平成5年2月5日(金)
第29回 厚生省交渉の記録
<交渉団側参加者12名 (内会員5名)>
本谷晴志・伊藤節子・勝村久司・先崎涼子・出元明美
<厚生省側参加者5名>
平山 一男(薬務局安全課 副作用情報室長)
尾崎 俊雄(保険局国保課 事務官 )
辻阪 高子( 〃 保険課 〃 )
藤本 眞一( 〃 医療課 課長補佐 )
荒巻 祐三( 〃 〃 特別医療指導監査官)
〔陣痛促進剤についての質問〕
1 子宮収縮剤の使用上の注意が改訂された経緯について報告されたい。
2 今回のプレス発表によれば、被害調査はしないとの事。その理由は何か。国立病院における、これまでの陣痛促進剤の被害実態調査だけでも実施すべきと考えるがどうか。
3 オキシトシンの添付文書の改訂について、「用法、用量」が改訂されていない。この意図は何か明らかにされたい。
4 プロスタグランディンの添付文書についても、「用法、用量」が改訂されていない理由は何か明らかにされたい。又、改訂前の添付文書では体重を基に用量を決めるようになっている。しかし、日母の平成4年3月発行の研修ノート(No.43のP23にある表14)では、体重を基に用量を計算する方法はとっていない。体重を基に使用量を計算すると日母指導のものより多くなってしまう。従って、体重に基づく使用量計算方法は改訂されるべきと考えるがどうか。
5 子宮収縮剤の点滴静注法は、自動点滴装置(インヒュージョンポンプ)を使用しないと正確な注入は無理であり、インヒュージョンポンプの使用を義務付けるべきと考えるがどうか。例えば、オキシトシンは、2ミリ単位/分以下から投与する事となっているが、これは、5%ブドウ糖500mlに5単位を混入した場合、3滴/分となる。一般の点滴セットでは正確な投与は絶対に望めない。
6 陣痛促進剤を使用した際、これが保険適用になる場合と、ならない場合について具体的に説明されたい。
(交)使用上の注意が改訂された経緯は?
(厚)経緯というのは、薬事審議会の制度調査会に図りまして、その意見に基づいて改訂したということです。それから(被害)調査をする必要がないんじゃないかと考えています。用法、用量が改訂されていないということですが、用法、用量については使用上の注意と違いまして、有効性を加味して考えないといけないので時間がかかる。プロスタグランディンの添付文書についても改訂されていないと書いてあるが、これについては、研修ノートとの食い違いを指摘されているが、私共としては食い違っていないんじゃないかと考えている。それから5番ですが、インヒュージョンポンプを使用した方がいいんじゃないかということですが、用法、用量というのは、症状を見ながら微調整するものですから、添付文書でもミリ単位で正確に症状を見ながら適宜増減するので、インヒュージョンポンプがなければ絶対、絶対いけないという話じゃないということで、これの義務付けは無理と考えています。以上1番から5番までです。
(交)1番目もう一度。
(厚)制度調査会に図って・・・。
(交)日母との話し合いをすることによって改訂を・・・。
(厚)日母からはいろんな研修ノートとか何とかの防止の為に、とかの資料を貰いまして、それに基づいて薬事審議会の意見を聞いて行なった。
(交)被害調査はしない、と言うことは、これ最初から言っている事ですけれども、しない理由が明確じゃないと思うんですよね。
(厚)何の為に被害調査をするかという事があるわけで、私共としては、使用上の注意と医薬品の用法、用量の注意と、そういったものについて必要な改訂はしている訳ですから、新たに調査をして何か追加することがあるのかどうかですね。何の為にするのか。
(交)幾ら(例えば何滴)使った症例に被害が起こったのかということを知る上で被害調査をすれば、それがわかるんじゃないでしょうかね。
(厚)大体ほぼ被害というのは、用法、用量の範囲で起こっていると思うんですが、また用法、用量を定めるとかそういう話になるんですか。
(交)それは被害の状況によると思うんですよね。
(厚)だから何をするか、なんですよね。
(交)なんで今回改訂したんですか?
(厚)だから、さっき言いましたように日母の指導指針がありまして、それに基づいて専門家の意見を聞いたということ。
(交)で、改訂した目的は?
(厚)目的は、要は今現在で安全に使用するためにはどういった用法が良いか、そういった観点からやったんですね。
(交)最初から改訂をしたということは、前回のでは駄目だったということ・・。
(厚)用法、用量は改訂していませんけれど使用上の注意については若干注意しましたからね。その違いというのはほとんどないと思う。
(交)前回、平山さんは日母のを初めて見ると、全然知らなかったと。行間からは被害がたくさん出ていることが読み取れると。だから改訂に踏み切ったのではないですか。
(厚)用法、用量にひょっとしたら問題があるのかも知れないという事で専門家の意見を聞いた訳です。
(交)被害が出てるんなら被害を減らしたいという気持ちがある訳ですか?
(厚)より安全に使ってもらうために、そういう事ですよ。
(交)どんな被害があるのか厚生省は知っているのか?
(厚)被害を知らなければそれが出来ないって訳じゃないと思う。
(交)被害を知らないまま解決するの?
(厚)被害を知ったら、じゃどうするんです、例えば。
(交)被害を知ったらどんな解決をしたら良いか分かるでしょう。たとえば、用法、用量を改訂するに当たって被害調査というのは意味を持つと思うんですがね。きちんとした調査がないところへさっきのように、どれ位い使った時にどんな被害のケースがあって、というような事ってのは、かなり調査によって今後の用法、用量を決めていく上での資料になり得ると思うんですね。そういうふうにお考えになりませんかね?
