1996年9月11日
厚生省との懇談会の内容


厚生省の参加者
 ○健康政策局総務課…原田 
 ○薬務局安全課医薬品適正使用推進室…山本、網岡
 ○児童家庭局母子保健課…富沢、前田

会員参加者
 出元、勝村、伊藤、水谷、岸本、丹下、猪狩


(出元)今日は、能書改訂後の被害という形で、追加のものを今日、提出いたします。八件、ございます。それと、改訂以降のものを集計したものと、あと、今回のこの話の為に、厚生省に言いたいこととか、病院側に言いたいことついてのアンケート、五十八人分ありますので、どういう分娩の経過でどうなったんだということを本人に書いていただいたものをまとめましたのでこれと、これ提出いたしますのでお願いいたします。
 まずは、会員の、一応どういう経過でこういうことになったかということで数分ずつ一応話を聞いていただいて、それから、この順番に質問にお答えしていただく、という形にしたいと思いますので………では、どうぞ。
(水谷)経過をお話すればよろしいですか。
(出元)はい、そうですね。
(水谷)愛知県から来ました水谷葉子と申します。……もう始めていいんですか。私の場合は、破水しまして…十三年前のことなんですけれども、
(出元)順番にまずザーッと…
(児童家庭局母子保健課/以下、(母保)と略す)まず、ザーッとご紹介いただいて…、お名前だけで結構ですんで。
(出元)はい、じゃ、どうぞ。
(岸本)大阪の交野市から参りました岸本と申します。よろしくお願いします。
(丹下)愛媛県の丹下と申します。
(勝村)京都府の勝村と言います。よろしくお願いします。
(伊藤)東京町田市の伊藤です。
(猪狩)東京世田谷区の猪狩です。
(出元)じゃ、簡単にお願いします。
(水谷)…家で十二時頃に破水しましたので一時ごろ入院しましたところ、しばらくは何も起こらなかったんですけど、二時半ごろから弱い陣痛が始まっていたとき錠剤を飲まされまして、突然過強陣痛になりまして、医師はおりませんでしたけれども…自分で歩いてナースセンターの方に向かいまして、壁を伝うようにして、やっとの思いで行って、分娩台に上って、そのまま、四時間ほどで出産になりましたがその間、医師はおらず、看護婦二人だけの出産で、「爆発」するような、お産になりました。血管注射と点滴されましたが、カルテでは何も使ってないことになっております。出産して七年経ちましてようやく、医療事故センターというものを知りまして十三年前のことですので、それで、医療事故センターを通して、裁判を通して、カルテ差し押さえまでいきましたが、弁護士にしても、患者側にしても、知識が無いためにもう、そのときに断念しましたので、今から六〜七年前のことですが、そのままの状態で…。爆発するように産みまして、歩行困難で、縫合不完全で、排泄困難で、そのまま後遺症持ったまま、筋肉断裂して身体中に亀裂が入ったまま退院させられまして歩くことも出来ずに、誰にも理解されずに、外見からは分かりませんので…自分が「痛い」と申しましても、誰にも十分認めていただく人も無く、身体をかばうようにして十三年間生きて来まして、やっと最近普通に歩けるようになったということですけれども。
 被害…私のような被害を二度と繰り返さないために、今、学んでいただきたいと思います。誰の責任ということではなく、被害者を出したいのか、出したくないのか。そういう命の尊さに向けての願いです。人類の。はい。
(出元)これは先程お渡しした分のまとめたものがこちらですんで。児童家庭局と薬務局の…お渡ししときます。じゃ、どうぞ。
(岸本)続きまして岸本でございますが、ご報告さしていただきます。 本日は、亡き妻・岐美子の代弁という立場でお話申し上げます。私の妻・岐美子は、平成八年一月二十一日、兵庫県で個人経営の産婦人科で出産し、翌日の一月二十二日に、三十七歳という若さで死亡しました。岐美子は、長男を産んで以来、今回が二度目の出産で、十三年ぶりのことでございました。従って、二度目とはいえ、十三年もたっておれば、初産と同じ位大変だと私たち夫婦は考えていました。出産までの経過は、一応順調でした。岐美子は、平成八年一月二十日が出産予定日でした。前日の十九日になっても陣痛が無いので、まあ、そういう状態でも予定通り入院してもいいのかなと、岐美子自身が電話で産婦人科に問い合わせた上で予定日である一月二十日の午後七時に入院しました。そして、平成八年一月二十一日日曜日、岐美子は陣痛促進剤の投与による誘発分娩を受け、第二子を出産しました。私は、ちょうどそのころ、病院に向かう途中で、私の携帯電話に妻の容態が悪いものですぐに来て欲しいという電話が、病院より入りました。その五分後に産婦人科に到着し、妻の容態を見ると、顔色には血の気が無く、ぐったりとしており、非常に苦しそうでした。間もなく、医者の説明があり、縫合している途中でも出血が止まらない状況で、自分の病院では対応出来ないので市民病院に転送する、という内容でした。出産から約一時間三十分後、救急車で次の病院に転送されましたが、転送先病院での輸血体制の不備、及び、出血部位の早期確定による止血等が有効に行われなかったため、出血性ショックから、DICの状態を引き起こしまして、その後肝機能悪化等の各種臓器不全に陥り、市民病院では対応できなくなり、ICU設備のある大学病院に転送されることになりました。その転送中の救急車の中で、妻は死亡いたしました。その後の調査で、個人産婦人科での診療録並びに助産録が殆ど記されておらず、きわめて不備であることや、主治医の明言で分娩監視記録については難産でもない限りとらないという発言から明らかであるように、分娩監視を行っていないというずさんな事実が判明しました。妻の死は、このような適応性のない陣痛促進剤の誤った使われ方により過強陣痛が起こり急速な分娩を原因とする子宮頸管裂傷を引き起こしたことが原因であります。ましてや今回のように緊急事態が生じた時に、自分の病院で処置が出来ずに、また、医療体制の不備な休日に安易に使用したことは重大な過失であると考えております。最後に、亡くなる直前まで必死で頑張り、悲しそうにしていた妻の顔が今も忘れられません。市民病院では、生まれたばかりの子供を抱いて妻の枕元で子供を見せてやりました。子供が見たいだろうという思いと、少しでも元気が出ないか、奇跡が起こらないかという願いでした。信じられない事態での中の、おそらく訳の分からない状態で苦しんで、恐ろしい思いをしながら亡くなった妻の為にも、また、無事に生まれました子供の為にも、二度とこのような不幸な出来事が起こらないよう、行政としての管理指導体制の強化、並びに、行きすぎた陣痛促進剤の濫用に歯止めをかけて欲しいと思いますので、抜本的な政策を早急に打ち出していただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
(丹下)私、平成四年のこの十月一日改訂後、十月六日に事故が起きました。今の本にも書いてありますように、羊水塞栓とか何とかいうわからない病気で、医者からの説明でありまして、男の子だったんですけど、そん時に生きて生まれたか生まれてないかもまだ裁判中で争っていますけど、今も妻は松山赤十字病院で植物状態で入院中でございます。私とすれば、来たことをとやかく言うつもりはありませんけど、医者の無責任さ、やった後の始末のし方とか、行政に対しても、その言っていくところが無い、窓口の…地方のローカル的な…ここまでたどり着くことさえ、時間がかかって、何て言うんですか、裁判するにも裁判の弁護人を探すのにさえ、かかった時間的苦労言うか、病人を介護しながらやってきたんですけれども――――――――。それと、前にお宅のほうの医薬品副作用基金とかいう、池袋のほうですかね、サンシャインのほうに、去年一昨年出して去年の二月にまた返事が返ってきて、それが副作用じゃないという返事が返ってきたんです。二ヶ月の猶予期間内にまた送り返せば再審査される、いうことだったんですけど、まだその返事もまだもらってない状態で、一切合切の書類は私自身は送ったつもりなんですけど、あの辺の対応のしかたも何とかしてもらいたいなと、願って私も今日来た次第なんですけれども。
(勝村)京都から来ました勝村といいます。私は、平成元年の十二月に大阪枚方市民病院という所で妻が第一子のお産をするときに、三十八週の、十二月だったんですけれども、定期検診の時に無理矢理入院させられて、「子宮口を柔らかくする薬です」という説明だけで、陣痛誘発剤であるプロスタルモンを五錠投与されて、分娩監視装置は付けられず、陣痛の間欠期がなくなってることを翌朝「異常ではないかと思う」と言って妻が訴えると、「これだけしゃべれるということは陣痛が弱い、陣痛促進剤注射」とアトニンOを腕に注射されまして、ショック状態に陥っているのを「我慢が足りない」とか「しっかりせえ」と叱られ続けて、ようやく分娩監視装置付けた瞬間にはもう胎児が重症の高度徐脈で回復不可能になってきまして、妻も二〜三日は峠ということでしたので、子宮全摘を覚悟して、子供のほうは、生まれたときはもう瞬間は呼吸はゼロでしたが三十分後に蘇生しましてから九日後に死亡しました。妻の方は幸い新鮮血の大量投与で一年間肝炎とかで苦しみましたけれども、ひととおり乗り越えています。…が、そのときの帝王切開の後遺症で三人目の子供の時も子宮破裂を起こしてしまって、三人目の子供も植物状態です。事件の経過はそういうことです。
(出元)皆さんの話を聞いていたら、ほんとに………すごく、つらい思いでいっぱいになりました。自分のことよりも、会を作ってもう九年目になるんですが、どんどんどんどん、たくさんの方が障害を負ったり、死亡したりしてるのを見て、ほんとに私たちがいくら頑張っても、病院がきちんとしてくれないので、ほんとにもう、どうしていいのかという気持ちで一杯です。私の場合は十二年前に、子宮破裂したんですが、十二年前というのは、「子宮破裂する」というふうな情報などは当時は全くありませんでしたので、私だけがこういうふうなことになったのかなというふうな錯覚に陥ってまして、いろいろ本調べるに「陣痛促進剤の過剰な投与で子宮破裂を起こす」というふうなことが書いてありましたので、最初はほんとに一生懸命自分で勉強しまして、その、陣痛促進剤と子宮破裂との因果関係というものがはっきり分かるようになりまして、それから裁判をしたわけですが、一審も二審も勝訴をしました。ですけど、裁判は自分だけの結果ですから、そういった点では勝訴したことはいいんですが、その裁判で病院側が敗訴したということを病院もきちんと自分で受け入れるような勉強する気がないといいますかね、反省も何もないですから、日母なども裁判がどんどん起こりまして原告側がどんどん勝訴してますけども、それをどのように考えているのかということになると、私たちから思えば、ほんとに、「病院は何を考えているんだ」というふうな思いが、ほんとに強いんですね。それで私の場合には、子宮破裂して、病院側が全く説明とつかないような、曖昧なことで「子宮破裂なんてそういうふうな経験が無いし、自分でもどうしてこうなったのか分からない」ということだけでして、とにかく入院中は全く説明すらしないような状況で半年間「絶対あれが影響してる」というふうな思いで毎日毎日悶々としてまして、そして、半年後に話を聞きに行ったときに、やはり曖昧な返事しかないから仕方なく裁判になったわけですが、陣痛促進剤を使用しての被害がかなり多いというのは、当時の、もうその十年前からもあったということを後から聞きましてね、もうほんとにこれはとんでもないことだということで会を作って今、一生懸命頑張ってるわけですけれども、やはり、厚生省には病院側の顔色とかを見ないで、きちんと、国の、人の生命を預かってるんだという思いをきちんと持っていただいて、こうすべきだ、ということははっきりと提示していただきたいし被害が今後起こらないようにするためにはどのように病院の運営とか出産の体制とかいうこともふくめた上で考えていただきたいなというふうに思います。
