1997年3月28日
第38回 厚生省交渉
厚生省の参加者
池田光政(薬務局安全課情報係長)
桂 栄美(薬務局安全課医薬品適正使用推進室指導係長)
前田光哉(児童家庭局母子保健課主査)
会員参加者
出元明美、本谷晴志、石井良和
《質問》
1.添付文書の改訂について
@前回の交渉で要望した「帝切既往者に対する誘発分娩を禁忌とする事を添付文書に記載する事」について厚生省として製薬企業に指導されたい。
APGE1膣座薬の使用に際し「分娩監視装置を装着すること」を添付文書に記載するよう厚生省として製薬企業に指導されたい。
2.陣痛促進剤の副作用症例について
@副作用症例を正確に把握する為に、文書・形式等をどのように考えられたか明らかにされたい。
A「陣痛促進剤による被害を考える会」が報告した副作用三十九症例と、厚生省が記者会見で発表した(九十六年二月)二十三症例を突き合わせ、合致するものについて症例番号で明らかにされたい。
Bその後新たな副作用症例があれば報告されたい。又、「会」の報告と合致するものがあるかどうかについても、明らかにされたい。
3.母子健康手帳へアプガースコアを記載することについての是非の調査を要望したが、その結果について報告されたい。その結果を踏まえ、記載に対する見解を明らかにされたい。
4.平成四年十月、杉山日赤病院で誘発分娩を行い、羊水塞栓症で植物状態になっている事例につき、「医薬品副作用機構」に平成六年二月に提出し、七年二月、促進剤との因果関係はないとの結果報告であった。この結果に不服申し立てを同年四月に行ったが未だに結果が出ていない。しかるにこのケースは九十六年二月発表の副作用症例として記載されている。にもかかわらず因果関係が認められない理由は何か。
(厚)帝切既往者に対する誘発分娩を禁忌にするということなんですけれども、確かに帝切既往者に対して陣痛促進剤を使うということは、当然、子宮破裂とかそういったリスクが高くなるということは分かっておるんですけれども、だからと言って、この誘発を禁忌とするということですけども、実際のいろんな専門の産婦人科の先生に意見を聞いたりしても、「誘発」というものと「促進」というものの区別―どこで線引きをするかということが、はっきりしたそういった見解がないんですよね。ですからそういった曖昧な状況で誘発だけを禁忌にするということはかえって医療現場―医療現場という意味では産婦人科で出産の場合に於いて混乱を来すという恐れがありますし、帝切既往者であっても、例えば前回帝切した時と同じ医者が今回もやると、その時の帝切―どういう切開をしたかと、そういったことが分かっていて且つ母体の方の頸管の熟化も良好であり、またそういった大きな問題が無いような場合には帝切しとっても経膣分娩は当然可能でありますし、そういった場合に陣痛促進剤を使うというようなことがあっても実際きちんと出産されているということもありますので、今の段階でこの誘発ということだけを禁忌にするということを書くということはまず現在のところはこちらとしてはまず考えておりません。
次の、PGE1膣錠剤使用に際して分娩監視装置を装着する事、ということなんですけれども、分娩監視装置は多分以前から言っていると思うんですけれども、妊娠末期用に作られているものでして、妊娠中期の中絶に使うPGE1の膣錠剤を使用する時に分娩監視装置を着けても正確な監視が出来ない。ですから、かえってそれを着けることによって、正確な監視が出来ないものに頼ってしまってはかえって危険を招くことにもなりますので、プレグランディンに関しては、分娩監視装置の装着ということは、今のところ添付文書に記載するというようなことは考えておりません。
(交)失礼ですが、最初にですね、あなたは技官ですか? 事務官ですか?
(厚)技官です。
(交)技官。あなたはこの質問に対して、どういう場でこれを、意見を求められました?
(厚)はい?
(交)どういう場で、これに対する意見を求められました?(厚)ああ、その場で…
(交)だからそれはどういう場ですか。それは。
(厚)ですから、あの…電話で、産婦人科の先生に聞いたりとか。
(交)電話で産婦人科の先生に聞いた?
(厚)調査会とかの、産婦人科の先生おりますので。あるいは直接家に…会って聞いたケースもあります。
(交)この間ですね、かなりこういった質問をさしていただいてるんですね。ずーっと。で、こういったことに対して、どういう場で、その…色々な患者の団体から求められてることを議論する場というのがいつも「無い」んですよね。あなた方が聞くルールを持ってないというか、だから、たまたま知ってるお医者さんに電話で聞いたとか、何かの会のついでにちょっと、ね?
例えば「先生すいませんけどこういうことを聞かれてるんですけどあるんでしょうか」と、ある先生にたまたま聞いたとかね、それを答えとしてきてるわけですよ、大体。私の知る限りに於いては。で、そういうやり方で厚生行政を、従来のままやってくるという形になってるわけですよ、結果としては。何ら変更もせずに。ところが、かなり重大な件数が、例えばその被害の実状が起こったりね、なんかすると、そんなのじゃまずいから、例えば中薬審とかですね。そういうとこにも聞いたりしてるわけですよ。それで変更とかなんとかやるわけ。でもね、そういうルールで良いのかっていう問題が僕はそもそもあるんじゃないかっていう気がするんですよ。ルールとしてね。実際に被害というものがこういう形で出て、きちんとしたそういった訴えを議論する場というものが保証されてないんじゃないかって気がするんだよ。それはまずいんじゃないかって思うんだ。ある先生はそう言うかもしれないけれども、別な先生はそうじゃないって言うかもしれないんだよ。で、そういう聞き方をしているとね、それはつまり、もう少し議論する場を保証されるべきだと僕は思う。
(厚)それはこの陣痛促進剤…
(交)いや、これに限らないでしょう。それは限らないでしょう。そうですよ。
(厚)これは副作用調査会っていう中央薬事審議会の…
(交)ありますよね。だから、そこにきちんと出すのだというルールになってるんですか、だから。例えばね、今のこの副作用調査会に、この事例についてこういうふうなことを被害者の方は言って来ていると。そしたら、それを副作用調査会に必ず出すという形になってます? じゃあ。ここが重要なんだよ。
(厚)被害者の会の方が言ってきたということに関しては特にやっていませんけれども、企業の方から症例として上がって来たもの…
(交)あなた方が大事にしてんのは企業だけじゃないの!
はっきりしたよこれで。ね? 一番大事なことはそういうことじゃないんじゃないの?
まさに被害者の方からこういう事実が出てきてる。「事実」なんだから!
ね? 例えばそれに必要な、例えばいろんな情報が企業からも出るのも必要かも知れないし、それから、例えば医者の方からも必要かも知れない。そういうものをあなた方がとりまとめて、その副作用調査会に出すべきじゃないの? そこで議論を問うべきじゃないの? あなた方の答えっていうのはいつもそうじゃないんだよ!
こんなやり方でやってたらね、いつまで経ったって被害は無くならないですよ。そうじゃない?
(厚)被害者の会の方からこういった形で来てるわけですけども、例えば何月何日にどれをどうこう使ったと、そういうことしか書いてないわけですよね。
(交)いや、これまでのやつん中にちゃんと医療機関だって…。それはだから求められるんだったらそれはできるんじゃないんですか。
(厚)いや、そうじゃなくって、例えばその、細かい経緯ですね。
(交)それは、カルテありますから、ほとんどの場合出来ますよ。報告出来ますよ。だけど、それは、厚生省が製薬会社に行って、製薬会社が病院側を調査すると言ったじゃないですか。そうでしょ? それで、また(交渉に)来てる人がねえ、ちょっとまた、初めての方ですよね。ですから、そこんところでね、カルテは病院側にあるんだから「この病院で、Aさんが、この薬を使って死亡しました」ということは書いてるわけですよ。何月何日にね。だから、「それは製薬会社に調べさせることが出来るので、厚生省に報告してください」と言われたんですよ。いいですか? こちらがすべてね、カルテを出して、このように使ってる、これはいけない、と。それは言ってもいいんですよ。言ってもいいんですけど、それは裁判の方で言うとして、ね? 実際にこの副作用なのかどうなのかということを「調べさせる」と言ったじゃないですか。厚生省はね。だから、それをしてないんですよね。だからしてほしいと言ってるんですけど、今日結果もらうことになってるんですけどね。ええ。それで?