(厚)用法、用量を改訂する方法としてはいろいろありますけど、これは、厚生省に入手できる資料である場合もあるし、企業から提出された資料である場合もあるし、それはやり方いろいろありますから。それで改訂出来ればいいんじゃないかと思うんですね。これは全く新しい薬じゃないですから。要するに、産婦人科の専門家の団体である日母とか、それから薬事審議会の産婦人科の専門家である人達、その他の専門家である医師、あるいは薬剤師などの意見を聞けば十分だと思いますけど。
(交)日母は、何回も何回も、これ出してるんですよ。前書きとして書いてあるのを読んだら解るんですけれど、より安全に、同じ気持ちなんです。厚生省と。より安全に使って貰いたいのに被害がたくさん出てるから安全に使うために、これ読んでくれ、これ読んでくれと、こういう規則でいってくれと。何回も何回も出すんだけれど全然減らないと。思うようにいけてない。だから苦労してまた出してとやってる訳ですよ。そんな実態知ってて、1回出して更に改訂がいらんのか、さらにもう1回、何かより安全のために手だてが必要でないのかということを。もうこれでおしまいみたいな、これで十分みたいな。
(厚)使用上の注意には書きようがないと思うんですけれどね。
(交)使用上の注意はいいんですけれどね。用法、用量というものは要するに、この量を使いなさいという使う量でしょ。
(厚)用法、用量というのは、医薬品について、こういう用法で使うものですという承認事項なんですよね。
(交)要するに使い方ですよね。
(厚)ええ。そもそも懇切丁寧に一から始めて、こうこうと書くような、そういった問題じゃないんです。
(交)ですが、日母が発行している「分娩誘発法」では使い方として本当に少量から使用するようにという事でその中で、やはり最大は1分間につき20ミリ単位なんですよ。ですから能書に書かれている一般的注意が一般的注意でなくて、実は使い方の中に入ってる訳ですよ。ですから、用法、用量としてそのようにすべきではないでしょうか?
(厚)だから今、用法、用量については今見直してるって言ってるんです。
(交)見直してるって言っても、それはおかしいんですよね。見直してるんじゃなくて、それは使い方をそのようにしなさいと言わなければいけないと思うんです。今すぐに。ですから今は1分間に100滴まで使ってもいいことになってる訳です。
(厚)そこは承認事項ですから、使用上の注意とは違って改訂に時間がかかりますということなんです。
(交)じゃ、使ってもよいということになってる訳ですね。用法、用量は。
(厚)用法、用量は、少量から使っていきなさいと、どこで止めるかという問題なんです。事故が起こるってのは、要するにどんどん使っていって、そこで止めるから、それ以上使うから事故が起こるんじゃなくて、要するに最初に使いすぎたために事故を起こす事が多いんですよ。
(交)それはいろいろですよ。
(厚)非常に感受性の悪い人は20ミリ単位を越えても反応しない訳ですから、事故は起こらないんです。
(交)そんなことはないでしょう。
(厚)そういうふうな専門家の先生もいますけどね。
(交)それはいろいろ人によって子宮筋の感受性が違うんですから、そうとは言えない。(厚)だから子宮筋の感受性も違うから最初の初期の量で反応する人もいるし、段々上げていって20ミリ単位越えてっても、それでも反応しない人がいる訳です。ただ、今回いろいろ専門家の意見を聞いて改訂したところでは、20ミリ単位までいけば大体8〜9割の人は反応すると。それ以上やらないと反応しない人は1割位だと。その辺の有効性は犠牲にしてもいいだろうと、もう20ミリ単位で反応しなかったら、とにかくもう投与を止めて他の薬剤に切り換えるなり、何か別の処置を考えるべきだろうと。本来だったら20じゃなくて30なら効く人がいるかも知れないが、その人の有効性は少しカットしようかという形で、使用上の注意は改訂したということなんです。
(交)じゃ、いつ頃用法、用量を変える話し合いがある訳ですか。
(厚)だから、用法、用量については先程言いましたように承認事項なんですよ。だから承認事項てのは前にも言いましたようにメーカー側から膨大な資料を受けて最初にその効能、効果、用法、用量を決める訳ですから、企業側が承認を得る重大事項なんですよね。 それを決めるについては、それなりの手続きがいるということ。
(交)具体的には? どういうふうにですか?
(厚)だからそれは薬事審議会に諮問して・・・。
(交)薬事審議会、どれくらいかかる? 一番急いで。
(厚)一番急いでって、今既にやってるんですよ。
(交)やり始めて結果が出るまでは物理的にどれだけの・・・。
(厚)それは中味によりますけれどね。
(交)判断する資料は何を基にしてるんですか?
(厚)それは厚生省が集めた資料とその他から直接出される資料とすべてを。
(交)我々が提出した資料は参考にはしないんですか?
(厚)ええ、しますよ。
(交)日母は、何回も、何回も出していると言ってるでしょ。そのたびにまだ被害が減らない、たぶん被害を調べてるんですよ。厚生省の場合は被害を集める気がないでしょう、今。普通被害があるということを基に改訂したという根拠があるんですが、別に被害を知らなくっても改訂したらいいんじゃないかと。どれだけ被害がでていたって知らんとも言える訳だし、何も被害が出てなくっても誰かが変えようかと言えば変えることもある訳だし、そんないい加減じゃなくて、被害が多いから解決しないといけない、これは被害がないから解決する必要がないというのが自然な気がするんですよ。日母は独自にやってるんだから、厚生省が独自に被害をもっと集めるように実際発言しているんだから、知る努力をする必要がないのかということなんです。
(厚)ないと思います。
(交)それはちょっと酷いですよ。今回の改訂はマスコミ関係によれば異例だって。
(厚)マスコミ関係が異例だと言ってるけれど、私共は異例だと考えていせん。
(交)この用法、用量は能書の中で50ミリ単位と書いてるだけでその他の文献では50ミリ単位まで使っていいという文献は何もないんですよ。能書だけが50ミリ単位まで使っていい事になっていて他の医師達の発行しているいろんな文章は、安全限界が1分間に20ミリ単位なんですね。随分昔から。能書だけがどうして50ミリ単位までいいのかという事なんです。おかしいでしょう?
