平成4年9月1日(月)
第28回厚生省交渉参加の記録
<交渉団側参加者16名 (内会員8名)>
本谷晴志・伊藤節子・窪田吹子・勝村久司・勝村理栄・藤井真由美・山岸達男・出元
<厚生省側参加者3名>
平山 一男(薬務局安全課 室長)
広木 雅史( 〃 企画課医薬品副作用被害対策室 主査)
関根 豊( 〃 〃 係長)
〔陣痛促進剤についての質問〕
1 我々は、前回陣痛促進剤の使用基準が能書と日母とでは異なることを指摘し、厚生省が日母と話し合う事を求めた。その話し合いが行なわれている事を前提に次の点を伺いたい。この違いは何によるものと理解したのか明らかにされたい。日母発行の「産婦人科医療事故防止のために」の中で、この陣痛促進剤の使用基準が何を根拠に書かれたと理解されたか。緊急に品目指定する必要性についてどのように考えられたか。
陣痛促進剤の使用基準について能書改定の必要性をどの様に考えられたか。分娩監視装置の使用義務づけについてどの様に考えられたか。
2 陣痛促進剤の副作用で医薬品副救済基金に、これまで請求している件数、及び支給決定数をオキシトシン、プロスタグランディンに分けて明らかにされたい。
3 陣痛促進剤は、計画分娩に決定的役割を果たしている。その利用実態は乱用といっても過言ではない。これは、医薬品である以上、医学的に必要な症例にのみ限定使用するよう能書の改訂を要求する。
4 製薬企業に対して行なわれた日母との用量の違いについて求釈明結果を明らかにされたい。又、この薬剤の生産量と使用量はどの位であるかについても明らかにされたい。
5 ブロスタグランディンとオキシトシンを追加使用ではなく、当初から混合させて使用する事が認められているのか明らかにされたい。
厚生省側参加者は、前回に引き続き薬務局安全課の平山室長と医薬品副作用基金の係官2名であった。交渉団会員は8名で、遠くは山口から駆け付けて頂き、前回よりも活気のある「会議」となった。11時から交渉に入った。
(厚)これについては、前回日母発行の「産婦人科医療事故防止のために」という一種の使用基準みたいなものをそちらの方から頂きまして、私の方も知らなかったわけですが、それを読んで日母の方にお話をした結果、これまでは内部資料という形で扱っていたけれども厚生省の方にもコピーが渡ったのであれば正式に提出します、と日母の方からも正式に頂きました。従いまして、その中身と日母との話し合いをやっていますが、それ以外に広く専門家の意見を検討中です。検討中の段階ですので色んな詳しい中身につきましては、お話できません。要するに時間を頂きたい。4月の段階で初めて知りましてそれからやっているわけでから。
(交)これまで何回くらい話し合いの場を持たれたのですか?
(厚)数回もってますけどね。今後も持つつもりでおります。中身については、話し合いの途中ですからそれにお答えできません。
(交)数回というのは、2回も数回、5回も数回なんで、できれば確かな数字を。
(厚)そんなこと言う必要ないと思います。
(交)ですけど、現在四ヶ月半経過しているわけです。その間に何回話し合いしたかということを・・・。
(厚)日に何回とか、午前と午後と2回やるのと、今月やって来月やるのとは違うでしょ。(交)じゃあ、何日話したか教えて下さいよ。
(厚)それは申し上げられません。
(交)そんなこと・・・。
(厚)検討中ですから。検討結果を見てからその話はして下さい。今、議論してもしようがないでしょう。
(交)議論するのではなくて、どの程度進んでいるのかを。
(厚)それは、今検討中の段階ですので、今は答えることはできません。
(交)こういうふうに理解したので、こういう方向で検討中ということを。
(厚)それはまだ検討中です。理解も何も、勉強しなければわかりませんから。
(交)じゃあ、まだ勉強もしていないし理解もしていない。
(厚)勉強中です、今。ある人が言ったからと言ってそれを鵜呑みにする訳にはいきませんから、色んな人の意見を聞きながらやっている訳ですから。どこに落ち着くかってのは今勉強中ですから、わかりません。
(交)勉強中てのはよくわかりますけれど、たとえば(話し合いを)5回も6回も持っているとか、午前中も午後もやっているとなると、こちらも誠意がよくわかるわけですよ。一つの目安として何回位持たれたのかと言う、素朴な質問なんですよ。
(厚)中身のやり方についてはこちらにお任せ頂きたい訳ですよ。
(交)やり方はお任せしたと。ところが1回30分ほどジュースでも飲みながら語りあったのが検討したことになるって事もあるわけよ。
(厚)回数とか時間の問題ではなくて話し合いの中身だと思いますのでそれはそんな事で参考になるとか、ならないとか・・・。
(交)知らない間に勉強会開いたとかやってるけど私らにはわからんわけよ。2・3年前に副作用被害を調査したいということを言っておきながら、全然誠意がなかった。平山さんを疑うのは、申し訳ないかも知れないけれども、私がもし同じ立場だったら4ヶ月という時間があればどれだけの事ができるか、私は被害者だからもっと一生懸命やらないといけないと思うかも知れないし、その辺の私達の気持ちを汲んでくれて、平山さんがどれくらいの感覚で急いでくれているのか。他にも仕事がある事は分かっている。その中でどれくらいの進度というか、どれくらいの感じなのかを今日聞かせて貰いたいという事です。
(厚)それは今の処お話するつもりはありませんけどね。
(交)ひょっとしたらまた2・3年前と同じように、また2・3年進まないという事も考えられる。
(厚)2・3年前の話ってのは品目指定かモニター制度を通じてやるという事で、モニター制度はお医者さんから自発的に来るのを待ってるって制度なんですよね。要するに「お願いします。お願いします」と言って医師にしっかりお願いして「出して下さい。出して下さい安全対策のためですから」とお願いしているだけですから医師の側に出す意志がなければ出てこないんですよ。
(交)品目指定をするのは厚生省がするわけでしょう。
(厚)品目指定をしていてもそれは一緒なんですよ。
(交)だけど、するしないを論議するような事を言っておきながらしていなかったわけですね。
(厚)検討した結果、やっても効果がないという事だったんでしょう。