(厚)……。
(交)で、誘発と促進が、なんか―要するに一緒だみたいな感じで言われたでしょう?
(厚)一緒だという意味じゃないんですよ。
(交)だけど、誘発…ねえ、言われましたよね?
(厚)まあ聞きかたはまあ不満があるかも知れませんけれども、何人かの先生に聞いた場合にですね、例えばある先生は、誘発と促進とをどこで分けるかっていう時に…
(交)はっきり分けられるでしょう、あなた。陣痛が無いときに使うのが誘発に決まってるでしょう。
(厚)いえ、陣痛…広い意味で陣痛というのは、生理的にこう、子宮収縮しますよね。
(交)ええ。
(厚)そういうのも陣痛の一種なんですよ。陣痛ですよ。
(交)それは前駆陣痛という言い方するわけでね。陣痛が要するに無い、本人感じてない時は無いんですよ。それは誘発ですよ。
(厚)だから例えば、その間隔がですね、十分間隔になったら陣痛と判断する先生もおるし…
(交)それは分娩開始というんですよ。十分おきになったら、ね。陣痛がね。
(厚)だからそれが十分という人もおるし、人によってはちょっと十五分という人もおるし…
(交)あっ、それはいません。(笑)おかしいよ、だって。
(厚)あるいはその、間隔だけじゃなくって、子宮の収縮具合も考慮すべきだという先生もおるし…だから、そういうはっきりした基準が無いんですよね。
(交)じゃあ、どうして「誘発分娩をする」という言い方するんですか? 「計画分娩」いう言葉をやめて「誘発分娩」にしましょう、言ってるわけでしょ。じゃ「誘発分娩」ということは陣痛が無い人に使うのが誘発分娩なんだから、明らかに陣痛が無いときに使うのが誘発ですよ。ですね? 違います? で、陣痛が弱かったりするときに使うのが促進なんだから、それは陣痛促進というわけですよ。それを一緒だという風に考えて返事を…
(厚)一緒とは言ってませんよ。
(交)だってそうでしょう。
(交)線引きが出来ないって言ったんでしょう?
線引きできるんじゃないの?
(交)出来るじゃないですか。どこの誰が言ったのか教えてくださいよ。
(交)だからそういう「ある人に聞いたらそうだったから」みたいな答えになるからまずいんと言ってんだよ、最初にね。きちっとしたルール…ルールっていうかそういう副作用調査会に出して、それはどうなのかという問いかけをしてないっていうのは最大の問題だよ。僕はこれをまず是正してもらいたいというのが一点だよ。で、その上でね、今の話は、はっきりした「線」があるんじゃないんですか? それが「無い」っていう人のむしろ根拠がよく分からないよね。
(交)だから、だれが言ったのか知りたいわ、それ。
(交)あんたそれ言ってるんじゃないの。
(交)いや、そう言わないでさ、それはね、やっぱりね、あなたちょっとおかしいとむしろ思うべきだと思うよ。だって、計画分娩っていう言い方が問題だとか言ったからさ、変えたじゃないですか。ね?
それを「誘発分娩」って言ったら、じゃ「誘発」っていうのがはっきりしてるから言ってるんじゃないの?
それは使い方としてはどうなの? ねえ? どうなの? はっきりしてるってることを意味してないの?
「促進」と違うからそこを「誘発」と言ってるんでしょう。
(交)そうなんですよ。
(交)そんなことは明快じゃないの。なんでそんなのもう一回なんか訳分かんない所に戻そうとするの、あなた、それ。そんなの理解出来ないよ、やっぱり。普通の理解からして全然理解できないよ。そんなことが議論の前提になったら僕らはやってらんないよ。
(交)だから、傷口が大きくある人に対して、やっぱり自然の陣痛よりもっと強くなるという薬を使うということは、自分の奥さんだったら相当怖いでしょう。それをまず、自分として考えてもらって、陣痛が無いときに本当に使う必要があるのかどうなのかということになれば、はっきり言えばほとんど無いです。はっきり言えばほとんどありません。で、そういうふうに思っている医師も中にはいます。…なんですね。で、自然の陣痛であったとしても、前回帝切の場合は「破裂が怖いので、ウチの場合には前例反復帝切しますよ」という医師もいるわけでしょう。それぐらいの怖い、子宮破裂なんかあるんですよ、副作用としてね。そこのところを、充分分かってればやっぱり、帝切既往者にはせめて「誘発はやめましょう」というふうに厚生省から働きかけ出来ないんですか。
(厚)ま、これは私がいろんな論文とか読んで書いて来たんですけども、最初の説明の時に言ったと思うんですけども、前回帝切をやった医師がまた二回目をやる時には、どういった切開をしたかっていうのは当然分かりますし…。
(交)分かってますよ。はい。
(厚)で、やっぱり切開の種類によっても、リスクが違ってきますよね。
(交)違いますね。
(厚)その中でも、比較的リスクの低い切開方法であり、且つ頸管の熟化とかきちんと見ていて母体の方にも特にリスクが無いと、帝切とかそれ以外のリスクは無いと、自然分娩が出来るような状態だと。そういった時にはやっぱり切るか、自然分娩か…
(交)それはそうなんです。だからね、出産というのは自然分娩にするか帝王切開にするかどちらかなんです。はっきり言えばね。そうなんですよ。
(厚)やっぱり…僕は男性だから女性の気持ち分からないと言われてしまえばそれまでなんですけども、やっぱり女性とすれば自然分娩で産みたいと思うんじゃないかな、と思いますよ。
(交)自然分娩は人工的な陣痛起こしてするのが自然分娩じゃないんですよ。帝王切開と自然分娩とが違うという…。別にそれはね、子供が安全にさえ生まれればいいんであって、どうしても下から産まないと女性としてもうこれは「体験不足だわ」ということではないんですよ。別に下から産まなければ格好悪いとかね、おかしい考え方持ってる人、中にはいます。中にはね。でもほとんどの人は「安全に」産みたいと思ってるんですよ。
(交)それはそうだ。
(交)で、確かに今年の三月、ついこないだですよ。三月。同じ病院で―一人目の時に帝切しまして、二人目、一年三ヶ月しかあいていないんですが、で、経膣分娩O・Kだ、と病院側が言って、だけど、陣痛促進剤で誘発されて子宮破裂してるんです! ついこないだ。同じ病院で帝切してるんですよ。そういうこともありますからね。ですから、同じ医師だから、誘発してもいいということは全然ありません。ちゃんと監視をしなければ、いくらでも子宮破裂します。
(厚)確かに監視は必要だと思いますよ。それを使う時には。
(交)いや、だけど、いいですか。言ってるのは、監視が必要、もちろん必要なんだけど、ね? 病院が違ってたらってどうこういうこと先ほど言ったから、言ったんですけど、同じ病院で、出産してもね、帝切既往者に使って破裂してるっていうことを言いたいんですよ!
ね? 危ないでしょう? 子供さん植物状態だそうです。どうします? で、厚生省が「慎重投与で良い」ということ、今なってますよね。じゃ、誰が責任とってくれるのということになりません? 医療行為したのは医師ではありますが、使ってもいいか悪いかということを認めてるのは結局厚生省ということになるんですよね。製薬会社とね。なりますよね? ね?