(厚)それは当時の資料から50ミリ単位になったんじゃないでしょうかね。
(交)じゃ、変えたい・・・。
(厚)だから今検討している最中でしょう。
(交)だけど遅過ぎるんですよね。能書が50ミリ単位というのは前からです。こういう「分娩誘発法」の研修ノートも前から20ミリ単位以上はいけないと書いてるんですよ。それの違いは、どうして即に一般的注意が改訂する時にならなかったのかと。
(厚)だから同時に改訂の手続きはとっている訳です。実際には遅れるんですよ。使用上の注意というのは要するに安全性ですから、副作用が出たって言ったら緊急を要する訳ですよ。だから改訂が即出来るような形になっている訳です。だから、承認事項にはなっていない訳ですよ。効能、効果ってのは、何に効きます何に効きますと、これは薬事審議会で承認を取るという、これはメーカーにとっても重大事件になる。唯、使用上の注意ってのは、承認した後だっていつ何が起こるかわからん訳ですよ。何が起こったって薬事審議会に諮問して使用上の注意を改訂して、また時間がかかったら、その間に又、どんどん死んじゃう訳だから、今日起こったら明日にでも改訂指示が出せる対策が出来てる訳ですよ。 だから使用上の注意については、何かやろうと思ったらすぐ出来るようになってるけれど、用法、用量とか効能、効果の部分を改訂する事は重大なんです。それの手続きはかなりかかる訳ですよ。
(交)何年くらいかかるの?
(厚)それは、もうすぐ出ますよ。同じ時期にやってるから。
(交)この50ミリ単位というのがずっとこのような書かれ方してて、一方では20ミリ単位を使用しなさいと書いてあるのが何例ある訳です。それをどうしてもっと早くに直してくれなかったのかって事ですよ。私達が来なかったらこういう事しなかった?
(厚)だから50ミリという用法が本当に危ないかどうか。要するにその通り使えば事故は起こらない筈という事です。
(交)いや、起こります。完全に起こります。
(厚)起こらない筈という事です。その通り使えば。
(交)実際起こっているんですから。
(厚)だからそれは、使い方の問題でしょ。
(交)50ミリ単位まで使用すれば100滴ですよ。物凄く早いです。
(厚)通常の場合はそこまでいかないでしょ。少量から使ってる訳ですから段々上げてく訳だから、9割位の方が20ミリ位の所でちゃんと反応すると言ってる。それ以上使われるのは要するに一割。妊婦の中の使われた中の一割位だといわれてるからね。そうでなくて事故が起こるという産婦人科の経験豊かな先生の話によれば、要するに事故が起こるケースは最初の用量が多過ぎたとかね。そういう形で本来ならもっと低い所で反応する人に対して若干、多めにやった為に起こることが多い。だから能書の通りに一番最低の用量からどんどん上げていけば必ずどっかで反応するから50ミリまでいかない間に大体9割までの人が終わっているわけだから、そういう事故は起こさない筈です。今の用量をきっちり守っていれば絶対に起こらないという。
(交)日母の方はおそらく被害のそれぞれの情報収集していると思うんですけど、そういう情報みたいなものを今度の薬事審議会にかける中に資料として入るってことは難しいもんなんですか。
(厚)そこは日母の先生の意見も聞いてますから、そういった関係のデータをすべて先生の方から出されて、それに基づいての意見は出ると思います。
(交)日母のこれ貰ってなかったでしょ?
(厚)それは内部資料だから知らない。
(交)それを前回正式に貰っているでしょ。これは今後も貰う事になってるんですか?
(厚)今後も定期的に貰うことにはなっていません。
(交)なってませんが、請求すればくれるってこと?
(厚)請求すればくれると思いますけど。
(交)出たらくれるとか・・・。
(厚)それは解りません。
(交)出たら貰うようにした方がいいんじゃないですか? 今回貰って良かったですか?
平成4年3月の「分娩誘発法」は頂きました?
(厚)それは貰っています。
(交)詳しいでしょう。
(厚)詳しく書くのは産婦人科の団体の先生が経験のもとに色々詳しくこうやれば事故が起こらないよ。こうやれば良いよ。とこう書けばいいんですけれど、それは厚生大臣の承認事項とは違いますということです。
(交)その前に事故がいっぱいおこってますよと書いてる訳です。その実態を僕らが国民の代表として厚生省に言いに来てるけど、被害の調査はする必要はないということでしょ?こっちは被害の調査してるから、これわかってる訳でしょ。その辺の日母と厚生省の姿勢の違いってのを・・・。
(厚)日母の方は実際やってて、お医者さん同士どうやってやろうかという話し合いをしている訳ですからね。
(交)情報を集めてるからでしょ。責任を持って自分らは医師として・・・。厚生省も責任持って。だから遅れている訳ですよ。今、注意事項改訂出来るんだったらもっと早く変えれてたらこんな被害は起こってない・・・。その責任をとれといってきてる。
(厚)それは、だから日母の内部資料として、出回ってなかった訳ですから、産婦人科の間にしか。
(交)日母も含めて色んな被害を集めようという姿勢がないから、今でも被害調査をしないと言ってるから、いつまでも被害が出てる訳でしょ。3年前に(被害を)集める気になってる人がいたらでてないでしょう。だから今度は。
(厚)あなたの言い方だと、今の話だと必ず事故が起こって、改訂したら事故が起こらない?
(交)だから今後も起こるかもしれないから、反省してどんどん情報を集める工夫、努力をし続けろと言っている訳です。被害調査をする必要はないとか、日母から定期的に貰うことを約束しないとか。そんなんじゃなくって、今回日母から資料を貰ってびっくりした訳だし・・・。
(厚)びっくりした訳じゃないですけれどね。
(交)行間から被害がすごく出てることを認識したと・・・。
使用上の注意が改訂されたそれ以降の被害状況がどうなのかを調べる必要があると思うんですよね。注意書きが変わって、それからどうなってるんかなという事なんで。昨年の10月以降に起きた症例として、ちゃんと医師が使ってるのか、どういう量で使っての事故なのかを調べる事によって、どういうふうにしたら良いか、解ると思う。ですから、やはりこれは、一応国の責任の部所として、どういう形でもいいから被害の状況は調べる必要があると思うし、調べて貰いたいですね。厚生省の責任でしょ。
変えるだけ変えてそのまま、それでいいんだという事じゃないと思う。野放し過ぎますよ。これじゃあ。
日母が今後出したらまた下さいと約束して下さい。それから、何らかの被害実態調査を厚生省が出来る範囲でやる努力を見せてくれないと改訂しました、今後どうなるか調べません、今迄も調べてませんでしたから、では困るんです。調べてもらえますね。
(厚)調べない。
(交)おかしいねー。これは。
前回、(副作用)基金の話で細かいのは分からないという事でしたが、個別の被害実態を調べて頂けたでしょうか。
(厚)私にはちょっと? 別の担当の者、書いてないから来てない訳ですよ。
(交)出来てるか、出来てないかもわかりません?
