平成5年6月18日(金)
第30回 厚生省交渉の記録
<交渉団側参加者13名 (内会員6名)>
本谷晴志・伊藤節子・勝村久司・奥谷好子・谷口民子・出元明美
<厚生省側参加者5名>
平山 一男(薬務局安全課 副作用情報室長)
尾崎 俊雄(保険局国保課 事務官 )
辻阪 高子( 〃 保険課 〃 )
藤本 眞一( 〃 医療課 課長補佐 )
荒巻 祐三( 〃 〃 特別医療指導監査官)
〔陣痛促進剤についての質問〕
1 子宮収縮剤の副作用で医薬品副作用救済基金へのこれまでの申請件数、支給件数をオキシトシン・プロスタグランディンE・プロスタグランディンF2α混合または併用に分けて明らかにされたい。
2 1991年12月、薬害救済基金提出の石丸澄子と、亡き石丸幸の申請に対して未だ決定されていない理由は何か。(医師の診断書は記載を拒否され提出していないが、カルテ、判決文、鑑定書を提出している。)
3 本年3月5日の衆議院予算委員会において、丹羽厚生大臣が計画分娩のあり方について「日母で検討してもらいたい」との発言があったが、その趣旨は何か。又、そのメンバーはどのように考えているのか明らかにされたい。
4 陣痛促進剤の点滴静注法を行なう場合、インヒュージョンポンプの使用義務付けについて、検討結果を明らかにされたい。
5 オキシトシンとプロスタグランディンの追加使用について指針を明らかにされたい。
(厚)これまでの申請件数、支給件数ということですが、そういう形で集計していませんのでお答えできない。
(交)そうすると、どういう形の集計になっているんですか?
(厚)請求別のものと、薬効分類別、あとは・・・。
(交)薬効別というのは、陣痛促進剤という薬効として理解していいんですか?
(厚)ホルモン剤。
(交)じゃあ、陣痛促進剤の副作用基金への申請件数や支給件数自体も分からないということですか?
(厚)そういう形の集計はとっていない。
(交)とりようがないということですか?
(厚)それはホルモン剤の薬効の部分で捉えて・・・。
(交)その中で拾うことは出来ないんですか?
(厚)集計の中から拾うことは出来ません。
(交)そんなに大量にあるんですね。申請自体も。
(厚)今までの累計になっていますから。
(交)ホルモン剤の累計は何件あるんですか?
(厚)制度発足から平成3年までで130件です。
(交)制度発足は何年ですか?
(厚)昭和55年です。
(交)何の薬の副作用か調べればわかるんですね。
(厚)それは、申請に戻って医学的に・・・。全体の件数はあるわけですから、そこの中でホルモン剤が何件あるか・・・。
(交)していないんですか? 130件というのはホルモン剤のすべてですか? 以前いわれませんでした? ホルモン剤が130件。
(厚)ホルモン剤の成分についてどういうものがあるかという所までは追っかけていないと。
(交)だから、していないから、して下さいというお願いをしたわけなんです。もう半年以上たっていますから、当然出来ている筈なんですよね。
(厚)半年以上?
(交)ええ。去年の9月ですよ。これくらいだったら出来るんじゃないかと話してるんです。やってみますと言った。伝達されていないんですね、要するに。これは初めて出した質問じゃないんですよ。前の前に出してるんです。去年ですよ。
(厚)ボソボソと言ってるが全く聞き取れず。
(交)それについては既に議論しているんですから、同じ事を繰り返してもしようがないので、その中から何件かを拾っていけばどれくらいのものがあるかが分かるから何とか検討してみたいという事だったわけですよ。前々回。その時の議論を受けて、もう作業をして下さっているのかと思って、その結果を伺いたいという意味なんですよ。この質問は。 今のお話だと、そういう事をやっていないという事ですよね。違いますか?
そういう事でしょう。それとも前の人から伝達を受けていないって事ですか?
