◆[天童市]鍬ノ町・舞鶴山 彼岸入りの夕暮れ(2008平成20年9月20日撮影)
「西陽まぶしくて顔しかめで歩がんなねし、本も焼げっから窓側さ置がんね」 秋に入り気が弱くなってきたのか、太陽は高いとこらから強烈な視線を注ぐよりも、 舞鶴山の際から柔和な表情を覗かせることが多くなった。 |
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二本の角を西日に照らされた天蓋は、夏の残り香を楽しむ人々を静かに見守る。 |
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将棋の町天童には、至る所にこれでもかというほど将棋由来のオブジェが配置されている。 心を押し殺し黙って空を眺めるオブジェにも、そっと西日と秋は忍び寄る。 |
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霧のように立ちこめる噴水に日差しが混ざり合い、子供たちの歓声が絡みつく。 |
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「この噴水性格悪れぇ、突然出でくるんだもぉ」 子供たちの足元から伸びてくる影が、噴き出した噴水にぶつかっては歓声とともに離れてゆく。 |
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「手のひらこちょびたいぃ」 出る釘は打たれるし、出る噴水もふさがれる。 |
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ワッと飛びだし真夏の日差しと格闘しようと思ったら、あっという間に秋の柔らかい日差しに包まれ、 振り上げた拳をどこに降ろそうか噴水は迷ってしまう。 |
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洋菓子屋さん・本屋さん・スーパーにドラッグストア。 あらゆる生活必需店が緑の中にゆったり点在する快適さ。 |
日も暮れかかり、黒々とした枝を空へ広げて闇を待つ。 |
夏の日の勢いが失せた葉っぱは、家路を急ぐ車が巻き起こす風に翻弄されて所在なげにフルフル揺れる。 |
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「こごは日本の、しかも山形のはずだげんと・・・」 疑似欧風がポコポコ出現する街並み。 現代人は欧風を受け入れる心の寛容さがあるとみればいいのか、心が貧しいから疑似欧風に飛びついてしまうと考えるべきか。 |
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舞鶴山に沈もうとする太陽は、ビルのガラス面へ弱々しくへばりつき、やがて漆黒の闇に掃がされて黒々と塗り替えられる。 |
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太陽が舞鶴山の影に隠れた途端、空に残る光は一目散に逃げ出し始め、地上には急速に闇が忍び寄る。 |
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「洋菓子屋さんまで直接バス行ぐのが?」 一瞬、次のバス停は「不二家」だと思ってしまった。 |
薄青い空に浮かぶは、電線と蜘蛛。 |
「ほっだい急いで、どさ帰んのやぁ」 まだ太陽と戯れていたい紅葉は、恨めしげに空へ葉を伸ばす。 |
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舞鶴山に抱かれた愛宕沼の畔に夕闇が迫る。 何も気づかないミラーに、背後から蔓モンスターが迫る。 |
愛宕沼の水面に帰りそびれた光が漂う。 蜘蛛はピクリとも動かず、秋風の察知に余念がない。 |
山陰の路地裏で、オレンジ色の花びらに一息吹きかけてみる。 秋の夜長を迎えようとする花びらは、迷惑げにフルリと一回首を振る。 |
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急速に光を失い始める天童市街。 信号機だけが我関せずと明滅する。 |
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車のウインドウに張り付いた街並みが静かに色を失い始める。 そろそろ舞鶴山に登って、天童の夜景を心に焼き付けるとするか。 |
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※暮れゆく街並みを眺めるのに言葉はいらない。 よって、いつものようにここから下は時間のみ記します。 |
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[17:48]舞鶴山から北方(天童市街と東根方面)を望む。 |
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[17:52]右上に東根の若木山が見える。 |
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[17:53]闇に浮かぶ天童中部小。後方の闇に点々と見える光は山形空港。 |
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[17:55]天童の温泉街と奥羽の山並み。 |
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[18:06]北西の方向に天童市スポーツセンターが浮かび上がる。 |
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[18:32] 「うわぁ、砕いだガラスば散りばめだみだいだぁ」 「んだっだべよ、ガラスのハートが砕がっだがら、こごさ来たんだべず」 |