(伊藤)町田市から参りました伊藤です。私は十一年前にこの事故に…まあその時は事故というイメージにはとれなかったんですけれども、主人が脱サラして、陣痛来たときに夜の対応とても困難な状況と悟ったので、早めに入院することを病院側にお願いしました。また、「どうぞ」という…私はなんか、陣痛前四〜五日前に入れば病院内で何が起きても、安全だな、という、素人…ほんとに素朴な安全を確保の形の入院をしたんですね。で、それは、向こう側はもう、こちら側サイドとは全く考え方が違うんで、そういう形で入るともう、人工出産という形になってたんですね。私としてはだから、そういった計画出産で入ったんじゃなかったんですけども、で、次の日に結局点滴になって、私としては別に、「栄養剤かな」と思ったんだけれども、もうすごい陣痛が来て、すぐに「おかしい」と。でも、「ああ、でも、私ってラッキーだわ。自分で陣痛の来る日にちを選んだんだ」と、そういう受け止め方をして、分娩に臨む気持ちを……そういう体勢で向かったんですけれども、結局それは過強陣痛というもので、意識不明にもなりましたし、分娩台に乗った時点…もう乗ることすら意識に無くて、で、結局は子宮破裂、ということだったんですけれども。(子供は)重症仮死で一年二ヶ月で亡くなりました。もう、脳も百%破壊され、臓器全てストップ、植物状態で栄養剤も赤ちゃんには入らないで、最終的には三千近くあったんだけれども、ほんとに、やせガエルの状態、たまたま心臓が普通の赤ちゃんの三十%動いてたんで、心臓のほうが何とかもったんですけど、結局は………
ということはかなり…促進剤で出産だったということも、一ヶ月検診で分かったんですけども、だから内圧の…促進剤の内圧の凄さっていうものがうちの子ですごく分かりました。脳を破壊され、目も閉じないし口も閉じない。そんな状況で母乳も入らない。当然ミイラに近いような状態になっちゃいます。で出元さんの週刊誌の記事を見て、そこからこういった状況に来てもう十年もおつきあいあるんですけども、裁判は七年半掛かりまして地方・高裁両方良い結果出ました。子宮全摘・卵巣摘出それによる附帯控訴もかないまして、まあ、結果としては良い結果でたんですけれども、このようにしてどんどんどんどん事故が起きてるということに対して、非常に、裁判したエネルギーが虚しいように思います。行政・製薬会社…企業側っていうのはもっともっと真剣に取り組んでほしい。子供がいない時期、今こういった少産化が謳われているにもかかわらず、そういった赤ちゃんの生命を何も、度外視されているという時代はほんとに虚しいし、厚生省交渉もしょっちゅう来てるんだけれども、冗談と本音で言いたい……ほんとに怒鳴りたい思いなんですよね。ここへ来てももう発言する気持ちも無くなるくらい怒り狂ってるその辺がどうして伝わんないのかなと、ほんと歯がゆい思いを…。で、この行政の方たちに、誰か一人でもいいから促進剤という、事故が起きたら、もうちょっと違うのかなと思ってみたり。この悲惨さっていうのはすごいんですよね。人生全部が変わってしまう。で、私自身なんかは外見は分かんないでしょうけども、ホルモン全部…卵巣取られて、子宮摘出、全摘されて、そうすると季節感、季節の移り変わりになって身体をコントロールしてくれるそのホルモンさえないから、春になった時点ではまだ身体が冬なんですね。で、五月ごろになってやっと、春に対応できる身体になっていく感じ。だから、季節季節ごとにずれていく、いつも古傷だらけの身体のつきあい方をしてきたんです。でちょっと、主婦業でも少し無理してる、何かやろうかなと思うともう、やりすぎるともうこの辺まで水にどっぷり浸かったように冷え込むんですね。だから、勿論、脳の動きもあるだろうし、今日は何とかこういう治療受けてコンデイション整えて来てるんですけれども、そんなことしないで、来てたらもうこんなふうにして緊張感のなかで十分しゃべってたら頭空洞になるし、思考力もない、耐久力もない、こういう障害を持つんですね。だから、いくら赤ちゃんが今いない、じゃ自分の身体だけで楽じゃないっていうのもあるんでしょうけども、とんでもない。私なんか、もっともっと人それぞれそれなりの対応の中で苦しんでいると思うんですけれども、生きてて、完全な生き方が出来ない、そういう悲惨さっていうのを知ってほしい。じゃ露骨な言い方しますけど、子宮全摘するときは中を切って手術するということは、ちょっと盲腸手術しても、縫い目の周りの肉ってこう、盛り上がりますよね。ということは夫婦生活なんかもとても出来ないんです。そういう部分で夫婦の関係も悪くなりますし、男性にはなかなか理解してもらえない。簡単に子宮は取って欲しくない。ですから、もっともっとお産の現実、お産の安全な対応というものを、医者も、行政も、助産婦も、ほんとに安全な、原点に戻すことから出発して検討して、もっともっと安全なお産、お産の現実を、ほんっと早急に、実現してほしい。たくさん言いたいことあるんだけれども、心臓も月に一回ずつ検査してるんだけれども空気が足りなくなるんですよ。すいません。席はずします。
(猪狩)私は二年前なんですけれども、事故に遭ったのは五人目なんです。長男からは、南麻布の愛育病院というところで産んだんですけれども。長女は川崎で川崎の病院で生まれました。で、長男が、児頭骨盤不適合ということで、帝王切開になりました。で、次男、三男、長男は普通分娩で生まれましたが今回の子も出産予定日から二週間まではいかなかったんですけど過ぎてまして、でお医者様が陣痛促進剤を陣痛付けましょうと言って……で、朝から…点滴で…で、六時すぎぐらいから、陣痛が来まして、急にもう、ものすごい痛いのが来たんです。で、それまでは、痛みがほどんどない状態で、これからもう「陣痛がこないのかな」と思ったんですが急にものすごい痛みが来まして、それでもう、あっと言う間に(子宮)破裂という感じだったんですけれども。私としてはどうしても……この病院を選んだのも、こういう事故になるべく遭いたくないからということがあるんですね。長男の時にもいろんな方に聞いてどの病院が良かったってことも聞いて愛育病院薦められてお産しましたし、で、今回もやっぱり五人目だし、子宮もだいぶね、何回も使ってるんで、心配だから、何かあったときには設備のある病院をということで、あっちこっち実は探したんです。女子医大、慈恵医大、日赤行ってみたりしたんですが、やっぱり、愛育病院なら、上の子たちのカルテもあるし、先生も信頼のおける先生なので、そこで産むことにしたんです。それで、主治医の先生もずっと院長先生だったんですけれども、今回産むとき私についてくれたのは、外来に出ていない若い先生で、あとから、看護婦さんにちらっと聞いたらその先生は誘発分娩とか薬を使った分娩しか扱ったことがなかったそうです。で、私は自然分娩しか知りませんでした。で、最中も、やっぱり私、四人産んでますから大体お産の、陣痛の痛みっていうのが大体どういうものかって分かるっていうつもりでした。で、全然痛みが違うし、子宮が切れているのが分かるんですね、切れて行くのが。で、それを一生懸命その先生に説明するんですけれども、その先生の言葉っていうのがもう、一般的なお産をするお母さんに言う言葉で、「お母さんがそんなに騒いだら、赤ちゃんが苦しむんだよ」っていう、みんなが言われると思うんですけれども、その言葉しか返ってこなかったんですね。で、もうそれを聞いて私は「この先生は何も分かってないな」っていうことが分かりました。で、その後も、結局個室でしたので、他に助けを呼ぶ人がいないんですね。で、おなかは破けて苦しい、点滴はそのまま入ってましたので、どんどん陣痛が来るんです。で、もうどうしていいか分からなくて、病院中に聞こえる声で「これは陣痛じゃない!普通じゃない!」ってことを言って、(先生が)来まして、それでも来てる先生は内診したまま「静かにしろ」っていうばかりだったんですね。で、そうかといっても出血もだいぶありましたし、もう、子宮が破けて赤ちゃんの身体がこうお腹の中に出ちゃってるのが自分でも分かるんですけれども、お腹も出てましたし、お医者さんはそれを見てるんですね。でも、触ろうともしないし、多分、分からなかったんだろうと思います。子宮が破裂して赤ちゃんがもう腹膜に出てるっていう形。それで、そうこうしてるうちに院長先生やいろんな先生方いらっしゃいまして、で、私のお腹を見た瞬間に「即切ります」っていうことで、主人に「お母さんの命だけは助けます」っていうことだけ言ってそのまま手術になったんですけれどもはっきり言って私は陣痛促進剤っていうものがどういうものかっていうことを知らないで点滴を受けました。いろいろ自分で考えて、ほんとは妊婦さん自身がこういうことを知ってて、それで選ばなきゃ…とても自分の子供は守っていけないなっていうことをほんとに感じました。で、そのときに、訴えても分かってもらえない感情と子供がどんどん生存率が低くなっていくのは悪夢で、そのときのことっていうのは今でももう、一週間に一遍夢に見たり、起きてても…フラッシュバックっていうんですけどもそのときの状況ずっと頭の中でやるんですね。で、何回もテレビやなんかで見てもそういうこと思い出しますし、心の傷はもう…子供も四人いますから、私のことはどうでもいいんですけれども、死んでった子供に関しても、生まれた子供はまだ、仮死産で、東京女子医大に運ばれたんですね、救急車で。で、十三日後に結局、脳死、ということで「管を抜きましょう」ということで日にちを決めて管を抜いたんですけども。ほんとに信頼してきてここなら大丈夫と思った病院でそういうふうな目に遭うていうのは…「だったらどこへ、どこの病院行けばいいの?」っていうわけになるんですね。お医者さんもやっぱり途中で院長先生が替わったせいもあるかもしれないんですが、ほんとに自然分娩でやってらした先生が途中で亡くなって、四人目は別の院長先生だったんですけども、私は五人目もそういう感覚でその病院行ったわけですから、ほんとにこの病院でこういう方針でやってますっていうことを病院のほうで掲げてほしいっていうのがあります。それで、こちらで選びたいっていう感じですね。こういうふうになってみないと実際わからないんですけれども。私も(事故に)遭わなければ四人も産んでてこういうことがあるって分かりませんでしたし。だから伝わりにくいと思うんですけれども。うまく言えないんですけれども、施設が整っていてもこういうことがある、ということで…
(出元)聞いていただきましたので、「要望書」に添ってお願いしたいと思います。4番て書いてある、前回のときの要望内容に対しての進捗状況をということですが。
(母保)まず、母子保健課のほうから、ご説明させていただきますが、まず、前回の要望で、厚生省に対しての4番に、子宮収縮剤についての詳しいことを母子健康手帳の中に書いて下さい、という要望がございました。で、それについての進捗状況ですが、現在ですね、こういう形であるんですけれども、この中にこういう…「妊娠と出産のために」という、後ろの方に?ページがございます。で、この中に、薬の内容、薬の服用ですとか、医療についてのインフォームドコンセントとして、妊婦さんはこういうことをお医者さんに聞くべきじゃないかとか、疑問をもったらすぐにお医者さんに相談しましょうですとか、そういうことを、書くことができるかどうか、内容として盛り込めるかどうかと、いうのを現在検討しております。で、まあ、大体記載の量としては、一ページぐらいを最大限とれる…可能性としてはとれるんじゃないかというふうに思っております。そして、中身として薬の効果―陣痛誘発・促進剤も一番知っておかなくてはいけない薬なんですけれども、それ以外にも妊娠中薬を服用すること自体、ある程度胎盤を通して胎児に影響を及ぼすことがある、ということで、薬の効果、あと薬の副作用としてどういうものがあるか、そういう薬全体の、ついてのですね話として取り上げる必要があるんじゃないかなというふうに思っております。あと今、インフォームドコンセントについても、薬についてですとか、あと、分娩で、陣痛から分娩、あと出産にいたるまで、いろいろ分からないことっていうのはほんとに多い…妊婦さんも多いと思いますので、そういった分からないことを特に、訊けるようにお医者さんに相談する、あと助産婦さんですとか、看護婦さんですとか、常に相談するようにして下さいと、いうことを手帳に、中に入れることとしては入れる可能性が…余地はあると考えておりまして、現在検討中でございます。
(出元)来年春に配布されるものというのはどういうところが変わったんですか?