どうなんですか?同じ議論をしてもしようがないですから、それを検討して貰えませんか? 時間の限られた中でやっていますから。出来るかどうか、ではなくて。やって頂くという事を前提でもうちょっと時間がかかるというんであれば、仕方ないと思うんですよね。それについては。 やるという事を前提で話を進めないと、やるかやらないかを検討させて下さいと言うんでは、話が何も進まないですよ。
(厚)沈黙・・・。
(交)出来ない可能性があるんですね。
(厚)医薬品基金の業務としては出来るだけ早く支給決定をするということですから、具体的にそこまでやれるかどうか。
(交)そもそもこういう問題については、これほどの広い範囲での捉え方で宜しいのかという事があるわけですよ。色んな薬があって、それらを入力する時にそういった概念で全部ひっくるめて宜しいのかと。そういう議論が前々回ありましたよ。大量に陣痛促進剤の被害が出てきた時にそれをどれくらい件数が上がっているのか、わけが分からないという事はあなた方のこれまでの実績な訳でしょう。だからそれはおかしいと議論してきた訳ですよ。中には、特定して、これは注目しないといけないという事が出てくる訳ですよ。本来なら、(被害が)随分出てきている、問題だよということが出てきておかしくなかった訳ですよ。あなた方は行政の横のつながりが何もないと言うかも知れないけれども、本来はそれは、おかしい訳でね。これが出てるからもう少し考えなきゃいかんとか。そうでなきゃ、被害は被害だけ。ただ受け付けてるだけの事で、それも非常に大雑把な概念でくくって、それでやってるって事になる。ある薬剤で非常に問題が出てても何も拾えないって事になってくるでしょう。違いますか?
(厚)医薬品基金の・・・。
(交)早期救済と同時に、その事が行政の目的として入っていない事はおかしいじゃないですか。金払やあいいって話なの、あなた方は。私達は被害にあってしまったんですから、被害を断つという事でしょう。それを厚生省の人達にやって貰いたいって事です。できるだけ早い段階でキャッチして、しかるべき当該のセクションにその情報を伝えて貰わなかったら、いつもただ被害だけ来てて、累々となって。それは広い概念だから別に特別な薬について問題視しなくても宜しいなんて事で、被害者の人については金払うって事が、そこのセクションの機能だって事になったらおかしいと思うんですよ。同時にそういう事があらかじめ早くに解ればそういう事が2度と起こらないようにするって事が含まれていないとおかしいでしょう。その為にこそ広い捉え方ではおかしいんじゃないの。私らが言いたいのは、そういう事なのよ。たった130でしょう。もっと本気で考えて本気で仕事して下さいと言ってるんですよ。あなた方は予備軍なんですよ。あなた達の健康ですよ。あなた達の家族もそうでしょう。医療事故にあいたくないわけよ。あなた達はそういう事にあったことがないから知らん顔して言えるからいいけど、もし被害にあった人が家族にいたら、被害を断つという発想に。その為には色んなデータが上がってくる申請件数に対して薬をせめて選別しないといけない訳よ。基金の場合、支給すればいいってもんじゃない。 判定すればいいってもんじゃない。その辺のところがどうも食い違っている。これを機会にホルモン剤130件の内訳をし直して下さい。今までホルモン剤ということになっているから過去に終わった
事は何も解らないってことでしょう。実際130調べればいいんでしょう。調べるのも男性が出産するわけじゃないんだから、女性をまず拾い上げて、それから出産時ということを調べれば簡単に出ると思いますよ。そこのところは、出来るかどうか検討してみますいうのではなくて、絶対に出来ますから、して下さいよ。大事なことですから。柿沢さんねー。色々言いたい事はあるんですよ。少なくとも未然に防ぐという事も入っていなきゃおかしい訳でね。そこのところの言わんとする事を受けて頂いて、それで130の中からこの問題について拾って頂くという事を検討して貰えませんか? ね。お願いします。じゃ、2番をお願いします。
(厚)石丸さんの件でございますが、私どもとしては、個人のプライバシーの請求にかかる状況等については、この場でお答え出来ませんので、医薬品基金の方に請求者が言って貰えれば御説明させて頂きたいと思います。
(交)状況が説明出来ないんですか?(石丸さんの)本人のどういう経過で、どうなったという事は皆知ってるんですよ。
(厚)請求にかかる内容につきましては、本人の方に対するお答え・・・。
(交)それはおかしいですよね。どういう状況になっているかという事は、本人のプライバシーとは関係ないんじゃないですか? あなた方の作業がどこまで進んでいるかという事が何で本人のプライバシーに関係あるんですか?
