした中でわかってきたことは、個人名をあげて誹謗中傷している書込みについては、削除依頼を出せば95%以上消されるのに、差別書込みについてはそのほとんどが消されないということです。それはなぜかというと、差別を規制する法律がないからです。個人に対する誹謗中傷は本人が名誉毀損などで訴えれば警察が捜査し、また書き込んだ人物を特定し、書込みを消すこともできます。しかし、差別書込みに対してはなすすべがなく、法務局からの削除要請でさえも削除の判断はサイト管理者に委ねられている状態です。
ネット上には、同和地区出身者や障がいのある人、在日韓国・朝鮮人など社会的少数派の人たちを侮蔑する卑劣極まりない書込みが無数にあり、はじめて見た時怖さで体が震えました。やがてその震えが怒りに変わり、放置するサイト管理者へその怒りの矛先を向けても、事態は何も変わらない歯がゆさに、いても立ってもいられませんでした。
表現の自由も大切な権利ですが、人権を侵害する自由や権利はないはずです。こうした人を傷つける書込みが大量に放置されると、これを見た人が差別意識を刷り込まれ新たな差別を広げていき、一方で差別者が特定できない憤りを感じ深く傷ついていく人がいます。このようなことは絶対に許されるべきことではありません。
こうした問題を解決するには、ネット上の問題に限らず、人権同和教育・啓発と地域での差別・人権侵害を許さない取り組みとあわせ、国際的にも日本に求められている、差別を禁止して人権侵害を受けた人を救済する法律が必要であり、一刻も早い制定を強く求めていかなければなりません。
(本庁人権政策課)
■このコラムは毎回いろいろなテーマで人権についてお話しています。
ご意見などは本庁人権政策課 電話22-9631 Eメ−ルjinken@city.iga.lg.jpへ
国際交流員サミュエル・アネスリーの世界見聞録−Part8−
『感謝祭って、大売り出しじゃないの?!』
大部分の人々が農業で暮らしていた昔から、世界中に「収穫の祭り」があります。日本でも秋の収穫祭が各地で開催されていますね。イギリスには「Harvest Festival」(ハ−ベスト フェスティバル・収穫祭)、アメリカとカナダには「Thanksgiving Day」(サンクスギビングデー・感謝祭)という祭りがあります。この伝統はケルト民族の8月2日の「Lammas」(ラッマス)という祭りから来たといわれています。「Lammas」は穀物に関係ある祭りで、ケルトの収穫祭が始まると、秋の訪れを実感します。人間が、食べ物やその食べ物をつくる土地に感謝する祭りです。
「Lammas」という名前は古英語の「パンの塊」の意味の言葉から来ていて、現在の「Lammas」の祭りでも、イギリスのキリスト教の教会で行っている収穫祭の礼拝でも、パンは大切な役割をします。収穫祭のときは、穀物の形に作ったパンや野菜、フルーツ、花を一緒に陳列します。ささげものとして、食べ物を供えます。歌を歌ったり、お祈りをしたりする収穫祭の後、集ったものを慈善団体や老人ホームに寄付します。
アメリカの「感謝祭」は「Lammas」という祭りやイギリスの「収穫祭」の伝統から来るそうです。1621年に、「アメリカ」での初めての収穫の後、植民地の知事が感謝したり祈ったりする日を公布しました。また、1623年、干ばつの間、断食したり祈ったりしたら雨が降ってきたので、その日が、感謝する日になりました。今日の「Thanksgiving Day」は毎年11月の第4木曜日で、祝日になり、家庭で伝統的な食事をして祝います。カナダの「Thanksgiving Day」は10月の第2月曜日に祝います。
北アメリカでも「収穫祭」があります。イギリスの「収穫祭」と違って、1種類の収穫物を祝う祭りが多いです。例えば、ミシガン州のサクランボの祭りもその一つです。また、世界中の花の祭りも多いです。バージン諸島では10月25日にハリケーンの季節の終わりを祝うための感謝祭があります。この記事を書いている時も、台風で雨が多く、低い雲で山が見えなくなっていたので、台風が終わることを感謝するのはいいアイディアかなと思いました。世界中の誰でも、感謝する理由がいっぱいありますね!
聴診器 市民病院だより 『ピロリ菌の除菌について』
ピロリ菌(ヘリコバクターピロリ)は胃粘膜に感染し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍に関連するとされています。その感染経路ははっきりとはしていませんが、経口感染と言われています。感染は幼少期に起こるとされており、口移しで幼児へ食べ物を与えるなどの行為は感染のリスクとなります。40歳以上では70〜80%が感染しているといわれますが、そのうち2〜3%が潰瘍になります。また、胃癌の患者さんはピロリ菌の感染率が高く、胃癌とピロリ菌についても研究が進められています。
ピロリ菌に感染した人の中で胃潰瘍や十二指腸潰瘍になった患者さんには除菌療法が勧められます。除菌療法は2種類の抗生剤と胃酸の分泌を抑える薬を7日間飲むことにより行われます。除菌が成功すると潰瘍の再発率は低くなります。しかし除菌成功率は80〜90%、つまり10人に1人か2人は除菌に失敗します。そのような人はこれまでは潰瘍の薬を飲み続けなければいけませんでした。しかし昨年、このような除菌失敗の患者さんに再度除菌治療ができるようになりました。2次除菌といいます。前回とは抗生剤の種類が違いますが、2種類の抗生剤と胃酸の分泌を抑える薬を7日間飲むことは同じです。除菌治療中の注意点としては、薬の飲み忘れに十分注意してください。不完全な除菌療法は、抗生剤に耐性をもつピロリ菌の増加につながります。除菌療法の副作用として下痢、軟便(34%)、味覚異常(13%)などの症状があらわれることがあります。軽い症状の場合は、自分の判断で薬を飲むのをやめず最後まで飲み続けてください。症状がひどくなったときには主治医に相談してください。
除菌に失敗し、あきらめていた方は主治医にご相談ください。
内科医師
福家(ふけ)洋之
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