(交)この4ヶ月のうちにどの辺までやってもらっているのか、又次回来た時にもまだ検討中だと言ってしまう可能性もある訳で取り合えず今、今日はこの段階だという事を連絡して貰わないと今回から次回に向けて次どんなお願いができるのか。
(厚)どういう段階だと言っても、検討ってのは山を積むみたいなものではなくて。
(交)たとえば、日母から何人の人から聞いたとか。
(厚)日母も色々担当があるでしょうから。
(交)日母の本を書いている人の名前が後ろに載っているんだけれど、どの人に・・・。
(厚)そんな事言う必要ないですよ。そちらの方がこちらに検討お願いしたいと言うのは能書の改訂の事ですよね。品目指定の調査をするって言うのも実態を把握しろと、実態の把握をしないと能書の改訂も出来ないでしょうと、そう言う意味ですよね。
(交)いえ、そう言うんじゃないです。能書は現在日母が指導されているものとかなりの差があるから日母が指導しているような形に、最大使用量を減らして下さいと言っているんです。それとは又別で被害症例がこちらの方にかなり入ってきているのに、実際厚生省が把握しているものは本当に僅かですよね。その中の症例としても命にかかわらない。
(厚)要するに日母の「産婦人科医療事故防止のために」の本を読んでいるとわかるんですけれども、かなり事故があるみたいな。データは出ていませんけれど、その行間から読めますけどね。その時に、行間から読めるところは、どうも医療ミスの可能性がかなり多いのではないかという事なんですよね。そう言ったものはモニター制度では上がって来ないんですよ。企業報告からも上がって来ないんですよ。そういったミスは。それは、こちらの方としても薬務局サイドとして把握するという事を法律上求められていない訳です。医療事故の実態を把握しろと言われても把握する手立てはないんですよ。
(交)開き直りだなあ。何言ってるんだ。
(厚)医療ミス。たとえば能書ではここまで使っていいと書いてある。その通り使ったけれどいけなかったというのでは医療ミスにならないわけでしょう。
(厚)医療ミスがないように能書を改訂しようと。現在の能書で(日母の本に書いてあるように)あそこまで詳しく書けるかどうか分かりませんが、かなり詳しいパンフレットを作ってるわけですよね。なるべく能書を見ただけでも危険性が解るような文章に変える事が出来るかどうかという事について、今検討中な訳です。 要するに、医療事故が起こらないような説明書に能書を持っていきたいという形で検討をしている訳です。
(交)それは、それでいいんですが。
モニター制度に品目指定すると、どういう事があるかと言ったら、今現在能書にはあれだけの量でいってるわけでしょ。あの量を使って事故が起こっても医療ミスとは思っていない訳ですよ。能書きにそう書いてあるんですから。能書に書いてある量で医療事故が起こっていると日母は言っている訳でしょ。厚生省が認可している能書に書いてある量で本当に副作用の実態はどうなのかということでモニター制度する価値がある訳でしょ、緊急に。厚生省は知らんと言っているけれど、あの量では多過ぎるから日母の量のように減らすべきだと予想ついてて、それでもまだ多いかも知れない可能性もあるわけでね。だから品目指定をやってもらった方が今後の為になるんではないかと思う訳ですよね。
(厚)ただ、これまで専門家の人々と話し合って分かってきた事はオキシトシンはかなり難しい薬ですね。使い方が。使い方が難しい薬なんですよ。能書ってのは、あの人にはこう、この人にはこうとは書けませんから、ある一定の集団に対して書く訳ですから。感受性の差が非常にあると言う事らしいから、すごく少しでも、要するに、能書の用量をいくら限定したとしてもその量でも過強陣痛や子宮破裂が起こる人がいるから注意しなければいけないという非常に難しいという事があるんで。
そこをやってしまうと感受性の悪い、本当だったらもっと多く使っていれば母子共に助かった人が、微弱陣痛で助からなくなる、母子共に死んでしまうということも有りうるわけですよ。
(交)そういうふうに書けばいいじゃない。
(厚)だから、それをどういうふうに書くか、今検討している訳ですよ。そこは、いちがいに日母がこうだからと、それをそのままそっくり写し替えれば楽な簡単な話ですけどね。それは、そういうふうにいかない訳ですよ。
(交)解った。あなたの今の話を聞いていると現状認識までもう到達しているって事じゃないですか。その後をどうしようかって話を今悩んでいるって話じゃないですか。
(厚)そうです。
(交)そうでしょう。そうすると、日母がああ言う事を書いた根拠も解っていらっしゃるって事ですね。
(厚)私はまだ解っておりませんけど・・・。(笑)
(交)改訂するに当たっての根拠になるような資料を戴いたのですか?
(厚)日母の方はくれません。
(交)くれてない。要求はされたのですか?
(厚)要求してもくれません。それは日母の内部資料なんでしょう。
(交)内部資料なの? それで厚生省としては、それだけの重大なもので根拠になっているものを教えてほしいから出してくれって言えないの?
(厚)言ったって出してくれないでしょ。
(交)それはおかしい。やって見なきゃ分からないじゃないですか。くれると思うよ。請求して貰って下さい。
だから、少量でも何かある人もいるように感受性の幅がかなりあるって事なのよね。そこの処でやはり医学的に必要のないものは使わないようにするべきだって事になる訳ですよ。
(厚)この処は、薬で事故が起こらないように添付文書を改訂しようというのは私どもは出来るんですよ。能書の目的という感じになりますからね。それは出来るんですよ。質問の一番については今検討中ですと、もう少し時間を下さいという話になるんですけれども、時間をもらってもできないのは3番ですよね。
(厚)能書の改訂、これはどういう事か分からないんですけど、能書の中に医学的に必要な症例のみに限定すると
計画分娩に使用しないようにという・・・。
(交)日母の本に書いてある事をよく読めば結局、陣痛促進としては微弱陣痛という医学的適応以外には使ってはいけないと書いてある。微弱陣痛という医学的適応にしか使ってはいけないとした上で、しかも適応の量はあそこまでと書いてある。先程この量だったら微弱陣痛の人には足らんかも知れないと言われたでしょう。日母が言ってるのは微弱陣痛以外には促進剤を使うなと言ってる。その時に使う量として、あの量だと言ってるわけで認識が違っているのでは?