(厚)一切の請求の内容に対して、お答えはしておりません。
(交)これ、プライバシーか何か侵害するんですか?
(厚)請求の内容については・・・。
(交)内容についてでないでしょう。決定されてない訳でしょう。決定してるんですか?(厚)してない。
(交)してないんですね。してないから、どうして遅いのかと本人が言ってますから、だから私達が代表として代りに来ている訳ですよ。本人の意向を受けて来ているんですよ。これだけ文章になってるって事は本人の意向を全く無視して我々も出来ませんよ。どういう状況かという事を私達は知ってるから、こんな文章が出来てる訳でね。本人が何も知らないのに勝手にやっている訳じゃないですよ。
(厚)だとは思うんですけれどね。御本人が直接言って来てくれれば、済む事なんですけども。やはり、その御本人の同意が恐らく得られているんだとは思うんですけど、私どもがお答えするのは御本人であればお答えさせて貰いますけれども、そうでないとやはり守秘義務という事もありまして、プライバシーにかかわる問題は本人の同意が得られていると言われはしても、具体的には言えないんですよ。
(交)何でこう言ってるかと言うと、本人は遅いんじゃないかと思ってるんですよね。遅過ぎるんじゃないかという事について、何か答えて下さいよ。どうして遅いのかという事を聞きたい訳ですよ。だいたい7ヶ月ぐらいから返事しているという話を去年の9月に聞いてる訳なんですね。じゃ、何年もたっているのに、してないのかという事になるでしょう。それを返事下さいよ。
(厚)申請の内容によって、遅れてるという事はあります。
(交)一つ聞きたいんですが、去年の9月にも聞きましたけれども、裁判中だから遅れてるという事はございませんか?
(厚)そういう事はありません。このケースがどうこうという話ではなくて、裁判が行なわれてるから遅らしているとか、遅れてるという判断ではない。
(交)そんなに何年もかかるような判断なんですか? 誰に聞いてるんですか?
(厚)一般論ですが・・・この方の事例がどうこういう事ではないのですが・・・。
(交)一般論は結構です。この方のを言って下さい。
(厚)この方のは話が別だけれど・・・。
(交)どうして遅れてるかを言って貰ったらいいんですよ。症例はどうでもいいんですよ。症例がどうこうでなくって、あっちこっち色んな人に聞いてるから遅れているのか、ずっと待ってるだけなのか、そういう事です。
たとえば、因果関係上の問題がまだ明解でないというふうなのが一つの理由があるかも知れない。ここに書いているように医者の診断書があくまでもそちらの書式に基づいた診断書で出されていないと。他の者が書いた鑑定書や判決文が出てる。そういうものが出ていても、あくまでも書式の診断書に書いてないと言う事が色々問題になっていて、それがあなた方の理由かも知れない
一般論に不偏したとしても、こういった問題は以前ライ症候群の問題で議論した事があるんですけれど、少なくともあなた方の基本姿勢がどうなのか聞きたい訳で、あくまでも基本的な書式に基づかないものは受け付けられない、あるいは受け付けたとしても、それは決定としては出せないという事なのかどうか。
(厚)基本的な判断が出来るようなものが揃ってあれば・・・。
(交)いい訳ですね。それは必ずしも診断書に限らないって事ですね。
(厚)書式には色々書いてございますけれども、因果関係なりカルテなり明らかになるような書類があればいい訳です。
(交)じゃ、それは揃っているけれども理由は言えないけど本人が電話したら、出来てないという事で必ず納得のいくような返事が頂ける訳ですね。
(厚)なるべく御納得頂けるような形で・・・。
(交)どなたに言えばいいですか。名前を指定して下さい。今日でも本人が電話したらいい訳ですね。
(厚)名前はちょっと上げられないんですが、基金の者に御紹介して頂ければいいです。(交)厚生省としては、申請して書類に不備な点があって、もし遅れるような事があれば厚生省としては放っておくのではなくて、当然言って上げますよね。
(厚)ありますよ。それは。
(交)言いません、言いません。それは無いですよねー。いくら診断書がなくても、診断書を出して下さいとは厚生省の方からは連絡しませんよねー。
医師にでなくって、本人にも? ないないそれは。
(厚)なるべく早く判断できるように御照会させてもらっていると思うんですよ。
(交)この件、これだけ放っとかれて、結局答えが書類が足らない、だからという事はないですよね。そうだったら、もっと早く言ってあげる?