(厚)一応慎重投与ということにはしています。
(交)ええ、まあ慎重投与したと言うかもしれませんよ。でも、使ったんでしょ。使って破裂するんですよ。どんどんね。
(交)前回の議論から何にも―一歩も半歩も―一歩どころじゃない、半歩も前進してないということだよね。非常にそういう意味では困ったなあというかね。困ったもんだなあというふうに思いますけどね。だから、例えば今の議論もなんて言うかきちんとした場の議論にしてもらえませんかね。少なくとも一つは今言った誘発と促進がどうもはっきりしないなんていうようなこと、もう一回整理してもらいたいしね。それから、帝切の既往者に対しては、これは具体的な事例としてこれだけ出てきているということを言ってるわけでね、だからこそそれを同じように繰り返してほしくないからこそ「帝切既往者に関してはもうともかくやめてほしい」と「全面禁止にしてほしい」と言ってるわけでしょ? それを答えるについてもう少しこちらが出している事例と、あと、例えば個別なケースについては例えば製薬企業にちゃんと問い合わせて調査させて、それを例えば資料として併せてそのそれを調査会に出すとかいうことまでやった答えがほしいですよ。あなたがどなたかにパッパッっと聞いた話じゃなくて。そんなことだけずっとやってるからいつまで経っても転換出来ないんだよ。状況変化が起こり得ないんだよ。だから被害はずーっと続くんだよ。と僕らは考えてるよ。
(交)前回の時にはね、要するに、いいですか。帝切既往者に、あともうちょっとでね、あとちょっとだけ使えば良いような症例にも全面禁忌になるということは困る、みたいな言い方だったでしょう。それは促進でね。あと「ちょっと」いう―誘発はちょっとも何も一番、スタートですからね。スタートの段階で、あとどれくらいかかるか分からないそんな状況にそんな陣痛耐えられるかということがあるんですよ。ね? だから、一応、きちんと持って帰ってもらって、お話をして…。
(交)どうですか、そういう形で出してもらえません? 副作用調査会。どうですか?
(厚)まあ検討してみます。
(交)は? 検討…(笑)検討じゃなくそういう約束してもらわないと先進めないよ。これまでずっとやってこないんだもん。それでそういう答えばっかりなんだよ。ね? だからさ、きちんとした厚生省の見解として受け止められないんだよ。だから、あなたばっかじゃないんだけど。前の人もそうですよ。ずーっと。だから、何ていうか、ある人はこう言ったり、ある人はこう言ったりみたいな、いつも論点が…今回の論点はこれ、そんなわけ分かんないさ、誘発と促進がよくはっきり線引き出来ないみたいなことまで言って来るっていうのは、もう論外ですよ、そんなの。ね?そういう議論したくないのよ、やっぱり。だから、そういう形で副作用調査会、是非の見解を出してもらいたい。そういうことなんですよ。いいですか。
(交)ちょっと観点を変えて質問したいんだけど、さっきの症例で、帝切既往者が、子宮破裂なった場合の責任の取り方の問題だけど、それは責任の所在はどこにあるとお考えですか。
(厚)…………………………。
(交)一人じゃなくてもいいですよ。あれとこれとこれと。例えば医師と…とかいうふうに言ってもらえれば。「この人だけ」っていうことじゃないでしょう。
(厚)その時のまあ、状況というか…によると思うんですけども…
(交)それだったら医師の責任だっちゅうこと? 医師だけの。
(交)問題はやっぱり具体的な問題にかかってる訳ですよ。実際被害が出てる訳ですから。「それでいいのか」と問いかけてる訳ですから、我々は。
(厚)うーん……………。
(交)厚生省訴えられるよ。責任あるんじゃないの?
(交)だらだらだらだら、いつまで経ったっておんなじこと繰り返してんだから。何にも対策とってない。ね? 薬害エイズと同じだよ。ね。何かきちんとそれを受け止めてあれしようとしていないというところでは厚生省に責任の一端あるんじゃないの? え? あなた方の責任なんだよ、だから。
(交)これだけ証人が出てるってことは…
(交)ね? それをさ…。でも、とりあえずあなたの答えを教えて。今の質問に対する。何にもおっしゃらないけど。
(厚)責任…。
(交)うん。
(厚)……………………………………………。
(交)副作用調査会の方に、こういう事実を持って行ってそしてどうするかということをきちんと話をしてきて返事をください、ということなんですよ。その返事をくれるかどうかっていうことを聞いてるんですよ。
(交)まあ、それはそれでね。それで、責任の所在の話ですね。
(交)ああ…考えてた(笑)、遅いからあまりにも答えが。
(交)だって、こちらから今質問があったじゃないですか。あなたが何もお答えになってないから、先進めないんだよ、だから全然。もう、まだいっぱいあるんだから。ほら。
(交)責任問題の話になると厚生省は先に進まないんだ。無責任なんだ。
(交)責任を明らかにしないんだ。
(交)どうなんですか?
(交)責任の一端はあるでしょう、やっぱり。そう思うんじゃないんですか。
(厚)………………………………………………。
(交)こんなに(被害が)起こってるんだからね、中止にしてくださいって何度も言って来てるのに、してくれなくって、次々…いうふうになるわけですよ。ね?
だからそこでストップしておけば、新たな被害は起こらないはずですよね。
(交)エイズでもそうだったんですよ。だからそういう教訓を生かしてくださいよ。
(交)で?
(交)いいですよ。次進んでくださいよ。
(交)じゃ、持って帰って、きちんとした、どういう場所でどなたに聞いてこういう結果になった、いうことを教えてくださいね。
(交)うん。やはりそれがないと、きちんと。我々はね、厚生大臣に対して質問してるんだから。いい? あなた個人に対して「誰かに聞いてよ」って聞いてるわけじゃないんだよ。ね。だからね、そこら辺の受け止め方は僕ね、安易だと思うんだよ、すごく。きちんとした場にそれを出して、厚生省としてきちっとした回答をもらいたいからこうやってやってるわけだよ、時間も…いろんな、ここまで来るにはものすごい労力を使ってるわけだよ。いい? だからさ、やっぱりそれだけの努力をあなた方はしなくちゃ駄目だよ。ね? これだけの被害の方々が沢山いるわけだからね。同じこと繰り返したくないからこうやってやってるわけだよ。そこんところを理解してもらいたいな。
(交)1番のA番の所ね、正確な監視は分娩監視装置は出来ないということはどういうことですか。
(厚)ですから、分娩監視装置に関しましては、まあ前任者から聞いてましたので、私の住んでる所の近くの産婦人科の方に行って…
(交)あら、またそういう形で聞いたの?(笑)
(厚)見せてもらったんですよ。
(交)ああ、見せてもらったのね。
(交)装置をね。
(厚)で、それをやってるときに、その先生と看護婦と一緒に同席してもらって色々話聞いたんですけど、そのときに妊娠中期の時に中絶とかでも使う時にこの装置を着けてどの程度そういった監視というのが―心拍はまあ、中絶するわけだからいいにしても、収縮ですね。「どのくらい正確に分かるんですか」って聞いたら、「中期だったらもう、分からない」って言うんです。
(交)ウソー! 陣痛は、ガン!ガン!ガン!ガン!来て破裂するんですよ。…信じられない…。
(厚)いや、だから、例えばですね、中絶に使うにしても、一応中で赤ちゃんが生きているケースもありますよね。まあ、死んで出すこともありますけど。
(交)ええ、そうですね。両方あります。
(厚)…ていうときに、赤ちゃんがちょっと動いたという時に、なんかすごく不正確なあれが出る、というふうに私は説明聞いたんですよ。
(交)で、それ信じたんですね。
(厚)いや、だから、だから、まあ初めて見て先生に聞いたから、とりあえずまあそういうものかなということを…。全く機械知らないよりはやっぱりちゃんと聞いた方がいいと思って聞きに行ったんですよね。
(交)その人ダメだ。それダメだわ。
(交)これ同じだよだから、1番の、上の方の@とね、Aは同じだと思う。この二つについてはやっぱりあれだよ、副作用調査会だな。そこにやっぱり見解求めてほしいな。
(厚)Aについてはですね、昨年の十二月に緊急安全性情報が出たのはご存じですか。
(交)あ、それは聞いてなかったですね。
(厚)各メーカーに対して、各医療機関に緊急安全性情報を…
(交)どういう…。じゃあ十一月の時に報告したことを受けて、かも知れません?