(厚)個々の人を一般論として8割方が安全とか・・・。
それは分からない。だからそこの処、勉強中で検討中なんですよ。
(交)(平日と)土・日の出生率のすごい差ね。その中でこういう事が大きな問題として出てくるという事は、今検討中なんですね。それとも認識としてあるんですか?
(厚)計画分娩については別ですから、私どもとしては答える立場にありません。
(交)でも計画分娩というのは、そもそも医学的適応でないものを、明日が予定日だからとか、予定日が土・日に当たるからと数日間は早くてもいいからというふうな形で使うのが計画分娩なんだから薬なんですよね。薬っていう事は、医学的な意味がないと本来使えないものなのに、これは医学的適応がないのに使えるって事になってるみたいな事でしょう。
(厚)それは、今の医療体制の中の話で計画分娩に使うなと能書に書いたとしても、計画分娩をするなという話ですから、現在の社会的な医療体制の中のコンセンサスが、そういった形で計画分娩はいけないものだという認識がない限り、能書にいくら書いたって、能書の通りやらなければいけないという事ではないわけですし、医者の場合は別に・・・。(交)日本の薬の係ですよね。薬がその目的としているのは、日母が言っているのは、微弱陣痛の症状に対して使うと言っているが、(現実は)全然そうじゃない。何ともない人に薬が使われている。そういうのは他の所では規制するでしょう。薬物の乱用などに対して。
(厚)相手がお医者さんでしょう。相手が専門家なんですよ。医師免許を持っている専門家なんですよ。それに対して情報を与えるって事なんですよ。後はどう使うかについては、お医者さんが自分の責任においてやる限りには、それは規制が出来ないですよ。
(交)規制は出来なくても指導は出来るでしょう。
計画分娩という言葉は使わずに「医学的適応以外には使用しないように」という言葉でも本当は通じるんですよね。「計画分娩」という言葉を使わなくても医学的に必要な症例にのみ使用するようにという事であれば、計画分娩は当てはまらない訳ですからね。社会的な適応で主にされるのが計画分娩ですので、そこの所で医学的に必要な症例にのみ限定使用するようにという事であれば、計画分娩はもうしてはいけませんよという事になるので、「計画分娩」という言葉だけで引っ掛かっているのであれば、そういうふうにして・・・。
(厚)医学的に必要なもののみと言っても意味が分からないですから。
(交)わかりません?医師側はちゃんと解っているはずですよ。医学的な適応という場合は、誘発する場合でもこういう時には誘発してもいいというのがあります。陣痛促進は微弱陣痛だけになっているわけですよね。それは、医学的適応という事で医師側は十分解っています。
(厚)それで解る人はしないんじゃないですか。
(交)それだったら問題にならないんだよ。問題起こらないんだよ。それだけだったら。誰も知らない間に医師の都合で使うんですよ。
(厚)だから、こういったオフィシャルな事はあまり・・・。
(交)計画分娩は、本人が希望するのではなく医師の希望でやられてるんですよ。乱用ですよ。あなたの仕事ではないと言っても実際には4時に終わらせたいからと、使わないと長くてもめるからと実際には使ってるんですよ。現場で土・日に生まれないだけではなくて4時までに、日勤で産ませてくれと、そういう事に対して、産ませられた患者の側はどこへ文句を言って行ったら良いのか。やって欲しいと言うのが、あなた達「厚生省の仕事」と単純に考えられないの?
日母が言ってるS49年の段階では医学的適応じゃない時にやる場合には、完全に要約を満たして、患者に説明して慎重に使わなければいけないと。その後、どんなデータが集まったのか分からないけれども平成2年は、さらに同じようなものを作って申し訳ないけれども、医学的適応じゃない時に促進剤を使う事は駄目だと日母が言ってるわけね。
日母の方が厚生省よりも専門家なんだから、その人らの話を聞いて、なるほどだと思ったら日母と同じような能書にすべきだし、違うと思ったら日母に指導したらいいし。
(厚)薬を安全に使うという点については参考にしているし、他の専門家の意見も聞いているし、それは時間を貰えれば薬を安全に使うように能書を直していく点については、ある程度検討ができますと。時間を貰えればその結果をお示しする事が出来ますと。
ただ、問題は、計画分娩とか医学的に効能・効果に書いてないものに使うなという事までも能書に書く事は、能書の目的を外れているので出来ませんという事です。
(交)能書以外のものに使ったらいかんじゃないですか。決ってるじゃないですか。適応症以外にはいかんじゃないですか。
(厚)決ってる事は書けません。
(交)決ってることは書けん? 決ってて今現在どうもなっていないのは書かなくていいけれど、今の質問で聞きますけれども、能書以外に使ったらどうなるの、これは。薬事法違反になるの?
(厚)何もなりません。
(交)何もならないの? じゃ何のために添付書ってあるの?
何の為に書く訳? 能書に。
(厚)それは、承認申請時にデータによって裏付けられた効能、効果ですよ。
(交)保険きくの?
(厚)出産は元々きかない。
(交)きかないの?
(厚)出産はききませんけれども一般の薬でいけば薬務局で認められた効能については保険は、ききますけれど認められていないものには保険はききません。
(交)帝王切開や微弱陣痛による促進剤を使う場合は、保険きくんでしょ。悪く考えれば、保険でも請求しながら黙って患者からも自費とっている病院がいっぱいある筈ですよ。
1番については後どれ位の時間を経過すれば答えられますか?