(厚)それは、このケースがどうかわかりませんけれどね。
(交)一般論としては、まず有り得ない訳ですね。
(厚)決定が遅れている事は、何らかの事情があるんだと思うんですけれどね。どういう事情かは分かりませんけど。
(交)厚生省としては、長い事放っといて最後にその理由は書類が不備だとは、言おうとは思わないでしょう?
そういう事をしてないって言ったのは、子供が亡くなって5年以内ですから、3年ちょっと前にだしたんですけれども、期限がギリギリなので医師の方に返信用切手をはって「書いて下さい」ということで診断書が出来ていない段階でそれ以外のものを厚生省に出したんですね。こういう状況だという事を知らせてだして、何年もたっても全く何も言ってこないので、どうなっているのかと聞いたら、厚生省としては全く病院の方に、書いて下さいという事を言っていないという返事があったんです。去年の9月に話し合いをした後にね。そういう事があったから厚生省としては、書類が不備でも全く誰にも何もそういう事は言わないんだという事を私は言った訳ですよ。
実際、医師が書かないという人もいるんですよ。そういうのは、厚生省は医師にどうしても必要であれば御願いするか、もう諦めるかですよね。そこのところで、ちゃんと方向を決めた上で検討するような形にした方がいいのではないか。
(厚)なるべく判断できるように医師に照会していると少なくとも理解していますし、実際照会してないって話でしたので、それは申し訳なかったと思うんです。やはり、判断できる形で資料を整えるという事の為になるべく医師の方に照会するなり、御本人に照会させて頂く、そういった運用をやらなくちゃいけないし、この事案がどうこうという事は分かりませんが、一般論としてはそういうふうに思っています。
(交)で、一般に平均的には7ヶ月という事ですよね。申請のあ
った段階でそういう事を伝えてるんですかね。
(厚)私はしていない。
(交)ちょっと不安ですよね。不安だから言ってるんですよ。遅れる場合には何らかの通知をしますと言わなきゃ不安なんですよ。そういう気持ちを分かってあげて欲しい。きっちりしておくという事が、まず最低限じゃないですか。不安にさせているんだから、本人が電話する前に7〜8ヶ月が普通ですと言っておけば、それだけは待ちますよ。それ以上遅れる場合はそちらから電話して下さいよ。
(厚)どれくらいの期間で決定するかという事は・・・お電話なりあった場合には御照会させて頂いております。
(交)分かりました。そういう事で宜しく御願い致します。
質問事項には書いてないんですが、最近電話が入ってくるのに7年前とか10年前とかの電話が結構あるんです。事故が起こって五年以内か、死亡して5年以内という基準がありますよね。そこの所で枠をもう少し広げる事は出来ないんでしょうか。
と言うのは、裁判でも本人が気が付いてから何年というのがありますよね。自分がこの薬を使ってこうなったんだという事を病院は絶対言わない訳ですから、後で気が付いて「ああ、そうだったんだ」と。でも年数が過ぎているという事で悲しい思いを又するんですよね。そこの所でもう少し、10年とか枠を広げる事は出来ないでしょうか。裁判でも20年という最高の期間としてある。こんな事は本人が気が付いてからじゃないの?