もしかして。そうですよね? そうですね、はい。知らせてくれないと。「こんなんが出ましたよ」って。
(厚)記者発表とかで色々な…
(厚)当然緊急安全性情報出すわけですから、副作用調査会にも新規に出ました。で、その時にも、妊娠中期に分娩監視装置というものは、正確に分からないとか、妊娠末期用に作ってあるものなので、中期に使っても、正確な監視というのは出来ないから…
(交)じゃあ「子宮破裂しても仕方がない」と。
(厚)「仕方がない」とは言っていませんけども…
(交)じゃあどうしなさいと言っているんですか。じゃあどうしたらいいんですか。
(厚)………………………。
(交)まあ陣痛の周期とか強さとかをちゃんと監視しなさいということですよね。まあね。だけどその方法がどういうことなのか、いうことになるんですよ。でね、二つの子宮破裂が発生してるんですよね。二人。一人は開業医なんですが、一人は北里大学病院なんですね。あそこは出産時にもどんどん、ほとんどの方に(子宮収縮剤を)使ってる病院で、全く事故無いと言っている病院で、中絶用には子宮破裂起こしてるんですよ。そこのとこは重要とは思いません? 「出産時には分娩監視装置を着けて監視も内測法でウチはやってるから事故など無い」とはっきり言ってるんですよ。で、中絶用は、胎児はどうでも良いにしても、お母さんの子宮が破裂してもいいわけじゃないですね。そこで、厚生省が、北里大学病院にね、「こういう症例があるそうですけども、今後どのような形で中絶には使用しますか」と聞いてみてくれませんか? 「PGE1を使用する場合に子宮破裂を起こさないようにするには、今後どのようにするように決めましたか」とか。おそらく反省なりしてると思うんですよ。現在に裁判中ですが、ええ。
(厚)……………………………………………………………………。
(交)結局は出産なんですからね。死亡した赤ちゃんを出すにしても、陣痛を起こして出すんだから、結局は出産なんですよ。だから出産ということは、普通の出産と同じように考えなければならないんですよね。赤ちゃんが大きいか小さいかだけの違いであってね、収縮はきちんと起こらなければ赤ちゃん出ないんですよ。だから、何か分娩監視装置を使ってもどうのこうのと言うけどそれはそんなこと無いはずですよ。使えば周期はちゃんと分かるはずですしね、おなかをちゃんと触れば、「いや、こんなにずーっと張ってるということは、子宮破裂の切迫症状だ」と、いうことにもなるわけですからね。それなりの子宮破裂しないような方法とかはあるんですよ。そこの所をきちんとそのようにしてほしいと、いう意味で添付文書に書いてもらいたいということなんです。いかがですか。
(厚)実は、さっき言った十二月の緊急安全性情報には、分娩監視装置についてはまあ、そん時は…。それを挿入するたんびに、きちんと、監視をすると…。
(交)入れる度にということは、あれ、三時間ごとに入れるんですよ。じゃ、三時間に一回観たら良いってことですか。
(交)…(笑)
(交)それね、副作用情報がどれくらい正確なものか分かんないんですけど。
(厚)理由は後で言うとして、その後に副作用情報も出してるんですよ。解説という形で。だからドクターレターのようにすべての医療機関に出して、要するに「プレグランディンの子宮破裂について」ということで、そういった状態で、試験分娩でもそういった危険性起きることは実際でもそういう形で起こる、ということから、子宮破裂ですか、という話で警告を付けて、それですべての医療機関に知らせています。その後、副作用情報ってありますね、あれでも解説書いて、それで医療機関に情報提供してますから、それはもう公にしてます。
(交)じゃあそれ、副作用情報と一緒に…
(交)じゃあ、添付文書の方に子宮破裂とかいう、一応副作用とかは書いてはあるんですよ。あるんだけど、どう見るかというのが、今一つ明確じゃないんですよね。そりゃ充分な監視をするって書いてあるんだけど、まあ監視してないから事故起こってるんだけどね。まあ医者が一番悪いんだけどねえ。そこのところを事故にならないように、手を打たないといけないですよね。ま、これも1番の@番と同じような形でもう一度…。
(交)ともかくもう一回、副作用調査会でやっぱり議論してほしいと思うんですね。ええ、はい。じゃ2番。
(厚)2番…文書形式ということですけども、こちらの厚生省に報告していただく副作用症例というのは、きちんとした形式というのは…多分、ここでおたくらが言っているのは「個々の症例について医者に書いてもらえ」というようなことを前回…
(交)「書いてもらえ」じゃないんですよ。違うんですよ。私たちが提出した症例ありますよね。その症例は、厚生省が製薬会社にすべて下ろしてるということを言ったでしょ。だけど、それが、去年の二月に記者会見したときに、報告されたものと合致してるのかどうなのかということの、突き合わせをしていないから、それをちゃんとしてくれて、実際に調査をした結果それが副作用であるかないかということのきちんとしたものを文章としてとらなきゃならないんじゃないかという話だったんですよ。
(厚)それは報告の様式とかではなくて…
(交)一般論の話ではなくてね、こちらが出したでしょ。それを、結局MRが医療機関に行っても、結局一般的な形で聞くしか無いようなやりかたをとってるから、これはまずいだろう、と。こちらは具体的に―だって医療機関の名前も全部、患者の名前まで全部出してるわけだから、それは特定出来るわけですよ。ね? この方についてどうなのか、という形を聞いてもらわないと、医者は何もそれは副作用だと言ってない限りはダメですよっていうような一般論の形で何も結局作用なしっていうふうになっちゃうから、そうじゃなくてね、ウチは実際被害を受けてる、具体的な特定出来る方の事例なんだから、それを医者の方でどうなのかっていうことを個別に聞いてもらいたいっていうことのための書式ですよ。そうですよ。それをね、議論したわけで、前回。これは前回のことですよ。だからそれをね…
(厚)それを個別にこう聞くっていうことは、今の制度では…
(交)えっ、ウソー!
(交)制度の問題じゃないんだよ。制度(のこと)は言ってない。だから、そういう形でないと確認出来ないわけですよ、だって。だからこそ「医療機関の名前はどうですか、個人の名前を教えてくれ」ってそっちが言ったんじゃないですか。そんな馬鹿な話無いよ。
(交)一年前の話でね、会が報告したら―いいですか? 患者名と、病院名と日にちね、それを報告すれば、薬はどういう薬が使われているか分からなくても陣痛促進剤を確かに使ってこうなったということになれば、厚生省は「製薬会社に言って製薬会社が病院側調べることが出来るから報告してください」と言われたんですよ。それがね、全く、調査した結果こうなりました、いうこと無いんですよ。
(交)それは一般論での回答になってるわけよ、だから。前回ね、こちらが回答されたわけだから、ね? 「それはまずい」と。つまり個別に具体的に聞いてないっていうことがはっきりしたわけよ、逆に言うと。それじゃまずいから、個別にちゃんと回答もらえるようなスタイルをとってほしいということをはなしたわけですよ、前回。ね? その個別に確認出来るこの人について実際これは副作用だったのかということを、こっちは情報全部出してるわけだから、「これについて先生どうですか」っていうことを回答してもらって、返事がいただけるという形をとってほしいということね。そうしないと、突き合わせができないじゃないですか、だって。そうでしょう?
(交)質問の内容が全く理解出来てない、言ってるわけですよね。
(交)伝えてないんじゃない、ちゃんと。
(交)質問の内容分かってたでしょう?
(交)池田さんだって言ってたでしょう。
(交)だって話が全然噛み合わないもん。
(交)だって全然そういう感じじゃないじゃない、答えてんのが。
(交)おかしいよ、これ。
(厚)聞いてください、まあそれは分かったから。前回の話は、結局そういったことの要するに個別の突き合わせについて調査行ってんですか、と。で、実際調査やってるんです。MR追跡やってますよ、という話があったんです。
(交)それは記録に出てるから分かるよ。
(厚)行ってないんじゃなくて、やってるから今話してるんですけど、それで、そういったところで、そういった調査を再度やれ、という話でしたね。ただ、様式とか細かい様式がどうだこうだまではちょっと具体的には私は聞いてなかったもんで、そこまで……ただ、今までの分が現場に…
(交)あなたの最後の答えがあるじゃない、ここに。議事録っていうのは重要なんだよ、だから。ね?
(交)だからね、会が報告したものが確かに陣痛促進剤を使っての副作用なのかどうなのかということの結果をいただきたいということなんですよ。それ、今日あるんでしょ?