(厚)後どれくらいという時間はお約束できませんが、要するに時間を頂きたいという訳です。
(交)目安があるでしょう。大体の目安を言いなさいよ。3〜4分までいってるので後6〜7分とかね。
(厚)私のつもりとしては後1ヶ月以内と思っても相手がいる話ですから、あるいは1年後になるかも知れません、それは。
(交)それは分かるけれど、どう思ってるのかを。後どれくらいで返事したいなあと思っていますか。
(厚)私だって同じ議論をしたくない。今やっているのは前回と同じような話ですよね。
(交)ちょっと違いますけどね。
(厚)日母の本を貰ったという事実だけが違う訳ですよ。要するに日母の本を貰いましたよね。あの事実が一番大きな事実ですよね。それによってこちらの方の動くきっかけを得た訳ですから。それで動いてる最中にもう1回こられても、今の所は要するに話す事ができないわけですよ。
(交)何時間かかっても良いという問題じゃないという事でね。4ヶ月でどれだけ進んでくれたかなあと
次の日に来たらそりゃそういう言い方されても仕様がないけれども、4ヶ月なんだからこれだけ出来たと言うのが普通じゃないかと。
被害を受けた立場からすれば、それは仕様がないでしょう。
(厚)気持ちはわかりますけれどね。
(交)どうなってるんだと言いたくもなるよね。
(厚)こっちも役人ですからね。決ってない事は言えないですよ。
(交)そりゃそうだ。開き直りだなあ。
じゃあ、次回にある程度のこんな感じという最終決定までは出来ていなくてもある程度のものを出して貰いたいんですよね。
(厚)だから、ある程度決っていれば4ヶ月後くらいには何か進展はあるかも知れません。(交)私達が出してる1〜5までの問題のそちらの取り組み方について。
(厚)1は検討している最中ですよね。2はこちらの話ではない。3はできないって話したでしょ。基本的には考え方の問題だと。4、これは今やってる最中だから明らかに出来ない。これは検討中ですから。1と同じですよね。5はこれも今認められてるか否か明らかにしろと言われれば、医師の裁量ですよ。医師の裁量という事になるわけですけれども併用したらいかんと誰も言ってません。併用した時にどうですよというのは注意書きを。
(交)医師の中にも日母でも併用したらいけないと言っている人いますよ。
(厚)それは、色んな意見があると思いますけれども併用したらいかんと書くのか、併用した時どういうふうに注意しろと書くのか、その辺は検討中です。
(交)検討中ですか。
(厚)この問いそのものに拘われば併用するしないっていうのは、医師の裁量の問題ですよ。だけども併用する際の注意事項をどういうふうに書けば事故が最少限防げるかという事の記載を、うちの方は検討していますって事です。
(交)それは、検討して書いてくれるって事ですね。
(厚)だから、安全に使う為の能書改訂を検討してて・・・。
(交)安全に使う為のですね。能書の改訂の中に含めて考えていくって事ですね。
(厚)そういう事です。
(交)それなら聞きますけれど、改訂する為には、様々な資料を集めている筈ですよね。どれくらい集まりました?
(厚)それも今のところお答えできません。
(交)ああそうですか。じゃ、かなり集めてると期待していいですね。5の理屈から言うと3も同じように考えられないかなと思うんですよ。つまり、基本的には医師の裁量の問題だけれども、こうした場合はこういう可能性が出てくるという情報を与えるという事が3も考えられませんかね。初めから突っぱねるのではな くて。
(厚)いや、だから安全性の面から情報を提供する事は出来ると思いますよ。ただ、計画分娩はいけないとは・・・。
(交)3・5にしても、余りにもたくさん事故例が多いとなるとやっぱり書くでしょ。この使用量でですよ。余りにも事故が多発していると書き替えざるを得ないでしょう。当然。(厚)それは、どういう事ですか?
(交)事故が起きたら警告しなきゃいかんでしょ。
(厚)だから用法、用量で。
(交)たくさんの事故例が報告されてたりした場合は改訂しないといけないでしょ、当然。(厚)安全に使う為の改訂はします。
(交)でしょう。厚生省は5について今色んな文献を集めて、どう書き替えようか検討しているというお話で、3についても、用法、用量で本当に安全な分娩をしているのかどうか。事故が起きていないのかどうか、これは文献調査をして貰わないといけませんよね。
もう一度、3について検討しないと言っているのか。
(厚)突っぱねるというのではなくて、能書に書くべき問題じゃないということです。
(交)もう1回言わせて貰うけど、私達が被害にあって、おかしいのと違うかから始まって厚生省交渉に来てるわけです。日母の本は、被害の事例が多いと前書きに書いてあって、その中にはOXとPGの薬の事について書いてある訳ですよ。だから薬の事なんですよ。OXとPGの薬に関してその薬の注意事項のところに副作用が多いから同時併用は過強陣痛を起こしやすいから駄目だと実績に基づいて書いてある訳ですよ。しかも、3の方でも医学的適応以外に使ったら駄目だと、書いてある訳ですよ。薬に関してそれだけ日母が規制しているのに現状の医師達はそれを守っていないって事がある訳で、何でそうなるかは日母の量と能書の量が違って、能書にはここまでいいと書いてるからそれを使ってしまう訳で、薬を目的以外に使っても何の指導も入らないから医師は使ってしまう訳で、併用することはいけないと書いてても能書にそれが書いてないからそれを医師が使ってしまう訳で、医師の現状と日母が被害状況からやっていることが違うから、それに関して厚生省が取り締まって貰えないのか。
日母が言ってるレベルにまで現状の医療を戻していって健全なものにするように体制を、しかもOXとPGについては、ここに書いてあるんだから、それに関して厚生省の薬係の人はどう考えているのかって事。