(母保)えっとですね、まだその文案についてですね、このページあたりに挿入する事は可能ではないかということで現在検討…
(出元)印刷中のもの?それが出来たもの…?
(母保)いや、これは今使ってるもので…
(出元)来年の春用のは今もう印刷しちゃってる…
(母保)既に終わってるんで…
(出元)…段階ですね。
(母保)来年はちょっと間に合わないんです。ですからその次ぐらいに間に合えば。で、内容は、医者も詰めなきゃならないしそれから、他の、例えば、現場でやっている看護婦さんとかですねいろんな人に……聞かなきゃいけないんで、とりあえず今検討している状況です。
(出元)日母の会長さんに話を聞かれた、いうことでしたよね?そういうところでは、この問題についてはそういうふうなことは良いことだおっしゃったと言われたんですよね? 陣痛促進剤についての記載という点で話をされましたよね? そしたら「それは良いことではないですか」というお話だったいうふうに聞いてるんですが。
(母保)そうですね、ええ。
(出元)ということはやはりちゃんと書くべきだというふうに理解してるんですよね。私たちはきちんと書くべきということで。もしスペースが無いようであればね、保健所なり、病院なりでその資料を配るというふうな形にしてもらえれば、この冊子では足りなくとも、妊婦学級とかで、講義の中でその勉強が出来ると、いうふうにしてもらえれば別にこれの中にどうしても詳しく書きなさいということではなくって、要するに情報をきちんと知らせてほしいっていうのね。
(伊藤)別添えプリントみたいな形で…
(出元)だから、現在行われているものが…あっ、今回、アンケートしましたところ、母親学級においての陣痛促進剤についての講義というのが誰一人として聞いてないっていう現状なんですね。病院側の言い分は「むやみに怖がらせると良くない」ということなんですね。だけども、出産して被害に遭った私たちは、それを知らなかったが故に被害に遭ってるんですよ。だから、私たちの言うことが一番正しいんですよね。実際にね。だからちゃんと知れば、こういうことは起こらなかったというふうに思ってる方多いわけですから、やはり知らせるのがむやみにどうこういうんではなくてね、やっぱりちゃんと知らせないといけないということなんですね。そして、病院側が「ちゃんと使いますよ」と言っても、それを病院側がほんとにちゃんと使ってるのかどうかっていうのは、自分たち出産する側が知らなければ、病院側がほんとにちゃんと使ってるのかどうか分かんないんですよ。だからね、被害に遭った人で子宮破裂に遭った方、去年の十二月二十五日の出産の子宮破裂に遭ったんですが、去年十一月終わり頃から新聞にもう、何度もでましたよね?この問題が。それで、不安を訴えたら「あれは十分な監視が出来てない病院だからそういうふうなことが起こるんであって、うちはちゃんとするから大丈夫です」と言っておきながら子宮破裂になってるんですよ。ですから、その「ちゃんとする」というのがね、どこまでがどうするのがちゃんとするということも自分たちも病院も知らないんですよ。だから、医療側もきちんと勉強しないといけないし、出産する側もほんとにそういうこと知っていないと危ないというこの薬の性質があるんですよね。だから、ほんとに大事だと言ってるのはそこなんですよ。病院側にお任せして、してもらえれば安全だというふうな状況であればね、お任せします。それが、お任せしたが故の結果で、最悪な事態になってるということですから私たちは強く言うんですよね。
(勝村)…いいですか。今のあれを確認すると、来年四月は無理だから、再来年の母子手帳から、「健やかな医療」のページの所に…
(母保)「健やかな妊娠と出産」…
(勝村)「妊娠と出産」のページの所の項の所で、約一ページ、薬のページを設けようと。
(母保)「薬とインフォームドコンセント」と…
(勝村)「薬とインフォームドコンセント」という題名で一ページですか?合わせて?
(母保)それもまた含めて考えてるんですけども、大体両方合わせて一ページ位という…
(勝村)というのが今のニュアンス…
(母保)今の段階です。これはまた違うことになる可能性があるんで。
(勝村)今の段階の話を確認してもらってるんです。今の段階として「薬とインフォームドコンセントについて」一ページ、その薬の中にもいろんな薬があってその中に陣痛促進剤も含めようと考えていると。
(母保)ま、薬というのは陣痛促進剤ももちろん含まれますから。
(出元)いや、だけどね、それを薬として陣痛促進剤を同じように考えるというんでは違うんですよね。やはり出産時に使われる陣痛促進剤ということと妊娠中に飲む―風邪ひいたりしたときの薬、ということでは全然違いますから、薬は薬としてですね…
(母保)私どもとしては薬価の入っている薬価主剤されているものですから、それはそれで一緒だと思います。
(出元)それはちょっと同じように考えるっていうのは…
(母保)それは見解の相違だと思います。
(出元)そうですね。
(母保)だから、見解の相違はありますけども、やはり、薬の中での説明というのが必要だという…
(勝村)陣痛促進剤に関しては今の段階では載せようと思っている。陣痛促進剤以外の薬は本人が妊娠中に本人が自分で飲んでしまう薬についての説明ですか。
(母保)いえ、それは薬全般ということです。
(勝村)医者が投与する可能性のある薬…
(母保)そうです。だから、医者の投与するものについてはインフォームドコンセントをしっかりしないといけないということです。
(勝村)それでね、今、出元さんも話してましたけど、枚方市民病院は、母親教室で全員に陣痛促進剤の投与は…使わない、と。「自然分娩をします。但し、血管確保の目的で全員点滴をしてもらいます」というふうに母親教室では言ってて、で、裁判の中で「実は全員に陣痛促進剤使ってます」ということを認めました。裁判の中で、証人尋問の中で、調書残ってますけども「何でそんな嘘ついたのか」と言ったら、「陣痛促進剤全員に使うけど、使うと言ったら不安がるから」と。「子宮口を柔らかくする薬だと言って飲んだ薬も陣痛誘発剤だった」っていうこと言うと、それもほんとのこというと不安がるからよかれと思って言っていない」と。で、「あの薬が原因で死んだんじゃないか」って言ったら、「あの薬は全員に飲んでもらった薬だから、事故と関係ないと思う」というような主張を今している。公の枚方市民病院という公立病院が、母親教室で、心配させるからということで「使わない。そういうのは使わない」というふうに言っておいて、全員に使ってるという状況がある。だから、前の、局長さんと会ったときも、直接ね、直接の情報が入らないんですよ。医者を通して情報を得ると。ね? だから、直接国民がね、厚生省が把握している状況をね、薬の副作用こなんやということを、直接教えてもらわないと被害は止まらない、言ってるわけで、それは母子手帳はね、直接僕らは病院からもらうというよりは保健所からもらうというか、そんな感じなので、そこに、または高校の保健の教科書にとかね、教科書は別に医者に教えてもらうわけじゃなくて先生に教えてもらうわけで、そうやって、その陣痛促進剤の問題を、そういうところで採り上げてほしい。保健の教科書では薬害の歴史なんかも教えてるわけでね、そういうニュアンスで話を進めてたと思うんですよ。だから、医者との関係を強化するようなね、そういう記述じゃなくって、国民に直接教える、いう…一般的に。医者を通して「インフォームドコンセント医者からしっかり受けなさい」じゃないんです。陣痛促進剤の副作用にはこんなんがあります、こんな事故もかつてあった、と。日本母性保護協会は事故例も全部配ってますよね?全医師に?だからそれを…
(母保)一般的に教えてほしいっていうのは、要するに何をしてほしいかっていうのを我々正確に把握しないといけないんです。
(勝村)まずはね、陣促進剤のことを、医者や病院を通してしっかり聞いてくださいというやりかたでは駄目だ、と。だから、直接その母子手帳読んだ人、保健の教科書読んだ人が、陣痛促進剤の副作用であり、使われている量であれ、使われる可能性が高いということを直接認識できるようにしてほしいということなんです。だから、そういう目的で母子手帳に書いてもらわないと、今の現状とは全然合わないわけ。「医者によく聞いてください」ということでは。医者に聞いても分からないということをさんざん言ってるわけですから。
(出元)だから、ちゃんと使うって言っておきながらちゃんと実際は使われてないんですよ。だから、そこの所やっぱり詳しくね、教科書的なものを作らないとね、無理だと思いますよ。
(勝村)前回要望してたのはね、日本の全てのお産の時間別と日別のね、典型的なグラフあるんですよ、厚生省が発表してるのが。それを母子手帳に載せて欲しいということ言ってて、局長も記者の方に対してね、非常にこのグラフは驚いた、と。日本のお産がこんなに曜日と時間でね、数字が全部の統計と違うんか、と。で、こんなんはね、知らないですよ。保健の教科書載ってないから。僕らがこれ知ってたら…こういうことが揚げられてたらね、高校の保健の教科書にお産の所いっぱいグラフ載ってるんですよ。だけど、お産をする者にこんな、日や曜日で、曜日や時間で違うということが教えられてない。こんな情報知りたいと思いませんか? お産するとき。
(母保)それ、初めて見ました。
(勝村)局長が…
(母保)初めて見たから私は分からないですけどね。
(勝村)こういう状況を僕は教えて欲しい、こういうものを母子手帳に載せて欲しいというニュアンスで話をしていたんですけれども。日本のお産の現状。日曜日。これ毎年ですから。今年のも十月に配布されています。こういうふうに発表されてますけれど、この日本のお産が曜日別時間別に狂ってるという状況を、こんなんを母子手帳に載せてもらって、一般教養として、陣痛促進剤がどれだけ使われているかっていうこととかね、一万人に一人使われているという薬ではなくって、結構使われてて、使われてる…日母の冊子なんかは陣痛促進剤を使ったら、最初はすごく不規則な陣痛が来るってちゃんと書いてはるんですよ、医者が。不規則な陣痛が来るけどプロスタグランジンは、ただ、もうほんまのお産が始まってある程度してきたら、ちゃんと普通の陣痛に近い陣痛になってくる、と。だけどときどき、個体差によって異常な陣痛になってしまうから気を付けろ、と。最初はぐちゃぐちゃなんですよ。ところが、母親教室では、母子手帳とかはね、一般に書いてあるやつにはね、まず最初十五分間隔のが来ます、とかね、ね? そんなん読んでいくわけですよ、みんな。ところが、薬使ってるお産に実は多いわけで、最初七分とか六分とかで来て、いきなり、間欠がなんかよく分からなかったりというのが最初は来るっていうのは医者が認めてるわけ。日母がね。だから、そういう所までちゃんと教えてあげないと。一般に陣痛は十五分間隔でいくから、ゆっくりいきますとかね、そういう感じではないわけで、だから、みんな困ってしまうわけで、本当の情報というのが与えられていないという所があるので、そういう一般的にね、薬を使う場面が非常に多いと、日本は。「薬を使う場合は最初、よく不規則な陣痛が来ます」とか一応書くべきなんですよね。