(交)で、これは書式を作って(報告)されるようにされたんですか。
(交)これ、担保できるようにって言ってるじゃない、この7ページに。あなたが「おっしゃってるのはきちんと何か担保出来るようにしてくださいということですね」ってあなたが言ってるわけだよ。
(厚)確認する症例ときちんと確認するようなことをきちんと調査してやるんでしょ、っていう話で…
(交)だからさ、担保できるようになってりゃいいんだよ、だから。ただその方法としてね…
(厚)担保できるかどうかの話でこの前から挙がっているその文書とか何とかのやり方とかそういったことの様式でっていう話までは無かったじゃないですか。
(交)いや、だから、それをこちらが新たに提示してるわけじゃない。うん。だから、そっちはさ、だって、ここのところで担保出来るって議論の中では言ってんだよ。その、具体的なね…
(厚)具体的に向こうから上がってきた症例とかそういうのを突き合わせて同じかどうかについて調査して結合するわけですよ。
(交)向こうから…じゃ、それ、突合は終わってるわけね。
(厚)それが2番の話でしょうという話で。
(交)それは終わってるんだったら、わざわざここのところ質問だって別に流したってどうってことないんだよ。これ。文書形式なんてのは必要がないわけだから。出来ましたっていうなら。
(交)書式にしてもね、こちらが作ってこういうふうにしろ、というふうな感じではなく、結局厚生省に形式はお任せしますということになったはずですよね。すべてこちらが「こうやってください」いうんではなくて、書式はまあどうでも良いけど結果的によくなる方法でお願いしますと言ったわけだから、書式は作ってるんですか?
(交)いや、だから担保出来る方法どういう方法だっていうこと教えてほしい。
(交)教えてください。
(厚)担保出来る方法というのはだから具体的に一応前回のそういったようになってるのに対して、結局具体的に調査に行って、その分が把握出来るかどうかという話になってますね。それで、把握するために調査させたわけです。…いうことですよね。
(交)調査はいいんだけど、…
(厚)書式は一応従来の形で、書式のことでは具体的には…
(交)それは厚生省が作ってもらったらいいんですけどということでしたよね。
(厚)書式については具体的には、書式の形ではやってません。
(交)じゃどういう形でやったの。
(厚)だからあの、通常の形で…
(交)通常っていうのはどういうの。「通常」知らないもん僕らは。厚生省の中のことって分かんないもん。
(厚)通常のその、報告用紙ありますよね。
(交)あるんですか。
(厚)その報告様式の形の中で、具体的にそういったことでいつ調査に、調査って言うかいつ分かったかということ、そういう形でいただいて、すると、その形の突合をやったわけです。
(交)やったのね。やりましたということね。
(厚)やりました、という…それがさっきの2番なんです。
(交)出たのね。じゃそれ教えて。
(厚)じゃあ2番ですけども、まあ三十症例と…
(交)あっ、ごめんなさい、これ三十九だったんです。間違えましたね。はい。ごめんなさいね。
(厚)こちらが先に二月の記者発表した二十三症例の突合行いまして、合致すると思われる症例は五例。
(交)五例あったの?
(交)はい、どうぞ。
(厚)それがどれであるかっていうことに関しては、今言ったように同じ症例と「思われる」ということで―何故そういうことを言うかっていうと、厚生省に上がってくる副作用症例というのは、医療機関とか患者の秘密を守るという意味で、医療機関の所在地の県名しか書いてないんですよね。
(交)医療機関の名前出てこないの?
(厚)ええ。所在地の県名―東京都の病院とか、大阪府の病院とか…
(交)ものすごい多いじゃないの。
(厚)それと、患者の方も、当然名前は無くてイニシャル。
(交)いやいやいや。だけどそれはね、製薬会社が調べにこの名前を見て入るんだから、この方、いうふうに絶対、番号特定できないとおかしいじゃないですか。
(厚)だから、製薬会社は行くとして、先生から聞いて報告書書きますよね。で、その報告書の用紙をこちらに出してもらうわけですよ。こちらの方で定めている副作用症例の報告書と。その用紙には病院名は一切書かずに、医療機関の所在地の都道府県名だけしか無いわけですよ。
(厚)一般的な形で書いているのはいわゆる、県とその方のイニシャル、それと年齢、それとその具体的に使われた薬の使用方法とか使用歴とかそれと経過ですね。いつから始めて何月何日にどうなったという経過は分かる。
(交)だけどね、私たちがお願いしてるのは、この症例番号ちゃんと書いてあるでしょ? それを持って製薬会社が調査に入るんだから、製薬会社も、もし症例の何番ということにもしなればですよ、明確に出来るじゃないですか。それを敢えてわけの分からないように―正確じゃないかも知れないでしょ、そんなこと言えば。「五例あるみたいだ」しかないことになるでしょ。
(厚)仮に、特定出来たと。それで、あなたはおたくのこの三十九症例あるうちの何番と何番と何番だとこう言ったとしますよね。そうすると、それはこちらに報告してもらった副作用の症例がどこの病院のどの患者の事例かっていうことを公表していることになるんですよね。
(交)それは、本人は―本人はね、納得してるんだから別に良いんですよ。
(厚)ですけども、結局、ちょっと一般論の話になりますけど副作用の症例報告といいますのは医者が自発的に企業に「こういう事故がありました」と…
(交)モニタリングの制度を使ってやったわけ?
(厚)いえあの、だから、企業が報告してくるにしても、企業の人が実際すべての患者さんを見てるわけじゃないですから、病院に行った時に先生からこういう副作用症例ありませんかとかそういうことを聞いて、こういう事例がありましたというふうに、医者が自発的に企業に言ってくれた場合に企業は知りうるわけですよ。そうしないと企業は分からないわけですよね? 副作用があったかどうかというのは。一人一人の患者をこう見てるわけじゃないですから。ですから、もし今ここでこの症例がということを言いますと、こちらがこの病院でこういう副作用があったよということを公表してるということになりますので…
(交)じゃあ厚生省言ったことは全く違うのはどうして? 違うじゃないですか。患者名と病院名を知らせてくれればどこの会社の薬を使ってるのにも関係なくして調べることが出来るって言ったじゃないですか。それをしてくださいと言ってんですよ。
(厚)調べて、まあだからそれを言ったとすると、医者と―厚生省のやってる副作用の収集制度、それが原則として非公開なんですよ。医療機関とかまあ患者の秘密とかも守るという意味で、ただそういったことで、医者も当然、非公開だということを信頼して企業に報告して来るわけですよ。もしも、ここでこの症例がそうだと、いうふうにもし言ったとすれば、結局医療機関―医者は結局、報告した症例を厚生省が公表したとそういうふうに思われるとやっぱり医者はこれから先ちょっと…
(交)いやいやそうじゃなくてね、こちらの会が厚生省に報告した、と。で、それで調べてるんだけど、とはっきり言えばいいじゃないですか。何で? おかしいじゃないですか。
(厚)ま、そうやって調べたにしても、厚生省に上がってくるのは通常の様式で上がって来るわけです。副作用症例として。
(交)それは病院側から上がってくるものについては、でしょう? 病院側から製薬会社を通して上がってくるものはなんでしょう。そういうルートじゃなく、こちらが報告直接してるんでしょう! 厚生省にね。で、「調査する」とはっきり言ったじゃないですか。そうしないとね、会が適当に名前を作って出したって分からないっていうことになるじゃないですか、そうなれば。そういうことでしょう。確かにこうなんだ、ということで私たちは出してるんであって、それがほんとにそうなのかということを厚生省は「調べます、調べられます」と言ったのにそのまま一年間放置してるもんだから、「どうなっとるのか」ということで、今回ちゃんとしてくださいということの質問を出して今日返事をもらうんでしょう。
(交)モニターとは違うんだよ。
(交)全然おかしいでしょう、考え方が。
(交)すべてモニターのね、あれと同じ発想になってるじゃない。
(厚)モニターじゃないですよ。
(交)いや、モニターの発想と同じじゃないのこれ、今あなたが言ってるのは同じだよ。
(厚)医者が直接…
(交)だけど、もちろんさ、いや、考え方について同じこと言ってんだよ、あなたは。別にそれは全然違うさ、それは。すべてのことについて医者がこう出す、ということとね、これは、こちら側が被害があったんだよ、ということを訴えて、これを確認してもらいたいって言ってるわけだから。ね? 被害を受けているということを向こうは出してないと。それは出しているのか出してないのか分かんないわけだから。この被害を受けたんだということを具体的に名前まで出して、医療機関の名前まで言って、それで確認してくれって言ってるわけだから。
(交)それ「出来る」って言ったでしょ、一年前に前任者の人がね。
(交)それで確認してもらおうと思ってるわけじゃないの、これ。何が―医者どうこうの関係ないじゃないそんなもん。
(交)プライバシーも全然関係無いですよ、これ。
(交)この人達は「それでいいよ」と言ってそれで了解とって、だから会として出してるんじゃないの。
(厚)患者だけの問題じゃないですよ。
(交)何なんだよ、それじゃ。
(交)何のために来てるんだ、ここへ! 被害があったから来てんじゃないか、お前!