(厚)それは検討中って言ってるじゃないですか。
(交)薬がからんでいるのに関係ないっていうのは?そんなに安易に使える薬じゃないのに使ってるから。
(厚)情報提供はこちらが出来るんです医療法と薬事法と二つあって薬事法は病院に入るまでを規制する法律で、病院の中に入ったら医療法という法律がある訳ですから、病院の中に入ったら能書なんて添付されてなくても違反じゃないんですよ。要するに医師に教えるまでか薬事法の規定であって。
(交)そんなこと言ってもいいの、本当に。病院に入った途端、医療法になって薬事法はもう関係ないの? (笑)
(厚)それを買った医師に能書として情報提供をするというまでは、薬事法の役目であって後は、医師が添付文書をいつもくっつけて見ないといけないという規定はない訳ですよ。1回貰った段階で医師は読むというのが前提ですから。
(交)だからもう1回言いますが、日母が言ってるのと今現在医師が使っている量の最高限度量が違っている事に関しては調べて見るって事でしたよね。それと同じように日母が言ってる併用してはいけないという事、実際併用している医療との違いも同じようにある訳で、また日母が言ってる微弱陣痛の適応以外にも使ってる違いがある訳で、それらが全部薬に関して。
(厚)微弱陣痛って書いてませんよ。それ。
(交)書いてますよ。誘発と促進に分けまして、促進の場合は微弱陣痛だけなんですよねだから私達が言ってるのは医学的に必要な症例にのみ限定するように希望している理由も、日母に書いてますが色んな被害に、事故になった症例を見てみるとそれらの症例では誘発とか促進の適応が不明なものが少なくないという事をはっきりと書いているんですよ。
分娩の子宮収縮剤は誘発と促進の2種類に使われていることで2種類の事について書いてるんです。陣痛促進する時は微弱陣痛の時以外には使ってはいけないと書いてるわけね。薬に関して、この薬の使われ方、薬の副作用の出方に関して厚生省が知らない事で医師が知ってて、しかも国民が多大な被害を被っている部分があるんじゃないかという事でこの3つは共通なんですよ。
ここで、適用が不明だと言う事は医学的に本来使わなくても良かったものが、使われているって事になるんですね。そこの所で医学的に必要にものはきちんと慎重に使ってもらったらいいんですが、そうでない場合にもどんどん使われているからということで、医学的に必要でないものは使うべきではないと言う事を書いて貰いたいと言ってるんですよ。
(厚)それは能書に書くべきことではないと。
(交)えーっ。そうすると、一つはっきりさせといて貰いたいんだけれども、医師が薬を乱用しているというような場合、それは薬務局は全く関係ないわけ?
この薬と関係なく聞くんだけれど。
(厚)医師の乱用ってのは、どういうふうに。医師ですから、専門家ですから。
(交)それは薬務局は関係ないの?
さっきから「専門家、専門家」って逃げているように聞こえるんだけれども、現実に国民がこれだけたくさんの被害を受けているわけ、それを見ただけでもどうにかしなきゃという気持ちにはなれないでしょうかねえ。どうして専門家、専門家って・・・。 電気製品でもホテルの事故にしてもマル適マークとかそれなりに法をかえて行政がメスを入れていますよね。そういった事って考えられないのですか。どうして医者に限って動く事が出来ないんですか?
お医者さんは専門家だから何も言えない?
(厚)薬務局として薬事法に基づいて出来る範囲の事はしますと言っている。今、やっているわけですよ。
(交)医者が専門家だから厚生省は何も言えないって事はあるのか。
(厚)医者に対して、どうのこうのっていうのはうちの薬務局の仕事じゃないです。
(交)じゃ、どこの仕事なの?
(厚)そちらの方でお調べ下さい。
(交)医務局でしょ。
(厚)お調べ下さい。
(交)厚生省のどこへ行けばいいのか教えてよ。
とにかく薬が使われている処では、薬に関する薬事法、行政も含めて全部関与しているんでしょうが!それは医者がやってるから関係ありませんじゃ世の中違うでしょう。だから能書の問題だって今問題にしているのは、能書がどういうふうに書かれているのか、その能書通り使われているのかどうかが、問題になってるから今こう言ってるわけじゃないですか。医者が能書をほったらかしで、どのように使っているのか我々には関係ありませんというような答弁はないでしょう。
だから、この3については、この文章が適切かどうかわからないけれど5も含めて併用問題、使用量も含めて能書の改訂を今考えて欲しいと、考えて頂きたいというのがこちらの希望なんですよ。それがここの厚生省のやる仕事じゃないですか?
(厚)だから私どもの出来る話はしています。
(交)でしょう。
(厚)だから、出来ない事は出来ません。
(交)3の問題については、関係ないとおっしゃいませんでした?
(厚)関係ないじゃなくて要するに能書に書くべき問題じゃないという事です。
(交)医学的に必要な症例には使ってもいいけれども、そうじゃないものには使いなさんなというのがどうして書けないんですか?
この薬をこういう医学的適応以外に使う事によって被害が続出しているから注意しなさいという事がどうして書けないんですか?
何の為に副作用情報とか出すわけですか。この薬がこういうふうに使われているからこうしなさいとか、薬を使う人に教えなきゃ誰に教えるんですか。
だから、乱用を防ぐためには医学的以外は使うなという事を言ってる訳ですからね。乱用という事は、結局計画分娩にどんどん使われてるんですよね。だから乱用を阻止する為に医学的に必要な症例にのみ限定使用をするという事をこちら側は言ってる訳です。理解してもらえました?