(厚)全然解りません。
(交)用法、用量の改訂がまだだったら他にも言いたい事がいっぱいあって、例えば分娩誘発や微弱陣痛を目的として筋注でも良いとなっているけど・・・。
(厚)それも全部検討しています。
(交)じゃあ、これは検討していると、いずれ用法、用量については数ヶ月後くらいには改訂がでると。
もう1つだけ聞いておきたい。今回の使用上の注意の改訂で相互作用で前後使うことが駄目とありましたね。違う薬を一緒に使う。例えばプロスタとアトニンを一緒に入れたら駄目とあったけれど、今後前後も駄目と・・・。
(厚)いや、前後駄目じゃないです。
(交)注意する部分が増えたけれど、その前後というのはどれ位の範囲が・・・。
(厚)切り換えの時を考えている。
(交)厚生省が考えているのは、切り換えの時だけ? 例えば、プロスタが錠剤でアトニンが点滴である場合もある。そんな場合だったらプロスタが1時間おきに投与することになっていて、1時間あいたら前後? 半日たってたら前後?
(厚)切り換えて使われた時だと思いますよ、それは。
(交)1時間後なのか、1日後なのか、その辺はどうなの?
(厚)そんな細かいことは解りませんよ。そんな細かい事を書く場所がないでしょ。能書には。
(交)前後を続けてやれば、相乗効果という怖い効果がでる場合があるから、それがある場合は何時間くらいだったらそれが起こるのか。データがあるからやってる訳でしょ。
(厚)日母とか、色んな指導指針がある訳ですよ。
(交)少なくとも6時間以内は、とかね。
(厚)そこまでは。
(交)それじゃ、そこを教えて下さいよ。書いてあるんですから。どれくらいなのか。
(厚)そんなことわかりません。言えません。
(交)データがあるから書いてる訳でしょ。前後は駄目だと。
(厚)前後というのは切り換える場合にという話ですよ。オキシトシンを使っててオキシトシンが無効だから、じゃあ、他のプロスタグランディンに切り換えようかという時に通常通りをそのまま使うとオキシトシンが前のがまだ残っている可能性があるから、って事です。
(交)間隔あけたら使って良い訳でしょう。
(厚)続けて使っても、それあれでしょ、用量を守れば。
(交)続けて使う場合は、注意するよう言っている訳でしょう。相乗効果があるから続けて使うの怖いと。それなら何時間くらいあけて使ったらいいのか。
(厚)それはもう、産婦人科の医師の判断でしょう。
(交)それがわかっているから書いてるんじゃないですか。
(厚)それがわかっているのではなく前後切り換える場合の注意を書いただけです。
(交)半日たてばあんまり注意はいらないのか。その辺の事を明確にしないと注意をしたつもりでも前後にしたらといっても全然わからん。実際現場では半日やってみて、駄目だから半日後に使ってるとかね。又、誘発させておいて、まだ残っているのに半日分使うとか。実際ある訳ですよ。半日でも1日以上2日くらい家に帰らすとか、そういう事すればいいけれども、そうしていないところで事故も多い訳で、私らが知っているところでも前後というのをもうちょっと綿密に注意するように書いてもらわないと意味がわからない。 前後怖いんですよ、これが。一緒に混ぜんかって大丈夫だと思って、終わって直ぐ次に入れて、怖いことが起こっているんだけれとも、前後をもうちょっとしっかり時間的に少なくても何日という、そういうものを載せてもらうということを要請するのはおかしいですか。切り換えだけでは同時に使ったのも大して変わらないんじゃないですか。
そこら辺をもう少し確かめて頂いてですね。書いて頂ければいいと思いますけどね。文章で書くという話ではなくてね。厚生省ではこれくらいの間隔を考えてるんだと。何時間くらい。
専門家に聞いて頂いたらいいし、それは1つの考え方で、こういう見解だよというものを出して頂ければいいんじゃないですか?
前向きに勉強して頂いたら、これはこうしないといけないというものが出るんじゃないですか?