(厚)いや、その被害という問題じゃなくて、プライバシーという意味で…
(交)誰の?
(厚)だから、患者と医師の。
(交)医師のプライバシー?
(交)医師のプライバシーか!
(交)何だよそりゃ。
(交)それはちょっと…問題だよ、あんた。
(交)語るに落ちるっていうんだよ、そういうのを。
(交)はっきり言ったら、こういうルール無いんだよ。はっきり言えば。僕はそこに逆にまた、問題があるんだと思うんだ。こういうことだってあり得るわけだよ。被害が出た、患者会ができた、私たち被害(者)だっていうことを訴えてきた。それを確認してくれと言ってる。医者は全然(報告を)出してない。ね? そのときにさ、確認を、それはそうだっていうことが確認出来たとするよね。
で、そのことを「確認できたんだ」っていうことをどこにも具体的に何て言うの、(確認)出来ないっていうのは何なの。被害者の方が自分で言ってんだよ、名前。
(交)で、最初はね、去年の五月十七日の時には、製薬会社にも報告したんですよ。だけど、それは「厚生省が製薬会社にも報告するからよろしい」と、いうことになってそれ以降は厚生省だけに回答して報告してるわけなんですよ。そういう事実もあるわけですからね。だから、きちんと厚生省がしてもらわなければ、これが本当に副作用なのかどうなのかっていうこと分からないでしょう。やっぱ、やってくださいよ、ちゃんと「する」と言ったことは。
(交)あなたの前の方はそういうことを言ったからね。「出来るんだ」と。だから、名前もね、そりゃ病院名も言ったわけだし、確認して答えくれなかったら何のために言ったの、じゃこれ。え? 何のために言ったんだよ! それを「出来る」って言ったのはあなた方なんだぜ! あなたじゃないかも知んない。行政の一貫性ってどうなってるんだよじゃあ、一体。
(交)こっちの情報だけ調べただけじゃないの。
(交)そういうことだよ。
(交)おかしいだろ、そんなの!
(交)何だ、そりゃ。
(交)もう、ここまで行ってるんだからあなた達は責任とってだな、我々は訴えるよりほかはないんだ。何もしなかった、ってこと。
(交)あまりにもひどいね、これ。すごいひどい。
(交)被害があるんだぞ、被害が。一年だぞ、お前。
(交)個別には調べられなかった、ということですか。上がってきたものだけと、突き合わせをしただけってことですか。だから、これ、言えないっていうことかしら? 出した三十九例の症例を個別に調べたわけではなくて、たまたまモニターで上がってきたものと症例三十九例と合わせたので、だから、今回言えないってこと。
(厚)だから、ここでも書いてるように、三十九例ありますね、去年の二月に記者発表した時にそちらで…
(交)上げたもの。はい。それだけの、突き合わせをしてその中でこれらしい、ということがあるけども、それは言えない?
(交)今のは…
(交)個別に調べたというわけではないということ。調べてないんですね。
(交)全然調べてないの?
(交)私たちは両方要望してるわけですよ。二十三例の中で、会が報告してるものと合うものがあるかいうことと、これ(三十九例)をそれぞれを病院に持っていって実際そうなのかっていう確認を―それが1番に来るわけですよ。ね、きちんとチェックされたのかどうなのかいうことの返事を今日もらいに来てるんですよ。
(交)じゃ、個別にはやってなかったってことですか。
(厚)個別には、だからさっきから突き合わせっていう、現場に行ってMRっていうか…
(交)三十九例について。
(交)やってるの。
(厚)現場に行くと、微妙なことはあると思うんですけど、今おっしゃったような。まあ私が答えるようなことじゃないかも知れないけど一応話としてはその、一例一例先生のとこ行くでしょ。先生は「副作用じゃない」って言われるんですよ。で、それで僕としてはもうとにかくそれは関係ない、と。
(交)ないならないでいいんだけど、じゃあ「ない」と言われたという返事がほしいんですよ。それなんですよね。
(交)うん、あればいいんだよ。そうそうそう。それはそうだよ。それは医者の判断でしょ。だからいいんだよ。それは医者はそう判断してないんだから。だから1番目はそうじゃないとか、二番目はそうだとか。それが分かればいいんだよ。それだけなんだよ。
(交)それを言ってんですよ。これについてはね。
(交)それ、まずいの? それは医者のプライバシーを侵害すんの?
(交)いや、それは先生の判断だからね、別に…
(交)それはどこだって公に言えることじゃないのその医者は、だって。こちらが具体的に出してるんだからね。「ああ、これは副作用じゃないよ」っていうのとね、「そうだよ」っていうのと、これがプライバシーなの。侵害なの? これ。
(交)それは、ちゃんと今日返事くれるんでしょう?
(交)それはちょっとあなた、おかしいんじゃねえか?
(交)モニターと混濁してるんだよ。
(交)だから、二十三例の中の五例がここの中に合致するんであって、あとの三十四例についてはどうなんですか。三十四例については病院側すべて当たったんでしょう? 製薬会社か―その結果が一つずつ、その副作用と認めるのか認めないのかいうことについてはどうなんですか。それを聞いてるんですよ。
(厚)………………………………。
(交)それを聞いてるんだから、書類として今日もらるんじゃないんですか。
(交)やったんだったらさ、素直に言ってくれたらいいんじゃないの。そんなの時間かかる話じゃないよこんなの。
(厚)その要望書に要するに三十三症例って書いてあるので、要望書のまま言うとですね。だからその結果についてはお答えしたんですけど。
(交)症例番号だけをこれ(報告)されたいって言ってんじゃん。答えてねえじゃないの。
(厚)だからそれは、さっきからいろいろ言ってるような理由で…
(交)だからさ、何で―さっきから聞いてんじゃん。「何でそれはプライバシーなんだ」って。「(何故)プライバシーを侵害することになるんだ」って言うんだよ。医者の見解でしょ? 正に。職業人としてのね、はっきり言ったら。個人じゃないよね。職業人としてのひとつの見解でしょ。これがプライバシーなの? あなた方がこうやって答えてるのがどっかで言ったらでプライバシーを侵害されたってことになるの?
同じことじゃねえの? 職業としてだよ。自分の考えをこうやって述べた。それがどっかに流布されたらそれはプライバシーを侵害されたことになんの?
ねえ。だとすればその根拠は何なのかって聞いてんだよ、さっき。何。
(厚)だから、もしこういったことを言って、この症例だ、ということを言って、さっきから何度も言ってるように、原則非公開のものを―原則非公開ということで医者は企業に言ってるわけですよ。
(交)だからそれはモニター制度のルールをあなたが一生懸命転用して言ってんだよ。
(厚)いや、モニターじゃないですよ。
(交)だから何の根拠あんのそれは。原則で―原則非公開ってのはどこに書いてあるの。誰が決めたんだよ。それはモニタリングのことだっていうなら分かんだけどさ、こういうことにまでね、それを網を被せてるっていうのは何に基づいてるんだよ、だから。ねえ。それをさっき聞いたでしょ? あなた何も答えないじゃない。
(厚)僕が言いたいのはそういうことじゃなくて、だから、最後まで聞いてもらえますか、じゃあ。だから、何度も言うようだけど、そういった非公開ということを医者は信頼して製薬企業にこういった症例があるということを言うわけですよ。言わない先生は言わないですよ。多分。
(交)ちょっと、だからさ、職業としてのだな…
(厚)だからちょっと最後まで聞いてください。
(交)まだ最後になってないの? だって最後まで言ってんじゃないの、もう。これ以上何があるの。
(厚)だから、いつもここで切られるから、話が先に進まないんですよ。
(交)だから何、あと言いたいの。じゃ、黙って聞くから。
(厚)そしてまあ、厚生省がこういうふうにこの症例だということによって、公表することになるわけですよ。要するに部外者に対して…「部外者に対して言った」と。
(交)部外者…だって、あなた方確認出来るって言ったからね。
あなた方が確認出来るからと言ったのが最初なんだよ。
(厚)だから、要するに厚生省の部外者に対してこの病院のこういう患者さんの症例が上がってきていますということを言うということですよね。
(交)うん、だから?