(厚)これは、平行線ですね。
(交)さっきから能書には書くべき事はないという事をおっしゃっているんですけれども心づもりとして、それ以外の方法でやろうと言う何かがあるのですか? 能書には自分のこの仕事のやり方からして書くべき範疇のものではないという価値観というか位置付けのようなものがあるようなんですが、それ以外の方法で乱用と言われるような使い方をさせない為の何かを考えていらっしゃるの?それは医務局の問題だと言う訳? そうじゃないと思うよ。使用上の注意に書けると思うけどねー。まあ答えを言ってよ。
(厚)そこは使用上の注意に書ける書けないは平行線になってしまう。別の方法があるかどうかという事であれば、私どもは別の方法はない。
(交)ない? たとえば、さっき言ってたけれど、土曜日のうちに分娩を終わらせてしまおうとか、あるいは何時位までの間に、日勤帯の終わるくらいまでの間に分娩を終わらせてしまおうとか言う形でやる実態がある訳ですよ。そうすると被害を受けているという事があるのに、あなた方は何も出来ないという事になる訳ですね。規制の方法は、それはないんだよと言う事ですか?
(厚)だからそれは厚生省として言ってる訳じゃないですけどね。薬務局として言ってる訳です。
(交)薬務局の立場では、何も出来ませんよと言ってる事ですね。厚生省としても出来ないんですか?
(厚)それはわかりません。
(交)あなたは、やる範疇にないと言い張ったけれど我々は、どこに交渉に行けばいいの? それを教えてよ。
前回計画分娩の事だよと書いてくれないと、その担当者が来ないんだとおっしゃったから。
(厚)だから最後に能書の改訂とあるんでここへ来る訳ですよ。能書っていうから常にここへ・・・。
(交)違う書き方をして社会的に計画分娩の問題について。
(厚)計画分娩の是非についてという話になれば、また別ですが。
(交)どこですか?
(厚)それは、わかりません。
(交)えーっ。わからん? 調べてくれなきゃ。公務員なんだから。
(厚)私だって難しいですよ。黙ってるんじゃなくて正直に行ってわかりませんよ。
(交)じゃ、次回は「計画分娩の是非について」と云う事で質問すれば誰かが答えてくれるのですね。厚生省のどなたかが。
(厚)厚生省の上の方で調整するでしょう。
(交)じゃ2番。医薬品副作用基金のOXとPGについての請求件数を明らかにせよ!
(厚)医薬品副作用基金にどれだけ請求があるかどうかという質問、これについては、公表しているものとしては、個々の事例については公表していないホルモン剤としてこの2つのホルモン剤として統計的に。
(交)いっしょにしているって事?
(厚)個別の統計をとってないって事。データのとり方がホルモン剤一本として平成3年、今までで130件の請求がある。
(交)そのホルモン剤ってのは、このOX、PG以外に女性ホルモンもみな入っているんでしょう。副腎皮質ホルモンとか。それじゃ、分からないじゃない。何をやってるのよ。厚生省は。全然性格が違うじゃない。素人でも分けますよ。副腎皮質ホルモンとオキシトシンと一緒にしてどうするんですか。次回には、子宮収縮剤のホルモンとしてオキシトシンとプロスタグランディンとをまた別に分けた状態で何例申請しているかという回答を頂けますか?
(厚)今までのデータをすべてを拾い直さないといけない。
(交)すべてで130だから。あなたらおかしいよ。そういうものを一緒に統計とってて、それで問題の解明に何もならないよ。これ、この問題はかなり違う使い道のものなんだから、それはそういうものとして、もっとしっかり把握してデータを集めなくちゃおかしいじゃないの。もう少しきちっと。
(厚)統計上、余り細かくすると統計にならなくなるんですよね。1つ1つ1件ずつ色んな症例がありますよね。
(交)じゃ、何の為に副作用の問題を出す訳? その問題については随分上がってきていると。だから何とかしないといけないという事でやるわけでしょう。あなた方、違うの?ステロイドなんかと一緒にしたって仕様がないじゃないの。
まだ、OXとPGが一緒になっていたというのなら分かるけれど。おかしいと思わないかなあ。これについては、これ2つじゃないですか。子宮収縮剤については分けてもらって、出来れば次回に返事を下さいませんか。もうちょっと常識的な事をしてもらわないと、世論も高まってきてますよ。
厚生省がのらりくらりしている間に又、被害者が出た事実を知 ってるわけでね。何年前から厚生省はのらりくらりやってるんですか。僕らも、のらりくらりしてなかったら被害にならなかったかも知れない一人だと言ってるでしょう。それは、平山さんらの前の人かも知れないけどね。のらりくらりしてられないという事で、もっと常識的な対応をしないと。
件数についてではなくて、どういうふうな事が起こってると出てますか。子宮収縮剤の事だろうと思われる内容が何か出てますか?たとえば、お母さんが死亡したとか、子供が脳性麻痺になったとか、ホルモン剤の中でそういうふうなものが出てますか。
(厚)調べないと、いずれにせよ分からないと言う事になります。
(交)少なくとも130例は見たんでしょう。どういう内容なの?
(厚)どういうふうなデータが入ってるかは個別具体的なものを見なければ分からないという事です。
(交)数を見ただけか。数字を話してくれただけですか?
(厚)そうです。
(交)こういうのを聞く時には、内容も聞くんだから当然見てもらいたいなあ。細かく内容もというふうに書かなければ答えてくれないって事ですか?
(厚)個別の事例については、公表する話には当然なりませんのでいずれにせよそういうもの、調べて見ないと分からない。
(交)次回までに4ヶ月位あるので、どうにか頑張って頂きたい。2つだけ出せませんか?(厚)お約束はできませんけれども、検討させて頂きます。
(交)頑張って下さい。全部ずうっとと言うつもりはないけれど何年前以降からと言う事でやむを得ないでしょうね。この薬に関しては集められるものの1つだと思うんですよね。これについてはお願いします。
この前にHIVの時にも問題にしたんだけれども、その副作用基金の方では公表する時には大分類で公表しているかも知れないけれども、実際のデータとしては薬剤別にあるんでしょう?