(厚)五年後という事に関して事実関係がますます分かりにくくなってきます。迅速な救済を目的とするところから・・・。
(交)本人が救済基金の存在を知らなかったらどうするんです。基金の存在を知らないのもあるけど、薬による被害だと知らされてないんですよ。迅速というのは申請されてから、迅速にするってことでしょう。申請が遅れた場合、どうするのかってこと。
そういう意味で知らない人がいて、それが後で分かった時、それは過ぎてしまっていたでは迅速も何もない訳でしょう。ほとんど知りませんよ。
(厚)PRを何とかしないといけないと思うんですよ。
(交)PRと言っても限界があると思うんですよ。誰が教えてくれるのかと言っても医者なんかそんな事、まず言いませんよ。そもそも、そういう存在をどれだけ知っているかという事もあるんですよ。実際にはなかなかそれを知るって事が難しいんですよね。そういう事であれば、インターバルを別のインターバルに変えなきゃいけないんじゃないですか。(厚)お気持ちは分かりますけれど・・・。
(交)最近特に感じるんですよ。古い人では19年前という人もいるんですよ。患者としては、その薬を使ったという事が頭にある訳なんですよね。これは、古いから19年どうこうとは言いませんけれども今5年ですからね。5年ではなくて、せめて10年にするとかね。もしくは、気が付いて何年とかね。これは、質問に入れてませんのでまた改めてやりますから、救済の方法を検討しておいて貰いたいと、要望としては言っておきたいと思います。3番に移りたいと思います。
(厚)予算委員会で大臣の方に計画分娩の質問が藤田さんから出まして、用法・用量の改訂は先般の薬事審議会から改訂がありますし、そのベースとなるような具体的な使用方法については、日母の方でも研修ノートみたいな恰好でお使い下さいと。ただ、薬の使い方の前の問題で、どういうような事例に対して適応ができるのか、計画分娩自体につきましても非常に各々考え方に食い違いが生じる部分もありますのでそこら辺当たりについて一度日母なりに御検討頂けたらというのが大臣の『日母で検討して貰いたい』という事でございます。事実、ある先生はプライングデリバリーという本を出して、かなり病院で計画分娩が一番いいんだというような恰好でやられている先生方も事実いますので、そこら辺学問的にどう考えていったらいいのかを、まず整理して頂くような事を御願いしたいというふうに考えています。主旨はそういう事でして、その後日母の坂元会長に一度厚生省
に来て頂きまして、日母の方で検討を御願いしたいという事を御願いしておきました。日母の方自体でも医療事故対策委員会ですか。色々マニュアルを出しているようなところで考え方の整理を今年度着手しようという話を伺っております。そのメンバーはどなたかという事ですけれども、日母の市川常任理事が担当の役員さんで、事故対策委員会の医師の方、私も全員の名前をよく覚えていませんけれども委員長が兼子先生ですかね。葛飾(日赤病院)・・・。そういうところで考え方の整理をして頂きたいと。合わせて日母だけではなくて、もう一つ大学とか、色んな産科の関係の部分がありますんで、日本産科婦人科学会の方も合わせて合同の現在の医学的知見では こういうような部分については適用すべきじゃないか、適用が考えられるんじゃないかというような表示を一度して頂きたいという事を御願いしています。もとより、この質問に
ございましたように医療機関の都合のみで、何ら患者に薬を与える、与えないの説明もせずに、やるって事は医療の本質として望ましくないって事は全くの話ですので、そう言う事は、きちっと厚生省の意見としてお話はさせて頂いているというような事です。まあ、事実がそういうような、こちらにも書いてありますガイドラインの中でも表現はともかくとして、トラブルの元になりやすいので医療機関の事情のみでの使用というのはやめるべきではないというような記載もございましたし、それは日母の関係の方々も大筋ほとんどの方は合意されているように理解しておりますけれども、ただ、一部分どうしてもいかない部分ございますんで、そこに対する対応の仕方というのも合わせて考えていきたいなあと御願いしております。まあ、適宜日母の検討状況については私どもの方でオブザーバーのような形で出来れば出して頂いて進展状況なり、どういう方向にいくのかというようなところを御意見を伺わせて頂きたいなあというふうに対応したいと思っています。