(厚)そうすると、やっぱりあの、こういった、陣痛促進剤に関してもいくつか裁判になってるのがあると思うんですけれども、やっぱり医者としては、厚生省の動きというのが外部に漏れたということで…
(交)いや、そうじゃないんですよ! おかしい! いや、考えがおかしいからちょっと、こうなるんですよ。ねえ、おかしいよねえ。
(厚)最後まで言わしてくださいよ。
(交)まあいいよ。ともかく何が言いたいのか一応聞こうじゃない。
(厚)そうするとね、医者がね、これから先、五年後、十年後、ずっとね、副作用の報告というのが、ちょっと、出さなくなるともしそういったことに…
(交)何を言ってるの。
(交)副作用の報告じゃないじゃない。
(交)それはモニターだよ。
(交)あなた違うこと言ってるよ。
(交)全然違う話じゃないの。モニターのことを言ってんだよ。あなたは。
(交)まったくお前もう何考えてんだ! モニターの発想ばっか言って!
何のためにここまで来てんだ! はっきりしろ!
(厚)だから、モニターじゃなくって、ちゃんと事業報告といった観点で言ってんですよ。
(交)じゃ、普通の企業報告のレベルでしかその、やってなかったってことね、要するに。普通の企業報告のレベルで取り扱ったってことね。こちらは具体的にやってるわけだよ。いい? あなたのやつは、普通のね、自分が被害だと思ったらね―これ企業報告―だよね? そういう形の範囲に、そのレールに乗せたっていうだけのことなんだ。あなたが言ってんのは。そういうことだろ?
違う? モニターとは違うっていうのはそういうことでしょ。これはさ、そんなんじゃないでしょ。これは具体的にこっちは出してるわけだよ。それと同じにされたら逆に言ったら困るわけだよ。違うわけでしょ。こっちがみんな、じゃあ、企業報告ってやつはみんな患者の方がこうやって言ってった、ていう形のものかい?
逆にいったら分かんないものだよ。患者の方はね。全然そうじゃないと思ってるかも知んない、逆に言えば。それを、こっちは、被害だと言うから具体的に名前まで出して、言ってきてるわけでしょう。何でこれが同じものになっちゃうの。企業報告のレベルになっちゃうの。違うでしょうよ!
そこが違うっていう認識があなたに無いとダメなんだよ。
(交)おかしいわ、考え方が。おかしいでしょう。
(交)それは全然違うんだよ。
(交)だからね、製薬会社が報告してきたものを、厚生省が「あっ、こんなのがありますよ」とか私たちに知らせた、いうことになれば、ね? それはおかしい、どうこうあるんだけど、これは違うのよ。
(交)そのことじゃないじゃん。
(交)そうじゃないでしょ。こちらが、ここの病院でこういうことがあった、それを調べてください、と言ってるんですよ。それの返事を今日もらいに来たんですよ。ね?
(交)何考えてんだ。
(交)で、返事は? 出来てないんですか。
(交)だから、医者自身は自分が主体的に考えてこれが副作用だとかさ、それは企業報告になるからね。このことが公になるっていうのは何か、「じゃ、俺主体的には出来ないよ」ってことになるじゃない、それは。その話だったら、分かるんだよ。それじゃないじゃない。これは、はっきりと、自分たちは被害者であるっていう確認だよ。逆に、医者は主体的に自分に積極的に何か言うってことじゃないじゃない。これを確認してくださいっていうことだけだ、逆に言えば。
(交)「出来る」と言われたんですよ。ね?
(交)それを「出来る」って言うから出したんじゃないの。それを同じようにされたら困っちゃうよ。
(交)何でそういう考えになったんですか。信じられないわ。
(交)確かにね、厚生省のこれまでのルールの中にそういうルールは無いんだよな。無いんだよ。これははっきりしてるよ。だけど、少なくともね、そのときの担当の人の名前も忘れたけどさ、少なくともこれだけの具体的な被害が出てると。だから名前も病院名も出しましょうと、そのかわり。こちらもね。それだから確認をして、じゃあ、そりゃ先生はまだ言ってないかも知れないし、少なくとも具体的に突きつけられたらそれについて判断は求められるって形になるわけだから。医者としてきっと返事をするでしょう、と。だけど、それをね、だって患者の方が直接行ったって医者は返事しないわけだよ。だから、こういう迂回したルートで、やるのが一番現実的だろうという形だけなんだよ、たまたま。ね? 迂回してるよ、確かに。それはルール無いんだから。しょうがないわけだよ。
(交)やっぱりね、患者側は、もう一度製薬会社に「お宅の薬を何月何日どこそこの病院で、私が使ってこうなりました」いうこと一人ずつ報告しないといけないことになりますね、こうなれば。
(厚)え?
(交)厚生省がちゃんとやってくれないんであればね、被害に遭った患者が、製薬会社に対して「お宅の薬で何月何日A病院で、このようになった」ということを患者が言えば、製薬会社はそれを病院側にきちんと調査して、重篤な副作用被害であれば、一ヶ月以内に厚生省へ報告する、いうことでしょ? そうしなければ、もう伝わらない、いうことになるんですか?
(厚)そのあとは医者が自発的に企業に…
(交)自発的にしないのがほとんどですよ!
だから、私たちが(報告)してるんであってね、してればもっともっと沢山上がって来てるでしょう。
(交)そりゃそうだよ、三十九例だってね、五例しかそういう認識もってないわけじゃない。これ、かなり率として悪いよね。実際に被害受けてるわけだ。で、裁判やってるわけだから。それぐらいのケースをね、被害だと思ってないわけだよ。かなりの医者は。これの方が問題なんだよ、逆に言ったら。あなたがさ、守んなきゃいけないものったって、医者の何とかを守んなきゃいけないなんて話じゃないよ、だから、そもそも。
(交)どっちを守るんだ。医療を守って製薬企業を守るのか。
(交)何でそこんとこのさ、基本的なスタンスがね、やっぱり間違ってるんだよ。だから、薬害エイズみたいになるんだよ。ね?患者のことなんか考えてないんだよ、だから。厚生省っていうのは!
そこのところがね、間違ってるっていうことの認識無いんだよ。
(交)税金だって自分の給料入りゃいいっていう考えだよ。
(交)だから、誰がそういう判断をしたんですか、今日のこの報告に於いてね。
(交)担当が替わる度に変わっちゃうんだよ。
(交)厚生省のあれなんでしょ。あなたの個人の考えなんじゃなくて厚生省の考えなんだよね?
で、この前―今までの話とは全然違うわけだから、違うということは、誰かがそういう判断出したっちゅうことだよね。誰がやったんだね? あんたの上司誰だ? あなたがダメだったらあなたの上司に聞くしかないんだ。あなたの上司が…
(交)上司がわかんなかったら厚生大臣だ。
(交)あなたの上司誰だ! 言いなさいよ。誰が出したんだ。
(交)もちろん言わないといけないんです、はい。どうぞ。
(厚)上司というのは石井…室長ですから。
(交)石井さん、いう方ですか。
(交)その石井さんが、そういう指示を出したということか?
あなたに。「そういうことは答えるべきではない」と。「答えられない」と。「答えられない」と。いうことですか!
(厚)まあ、相談したときにそういう結論が…
(交)ああ、結局そうですって。はい。
(交)じゃあ、その人に来てもらってください。あなた話にならない。
(交)今日は無理? どこにいらっしゃるの。はい? 大きな声で。どこにいらっしゃるんですか。
(厚)いえ、あの、急に言われてもちょっと、予定とかの関係もありますから。
(交)はあー。
(交)じゃ、別途そういう場所をセットしてくれるのね。
(交)だからこれについてはね、だからそういうことで、実際そうなのか、副作用被害なのかどうなのかいうことをね、厚生省もきちんと調査させないと、私たちの会が出すだけじゃ、「ああ、こんなにあるのか」と思うだけではいけないでしょう。実際どうなのかっていうことをきちんと把握するためには、調べないといけないでしょう? それをやってくださいって言ってるんですよ。
(交)もうこの問題を提起してから何年になると思ってるんだ、あんた。え? 一年や二年の問題じゃないんだよ。
(交)じゃ、資料としても今日はもう全然もらえないわけですね。そういうことであれば。
(交)じゃあ、もう別途、やろう。しょうがねえ。こんないい加減な対応されたんじゃ、何のために来たのか分からん!