ないの? 本当に。
(厚)もちろん原データというのは当然とってないってわけじゃないんですけれど。
(交)あるの? 大型コンピーターでやってるんだから、そんなの直ぐ出てくると思うよ。この前もないって話だったけれど、整理の仕方、入力の仕方が違うって、そういう事言ってたけど何やってるんだろう。全然分からない。信じられないよね。
それと、前回医薬品基金の請求する紙の中に、裁判中かどうかという事を書く欄がある事を言ったんですが、あれは何故あるんでしょうか?
(厚)要するに、訴訟が起きた場合に色々な判決が出たりしますと、医薬品について原因があるという事になった場合には、基金として給付決定した分を吸収しなければならないという事がありますので、そういった関係で裁判中かどうか調べさせて貰っているという事だけです。
(交)じゃ、裁判中であろうとどうであろうと・・・。
(厚)それは、判定には全く関係ありません。
(交)先に結果がでると言う事もあるんですか?
(厚)当然あります。裁判の結果を待って判定するという事はありません。
(交)申請して、どれくらいで結果が出るのが多いですか?
(厚)平均で7〜10ヶ月という事です。
(交)私は既に1年以上たっていますけれど、まだ返事は来てませんが、提出期限がギリギリだったので(子供が死亡して5年でしたよね)医師の診断書は出来てない状態で、医師側に送りまして、「書いたら送って下さい」と切手を貼って出したんですね。それが基金に届いているかどうかを2度も数か月に渡って電話しましたが、「後で調べて電話します」と言われましたが、その後全く1年近く返事がありません。医師が書いてくれているのかわからない状態で、判断もまだない状態ですので、どうなっているのか分からないです。医師側に確かめる事もしたくないですので、そういう点でどうなっているのかなと思うのです。
(厚)いずれにしても基金の方で調べて回答出来るようにしてみたいと思います。
(交)「します」と言わないといけんでしょう。
(厚)それは、します。
(交)私としても、全く返事がなかったので数か月たって又「どうなっているのですか」と言うと、又「調べて返事します」と言われたけれども、まだ返事がないんですよね。
(交)医師の名前は基金に言ったの? 診断書を書く医師の名前を基金に言ったの?
(交)はい、言ってます。
(交)じゃ当然基金の方から診断書が出てなかったら医師の方へ督促すべきじゃないでしょうかねえ。救済基金なんですから。さっき言った指導ですよ。
厚生省が持っている筈の情報を次回見せて欲しいと思うのは、OXとPGの副作用情報は何回も出してるわけですよね。それは、誰が出すんですか?
(厚)厚生省です。
(交)本屋さんで見かけた本ですが、大阪府の医事紛争処理委員の奥山通雄さんという人の本なんですが、自分が大阪府内で係わった医事紛争の処理だけで陣痛促進剤による被害を25件知ってて、そのほとんどが死亡事故だと言っている本なんですがね。
アトニンの使用については、メーカー側よりドクターレターなどを通じて再三に渡って注意事項などが知らされており・・・とかなり古い本なんですがね。
(厚)何年の本ですか?
(交)1984年、8年前の本です。「産婦人科医事紛争の処理 の現状」です。S53年4月の 30のP1、S54年12月の
40のP3、アトニンに対する能書の副作用情報、PGの副作用情報が1980年に出ている筈です。それ以外にも副作用情報が出ているというようなニュアンスもあるんですが・・・。
この副作用情報がどういうデータを元に出したのか、この時もっとしっかりやってもらっていたら、僕らの事故の大分前だ。今集まってる事故は、全部これらの後でしょう。この頃、被害者の会を作ったらどれだけ集まったか。その人らは、今はもう悲しみも解決されて、どうなってるのかわからないけれど同じ頃にもピークはあったでしょうね。同じ事を二世代に渡って繰り返しているという感じですね。
この副作用情報が効果がなかったんじゃないかと思う。そういった反省もしていかないといけないと思うんですよ。今度出すに当たって。副作用情報が何回かに渡ってアトニン、プロスタグランディンについて出てますが、それがどういう理由でそのような情報を出したのかという事を次回までに教えて貰えますか。
(厚)全部副作用情報の中に書いてあると思いますけどね。
(交)具体例が出ているという事ですか?
(厚)どうして出したか。こういう情報を。
(交)どうしてかとは、書いてないでしょう。こういう情報が寄せられたからという事ですよね。今日それを貰いましょう。
オキシトシンだけで2年連続で出てるんですよね。日母がS49年に、OXとPGについて危ないと書いてるんですよ。厚生省は5年たったS54年に出してるんだけど5年遅れてるんです。今は世論は高まってるし、高めたいし、何故なら同じ被害を出したくないから。本当に全く似た同じような事例が出てるわけですよ。午後、コピー下さい。副作用情報ここにあるんですからね。
(厚)これは、配るものですからね。配って皆に。
(交)原本はあるでしょう? ないの?
(厚)原本を捜してコピーせざるを得ない。何番ですか?
(交)30と40です。それ以外にPGが1978年と1980年に出ている。それだったら2回なので、再三と書いてる本があるので、再三というのは2回じゃないなと思う。子宮収縮剤を許可した時に厚生省としては、こんなにまで計画分娩に使われるとは思わなったのか。
(厚)承認されたのは古いですからね。
(交)という事は、現在かなりの確率で計画分娩に使われてるけれども、昔はそういうふうに使われるとは思わなかった、想像しなかった?