(出元)「ちゃんと使えば大丈夫です」というのはね、どこでも、マタニティ雑誌にも書いてあるんですよ。「ちゃんと使う」。確かにちゃんと使えば大丈夫なんですが、その「ちゃんと」がなってないんですよね。使い方の量にしても、監視のしかたにしても、出産する本人がいろいろ訴えてるんだけど、それを全然聞かないとかですね。そういうふうな相乗効果、反対の意味でね、本当にいろいろ重なった上での事故ということになるわけですから、やっぱり「ちゃんと使ったら大丈夫ですよ」というふうな書き方じゃあなくって、「微量からしないと、いきなり強烈な陣痛がどんどん来て、危ないことになるかもしれない」というふうな、まあ、簡単に言えばね。そういうふうな書き方じゃないと、やはり、いけないと思うんですよね。で、「多くの場合には使う必要がないけれどもこういうふうな場合には使って良い薬だ」という、医学的な適応と、そうじゃない場合の区別など産む本人に分かるような形でしないと、やっぱり「予定日から数日過ぎたら誘発しましょう」という気になるでしょう? そうじゃないんですよね。胎盤機能がどうかとかいろいろ調べた上で、赤ちゃん元気、「じゃあ、もうちょっと待ちましょう」と言える位の余裕がほしいんですよね。で、病院側は、出産する本人が、予定日超過してるからね、「不安がってるから誘発してやったんだ」というふうな感じで言うこともあるんですよ。実際そうじゃなくって、不安があれば「不安じゃない、大丈夫ですよ」ということを病院側が言えばいいのに、そうじゃなく「不安がってるから使ってやったんだ」じゃ、これはおかしいですよね。赤ちゃんが、別に早くに出産させてほしいと言ってるわけじゃないんですよね。そういうところとかもきちんと考えないと、この問題はもっともっと、ほんとに被害は増えると思いますよ。
(水谷)あの、その場合に「不安がった」っていうのは医者の側が不安がってるんですね。患者じゃなくって。
(伊藤)そうですね。私の体験から言えば、「ちゃんと使う」のその「ちゃんと」というのが医者自体が分かっていない、認識してない、と思います。というのは私が子宮破裂して、意識がもうろうとしたりまた戻ったりなんかしてる際に、男の声で「どうして、どうして、こうなったんだ!」っていう声が飛び込んできたんです。今振り返ってみると、その主治医自体が、その促進剤というのはどういう風に使うのか、こういう状態は何で起きることなのか、そういったトレーニングというか、学校の学びが…なんかこう、上澄みだけで、「これをすれば楽に俺たちは済ませられるんだ」の程度の認識だけでやってるんじゃないか。私の事故の裁判が平成五年にあったんですけれども、その二年後に、同じ町田市の開業医がまたおんなじことやってる。で、私の場合は前帝王切開していて、それに促進剤使うのはいけないと、医学的に。それも、認可する時に行政指導入っているにも関わらず、東京都内の同じタイプの同じ事故がまた起きてる。この方。どこで把握して、そういったものを何を自分たちで学んでるのかな、と。その辺もだから医者自体、かなり認識しない、或いは…もうちょっと真剣に取りかかって欲しい。
(水谷)本当の問題点は、誰もが本来の出産を知らないことなんです。本来の出産っていうのは、陣痛促進剤なんか不要なんですね。健康な人なら促進剤使わなくても普通に産めるじゃないですか。ただ、医者の都合で使ってるか、或いは患者側のそういう都合があるのかも知れませんけれど。でも、知らされないで使われる場合、殆どが医者の都合ですよね。本来のお産ていうのは、祝福、愛そのもので、愛でたものですよね。人間が生まれるんですから。そのときに、なぜ人工的な作用が必要なんですか? で、普通人間は立ってますよね。ですから重力の関係からしてもこういうお産の方が楽なんですね。夫に支えられながら産むっていう、膝をついて。そのほうが楽なんですけれど、それを上向きで産ませるっていったら、もう重力の関係からして、妊婦に二十倍の負担を与えてるそうなんですね、私が勉強したところによれば。だから、それだけからしたって医者っていうのが命をどれだけ軽んじてるかっていうことがもうそこから分かるんです。もし、命を軽んじてなければ、自然に産める妊婦がいて、健康なのに、なぜそんな体勢で産ませる必要があるんですか? 大体あれは、分娩台上ると足かせがついてますよね。女性のとこにパッド。足かせ付けて、固定させて、強い陣痛、本来の陣痛よりも二十倍の負担を妊婦にかけさせながら、医者の取り出しやすい体勢にさせて産んでるんですね。もうそれ自体で、本来のお産ていうことじゃないんです。もう、病人ていう扱いですか。妊婦の自然な、健康で産ませるんじゃなくて、医者の、病院のあり方に組み込まれてしまっているんです。
(勝村)……それが国の児童家庭局にね、実はやってほしいことと言っているわけで、母子手帳であれ、教科書であれね、直接ね、そういうデータがね、与える機会を作ってるわけですから、国が認定してね、文部省の教科書も、母子手帳も、厚生省が作ってるわけですから、だから、そういうところで、国民にほんとにこういうグラフがあるんやから、日本の、素直な、厚生省の統計に基づくもんやから、これを載せてくれっていうようなことをまず言ってるんです。だから、「見てない、初めて見た」っていうのはちょっと僕驚きで、これをやっぱり載せて欲しいと思っているのが強くある。で、その中でどんな会話があったかというのはね、高校の保健の教科書は、お産を日本国民全部が学んでいるわけですけど、そこにはいっぱいミス?がある。このグラフがあるんですけれど、このグラフ全部、日本の周産期死亡率が低下しているっていうグラフなんですよ。周産期死亡率っていうのは生まれてから七日までの死亡率が低下しているっていうことばっかり書いてあるわけですね。僕はそん時も言ったんですけれども、僕の赤ちゃんは生まれた時、心拍も呼吸もゼロで、三十分後にやっと心臓だけ動いたという仮に死んで生まれて来てる子なんですけど、その子が九日間生きてるんですよ。周産期死亡率に載らないんですよね。そんなことを保健の教科書にお産のページで自慢してて何を国民に教えてるんだっていうことを局長に言ったら、すごく理解を示してくれて、そんなグラフを載せるスペースがあったらこれを日本のお産やから載せたらどうや、ってことで初めて見た局長もそう言って、驚いているわけです。そういう話を受けてね、で母子手帳にも載せたい、そういうこと検討していかなあかんと、検討するようにしていく、と。で、文部省にもそういうことについて、そういうことも言っていけると思う、と。そういうふうなこと言ってもらって今日来てるんだから、その進捗状況という意味では、そういう方向でね、「医者とインフォームドコンセントをしっかりしなさい」と国民に言うんじゃなくって、国民は十分しっかりしてるんです。「何の薬ですか」「子宮口柔らかくする薬です」母親教室には全部通ってるんですよ僕らも、妻も。何にも言わないわけですよ。でしょ? それほど、だけど、それを医者にもうちょっとちゃんと聞くようにしてくださいって、そんなこと言われたって僕らが納得できるわけないっていうかね、医療の顔色でひょっとしたら被害無くなるなんて思えるわけないわけで、そこのところよく汲んでもらって、検討してほしいと思ってるんですね。だから、今ちょっと理解したいことは、つまり、二年後の母子手帳の改訂に向けて手を加えてくれてると。その中に陣痛促進剤については触れたい、ということはもう考えてくれてると。もうあんまり時間無いんで、その触れ方というか、内容については今の検討次第ということなので、今後も私たちの意見を、聞き入れるというかね、僕ら定期的に厚生省交渉に来ますんで、さらに進捗状況どんなふうになってきたかとか、僕らとしてはこんなグラフこそがね、大事なんで、そういう方向で今後いろいろ調整があるんでしょうけども、今後も私たちの、今日の要望も是非聞いておいて確認して聞いておいてほしいし、今後、次回の交渉等でも、僕らの今日の要望聞いてどんなふうな内容に今なってるかとか、聞いていってほしいとかね、そういう感じのことをちょっと確認してもらうっていうことで。
(母保)あの、今の話…後ろ向きに考えてるわけではなく、前向きに考えております。
(勝村)じゃ、その方向で。僕はちょっとそういう方向で、約束してもらったもんで。文部省に関して僕らは今後どうしたらいいんですか。前の話では、文部省に関しても「こっちから話出来る」ようなこと言わはったんで、僕らは文部省交渉は考えていないんです。
(母保)この前ですね、確か「周産期死亡率が減少しているから医者に任したら良い」というふうなニュアンスの記述があるということをですね、聞きまして文部省に問い合わせたんですけども、一番シェアのある、七割ぐらいのシェアのある高校の保健の教科書にはですね、そういう記述は無いとということを…
(勝村)周産期死亡率のグラフばっかり載ってんですよ。僕、高校の教員なんですよ。
(母保)医者にまかせたら良いっていうのが書いてあるわけですか?
(勝村)…ああ…医者に任せたら良いというか、だんだんその辺の記述はちょっとずつ良くなってきてます。改訂後はね。一つ前のやつなんかは非常に多かったです。改訂の前の。
(母保)で、文部省の方はですね、その検閲の―文部省の中で検閲と言いますか―まあ、一回見ますよね。その対象にした方がいいかどうかっていうことを確認とれって言われてるんですけれど。
(勝村)だから、もっと具体的に言うと、周産期死亡率のグラフっていうのは、今のお産の現状を表していない、と。ね? 周産期死亡率が減ってるということを載せたいという理由は、日本の産科医療が進んでると言いたいわけでしょ?
(出元)そうじゃないんですよね。
(勝村)周産期死亡率が減ってるってことは日本の産科医療が良くなってると思ってしまうじゃないですか。ところが、いまどき死んで生まれた子が九日間生きれる、と。それは、小児科医療がね、寿命を延ばしているのか知らないけれども、産科医療が良くなってるのとは全然関係無いグラフなんで、そんなグラフを載せるんだったら、僕らはこんなグラフを載せるべきでや、という要望で、で、このグラフに対…
(母保)細かくなりますと―大まかな点はですね、文部省の方に一応言っておいたんですけども、どういうグラフを入れて何ページぐらいのページを割いてどういう記述を書いてほしいとなると、こちらにいわれてもちょっと難しくなるんですよね。
(勝村)今言ったニュアンスを伝えてもらうことは出来る…
(母保)それは、今日の概況は話しますけれども、直接的にこういう記述をお願いしますと言って、例えばそういう記述のない教科書が出てくればですね、もう、それは駄目だと、検閲で落とすとかですね、そういう、そこまで強権のオーダー?文部省に求めるのか、それとも、実際教科書っていうのはなんか作家みたいのが書いてるんですよね。専門家が書いて、それを文部省が見て…
(勝村)いや、だから僕らは多分、教科書会社に要望書出してもいいわけですよね。
(母保)そのほうがまあ…
(勝村)それはするんだけど、そういうこともしてもいいんだけど、局長が、母子手帳と同時に、文部省口説いて?厚生省のほうである程度やりたいこと出来るっておっしゃってくれたんで…
(母保)ある程度やるってことっていうのは、そういう電話でのやりとりっていうのはやりましたから…
(勝村)今日のニュアンスをぜひ伝えていただいて、次回の交渉にまた来てもらって、またこちらからお聞きするっていう感じでも…
(母保)まあ、直接的に記述の内容になると、ちょっと文部省に言っていただくほうがまあ、ちょっとさっきの児童家庭局長の話とは違うんですけれども、あの、いろいろと、省庁の間での権限というのが…
(勝村)あると思いますよ。
(母保)今日のニュアンスを伝えることは出来ますけども、やっぱり中味になると文部省なんです。
(出元)そうですか。ま、薬についてですけどね、保健の教科書で、風邪薬についての記載がですね、教員用の教科書がすごく良いんですよ。というのは、ライ症候群で死亡したお子さんが飲んでた薬を「こんなにまで投与してるからこうなったんだ」いうことまで書いてあるんですよ。ですからね、この陣痛促進剤についても、やはり、教員用の教科書を充実させればね、やはり、指導する方が、それをきちんと言うこと出来ると思うんで、それとタイアップした形でね、生徒用の教科書と、教員用の教科書と、ですね、多少違いますよね?