医療の内容につきましても厚生省自体でやるべきだという御意見もございますが、厚生省でやると言いましても、結局は実際の専門の先生方に集まって頂く訳ですし、実際の広まり方とか、いうのを考えますと、それを所管している団体なり学会なりがベースにやって頂いた方が適宜その時の時点、時点での学問的知見に応じて変更とか、修正とかフレキシブルにやるもんだと思っていますので、そういう方向でこちらの方は御願いして行きたいと考えております。
(交)本人には何も知らされずに医療側の都合で計画分娩が今までされてきたという事を認められるんですね。
(厚)そういうふうな事例は聞いております。藤田先生の御質問の中にもこういう主旨のことがありましたので認める、認めないというよりか、事実あるからあのような記載の仕方も出たのであろうと思うし、裏読みすれば、そういう事になるでしょうし・・。
(交)あのような記載は昭和四九年頃からあるんですよ。
(厚)ウーン。
(交)なぜ、今なのか。
(厚)これは・・・あのー・・・。
(交)知らなった?昭和40年の段階で聞いていたら別に望ましくないとは思わなかったという事もないでしょう。今聞いたら望ましくないと言われた。
(厚)えー。
(交)昭和49年でも望ましくないと思うんですよ。
(厚)医療全体の原則としてインフォームドコンセントの話も出ていますけれども、ああ言う考え方は方法論は別と致しまして基本的に方針としては、あの方針でいくべきだと思っていますし、医療全体の中の状況がありますので、当時そうだったんじゃないかと言われましても今の時点で御答えするのは・・・。
(交)平成2年に改めて資料を出していますが、その段階で厚生省がもう少し早くやってくれていたら厚生省が今出来るんだったらもっと早くやってくれていたら・・・。
(厚)厚生省がやるって事は、どういう意味ですか?
(交)厚生省が気が付いたから日母に行って資料を貰ってきましたよね。もっと早くにしてくれれば、同じような事がいっぱい起こっているんだから、手立てがなかったのか。
資料がある事も知らなかったと言われてましたよね。日母に貰ったこともなかったと。そういう事も反省しなきゃいかんと思うんですよ。これが早ければ・・・。
(厚)医療内容すべてにつきまして、批判が厚生省に届けられて、それを承認してからやるものでは元々ないですし、ケースバイケースというような話もありますんで、いただく事はいただいて、必要に応じて私たちが立てないといけないと思うんですが、基本的には専門家の集団として規範としてどういうようなスタンダードとしてどのようなものが必要なのか絶えず自己研賛して頂くことが一番大事なことだと思いますし、その中で良い医療について御検討頂く事が必要だと思いますのでそういう主旨で申しましたんで質問には明確に答えになっていないかも知れません。
(交)厚生大臣は国会答弁の中で日母で検討してもらいたいと、それは今年度着手するって事を聞いてるって事ですよね。間違いないですね。
(厚)それは、動いてるって聞いている。
(交)新聞によると今後厚生省で計画分娩のあり方について本格的に検討する方針を明らかにしたと、載っているんですけれども、この新聞は間違いですかね。
(厚)新聞を見せて下さい。
(交)厚生大臣は、日母に検討して貰いたいと言いましたよね。新聞では厚生省でやるって書いてる。二重でやるのかって質問なんです。
(厚)これは、新聞の間違いで・・・・。
(交)今年度着手するというように理解させて頂きます。メンバーを私たちを入れて貰う事が出来ないんでしょうか?