(厚)全部に期待するのはそれは無理だと思いますね。
(交)一応そういう表現を出して下さったらいいですよ。使用上の注意は能書の中にいっぱい書いてあるよ。能書に期待するのが無理だと言うのなら、継続して監視していくとか、モニターしていくとか、そういう事をおっしゃったら、それはしないという事でしょ。それは厚生省の姿勢としておかしいんじゃないですか? 産科というのは、どちらかというと、医療の中でも密室性が高い訳ですよ。だから起きた時には全国的に大きな被害として出てくる訳でしょ。そうと違いますか。能書を改定したら後を継続してきちんと徹底されているかどうか被害が発生していないかどうか、その真意を調べてみるのは大事なのと違いますか。
富士見病院の事件が起きた時も各自治体に医療相談コーナーを設けたのは何でだと思いますか。一般的な医療として通っていないからじゃないですか。産科というのは、そういう観点で当時捉えたからこそ大臣が医療相談コーナーを各自治体に設けるように指導したんじゃないですか。そしたらそれをさらに前進させていくって事だって可能ですよ。あなた方がそういうふうに産科医療の実態をきちっと把握すれば具体的にそういう対応なんて今おっしゃっているような事については、検討してしかるべきじゃないかなあ。特殊性がある訳ですよ。もっと早くやっていれば、被害が出てなかったかも知れないという思いで来ているしね。まだ、被害が出ている事を認識してほしいし、私らは日母の指導に従わない医師が悪いと思っているけれども、今はだんだんと無責任な厚生省が一番悪いのと違うかという気になりつつある。被害も調べる気はないと、誰のために仕事しているのかなあという感じがしてくる。被害が広がって欲しくないから言いに来ている訳でそう言う意味では厚生省も同じ気持ちであって欲しいのに、全然調べる気持ちもないと。これでいいじゃないかと言うのではなくて、ここまで何故被害が出てしまったかと反省すれば今、取り合えず安全に使うために改訂した。さらに、こういう努力もするという事を言わないと。 折角我々としては、色々不満の部分もたくさんあるけれどもこうやって一つ一つやってこられてる訳だから、特に前後で使う時間をどれくらいおいたら位の事は出してもらいたいですね。全部否定しているつもりで言っていないし、それだけやって頂いたというのは、本当はもっともっと早くにやって頂きたかったというのは被害者の立場から言えば当然の事です。きちんとした形でやる為には、そういった事でもきちんとして貰いたいという事なんで、1つの見解を出して頂きたいと思いますけど。前後時間の問題に関して。
4番目のPGの用法、用量について先程平山さんは、食い違っていないといいましたけれど、能書だけに体重1キロ当たり使用するという事が書かれていまして、他の文献すべてにおいては、体重とは関係ない状態での使用法になっているんですよね。だから体重をいちいち計算して、この人は53・5キロだからいくらというふうな形で使用していないんですよ。実際のところ。そういう使用方法してないものが、そのまま能書の用法、用量の中に通っている事自体がおかしい話なんですよ。ここは、どうなんですか?
(厚)それは、用法、用量の範囲内ですよ。
(交)近々、そういう方法は変える予定になっているんですか? 体重のままで、そのままいくって事ですか?
(厚)ええ。
(交)じゃあ、いちいち一人ずつに計算して使っていると思いますか? 使ってないでしょう。実際に。
(厚)それは、用法、用量てのは増減があると思いますから、薬の用量って個々一人一人皆違う訳ですから、それはそれなりに症状をみながら個別に対応しているんだと思いますけれども。
(交)そういう事は、実際していないんですね。本にもそのように書いてるものは何にもないんです。実際の処、能書だけなんです。ですから、この「分娩誘発法」にしても、全くないですよ。体重1キロ当たりいくら使用すると言う事は聞いた事もないし、見た事もない。
(厚)だから、どっちも体重換算すれば、ほとんどどちらも用法、用量の範囲に入っているでしょう。ほほ同じ用量なんです。
(交)だって使用の開始の量と最大使用してもいいものと、かなり違いますよ。計算したことありますけれど。ですから、一般的に皆が使っているやり方を書くのが普通じゃないですか。どんな文献を読んでも500mlのブドウ糖の中にいくらのPGをいれて何滴から開始するという方法ですよね。
(厚)用法・用量というのは、薬の使い方の標準的なところを書くんであって、実際に使う場合には、個々の患者さんをみて、その用法の範囲内で使う訳ですから、医師が判断してこの人はこれ位にしようかとか。これが絶対なんだというような用法ってないと思うんですよね。
(交)だから、そういう能書に書かれているやり方で日母なりがそれでいいというふうに言われているんですか?
日母もそういう方法に指導していない訳ですよ。今までずっと。 何で能書があんなふうになっているのか、どういう事なんですか。これも、実態を調べていないから駄目なんですよ。厚生省は。日母は、実態を知っているから誰も体重を測ったりしてやっていないから、そんな書き方しても何の意味もない事を日母は知っているから、より具体的な書き方をしている訳でしょ。それだけ時代が変わって来ている訳だから、だれも体重なんか使ってやっていないことわか
っているんだから、どんな能書に指導したらいいのかとか。日母に対抗してあくまでも体重だといっても、一般的でないので、一般的によく使う、人もよく分かるような形で書かないと、意味がないと思うんですよね。 いちいち、これはいくらだろうと、そんな計算しない。そもそも能書を殆ど見ないという事なんでしょう。殆ど見ないんですからね。よく見ているこういう「分娩誘発法」などに書かれているような使い方にすればそれでいいんじゃないですか。
こういう体重で計算するというやり方について日母の先生方もあまり問題意識を持っていらっしゃらないんですか?
(厚)体重で用量を計算しているだけですから、大体日本人であれば40キロから60キロ、70キロの範囲にはいっていますから、殆ど同じようなものだと思いますよ。
(交)日母の先生は、そのように言っているんですか。あまり聞いていないんですか。そこら辺、今回の改訂が研修ノートなどをかなり一つの重要な資料として改訂されたんだと我々思っているんだけれど、その時に日母の先生もそういう事で別に問題のないような認識でいらっしゃるんでしょうかねえ。そこら辺を是非伺いたい。聞いていらっしゃらないのなら、確かめてないって事で、それはしようがないですが。
おそらく医師の中には、体重ごとに使用するって事さえも知らない人が多いんじゃないですか。実際のところそう思いますよ。 今回のオキシトシンの能書が改訂になったという事さえも医師側は知らなくって、一般的注意が厳密に20ミリ単位になったということで、用法、用量も改訂になったと信じてるんですよね。殆どの人は。ですから、「(用法、用量は)変わってないんですよ。」と言うと「えーっ」と言う感じだったんです。現場の実際に臨床している医師がです。そう言う事で、用法、用量がうんぬん、どうこうという訳ではないですけれども、やはり一般的に医師達が実際に使われているやり方で、量で、使用するように書くのが普通だと思うんですけれども。そこを検討してみて下さい。
5番目のインヒュージョンポンプの義務付けについて、どう思われているか、そこら辺、さっきは義務付けは無理だと言ってたんですけれども。例えば、1分間に3滴という事は、完全に絶対出来ないんです。実際やってみたらいいですよ。
(厚)細かい微調整の範囲内である程度のアローガンスがある訳ですよ。患者を見ながらやる。患者を見ないで用法、用量を正確にやればいいって問題じゃないんですよね。
(交)そりゃ、もちろんそうですけれども、3滴と5滴でも1・7倍くらい違う訳ですよ。それほどにこの薬は微妙な薬なんですよ。実際のところ。ですから、3滴で使用しよう思えばインヒュージョンポンプで設定してきちんとしない限りは、入らないんですよ。ちょっと横になると、もうパッと止まってしまいますよ。実際点滴セットでしてみて下さい。すぐわかりますから。
(厚)そこはねー。能書で義務付けるような薬の話じゃないと思います。
(交)色んな文献にもこれは必ず使用する事と書いてるのもありますし、この「分娩誘発法」では、する方が良いと書いていますよ。
(厚)それは、その方がいいと書いてあるし、その方がいいのかも知れませんけれども。
(交)実際しないと出来ないんですから。
(厚)そこは、薬の使い方ですから必ずこうしなきゃ使っちゃいけませんよと、そういう話じゃないんですから。
(交)危ないんですよ。1分間に3滴落とすのが6滴になったらどうなるんですか。倍ですよ。10滴でも大変なんですからね。だから強制的に自動で入れなければ入らない量を使用しなさいという事を書いてるという事は、一般の点滴セットでは無理という事なんですよ。ですから、書かないといけないでしょう。こんな機械は1台10万円くらいですよ。 何人患者がいるかわからないけれども50人おったって50台じゃないですか。おかしいですか?