(母保)指導要領という形ですね。
(出元)指導の内容のところに加えればですね、どうしてこのような、ね? 極端なこんなグラフになってんだろうということになれば、生徒に最初考えてもらってね、それから話を進めて行けば「実はこういう背景があるんだ」ということになると思うんですよ。で、そこで、薬が出て来るんですよね。だから、そういうふうな形でしてもらえれば、大変良いと思いますわ。
(水谷)あの、私が思うのは、本来のお産を知らないで、促進剤を使ったお産ばっかり最初から学ぶことがおかしいんですよね。基本を知らなかったら、その変なふうにする、していく人工的なことをやって、健康な状態で生まれるわけがないじゃないですか。基本という。本来、愛の内に産み出されたら、赤ちゃんは泣かないで生まれるんです。ほとんどの人が生まれた瞬間赤ちゃんが泣かなかったら、病気だから何かあるから、泣かせなくちゃいけないと思ってると思うんですけど、逆なんですね。気持ちよく生まれて、父親、母親、子供、と呼吸を合わせて生まれたら泣かないんです。喜びの内にいるから。それなのに最初から陣痛促進剤なんか使えば余計に「ウッウッ」ていうふうになるから…ってなっちゃうじゃない。赤ちゃんも。
(出元)だからね、医学部の教育というのは、これ、厚生省じゃないでしょう。文部省でしょう。だから、そういった点でも文部省にはね、その授業の内容というのもね、やっぱりチェックする必要があると思うんですよ。分娩についてのね。だから、そこの所もきちんとすれば、こんなにまで陣痛促進剤しか知らないというふうな人は少なくなると思うんですよ。
(母保)私のほうから言いますとやはり直接文部省のほうに出したほうが…
(勝村)はい。それでね、もう一個、児童家庭局の範囲内で約束する言ってくれたことがね、母子手帳を変えることと、教科書のも理解示してくれたことと、もう一個、母親教室そのものを、母親学級言うんですかその内容にも、やはり、僕らはまあ、促進剤のことをもっと児童家庭局から国民に知らせろという、お産に関して、いうことを言ったわけで、その中で母子手帳、保健の教科書、もう一点、その、母親教室でも触れられていない。さっきも言ったように、例えば枚方市民病院やったら、全員に自然分娩がどうやって進んでいくかの話を全員にしといて、全員に陣痛促進剤の入った点滴をやってた。そう裁判所で証言してるわけですからね。そんなことで、母親教室はそんなレベルなので、せめて、陣痛促進剤使ったらどうなるんかとかね、そこの副作用がどうなってて今どんな問題で厚生省検討してて何で能書を改訂したのかとかね。そういう真実のその情報をちゃんと伝えるだけでいいんですから。
(出元)でね、どのような指導が現在行われているかということを調べた上で、というふうになされますよね? 前回の時には。ですから、そこの所ですね、今回の調査だけでも「講義が全く無かった」と全員が言ってるんですよ。ですからね、ないんですよ。実際にね。無いのに使われている現場ですよね。そこでおかしくなるんですよね。だから、これは絶対必要なんで、保健所なり、病院なりにはやっぱりきちんと言うべきだし、保健所がそういうふうな指導しようかと思われている保健婦さんたちも中にはいるんですよ。だけど、そういうことを、これを問題にすると、医療側からちょっとクレームが来るみたいなところはあるみたいなんですね。それはどうしてかというと、どんどん使ってるからそういう怖い話されると困る、的な発想なんですね。だけど実際はそうじゃなくって「安全」の為には知るべきだと思いますから、やはり、この情報は絶対必要だからこれは必ず言ってくださいと、いうふうな形になれば、別に病院側からもどうということもないと思うんですね。だから、そこん所…
(伊藤)日本の女性はそんなに怖がりませんよ。
(勝村)あのね、もう、これでもう、話してる時間無いからあんまり…インフォームドコンセントっていうのはね、医者も患者もね、おんなじ情報持ってて初めて話し合いになるんです。ね? 今のその状況どうなるか言うたら、医者ばっかりに促進剤の副作用とか事故が起こってるという情報が行ってるけど、国民には何もその情報が…その辺の本屋のお産の本にも載ってないし、母子手帳にも載ってないし教科書読んでも何にも書いてないし、そんな中で「陣痛促進剤安全ですよ」って医者から聞かされたからって、インフォームドにならないわけですよね。だから、ちゃんとほんとにインフォームドコンセントの意味もちゃんと理解して、是非、より前向きに検討してもらって…
(伊藤)だから、赤ちゃんは、とにかく自分で生み出たいんだっていう基本の所から、両方からレベル合わせしていって、その後に促進剤っていう、教育の順番っていうのはあると思うんです。
(勝村)だから、薬とインフォームドコンセントを同じページにされるっていうことなんで、薬のね、ことについて、国民にまず、医者とおんなじようなね、情報を与えてからね、促進剤に関して。それからインフォームドコンセントしなさいって言ってくれないと、国民には促進剤のこと、曖昧に教えといて、その後インフォームドコンセントしろって言ったからって、「医者の言うこと聞いとけ」というのと等しくなるので、その辺ちゃんと、次回の交渉までに…
(出元)だから、どういうふうなね、講義がされているのかとか、いうことまで調べてもらいたいんですよ。
(母保)あの、母親学級の講義についてなんですけども、講義内容を逐一全部市区町村とか保健所とかでやってるのを調べるっていうことも一つあると思うんですけども、ちょっとそれは技術的にはですねまあ難しい…
(出元)ピックアップした形でですね…
(母保)こちらで示してると言いますか、監修してる本で母親学級についての指導要領、まあ、ちょうど学校の高校の先生向けみたいなものがあるわけですけど、そこの改訂の際にですね、その薬ですとかインフォームドコンセントについても書き入れると。局長がですね、母親学級と母子手帳同時にいうふうにとおっしゃっているんでですね、だから、そのならびでまあ母子手帳に書くよりもう少し詳しめと言いますか、そういう形での母親教室の指導要領みたいなものに書き加えることは可能ですのでそちらも合わせて検討というのは…
(出元)指導要領にですね。そうですね。
(勝村)じゃ、今のね、現在の指導要領をいただくっていうのは出来ないんですか。
(母保)良くないような気がするんですが…こちらのほうにはあるんですが…
(出元)コピーしたものでも構いませんので。原本じゃなくってもね。
(母保)ここまでですけど…
(出元)じゃあそのままください。(笑)すみませんが。
(母保)それ、一冊しか無かったですよね…
(出元)じゃあ、大事な所をコピーして。
(母保)コピーして、ですね。はい。
(出元)指導要領の改訂という形でこの問題を入れてくれる…
(母保)ちょっと今日、指導要領のこと初めて話しましたから、まあ現行の…今聞いた話ですので、母子手帳にはまあ以前お聞きしたことで進行する?ということで話しましたけど、次回にはまあどう考えていくかっていうのを考え方としては話すことは…
(勝村)指導要領の改訂の予定とかはあるんですか。
(水谷)あの、考え方ということにおいて、医者に産ませてもらうんじゃないんですよ。 私が産むんです。女性が。だから、産ませてもらうんじゃないんです。主体は妊婦なんです、産むのは。何故医者の方に主体がいくかっていう問題が…その、今そのポイントといいますのは、今エイズ問題ありますよね? あの、被害者側が「命の尊厳が分からないのか」って言いますよね。で、医者側は、「医者として最高の決断をしてきました」って言いますよね。てことは、命の尊厳を分からない決断をするのが、命の尊厳を知らない決断をするのが今の医者であるということ、二つをつなげるとそういうことが言えます。そういう要素が医者の中にあるからこそそういう自然のお産を隠して、自分のお金儲けの為とか、或いは薬を使って投与して病院の繁栄を願う、患者の身体の命の尊さを願うんではない、そういう体制で産んでるからなんですね。
(出元)今日ね、時間が限られてるので、要望書に添った形での話しをどんどん進めていきたいんですよ。
(水谷)はい。
(勝村)指導要領の改訂の予定はあるんですか。
(母保)今お聞きしましたのでそれに向けて…改訂はですね、まあ、そういった、ハード的な治験の進歩とかですね、いろんな意見がございましたらですね、すぐ変えていかないといけないと思っています。
(出元)この要領というのは保健所でされるものと、病院でするものありますよね、これは、要領同じものを…病院独自のものでしょうか。
(母保)母親学級ということですので、まあ、実施自治体に関わらず、一応こちらでやっていますのは、あの、来年から…市町村が実施自治体になるわけですけども…
(出元)保健所ということですよね。
(母保)今度からですね、今度から市町村に全部なるんです。
(勝村)保健所事務所じゃなくって。
(出元)市町村なんですか。じゃ、市町村が妊娠中は栄養はああですよ、こうですよとかいうふうなことひっくるめた形で講義されるっていうことなのですね。じゃ、その中でこの問題を必要があると
理解されれば…
(母保)指導要領中にも…
(出元)入れる、と。盛り込む、ということになるんですね。じゃ、それは検討していただくということですね。分かりました。期限はどうなりますか?
(母保)ある程度、ですからまた今回もその、今回で終わりじゃない…
(出元)終わりじゃありませんよ。(笑)
(母保)まあ、そのときはそのときの考えでのお話し合いをしますので。
(出元)分かりました。それと、アプガースコアの点数を、書く場所をどうこうっていうことで話を…
(母保)母子手帳にですよねえ…
(出元)はい、したんですが。これはもう絶対必要なことですよね?