(厚)それは私どもというよりは、日母なりのお考えがあると思いますので、どうこうという話は私の方では・・・。
(交)厚生省から伝えて頂けませんか。こういう要望が来ていますと。
(厚)そういうお話は、また会う機会がありますのでお伝えする事はやぶさかではないですけれども、どうなるかはちょっと、それはもう・・・。
(交)国民の声として、被害のデータもかなり集まっておりますし、御伝え下さい。
(厚)それは、御伝え致します。
(交)宜しく御願い致します。じゃあ、4番。
(厚)陣痛促進剤の点滴静注の方法というのは、色々ある訳ですけれども、ポンプみたいなものなどどういう用具を使うのかって事は、それぞれの患者さんごとに主治医が判断する話ですので、ポンプを義務付けるのは困難だろうと考えております。
(交)今回、日母のと能書と全々違うじゃないかという事から始まって、能書の改訂をしてもらって日母のガイドラインと合っているなというところで、分監という言葉が載ったようにインヒュージョンポンプというのを日母も言ってるのにも係わらず、まだ載っていないので、それも載せて下さいと。一行も入れて欲しい。これは、すごい大事な事で日母の資料にも書いてありますが、ちょっと体位変換したり動いたりするたびに滴数が変わったり、すごく少ない滴数で始めなければならないと言われてるのにも係わらず、実際その点滴の量は看護婦の手では仲々できない量であり、そういう事がある中でインヒュージョンポンプという言葉を使うか、使わないか。分娩監視装置と全く同じ理由なんで『分娩監視装置』という言葉を、どっちも入れないか、どっちも入れるかにすべきだと思う。
(厚)分娩監視装置とインヒュージョンポンプは全々違うと思いますけれども、分娩監視装置というのは、きちっと監視しなさいという注意なんですよね。インヒュージョンポンプというのは手段を言っている訳ですから。
(交)きちんと使いなさいという事だから同じ事でしょう。
(厚)同じ事じゃないと思います。
(交)厚生省がそういう姿勢だから私たちが日母などと一緒に検討したいという事になるんですよね。その必要性を日母は認めているんですよ。
(厚)十分なケースもあるんです。
(交)そんなのないんですよ。日母の冊子には、インヒュージョンポンプも分監も出来るだけ使えと書いてる訳ですよ。出来るだけね。分監は能書にも出来るだけ使えと書いてるのにインヒュージョンポンプは書いてないから、書いてくれないものかと言ってるんですよ。ちょっと間違えて倍になったら死んでしまうんですよ。まだ被害が全々減ってないんですよ。だから私たちはすごく気になっている訳なんですよ。分監も使わない、分監使わんでも手で見たら分かる、インヒュージョンポンプ使わんでも手で調節出来ると思ってる人たちが、この薬はそんなレベルの荒い制度で出来るもんじゃないから厳密にやろうと日母は言ってるから、能書にもそれを載せて欲しいと言ってるんですよ。最大限安全性を考えてなきゃいけないんじゃないですか。
(厚)今回の能書改訂に際しては日母の資料を参考にしながら日母の意見も入れて書いてるんですよ。
(交)インヒュージョンポンプはどうでもいいですよ。日母が言われたんで書いてないと、そうとっていいんですか?
インヒュージョンポンプについては日母の意見はどうだったんですか。
(厚)インヒュージョンポンプについては話をしていない。
(交)聞いてもらって、どうかということを聞いて能書に入れるか入れないかを判断してもらいたかったですね。方法なんだということですが、それはそうだと思うんですが、他の方法で普通の点滴で1分間に3滴くらいでやるって方法があるわけですね。手動の操作で出来るというお考えなんですね。前回も言いましたように出来ないんですよ。はっきり言って出来ないんですよ。凝固しますよ。注射針のところで凝固しますよ。すぐに。出来ると思っているから話が合わないんですよ。だから、やって見て下さいって前にも言ったでしょう。やって見て下さいよ。出来るか出来ないか。点滴の装置を持って来たらいい。
専門家の先生は三滴で出来るとおっしゃいました? 3滴を落とすのが手で可能だと言った?