(厚)こういう薬を使う時に、要するに経験豊かで・・・。
(交)経験豊かな人の元でやってこんな事故が起こってる。
(厚)全く初心者だったら、怖いからこういうふうなものを使うかも知れませんよ。絶対にこれをしなければいけないという事は出来ないという事なんです。
(交)分娩監視装置とその議論は同じなんですよ。
(厚)分娩監視装置だって、絶対付けないといかんとは書いてないでしょう。
(交)書いてないけど、分娩監視装置などを用いると書いている。
(厚)などを用いるという事は、何も分娩監視装置を付けなくても十分な監視は出来るんですよ。だから、分娩監視装置を用いる程度の精密な観察をしなさいという意味で書いているんですよ。
(交)だから同じなんですよ。インヒュージョンポンプなどを使用してと書いたらいいじゃないですか。
(厚)それは用法、用量の中に書くものじゃないですよ。
(交)注意事項ですよ。
(厚)注意事項でも書く話じゃないですよ。
(交)何で分娩監視装置は出てるのに、同じじゃないですか。
(厚)十分に監視しなさいという事と、用法、用量は必ず、あるいは、なるべく使わなければならないという話は違います。
(交)感受性は個人差が大きく少量でも過強陣痛になる事もあるので、出来るだけ少量から使う。インヒュージョンポンプを使うくらいに精密にしなさいと、怖いものなんだと書く訳ですよ。分娩監視装置を使うのと同等の事をしながらやりなさいと書いてる訳でしょう。そこまで具体的なものを出さないと、分娩監視の方は、分娩監視装置を使うくらいきっちりとやらないといけないと思うかも知れないけれども、点滴の方は適当にして、「あれ、終わったんかな」というようでは困ると言ってるんです。同じレベルでやってくれないかという事なんです。だから、できる訳ですよ。書いた方がまともに本当の使用量が出るし、そういうふうに使えるでしょうね。そうしないと、いい加減になるんですよ。入
ったり入らなかったりとかね。
入れる時にインヒュージョンポンプを使うぐらいに、監視する時に分娩監視装置を使うくらいに、というそれくらいの具体的なのを出さないと実際に、少なくしなさいと言っても物理的に無理だという量なんだから、慎重を期さないと看護婦さんが殆ど入れてる訳ですから、看護婦さんは能書を見ていないですからね。
(厚)能書に書くような話じゃないって事です。
(交)書いたらまずいかっていうと、まずくはないでしょう。
この用量はインヒュージョンポンプを使わなければ出来ませんと書けばいいじゃないですか。安全に使うためには使いましょうと、書いたらいいじゃないですか。オキシトシンを使用する時には、分娩監視装置を使用すると書いてるんですから、「インヒュージョンポンプを使用する」と書いたらいいじゃないですか。インヒュージョンポンプを作ってる会社に喜ばれるかも知れませんよ。一言入れてもらえればいいんじゃないですか。安全に使うという事をもう少し意識して欲しいです。それを入れるだけで事故にあう人が何人か防げるかもわかりませんよ。あなたの手柄になりますよ。(笑)
厚生省がどちらでも良いと思ってる認識の甘さが私は怒りになる訳で、今までの、これくらいでいいのと違うかという能書で事故が起こっているから、さらにどうすればいいのか。注意事項を増やしてより安全にという事でしょう。より安全に努力できるところまでやってくれたらいいじゃないですか。「自動点滴装置などを用いて正確に入れよう」と、そういう文章を入れたらいいんですよ。
そうですね。それは是非とも・・。それだけ正確に入れないといけないんだなと、そういう認識が出来るじゃないですか。実態は、医師がやるよりも看護婦の方が多いし、ベテランの看護婦ばかりならいいけれどもそうとは限らないし、小さな産院なども含めて考えると、そういうものがあった方がきっちりすると思うんです。やっぱり被害という立場を考えると出来るだけきっちりや って貰って指針が出てるという事は、重要な事で、かなり広い範囲で問題を認識して言ってるわけです。
日母は、インヒュージョンポンプを使えと書いてるでしょう。実態をよく調べているから現場ではすごい勢いでオキシトシンの点滴が入っている事を知っているんですよ。だから、そう言っているんですよ。厚生省は、何も調べていないし、調べる気持ちもないでしょう。だから、そのままでいいんだという事になってくるから根本的な姿勢なんですよね。なんで日母がインヒュージョンポンプを用いてやれと言っているか、実態を知っているところが言ってる事が大切なんです。そういう事なんですね。これだけのギャップが厚生省にあり過ぎますよ。例えば、もう1時間で帰る時に点滴のスピードをどれだけ早めてるか、それをやっちゃいけないって事を知らないんですから、ちゃんと指導しなければ駄目ですよ。本当に自分達の都合で点滴のスピードを早めたりを日常茶飯事にやってるんですよ。 それについては、御検討というふうには仲々ならんですか。きっちりした1つの枠組みを作らざるを得ないものがあるんで、その出し方をどうやって出すかは、そちらの技術的な問題ですから、どこかで基準のようなものを出して貰いたいというのがある訳です。それが被害を防ぐ事なんだという思いなんですね。そういう事なんで、是非検討して貰いたいと思うんですけどね。平山さん、どうでしょうか? 何ともいえない?