(母保)これはちょっと。まあ、あの、母子手帳に入れるかどうかというのは、それは以前からも話があるんですけど、そんなことまでうちに送られてきてるというのは…
(出元)それはね、おかしなことでね、やはり、病院側の都合でそれは見送られていることでしかないんですよ。ね、カルテには書いてるのに何でこちらには書けないのか、いうことになるでしょ。で、出産したのはお母さんだし、お母さんが見たい時に見れるようにしてないと意味が無いですよね。
(母保)でも、それはお医者さんがカルテに書いてあるんですからお医者さんに聞けば教えてくれるってことじゃないですか。
(出元)いや、そう簡単に言いますけど、そこがどっこいなんですよね。
(母保)だから、そういうやっぱり、普段から、ずっと妊娠した当初からですね、お医者さんにいろいろ聞くような関係…
(勝村)お医者さんなんか、そんなこと言ってたら誰も言いに来ないですよ。
(母保)言いにくいのは分かります。それは、今の状態が良いとは言ってないんですよ。今の状態は必ずしも理想ではないですけども、やっぱり理想に近づけていくためには、やっぱり患者さん…患者さんじゃないですね、妊婦さんの側からのアプローチも勿論必要ですし、医療関係者の努力も必要だと。
(勝村)いや、他にもね、医者には…その気持ちわかるから、なんぼでも聞いてると思うんですけど、医者に直接聞くとイヤなことがあるから、せめてまあ、アプガースコアぐらいをここに載せてくれたら聞く必要一つ無くなるから…いっぱい聞かなくちゃならないことありますから、妊婦さんは。
(出元)まあ、簡単なことですよ、本当はね。だって、仮死で生まれたかどうかいうね、書く場所があるんだから、アプガースコア書く場所をちょっと付けるだけでいいんですからね。やっぱりその必要性…
(母保)ちょっと付けるだけで良いんでしたら自分で書いても良いわけですし、その妊婦さんが自分で聞いて書いても良いわけだし…
(出元)あっ、それは、普通出産する方は、アプガースコアいうものがそもそも何なのかとかも分かんないわけですからね。
(母保)ですから、そこはご主人もいらっしゃるわけですし、そのいろいろ健康教育の対象もですね、前回の法改正で配偶者も対象にしてますので、やっぱり妊娠・出産ていうのは女性だけの問題ではないという…
(勝村)だから、書いた方が良いと思うんやったら書く欄を付けてくれたら書くようになっていくわけですよ。だから言ってるんですよ。
(母保)いや、だからそれは、普段から聞くようなインフォームドコンセントも中に含まれると思うんですよ。
(勝村)だから、自分で書きましょうでもいいから欄を書いとけばいいんですよ。「自分でお医者さんに聞いて書きましょう。アプガースコアの欄」。
(出元)そういうのあればいいですよ。
(勝村)それしてくれればいいじゃないですか。他に、そんなページいっぱいあるんですから。医者から聞いて書き込んでおきましょう。
(出元)母親学級でね、そういうふうなことを聞いてしましょうというね、そういうことを教えられればそうしますけど、それが必要なんだということも普通は知らないんですよ。
(伊藤)だから、それが三人称の、医者側も同じリストアップしていこうという、同等にそういうこと知っておくために、こちらサイドへの行政指導というですね…
(出元)で、それについては、書く気が無さそうですね。
(母保)いえ、えーと…
(水谷)あの、すいません。私、ちょっと意見違うんですけど、すいません、口挟ましていただいて。あの、私、専門ではないんで、医者の難しいアプガースコアとかそれは見れば記憶になりますけど、そんなこと広めることが問題ではないんですよ。本来は命っていうのはそんな複雑なことする、勉強することないんですよ。本来は単純という、本来に立ち返らなくてはいけないんです。だから、こういう勉強してる人々に知識を知らせるとかそういうことではないんですよ。だから、本来の出産、お産ていうのは何かっていうのを国が人々に知らせなければならないんです。そうでなかったら、今の本来のお産さえ知っていたら、医者に身を任せてお産するっていうことなくなると思うんですよ。事故が。あなた方の奥さんにそんな事故見舞わせたいんですか?じゃあ。だったら、本来のお産を知っていたら用は足せるんですよ。で、本来のお産で産むときになんか、ちょっと、危険とか何かある、予想がされる場合だけお医者さんにかかるだけでいいんですよ。本来のお産にお医者さんはいらないんです。本来は。助産婦さんが立ち会うだけで。そこに立ち返らなかったら、どんどん複雑にしてったら、頭混乱して分からなくなります。簡単に単純にシンプルにしていかないと…
(出元)あのね、そういうのはね、十分みんな分かっているけど、目先の今大事なことあるんで…
(母保)さっきのことについてですね、そちらとこちらの検討の前にそちらの方の意見まとめていただけたほうが先だと思いますので…
(出元)ええ、じゃああの…
(母保)とりあえず、先に進めさせてもらって…
(出元)そうですね、どうぞ。はい。
(母保)じゃ、次の、五番ですね。九十二年十月以降の子宮収縮剤…
(水谷)あの、すいません。ちょっと意見挟むようですけど、こちらはこちらでまとめるとかじゃないんです。私は敵対して会話してるんじゃないんです。一人の人間として、被害を出さないという願いはおんなじですよね? だから、私は私の意見なんです。この方はこの方。一人一人違うと思うんです、お宅たちも、意見、全く。
(母保)いや、ですから、皆さんの意見を代表してこう、来ていらっしゃるわけですよね?
(水谷)でも、代表、とは考えていないんです。私は私の意見…
(母保)いえ、こちらは代表と受け止めてるんです。だからやっぱり意見をまとめていただかないとですね、困る点が多いというか…
(水谷)意見をまとめたら、弱さを排除して、いいという発想に…
(勝村)先に、こちらにも前回四番に、聞きたいことあるんですけど、先に児童家庭局のほう全部終わった方がいい…
(母保)だからもう、うちも終わってますよね。
(勝村)ああ、これで終わり?
(母保)全体として…
(勝村)順番として…
(母保)じゃあ、もう終わりますので。ちょっと私、ちょっと明日国会の関係でですね、質問当たってるんで、うち、ちょっとすいませんが。
(母保)すいません、決算委員会…申し訳ございません。
(出元)…ありがとうございました。ではお願いします。
(勝村)よろしくお願いします。じゃ、次、どの話…この四番やったから、前回…
(出元)四番の中の、だからね、五月二十九日の要望書に書いてあることの厚生省に対して、いうのありますよね。そちらの所からまず行っていただけますか。…要望書ございますか?
(薬務局)厚生省に対してということで、子宮収縮剤の使用方法に改訂をもっと厳しくという、ここから…
(出元)はい。
(薬務局)それで、これに関しまして、既に何度か、経緯については皆さんはご存じの通り、かねてからその子宮破裂???けれども、確かに過強陣痛で子宮破裂という問題がございまして平成四年十月にその母体に対しての安全対策ですか、母体に対する安全性を十分考慮して、分娩の進行に必要な監視が行き届いてない可能性を否定しながら、尚も、その平成四年十月の改訂以後も陣痛促進剤を使用して子宮破裂で死亡された人であり、脳性麻痺の子がいらっしゃるというようなご指摘をみなさまから初めていただきまして、それで、昨年十月から調査をしたり、私どもで調査したところ、確かに、仕様化していない事例横行、と。私どもでは二十数名把握して、その範囲内で見ましても、二種類の陣痛促進剤同時に併用する事例でございますとか、不適切な使用事例っていうのが見られることがある。そういうことから、今年の二月に添付文書の改訂を…メーカーに対して指示をさしていただきまして、それで、新たにその子宮破裂の危険性という警告する欄を設けること、それから、更にこの安全対策というのはメーカーということだけではなく、医療関係者に対しても、通知する必要があるということでメーカーからも勿論医師に伝えていただいて、そして、私どもから産科婦人科学会、それから、日本母性保護医協会、に対して、そういうことを十分に書いて通知していただきたいということをお伝えし、更に、それで、二月十四日に実は新聞社が発表するときにはメーカーの役員にも話して、それから、日母、それから、産科学会の理事にもおいでいただきましたし、私どももその場で説明するというそういう対応をさせていただいたと…。で、その後も、私どもとしては、厚生省が出してる医薬品副作用情報というものが三月にまた情報提供などをやってそれには全くそういう情報がない。それで、今まで添付文書の改訂やってきたわけでございますけれども、今のご指摘の中では、まず、帝王切開の既往者に対しての使用を禁忌にするということについては、これは私どもはこれ、今、「慎重投与」っていう形をとりたい。これは、禁忌にするっていうことについては検討したわけではございますけれども、帝王切開の既往歴があっても、分娩の進行中に陣痛誘発剤を使った方が有利で、専門家の判断として、ある。そういうことから、禁忌ということで、根っこから、帝王切開の事例について、使用出来なく、ということについてはむしろ、それは……。ただ、あくまで勿論、帝王切開については大変、子宮破裂の率とかはあるっていうことは医学的に知られており慎重に使うべきだっていうことは間違いない。そういう点で、記載はそういう「慎重投与」という記載を使って、当然であるという…
(勝村)専門家の判断? それは一体どこの専門家ですか。
(薬務局)中央薬事審議会の?????があって、それで、禁忌ということは、絶対、使えないという…
(勝村)絶対使えないとはどうしたらいいんかといったら、帝王切開すればいいわけですよね。帝王切開一回してる者に対して…
(薬務局)重ねて帝王切開するということが、最善の手段とは決していえない場合がある。帝王切開の既往歴があって、それを自然分娩で分娩を進行してきて、で、最後になって陣痛微弱とかなった場合に、そこから帝王切開、といくのが、しか、選択肢がないというような状態というのは適当ではない。
(出元)それは、促進の場合ですね。では、誘発ということで使うということについてはどうなんですか。
(薬務局)…うーん…
(出元)けど、どんどん、破裂してんですよ。
(勝村)帝王切開をした被害例って、僕らも探したんですが、無いんですよ。帝王切開で何回、ひどい目に遭うたっていうのが。事故としてね。帝王切開既往者にも一回帝王切開してひどい目に遭ったっていう、訴えてるような人、一応、探したんですが無いんです。僕の知る限りはね。ところが、帝王切開既往者に、子宮収縮剤使ってひどい目に遭ってるっていう事例はいっぱいあるんで、だから、普通に考えれば、そうした方が、より安全になると僕らは思うわけですよ。とりあえずは促進という質問大事なんでどうぞ。
(出元)島田教授などもですね、使うべきじゃないというふうに本に書いてあるものもあるんですよ。北里のね。禁忌って書いてんですよ。
(勝村)だから、医学書の説明すると、促進というのはもう、全開大になってね、それはもう生まれかかってるのに、ちょっと陣痛弱くなったから、促進剤使うっていうのが促進の場合でしたね? そうじゃなくって、なんも陣痛が起こってない状態に、無理矢理入院さして計画分娩的にね、誘発するっていうのはあるんですよ。枚方市民病院みたいに、三十八週の定期検診ぐらいに上手に入院さして、陣痛何にも起こってないのに、薬を飲まして陣痛を起こしさしていく、それが誘発なんですよね。
(出元)だから一応そこね、促進と誘発の区別をすることと、あとですね、微弱でもね、赤ちゃんが元気であれば別に待っててもいいじゃないですか、いうことになってくるんですよ。ね? だから、そこも考えて、やはり帝切患者でもやはり自然分娩と同じように考えれば良いわけでね、陣痛が弱いから使わなければならない、促進しなければならない、じゃないんですよ。そこでね、赤ちゃんが弱ってきたらどうするかって考えるのが良いんですが、いうことでね、やっぱりこれ両方ともね、禁忌の方向に向けた形で、考えていただかないと、やはり、促進という形で使って破裂してもかなわんですよ。だから、やっぱりこれ…
(薬務局)もう少し慎重にというのは良く分かる…
(勝村)だから、慎重投与と言うてね、ダイレクトに慎重投与してくれたら、いいんだけど、実際使われ方が慎重に使ってないからね、禁忌位書いとって丁度じゃないかって言うくらいの、被害者の立場でね。
(薬務局)だから、そこで…
(勝村)まだね、促進の方が、論議の余地があることは分かりますわ。だけど、誘発の方は絶対禁忌であるべきだと思うんです。
(猪狩)破裂した時に、もう間に合わないんですよ。陣痛一回で、もう赤ちゃんは腹膜に出ます。
(出元)もう、ベリベリ、いってよ。
(猪狩)はい。で、腹膜に出た赤ちゃんは助かりません。そういう意味で、もう破裂した時にはもう、駄目なんですよね。どうしようもないんです。
(勝村)だから、帝王切開既往者への誘発は禁忌にしてください。
(出元)ま、促進もね、促進する必要がほんとにあるのかどうかいうことがやっぱりこの場合は考えなきゃいけないんですよ。(陣痛が)弱いから使うんじゃなくてね、赤ちゃんが早くに出してあげないといけないから使うならいいんですけど、そうじゃないでしょ? そこんところがきちんと考えてほしいと、いうふうに中薬審に言ってください!
(薬務局)禁忌という点で今の所はもっと…
(出元)詰める、と。
(薬務局)まず、頭から禁忌が出来ないということは…
(勝村)促進に関してはね。
(薬務局)ご理解いただきたいと…
(勝村)促進に関してはまだ、分かる。言おうとしてることは分かる。反対だけどね。でも、誘発に関しては分からない。誘発に関しては禁忌に出来るはずやと思う。
(薬務局)…検討さしていただきます。
(出元)もう少しきちんと考えていただいて、決めてください。はい。
(薬務局)次に、医学的に必要なもの以外には使用を禁ずるっていうのは、これは私どもの立場からは言いにくいんですけれども…
(出元)いいんですよ。どんどん言ってください。
(薬務局)医薬品、もともと、プロスタグランディンもオキシトシンも、もともと必要な場合のみに使うというべき薬剤ということで現在やっておるわけであります。
(勝村)適応がない薬なんてね、お産にかかわらず使ったらあかんでしょうね。それはもう基本でしょ?