(厚)昔の事は分からないですよ。通常は、承認ってのは効能、効果、用量、用法、使用上の注意とあり書く訳ですが、それ以外の使用をお医者さんがすることは承認時点では誰も想像しませんよね。
(交)じゃあ、そもそもそういうふうな使われ方をして欲しいとは全く思っていなかったし、本当はすべきじゃないと思うでしょう。だから、そこの処で又ぶり返しますが、「医学的に」という事を何らかの形でどこかに・・・。
(厚)専門家じゃないから、そこまでは正式に言えないんだけれども、承認する立場からすれば、承認した通りに使って欲しい。
(交)時代も変われば、使い方も段々変わってくるという事でそこの処で昔のままではいけないという事も言えますよね。
(厚)生産量と使用量という事で、一番新しい数字で平成2年の薬品工業生産動態統計年報というのがありまして、OX注射液は4565000単位、使用量の方はわかりません。そういった統計はありません。
(交)生産してるって事は使ってるって事ですよね。
(厚)注射用ジノプロスト2773 。PGの錠剤の方は、調べていません。平成2年の統計ですので平成元年の1月から12月までだと思います。
(司会)何か他に言いたい事があれば。
(交)実際に被害にあった一般市民が裁判に訴えない状態で、自分の被害がこういうものだったんだよと言う事を国民側が厚生省なりに伝える場所、ルートを作って貰えたら、病院側からだけの副作用情報を待つよりは、もっとかなりたくさん集まると思うんですよね。そこの所、どうでしょうか。
(厚)患者側から副作用を?
(交)病院や製薬会社からだけの副作用情報を待ってるのでは、本当にちゃんと伝えられていないと思うんですよね。そこの所で厚生省のどこかが「副作用のあった人はここに知らせて下さい」という形で連絡できる場所があれば、もっと副作用は集まると思うんですよね。そういうふうなルートは出来ませんか?
(厚)1本だけは、ある事はあるのですが、今日のこんなケースに当てはまるかどうかわかりませんけど。
(交)どういうものがあるのですか?
(厚)薬局を通じて、相談するというルートがあるのはある。
(交)結果が厚生省に入るのですか?詳しく教えて下さい。
(厚)薬局モニター制度というのがあって、薬剤師さんが私の方に。薬局モニター制度ですので重篤なものに対してターゲットをおいているのではないので、これを1年間まとめて・・・。一般薬やお医者さんから貰った薬でもいいんですが、そういったものを全部まとめて薬局から上がってくるというのがあるみたいです。
(交)指定薬局じゃないの?
(厚)指定されています。都道府県の薬務課に聞いてもらえば、どこが指定薬局なのかはわかります。2733の薬局があります。
(交)これよりも厚生省のどこかという方が皆も連絡しやすいと思うんですよね。私の方にかなりの数字は来ているけれども、それだけでは一般の人が知らなければ連絡も出来ないという事で、どうにか本当の事を出来るだけ実態に近い形の情報を集めた方がいいと思うんですよね。
(厚)患者さんから直接もらっても、やはり本質的には医師と患者とペアでもらわないと正確な情報が分からないですよね。
(交)実際の所、子宮破裂とか頚管裂傷になった事で患者側がこの副作用の症状を厚生省に伝えて下さいと言っても、たぶん伝えるのは100人いて数えるほどだと思うんですよね。そこのところで、きちんと伝わらないから、出来たら患者本人がどうにか副作用の事実を伝える場所が欲しいなと思ってるんですよ。
医師と患者の2人からの話を聞けば的確ですよね。今現状では薬そのものでも、製薬会社とか医師からという一方通行だけですよね。そういった事については、議論された事はないの?
(厚)ありますが、制度があるなしに係わらず苦情は来ますが、患者からの一方的な情報だけでは分からない。医師側がどういう状態でどのように使ったのか、客観的なデータがなければ評価できないんですよ。
(交)調査はしないんですか?
(厚)する場合もあります。
(交)厚生省へ直接「こういう事になった」と連絡して病院の名前も厚生省に伝えれば、その病院を調べてくれるという事もあるという事ですね。じゃあ、「厚生省の方へどんどん連絡して下さい」と言っていいですか?
(厚)そりゃ、そちらのご勝手ですが・・・。
(交)いいんじゃないですか。一番いいかも知れない。「厚生省の薬務局安全課の平山室長に情報をどんどん」という事で。
あまり数が多くなった時に、もうちょっとシステムとして考えんといかん事になるかも知れんわね。
(厚)現実にもうかなり多いですよ。こういった薬に関する事は関心が高いですからね。うちの方は一日に何十件と来ますからね。医者で薬を貰ったけれども、頭が痛くて吐き気がするんだけれど医者に言っても取り合ってくれないと、そういう話になってくるんですね。薬の中身もわからないし、そりゃ分からない。
(交)1の品目指定する事についての話は判断以前に情報を集めたものであって、今現在厚生省は日母とは違う多い量を認可しているわけよね。それに対して副作用がどうなんかと言う事では、取り合えず考える為のデータの一つにして、直ぐ情報を集めるってことにはならないのか。
(厚)品目指定をどういうふうに考えるかです。
(交)本当に緊急だったらやるけども、と前の時はそう言ったでしょう。
(厚)緊急でやったとしても品目指定して、全国のモニター病院に「こういう副作用が出たら報告して下さい」とお願いの文書を出して、それを集計するわけですから。
(交)それは0、0何%で、そんなの期待していませんけど0、0何%の情報でも集めていくとたし算になっていくわけでね。
取り合えず、品目指定するかしないか答えるべきだと思う。
(厚)期待度が0、何%とおっしゃってるように、うちの方も期待が少ないものでも足しになると思えば、やるかも知れませんけどその方法論も検討中ですよ。
(交)集めるか集めないかの判断だから今出来るのではないかと言ってる。
(厚)それはまだ検討中です。
(交)日母がこのような本を出してるんだけれども、モニター病院に対して「どうですか」というのは厚生省としても調査しやすいんじゃないの。モニター病院そのものも協力しやすいんじゃないですか。そういった形で資料としてこの本を使われたらどうですかね。(厚)それは、うちの文章じゃないですからね。どういうふうに使うかは、やり方の一つとして選択枝の一つかも知れませんけど、こちらとしても、より有効なやり方に考えていかないといけないと思う。
(司)モニターの中に入れるかどうかという事も含めて、出来るだけ早く実態を知りたいという事と、早く能書の改訂も検討して頂きたいという事ですから、そういった方向で努力して頂きたいと思います。今日は有り難うございました。