(厚)だから、そのー・・・、これを書いたからと言って・・・。
(交)日母の通りに大体注意事項を書いてくれてうれしかったんですけどね。何でこれも一緒にやってくれんのかなあという思いがあって、もう1回、改訂があるのなら日母の通りにやってくれたらすっきりする訳ですよ。折角少量から使用しなさいと書いたんだから、それを使用するにはどうしないといけないかという事を考えてもらわないといけないんですよね。実際出来ないものをしなさいと書いてもらっても結局一緒になる訳ですからね。
そういう事なんです。出来るようにする為に、インヒュージョンポンプを使いましょうという事なんですから。2ミリ(単位)からスタートするにはインヒュージョンポンプを使わなければ出来ないって事はもう皆分かっているんでしょう。医師だって看護婦だって知ってますよ。実際はそういうふうに書いてないと色んな忙しさとかいう中でかまけてしまうんですよね。それが現場なんですよね。だから事故が起こってくる訳でしょう。そこで歯止めをきちっと出しておくという事が意味があるんですね。皆知ってますよ。本当にやるには人為的に出来ないって事を。医療現場の人は、現実にはインヒュージョンポンプがなければ出来ないという事を知っていながら、やってしまう訳ですからね。そこのところを問題にしている訳ですよ。知らない訳じゃないですよ。皆。なけりゃ出来ないと思っていますよ。常識ですよ。出来ないから適当に10滴くらいから使うという事も多い訳ですよ。そこら辺の何かの表現で、そちらに考えてもらいたいと言ってるんです。検討して下さいよね。用法、用量の改訂の時に何かの形で出してくれたらいい訳です。お願いします。検討して下さいよ。
(厚)無理だと思います。
(交)無理なのにどうして1〜2ミリ単位から使いなさいと書いてるんですか。1分間に2滴をどうやって使うんですか。インヒ ュージョンポンプなしに。おかしいんじゃないですか。考え方が。どうやって使うのか教えて下さいよ。インヒュージョンポンプがないところはもう使ったらいけないですよ。そういう事ですよ。分娩監視装置がないところも使ったらいけないですよ。私達はそう信じてるんですよ。折角(能書を)直しても意味がないじゃないですか。インヒュージョンポンプがなくても経験豊かで、使ってもいいというのがそちらの考えかも知れませんけれども、こちらはそんなふうに思っていないんですよ。この薬は。
しょうがないねえ。平行線で。もう1回議論しなきゃいかんと思う。是非検討をして頂きたいというお願いを改めてさせて頂くしかないと思います。
次に6番の保険の方で、保険局の方が見えていらっしゃいますので。
(厚)質問を確認しますが、陣痛促進剤を使用する際保険適用になる場合と、ならない場合について、説明するという事ですね。陣痛促進剤にかかわらず一般に医薬品が保険適応になるかどうかは、まず第一に健康保険法第43条に規定する療養の給付に該当するかどうか、それに続いて健康保険法から政令という形で作られております。保険医療機関及び保険医、それを担当する第1条に規定する保険医療機関の療養の給付に該当するかどうかが問題となります。次に薬事法で規定される効能、効果あるいは用法、用量に合致した使用がなされているかによる訳でございます。よって具体的には・・・。具体的な例がないと具体的に説明する事は、困難でありますが今言った第1の原則、第2の原則に含まれるものについて保険の適応となると言う事です。個々のこういう場合はどうかという例があれば、「それは適応になります。ならない」という個々の例が出てくると思いますけれども、この質問だけでは具体的にお答えしようがないんで。
(交)医師が学会に出席するから誘発したいという事で使用された場合はどうなりますか。自然の陣痛が全然きていないのに。
(厚)学会に出席するから使用したかどうかを実証する根拠が何もわからないですね。
(交)例えば、年末年始などでもいいんですが、要するに医学的適応じゃないのに使われた場合。
(厚)そもそも正常分娩は、保険の適応になってませんから今そういう御説明をさせて頂いているんですよ。
(交)ですけど、薬は要するに医学的必要がある時に使うのが薬ですよね。
(厚)それは、第2の縛りであって第1の縛りは健康保険法の縛りがかかっている療養の給付というのがこういうもんですから治療に使う。治療の範疇に当たるかどうかによっては保険の給付の対象になるかならないか。
(交)それをどのように考えているんですか。
(厚)学会とか、それ以前の問題であって、そもそも正常分娩であったら理由のいかんに係わらず療養の給付の対象とならない。
(交)オキシトシン使っても全額患者が払うのか?
(厚)正常分娩ならば、どんな薬を使おうが保険の給付の対象にならない。
(交)プロスタグランディンが入った場合は?
(厚)それは第二の問題であって、第一の問題でふるい落とされてからの問題ですね。正常分娩であるか否か。
(交)正常分娩であるか否かは、何によって区分けは何によってしているのか?
(厚)個々の症例ごとに医学的判断により・・・。
(交)医学的判断って言ったって正常分娩であるかどうかっていうのはあるでしょう。
(厚)だから医学的判断です。
(交)医師の判断になってくるのですか。医師がこれは正常分娩です。これはそうではないと言うと、そのようになってくるという事ね。医師の判断だって事ね。すべて医師に任せられているって事ね。そういう判断ね。
(厚)医師が正しい判断をすれば医師法に基づいて正しい判断をすれば・・・。
(交)請求についても・・・。
(厚)正常分娩かどうかという。
(交)それが保険請求出来るかどうかに係わってくるでしょう。少なくとも、保険請求が出来るか出来ないかって事が正常分娩であるかどうかという事ですね。だから医師が、これは正常分娩でないとなれば、これは、保険請求が出来るとなる訳ですね。そういう事ですね。明日、日曜日だから医師は今日中に産ませたいという理由でPGE2を飲ませたと、ところが昼までに産まれると思っていたのに産まれなくって、夜までに帰りたいからオキシトシンの点滴をしたと。副作用で過強陣痛になって帝王切開して赤ちゃんは結局死んでしまったという場合のプロスタグランディンは適用されるのか?