(薬務局)それは医療の原則でございまして、そういうことでやっておりますので、特にこの陣痛誘発剤、促進剤につきましては特に添付文書に関しては改訂に当たりましては特にそのことをこれまで再三にわたって強調する方向でやってきたわけでございますけれども、そういう点では、ただ、禁止ということは私どもの持っている権限の範囲を越えるって言うんでしょうか…
(勝村)だから、さっきの基本通りでいいんじゃないんですか。適応がないのに使うことは基本的におかしいでしょ。
(薬務局)それは、もともとそれは当然の話でございまして…
(出元)当然の話を当然にしてないから、やっぱりそういう文書を入れてもらえるとね、すごく良いんですよ。
(薬務局)ただ、禁止とこの文書、添付文書に書くということはイコール禁忌とかそういうことがあれでございまして、大体そもそも薬剤において、およそ、本来必要が無いで使うっていうことが…
(出元)必要ないでしょ。だけどこの場合あるでしょ、出産の場合には。必要が無いんだけど使うんですよ、都合でね。
(勝村)ちゃんと公の本にも書いてる人もいて。
(出元)都合で使うことがいけないとは書けないから、医学的適応でない、いうものには使うなということは書かないといけないんですよ。これだけたくさん被害が起こってんですよ。やっぱり厚生省はね、医者の顔見たらいけません!
(薬務局)今の記載っていうのはそもそもそういうつもりで書いておるわけなんですけども。はい。つもりと言いますのは、ここからはそうとしか読めないはずなんです。こういう薬剤として使うという。ただ、これを無視して使えばまた別の話ですけど。
(勝村)でね、それでもね、全然必要がないのに使ってるのが日本中にあふれているという位僕らは思っているから言いに来てるわけで、だから、更に何らかのね、検討してほしいということ言っているということなんですよ。だから、そう言わないと論議が進まないから、敢えてもう一回言いに来てることを、やっぱりその事情を分かってほしい。
(薬務局)五月にお答えしたときと実は回答が変わらないっていうことで恐縮になるのは、私が持っている権限の道具ではこれがもうマキシマムなんです。薬事法に関わるっていう問題では。これ以上、もう措置が無い、という。この問題については。あとはもう医師の選択…
(勝村)医学的適応が無かったら使ってはいけないと書いてはいけないんですか。
(薬務局)いや、要するにもう書いたも同然の姿でありまして…
(勝村)そう書いてほしいんですよ。
(出元)そうですよ。
(勝村)同然なら書いてほしいですよ。
(薬務局)いや、これはもう、そう書いてある…
(勝村)書いてないですよ。
(出元)それはないですよ。
(勝村)必要最小限にっていう言葉でしょ?
(出元)それは書いてますけどもね。
(勝村)医学的適応とか要約の話に踏み込めてないんですよ。で、日母なんかは適応がなかったら使うなって書いた年もあるんですよね。平成二年位は。
(薬務局)お医者さんにとっては必要最小限っていうのはイコール適応、必要がなければ使わないっていうことですから。
(水谷)必要最小限っていうのは人によって違いますよね。判断が。その辺の所、命の尊厳が分からない医者に使わせるという、そこの所の医者のどんな人格の者が医者になるかっていう所に問題がいくと思うんです。
(勝村)実際にこの問題はね、昔、従来からね、医学的適応という言葉とか、社会的適応という言葉とかね、そういうのはもう、医者の間でね、ずっと論議っていうか、そういう単語が出てきてて、医学的適応だけに限るべきやっていう日母の指導があったり、社会的適応で計画分娩やってもいいんだという一部の強引な医者が居ったりという世界なので、で、僕らとしては日母の指導の通り、厚生省も医学的適応に限るべきやっていうふうに厚生省も言ってほしい。
(出元)じゃあ、まあ、厚生省からは言えないけど、厚生省がね、医学的適応以外は使うなというふうにほんとは書きたいけど、厚生省としては言えないから…
(薬務局)そもそも社会的適応を認めるっていう立場では…
(出元)ない、ですね。
(薬務局)私ども、薬事法の中では…社会的に適応があって医学的適応がないから使うなっていうことは全く認めてる立場にはないですから。
(勝村)それをね、その、おっしゃってることをそのまま書いてほしいんですよ。
(出元)じゃ、それ、製薬会社へ直接言えば製薬会社が「そいじゃ書こう」いうことになればそれはそれで構わない、いうことになるわけですよね。そこで厚生省が「こんなこと書いて」というわけはないですよね。あります?
(薬務局)社会的適応はそもそも、私どもとしてはまあ、薬事法という観点として社会的適応の有無、社会的適応はあって医学的適応がないという見地は、それはそもそも…そのような薬剤の使い方は…
(勝村)あってはならないというわけでしょ? あってはならないことが起こってるんだから…
(出元)「あってはならない」と書いてくださいよ。「医学的適応以外に使用することはあってはならない」。もう簡単じゃないですか。一筆啓上ですよ。
(薬務局)それは薬事法の範囲内ではなくて、刑法の範囲ですよ。
(勝村)何で…
(薬務局)だから、それで薬害あったら医者が罰せられるんですよ。
(出元)ほんとに!
(薬務局)それは訴訟して罰せられるんですよ。それは、罰せられるっていうのは勿論、裁判によって行われるわけですから。
(勝村)いや、なかなかね、医師の裁量権で…
(薬務局)いや、一応薬事法の範囲というよりは、刑法の範囲なんで。
(出元)じゃあそれはまあ無理ということなんですか?
(薬務局)それは、今ので私どものやるべき施策をし尽くしてるという…
(勝村)いや、し尽くしてると言ってね、一年後二年後にまた変えなあかん時になった時にはほんまに怒りますよ。やるならね、あのね、能書改訂終わって直後にね、すぐ実態調査しとって、と大分言うたんですよ。
(出元)そうですよ。
(勝村)必要ない、必要ないってね、何回交渉を蹴ってね、ほんで、去年の暮れから急に毎日新聞に載ってからやったんでしょう。ね? で、ほんとに実態調査をしてこうやったって言うなら何で調査しなかったっていう話になるわけで、能書改訂かて大分遅れたわけですから、これかていずれなるんやったら、医学的適応に限るって能書改訂をするんやったら、早くしといたほうが得でしょ、厚生省は。責任問われますよ。何であん時から事情変わってないのに何でそんな一言に躊躇しとるんやっていうふうに。いずれ、この医学的適応以外で薬使うっていうことは絶対問題になって来ると思うんですよ。
(出元)だから、誰の顔見てるからそれが書けないのか、いうことになればそれは医者の顔でしかないでしょう? 国民の顔見てすればそれぐらい簡単に書けるんですよ。だからね、今度の厚生省凄いなというふうに、あっと言わせてくださいよ。
(水谷)一人一人、自分に責任持って生きてますかって言いたいんですよ。自分に信頼おける良い仕事してますか。国民に喜ばれる厚生省ですか。
(出元)そこはやっぱり、大臣に聞いてください。
(勝村)そこで駄目だと言ってしまわないで、是非、再度ね、検討して…
(出元)検討してほしい。
(伊藤)勇気を持ってね。
(丹下)これなんかね、書けないんならね、書ける…事故が防げるような方法を考えるんですか。厚生省は。これ、現に改訂しててもこういう、毎年起きてるじゃないですか。ね? そのことをね、書かないんなら書かないで起こらない方法を私らに報せるしかないでしょう。そういう方なら、書けないんなら別の方法ありましょう、いう、そういうのは、おたくら自分がこう書く文が好きやから、書いたらええやない。
(薬務局)そういう点では、私どもでは今やること一度やってるのはそれはむしろ産婦人科学会なり、日母などに対して、こういうことを徹底してほしいということはもうお願いしておきたいと思います。
(出元)だけっていうのは医学的適応以外には絶対使うな、いう方向で指導してほしいと言ってんですか、厚生省は。
(薬務局)この二月にやったということはまさしくそういうことですから。
(出元)そういうことなんですか? はーあ。
(勝村)もう一回言うとね、必要最小限にしか使わんといてくれ、いうこととね、医学的適応以外は 使わんといてくれ、いうことはね、絶対違うんですよ。
(出元)違う、違う。
(勝村)で、実際にね、今年に起こっている事故なんか医学的適応ないのは明らかなんですよ。裁判の中でもね。医学的適応ないのに使うから逆に言うと事故が起こってるわけで。
(丹下)そう言って(事故が)起きた人は、そしたらみんなおたくらお墨付きで「医者が悪い」言うとか言って判断してくれるんですか。そういうふうになってくんじゃないんですか。そういうふうにおたくが逃げ口上するんだったら…
(薬務局)いや、それは医学的適応がないっていうことは私どもに証明しろと言われましても、個々の医療行為の証明というのは私どもの範疇を越えますけども、医学的適応がないのに対して使ったってことが明らかな事例はそれは明らかにもうそれは実証できます。
(勝村)でしょ?だから、今、必要最小限という意味は殆どね、医学的適応がなかった場合というのは意味ないんやって今おっしゃってくれたから、それやったらもうそのまま書いてほしいなって思うんですね。
(出元)で、日母には要するに医学的適応以外には使用してほしくないということは厚生省は伝えてるんですよね? 必要最小限いうんではなくって医学的適応以外には使ってくれるなというふうなことは言ってるんですね?
(薬務局)私どもが言ってるのは医学的適応と社会的適応を分けて伝えるということはそもそも…これはイコールこういう薬をこういうふうに添付文書使ってくださいということはイコールもうこれは医学的に必要な最小限な使い方をしてくださいという…
(勝村)だから、そういう意味やっていうことを僕らにも聞かしてもらってね、分かったんだけど、読んでるだけの人やったらちょっとそれは分からないと僕らは不安なわけで、そういう意味やっていうことが、僕ら、あの文書はそういう意味だって言ってましたよって僕らは言うてもらってもいいけど、そうじゃなくても直接ね、そういう意味やってことが分かるように文に…。日母ははっきり書いてますよ、平成二年に。「医学的適応以外には使うな」。
(出元)やっぱり必要なんですよ。坂元会長に聞いたら「うーん、それは確かにそうだからこれじゃしょうがないけん書いてくださいよ」って言いません? じゃ、相談してみてくださいよ、会長に。
(勝村)もう陣痛促進剤の問題はね、そこを踏み越えなかったら止まらないですよ。そこを踏み込まなかったら。
(薬務局)そういう点では確かにむしろまさしく、こう言ったらあれですけれども、その…日母とか……その医療に関わる人にやっていただきたいことで…
(勝村)能書の文書の話ですけど…
(出元)けど、大事なのはね、添付文書に添ってしたという言い方とかするんですよ、医者はね。
(薬務局)いわゆる医学的適応がないのに関わらず、添付文書に従って使ったということはあり得ない。
(出元)いや、医者は巧く言うんです!
(薬務局)いや、それは何も…
(勝村)じゃ、必要―医学的適応ってそういう文章に今なってないからね…
(水谷)もし、もし言い逃れが出来る部分があるのなら言い逃れ出来ないように書いてってほしいんです。
(薬務局)すいません。もう、三時過ぎてしまったので、これで今日は終わりにしたいんですけども。(勝村)あっ、それじゃ最後にね…
(出元)じゃあ、九十二年十月以降の副作用の、もし、入ってたらいただけますか。
(薬務局)九十二年十月以降ということに関しては、前回以降も調べてはみましたけれども、新たに分かったものはございません。
(出元)今のところないんですか?
(勝村)製薬会社から入ってない…
(薬務局)はい、入ってございません。
(出元)で、PGE1で子宮破裂起こってますが、小野薬品から、そういう情報入ってるでしょうね?