小児科でほとんどの患者さんにインヒュージョンポンプを使ってるんですよ。それはどうしてだと思いますか?厳密に少ない量でしないといけないので、それを正確に入れる為に使っているんですよ。だから、これもお腹にいる赤ちゃんも子供ですよ。そういう事をきちんとしないといけないという事で必要なんですよ。実際無理じゃないの。あなた、実際やったことあるの。無理だと思うわ。小さな胎児のことを考えた医療が日本ではやられていないんですよ。この人の奥さんに点滴やったらいいのよ。安全性を考えるんなら、もうちょっと考えた方がいいと思うよ。そこのところは別の観点で議論する事にしましょう。次の追加使用の指針について。
(厚)これも基本的には患者さんを見ての使い方なんで指針というものがどの程度のものなのか。
(交)日母とかに聞かれたんじゃないですか。そういう事を聞いて下さいと言っている。
(厚)日母とかが何か作っているんであれば、それは指針として使えるかも知れないけれども厚生省が作ったのが指針で、それ以外のものは指針でないということが・・・。
(交)日母の人に聞きましたかと聞いているんです。
(厚)能書改訂の時に聞いている。
(交)どう言われたんですか?
(厚)同時併用は避けるようにと。
(交)それを詳しく日母の方に聞いて欲しいと前回言っている。
(厚)日母とか専門家いますけれども同時併用が今回添付文書ではしない方が望ましいと一応書いてありますけれど、必ずしも人によっては併用せざるを得ない場合もあるらしいんで、それはここに書いたから絶対使っちゃいかんとか、そう言った事じゃない。要するに絶対に守らなきゃならないという指針というのは個々の患者を見ている限りにおいては作れないんじゃないかと。
(交)それも医者の裁量の範囲で考えて欲しいという事ですか?
(厚)医師の裁量の範囲で・・・。
(交)そういうのも作って貰うようにお願いする必要があるという事にもなりますよね。使い方の問題だと思いますから患者さんを見てどうこう言うのではなくて、薬の持つ薬効が点滴を止めても何分間かは持続するというのがあるんですよね。そういう事で、何分間かはしてはいけないという事がありますので聞いて貰いたかったですね。
(厚)一般的には、これくらいという時間があると思いますけれども、人によっては危ないって事もあるかも知れない。このようにやれば絶対安全だという事はありませんから、それはインヒュージョンポンプの話で、1分間に3滴のところが4滴の方が良いかも知れないけれども、3滴でやると・・・。
(交)安全限界以下にする為にインヒュージョンポンプがいると言っているんですよ。何時間空けばそれぞれが単独になるのか分からないんですよ。
(厚)それは分からないですよ。
(交)それは出てる筈です。たとえば・・・。
(厚)最初の時間てのはある筈です。
(交)そういう事が入る訳ですよ。
(厚)それを能書に書く事がいいのかどうかというのは、別の話です。
(交)それを知りたいのは知りたいですよねー。
(厚)それは日母の指針に書いてると思いますよ。
(交)時間が書いてないんですよ。日母はうっかりしているんですよ。
(厚)代謝時間など確か書いてありましたよ。
(交)それは文献には書いてありますが、資料として研修ノートなどにはないんですよ。指針が出てないんですね。前後して使用するなという事が書いてある文献に前後とは何かという事が書いてないんですよ。前後が何かを知りたかったら何を読めという事も書いてないから、大体の目安を参考文献も教えてくれと言ってるんだ。前後して使用したら危ないと書いた日母の人に聞いて貰えば直ぐ分かる事です。
(厚)日母の人に聞いて頂ければいいですよ。
(交)厚生省が前後という文章を責任持って追加したんでしょう。能書にも前後して追加したらいかんと認可したんてしょう。自分に責任はないって事はないですよ。厚生省が認可してることだから、厚生省も知っているだろうと思って聞いている訳ですよ。厚生省が前後という文を付け加えたじゃないですか。
(厚)それは、日母の方に・・・。
(交)何時間以上を前後という判断で理解していいのか。
(厚)かなりの各論に入っちゃいますからね。
(交)だって大事な事ですよ。平山さん、前後が何時間なのか理解して書いてらっしゃるんですか? 当然知っていると思ってるから聞きに来てるんですよ。
厚生省が日母に聞いて下さいと言われたという事で、日母に聞きましょうか?