(厚)それは先ほどの答えと同じで、そもそもの分娩経過が正常かどうかがわかりませんから・・・。
(交)えっ。帝切してるのに?
(厚)オキシトシンを投与する時点の時に正常分娩であるという判断がなされているかどうか、わかりませんから。
(交)帝王切開なんだから正常じゃないじゃないですか?
(厚)結果が帝切なんであって、そもそもスタートの時点が正常分娩の過程の中でやられたかどうかという判断をしなきゃいけませんから、お答え出来ないんです。
(交)結果として帝切やってりゃ一連のものとして考えられるでしょう。帝切になって正常分娩というのがあるのですか?
(厚)結果というのは、分娩という医学的な定義というのは、子宮が収縮して子宮口が開大して胎児が娩出して付属物が娩出するまでを分娩過程と呼んでいる訳ですから。
(交)そのプロセスの中で帝切を結果として、やらざるを得なかったという事になればそれ自体を一連のものとして保険適応にならざるを得ない。
(厚)その原因となる時点で正常分娩であったなら、その判断は。
(交)その期間の入院分については、すべて保険適応になるよ。
(厚)入院分って何ですか?
(交)入院費ですよ。
(厚)なりませんよ。
(交)なりますよ。帝切やってれば。
(厚)保険適応と療養の給付とは違いますよ。健康保険法に指定する保険適応というのは。療養の給付の範疇であって、先ほど言った保険医療機関の療養の給付でないんです。
(交)少なくともPGを使って帝切をしなくてはならなくなった場合、その期間の費用、入院料というのは保険の給付ができますよ。
(厚)それはわかりませんよ。
(交)出来ますよ。してますよ。現実にやってますよ。だからさっき言ったように病名を付けるから出来るんですよ。だから医師が必ず病名を付けるんです。正常分娩でないという形でPGを使ったとすれば、それ自体が、その薬だけが保険請求にならなくて後が保険請求になるという論議はおかしいじゃないですか。
(厚)正常分娩でないとするならば、一連の行為は異常分娩として処理されますので保険が使えます。正常分娩の過程の中で起きた事ならばそもそも保険の給付の対象に根っこからならない。
(交)結果として異常分娩となったとしますね。医師が異常分娩と判断した一つの分娩があって医学的適応がなかったけれども早く帰りたかったから薬を飲ませましたという、こんな場合の薬に保険が適応されますか?
(厚)それは効能、効果に合致した使い方がされていないって話ですね。当然、保険の給付に最初から成り立たないでしょう。
(交)成り立たない。
(厚)そういう事がはっきりしているならばですね。
(交)問題なのは、今の議論は非常に噛み合っていないんだけれども、なぜ噛み合わないのかというと、プロセスみたいな事はレセプトには書かないわけですよ。だからレセプトに出てくるのは単純に病名と使った薬と検査とかだけだからね。一番最初はこうで、そのプロセスがこういう事で起こって、その後で異常な状態になると。
(厚)レセプトを出すという事は、異常分娩であるという前提で私達は見ている。
(交)最後のところで帝切があったらやっぱり出しますよ、病院はね。最初の所でどうであったという事までは、その時には分からない。そんな事書けとは書いてないしね。だから最初からすべて含めて保険請求になるわけよ。最初が仮にあなたがさっき言ったように実は正常分娩であるんだけれども、その薬を使おうという事でそのプロセスで起こってきたと、そして帝切になったと、そしたら最初から含めてやりますよ。
(厚)それは個々の事例によりまして。
(交)そこのところは、あなた方には分からない訳ですよ。我々が言っているのは、そう言う事なんだよね。だからこういう場合だと、こういうプロセスの場合にはこれは保険適応が出来てと、そういうのがあなた方が見せられる基準みたいなのがあるのかなあと思ったわけだよ。だけど今の話だとすべて医師に任されてると。医師がそうだと言えばそうになるし。すべて医療機関ではレセプト請求する時には医師がいちいちチェックしていますから、これを保険請求するかどう、そういう事をすべて確認しながらやっていますよ。病名も確認しながらやっていますよ。
(厚)病名を確認する事は義務なんですよ。
(交)だからやってますよ。義務でも何でもいいですよ。優等生の回答ばかりで実態が何も分かっていないのよ。
じゃあ、破水した場合、破水して24時間経過した場合は、これは医学的な必要があって誘発しないといけないんですよね。そういう場合は、異常ですので保険の適応になるはずなんですが、そうでしょうか。
(厚)破水で24時間経過。まあ医学的に異常分娩と言えるでしょうね。
(交)となると、これは自費請求でなくって保険請求すべき症例と言えますね。
(厚)異常分娩とされるならば保険請求できます。
(交)異常分娩ですよね。
(厚)すべきというのではなくて保険請求できるということ。
(交)じゃあ、そうして下さいと言えばしてもらえる症例であるわけですね。
(厚)保険請求するかどうかは、具体的には患者と医療機関の契約に基づく事ですから、保険請求できるものでもすべて自費でや って下さいと言えば出来る訳ですよ。
(交)そりゃあ、お金のある費とは自費で10倍くらいでも払ってもらったらいいわけで、そんなの分かってる。
(厚)逆に保険でやって下さいというのは、そういう事態が生じた時にこれは異常分娩だから、その時点に契約が開始される訳ですね。今、異常分娩だから医療の給付の対象になるべきだと、その時点から議論が始まるわけで。
(交)じゃあ、そういう事になるわけですね。異常分娩だと言う事で保険証を使ってのお産になるわけですね。
(厚)成りうる。