(薬務局)これは、いや、来てないと思います。
(出元)あのね、ドクターは、小野薬品に伝えたって言ってんですね。七月の二十日頃に。いいですか? 七月二十日のころにはもう知らせたって言ってますので
(勝村)小野薬品は厚生省の指導に従ってないんですよ。
(出元)小野薬品が指導に従ってないことになりますから、世田谷の…
(薬務局)七月の二十日に小野…
(出元)…迄に、もう伝えてる、と。梅ヶ丘産婦人科、いうところが、小野薬品にプロスタグランディンのE1で子宮破裂しましたと副作用を報告したと言ってるんです。ということは小野薬品は厚生省に知らせてないといけませんよね。ところがまだ入ってないということは、罰則ですから、きちんと罰則してくださいね。
(薬務局)あの、七月二十日ですか?
(出元)二十日迄にしてる、と。
(勝村)製薬会社知ってる情報は全部厚生省上げるようにまだ言ってるんですよね?ね?
(出元)で、一ヶ月以内にしなければどうこう、あるんでしょ? それ、きちんとしてくださいね、今回は。被害に遭った本人さんから電話が入りまして、妊娠十七週の子宮破裂なんですね。中絶使用で。E1を三時間おきに五錠、一応、能書内に使ってます。まあ能書にも問題あるんですけどね。それはまあ次回にするとして…
(勝村)何ですぐ報告しなかったかも聞いといてください。
(出元)病院名言いましたよね。患者さんはTさんといいますけどね。七月の…あれの一番上にある分です。九十六年の七月…えーと、下の、それです。
(勝村)その事例を小野薬品は知ってるはずなんですけど、厚生省に上げてない。
(出元)それを報告で、知らせたいうふうにね。医者が。
(勝村)そう、それでいい、その紙です。
(出元)それです。梅ヶ丘って書いてますでしょ。世田谷・梅ヶ丘産婦人科。
(薬務局)中絶で…
(出元)ええ、使用してね、この副作用で子宮破裂したから、小野薬品には伝えました、と言われましたんで、それ、ね。ほんとは知らせてなかったのかも…
(薬務局)これは、錠剤…?錠剤じゃなくて…
(出元)膣座薬として認可されているE1です。
(薬務局)あっ、これはあれですね、陣痛促進剤じゃなくって、これは…
(出元)一応中絶用の子宮収縮剤です。はい。それで子宮破裂してるんですよ。それ入ってます?
(薬務局)そもそも調べるスコープとして私どもは、これではなくて、妊娠の末期に於いて、分娩に使用するものしか網に掛けないというか、これちょっと今…
(出元)あ、じゃ、来てるかどうかわかんない?
(薬務局)妊娠の分娩における…
(出元)ああ、十七週ですからね。
(勝村)でも、この薬は一応ね妊娠末期に使うことはない薬なんですか?
(薬務局)いや、ただ、違う、これは中絶しか用途がないんです。
(出元)そう、E1だからね。
(勝村)ああそうか。E2ちゃうんか。
(薬務局)これはちょっと、これは残念ながらちょっと、その為に調べてませんから。分かりません。
(出元)ああそうですか。じゃあ、もし来てたら知らせてくださいますか?
(勝村)で、ちょっと最後にね、ちょっとそちらでいいか分からないんですけど、ちょっとNHKとかで報道が来たんですけど、妊産婦死亡についての原因の究明に関する研究班が厚生省で出来ていると、いうことなんですよね。それが中間報告を、中間集計を出した、ということはマスコミに記者会見、マスコミに報道されてますよね? 中間集計を。
(出元)それの資料ございますか。
(薬務局)――――――――母子保健課がやられてる研究で、持っていらっしゃるはずです。もう、本、冊子にされてる…
(出元)ああ、じゃあもらいたいんだけどな。
(勝村)さっきね、別の本も一冊もらうっていう話やったから、大変申し訳ないですけど、電話番号分からへんから伝えて、でこの中間報告も一緒に、僕らもうちょっと居てるので、菅さんの秘書と会うんで今から、何階だろ…そこへ持ってきて…
(出元)そこ何階かな。
(薬務局)宮城秘書官のところですか。児童家庭局は五階だったと思いましたが、捕まるかどうかが問題なんですけれども。捕まれば、何とかなると思います。
(出元)じゃ、そこにおりますので。
(薬務局)今日児童家庭局にそれを伝えて宮城秘書官の所に持ってくかもしそれに間に合わなかっ場合については…
(勝村)恐縮ですが郵送してもらったら…
(出元)お願いいたします。じゃあ次回もよろしくお願いします。
(勝村)じゃあ、どうもありがとうございました。

《宮城秘書官との会見》
(勝村)…説明抜きで投与されたというのもこうしてみんな言われてるわけで、まるでプロパーがそうやって薬を売れと言っているかのようにおんなじ台詞でみんな薬を投与されててね、最後に「何でそんなちゃんと言えへんかったんや」と言うたら「妊婦に不安を与えるかもしれない」と。陣痛誘発剤と言うたら、拒否するかもしれないから、と。そんな不安を与えないようにと。そんな現状が僕らの被害の実態の現状なので、僕らはそんなんを打開してほしいということで、母子手帳に、正しい情報を与えてほしいと言ってるのに、その母子手帳の内容が、「医者とインフォームドコンセントしっかりしなさい」、医者にしっかり聞けということでは、困るので、本質的に…
(宮城秘書官)大臣じゃないからあれですけど、そっちのほうはですね、多分今エイズのほうの、再発防止のほうで何をやるかっていう、プロジェクトチームでやらしてまして、そこでも、やっぱり、薬のインフォームドコンセントがやらなくちゃいかんというんで、これに限らずきっとどういうふうにやるかっていうのは検討中…
(出元)弁護士さんたちが入ってしてる分ですかね。
(秘書官)いやいや、それは…こっち側の第三者機関で、要するに厚生省の中で、今回のやつから、どんな対応策をしたら良いかっていうのと、それから、黒田委員会ていうのは黒田先生が委員長になっていただいて、それは、こちらが、事務局を全然やらないで、総合研究開発所のほうに事務局をお願いして、厚生省はノータッチ。資料は勿論出しますという、それは今日もやっております。
(出元)ああ、そうですか。
(勝村)はい、非常に前向きにやってくれてるということ、僕らも菅大臣には非常に…
(秘書官)もう選挙ですから…
(出元)いや、続投していただきたいからねえ。ほんとに。
(秘書官)いや、あと一ヶ月位で終わりかな、と。
(出元)ああ、そうですか。残念ですね。
(勝村)厚生大臣は誰でも、第三局を固めてもらって…
(出元)あの、妊婦学級に於いてのですね指導要領を、改訂しましてね、その中にこういうふうな話を、というふうなことも検討してくださるいう、今日の話にあったんですね。そうしないともう今までは全くその話が無いんですよ。だから、保健婦さんたちが、こういう話をしたいと思って、ちょっとでもするとね、医師会とかそういう所からすぐに、何か嗅ぎつけて、こう、白い目で見られるっていうことなんですね。だから、そういうことないように上のほうからその情報絶対必要だからこれはするようにと、いうふうな達しが出れば、いいと思うんですね。はい。そうしないとね…妊婦さんが勉強する暇がないんですよね、実際のところ。
(勝村)細かくいろいろ改訂してもらってるけど、本質的に全然変わってないので、大きなことをしてほしいということを、僕らは母子手帳とかそんなのに期待してるので「インフォームドコンセントもらいましょう」位では譲れないと思っているので、直接にこういうグラフとかを…
(秘書官)これは前回もらったグラフ…
(勝村)はい、これをね、今日も「こんなグラフ初めて見た」と担当の人が…前回局長に渡して局長非常に驚いて、こういうこと知らせな、というニュアンスで、言ってくれてたということも一回言うたんですけど、こういうことを母子手帳に載せないと、どれほど薬が使われてるかっていうことが薬について知っておくきっかけやから、そういう感じで、母親教室でも全然促進剤のこと伝えないで心配かけたらあかんからと言うといて薬使ってるの現状が、現状なのでちょっとやそっとのインフォームドコンセントしましょうとかいうぐらいで、僕らは被害が無くなるとは全然思えないので、そういう深い問題掘り下げたようなことをお願いしていたんで、そういうふうにちょっと、ね…
(秘書官)分かりました。
(出元)この新聞の記事のこれは、厚生省がお願いして研究班作った物で、今されてるものなんでしょうかね? 先週の月曜日に新聞に載ってニュースでもあったりしたんですが。
(勝村)ニュースでは陣痛促進剤では七件とか出て。
(出元)死亡の調査らしいんですが。児童家庭局のセミナーかどうかって、先程ね。
(秘書官)これ?
(出元)はい。
(秘書官)ああ、そうですか。聞いてきましょうか?

(勝村)レセプト開示のこととか話さしてもらってて、まあ、言えば二年、ちょうど二年二ヶ月も前ですけど、レセプトを本人に開示することは正しいっていうことを、週刊誌だか雑誌に書いて、日本中の保健婦さんに配布したり、するということを約束しながら、ちょっと放置されてるということなんで、それをテープで起こしといて結構やと。自分が人事異動する迄に必ずすると言ってあった、という、ある種、非常に、役人として無責任なことがあったということで、僕らはその後、早く書いてくれと言う一方なんですけど、あの約束は一応維持してて、優秀な弁護士さんのいる状況の中で、ついに大阪市とかが、個人情報の保護条例で開示させてるんですよね。その時、以前書き直しても出してないわけで、書き直す前の状況では、勝手に見せるようなことをした、厚生省は指導するっていうことを言ってるわけですよ。で、大阪市は勝手に見せたんで、厚生省の指導では見せるな、って言ってきてましたから、従来ね、本人にも。それを、大阪市見せたから厚生省指導するのかって、指導しないっていうことで、見解書いてあるんですけど、僕としてはその、やっぱり約束果たして、約束果たしたっていうことは、ほんまに書くべきやと思ってくれたと思うんですね。それがやっぱり何らかの圧力が掛かって書けないというふうにしか考えられないんで、そん時個人的に言ったんじゃなくって、ちゃんとそれまでにも二年間、交渉があってね、内部で検討した結果「書ける」と言ってくれたのに書けなくなってるわけで、そんな事情が二年間の交渉の中で、反故にしましたというのがあって、この後二年間放置されて、その辺のことちょっとまとめたのが出来まして…。今日この後また、担当官と、前回、このことでやらしてもろうた続きで、話します、と言うてもらってるんですけど、ちょっと厚生省の役人を批判してるんですけど、そんなことでひとつ約束は守るように、ちょっと伝えてもらえればありがたいんですけど。お願いします。
(出元)まあ、死亡するに至った理由というのはですね、大体、緊急なそういうふうな措置をしなければならないように、どうしてさせたのか、いうことまでさかのぼらないといけないと思うんですよ。だから、こういう事態が遅れたので、駄目だった、いうんでなくてね、そういうふうなことしなければならないようにさせた分娩方法がどうだったのか、ということですよね。そこまで考えてもらわないと、死亡事故減らないんですよね。
(秘書官)そのほうがキタニさんが課長ですから、その調査の指示をいたしたいと思います。
(出元)あ、母子保健課のキタニさんですね。
(秘書官)母子保健課が主管してこの研究班を作ってるみたいですから。
(勝村)これは凄い新聞記事でね、だから、百件近いですよね、七十何件…八十二件。
(出元)(八十)二件の中の四十五件が…
(勝村)四十五件が、ほんとやったら助けてた、というんですね。つまり医療過誤だったということを公表してるわけですよ。その中に陣促進剤が何件でとちゃんと書いてあるわけで…
(出元)ここには書いてない。
(勝村)あ、新聞には書いてない。ニュースでは言うてない。そういう中間報告出てるみたいなんで、厚生省もそういう別の角度からまた把握してもらってるんでね。
(秘書官)はい、分かりました。
(出元)じゃ、今後ともよろしくお願いいたします。今日はどうもありがとうございました。 

以 上