(交)ため息がでてしまう。
(交)それで、2番のやつっていうのはね、この症例を具体的に検証することによって1番の所も、添付文書の改訂とかそういうことについて、具体的な対策をとってほしい、と。
(交)つながってるんだよ、これ。
(交)その話とつながってるわけでしょう。だから、1番の所でも今年の三月にそういう症例が起こりました、と。結局そういう慎重投与―厚生省は「慎重投与すればいい」と。慎重投与しました、その結果(事故が)起こりました、と。そしたらこれ、厚生省の責任じゃない。にもかかわらず、じゃあその前提となる具体的な症例何ですかっていうことでもってずーっとやってきたわけでしょう。で、それ調査するって言ったじゃない。で、「それについては調査をして、その結果についてはこちらに返します」いうルールでもってやってきたわけよ。だけど、そのルールのところがまた前提崩れたら、じゃあまたもう一回初めからやり直しかっていうことだよ。じゃあその指示出した人誰ですか、その指示を出した人と話するしかないわけよ。だから、あなたと話ししてしょうがないんだったら、上司と話するしかないわけ。
(交)あなたが結論出したんじゃないからね。
(交)うん。だってあなたは自分で結論出したわけじゃないって
言ってるじゃない、ずっと。頭っから。何でそんな人が来るの。冗談じゃない。
(交)だからね、まあ次の方法としてじゃあ、早急に石井室長との話し合いをセットしたいけど?
それしかないじゃない。いや、今日とは言わないよ、もちろん。だからね、そうじゃないとこの話が先に進まないし、我々が言いたいのはこの1番のところね、こっちに戻したいし、だから被害は実際―こんなこと同じこと繰り返したくないからやってる話だよ! 別に個人的な利益でやってんじゃないんだから。
(交)そうですよ、皆さんね。
(交)そういうこと理解してくれたらさ。それぐらいの気持ちで対応してほしいよ。
(交)もうこれから被害が出たら罪をかぶらなきゃいけないんだ、ほんとは!
(交)何でそこんとこ分かってくれないのかねえ。
(交)良心でも言えないのか! 返答! え! 「こんなことはおかしい」って。あんた個人がそういう考えだから、石井に言われて「はいそうですか」って帰ってきたんだろう。
(交)ともかくそういう形で話合う場を作ってほしいんだよ。個別でやるっきゃないよ、もう、だって。これは。それをちょっと、あとで調整さしてもらえる?
(交)バックナンバーもちゃんと読んでもらった上でね。で、もし本当の意味で間違いであったならば、「間違いでしたのですみません」とはっきり言ってもらいたいしね。そうすれば、私たちもそれなりの対処のしかたもします。製薬会社に直接報告もしますし。ね? で、報告をした日から一ヶ月以内に、厚生省に報告が無いと、必ずペナルティを与えてくださいよ! そういった点ではね。そういうことですよ。はっきりとそういうふうにしていただくように。
(交)そんなことやらなくたってさ、本来あなたがたがやれることあんだよ、これ。ほんとにこれ、手のかかることやらなくたっていいわけだよ本来なら。時間もロスだし。時間が経てば経つほどそういう被害者が出て来るんだから。
(交)出て来るんだからあんたたちは罪かぶらなきゃいけないんだ、ほんとは!
(交)そんなことは無いようにしたいじゃない、お互いに。何でそのほんとの気持ちっていうの分かってくれないのかねえ。何のためにそんな守ることがあるのよ。そんなの。
(交)だれに給料払ってもらってると思ってるんだお前? 製薬企業か? 違うか!
(交)じゃ、そういうことにさしてもらうよ? ね。で、石井さんに直接電話するわけ、じゃあ?
それとも池田さんでいいの?ともかくね、日にちの調節があるから。すりあわせがあるから。どうしたらいい、池田さん?
(交)一局だけの場合は直接でいいんですよね。
(厚)今度、また、次回…
(交)そんなのまた随分先だな。何ヶ月も先だから。先になっちゃう。七月の末ぐらいになっちゃうから。
(交)厚生省交渉は七月末ぐらいで…
(交)四ヶ月単位で考えてるから。
(交)だからそれまで待てないんで、出来るだけ早くに。
(厚)まあ、そういう話で、伝えときます。
(交)四月か五月ね。
(厚)調整はまた今度、誰と調整するかまた別途…
(交)じゃあ池田さんにとりあえず電話するよ。(笑)何だよ、憮然とした顔して。だって、ここに出てきてる人に一応確認しておかないとさ。
(交)窓口ね。
(交)え? 「桂さん」ね。桂…何ておっしゃるの。
(厚)栄美です。
(交)栄美さんね。……じゃ、そういうことで。
(交)直通電話聞いた方がいいよ。
(交)私知らないよ。いや、直通は知らない…名詞もらってない。池田さんもらってないですよ。いいえ、もらいません。ください。
(交)じゃあすいません、時間の関係もあるから、前田さんのほうから、3番、ですか。
(交)だから、これは五例でしょ。五例よね。はい、どうぞ。あの、今日は課長さんに出てもらえるように要望してましたよね。
(厚)課長都合が悪いんでメッセージもらってます。
(交)メッセージ…ハハハハ。(笑)
(交)まあいいや。はい、はい、はい。
(厚)アプガースコアを記載することの是非の評価を要望したが、その結果について報告されたい、と。で、私どもといたしましては、平成三年の話なんですけども、厚生省心身障害研究、高齢化社会を迎えるに当たっての母子保健事業測定に関する研究の中に、母子健康手帳に関する委員会を設置し、平成三年五月から八月に掛けて改訂作業を行いました。
(交)えっ、何月から?
(厚)平成三年五月から八月です。その際、各都道府県・指定都政令市特別区を対象に、母子健康手帳に関する意見を聞きまして、アンケート調査いたしました結果、八つの府と県と市ですね、大阪府とか兵庫県とか佐世保市とかありますけども、…から、アプガースコアの記入欄を導入するよう要望をされました。
(交)あっ、それは市町村からなんですね。
(厚)いや、府と県と市です。県と、指定都市と、政令市と特別区が対象ですから。
(交)八つのね。はいはい。
(厚)そしてそこで、この委員会で検討しました結果、この出産時の状態欄の特別な所見処置欄に―一番下ですね。仮死産か死産かを記入する欄がある、と。で、内容が重複することから導入は見送られました、というのが事実です。こちらが、報告ですね。
(交)…内容が重複する言うて、仮死にも色々あるわけだからね、重複するって言ったって…
(厚)はい。他にもアプガースコアよりもいろんな要望が何百って出たんですね。それを一つ一つ入れていくというのがまあ、ページとかあんまり分厚くなりすぎても難しいということで、総数的には変わりないということで、代用出来るものはそこで見ていこうといったことを言ったそうです。当時の、平成三年の話です。
(交)三年ね。もう、六年経つね。
(厚)はい。で、その結果を踏まえた見解ですが、アプガースコアは出生直後の新生児の状態を数値化したもので、一般臨床医内には広く用いられていますが、仮死かどうかの判定は、現在の記載内容で充分記録出来るため、現在直ちにその項目を設けることは考えておりません、ということです。
(交)………それで、アプガースコアをね、記入する、そういう箇所を設けた、いうとこの八つの府・県・市ですか。について調査するようにということでお願いしましたよね。八つじゃなくて要するにアプガースコアをね、記入するようになってるメリットとかそういった点、調査するように…
(厚)今申しましたのは八つの県からアプガースコア入れたらいいんじゃないかという要望をもらった、ということなんですけど。
(交)それはいいんですけど、現在実際そのように記載している市なり町なりに、良い点とかどうこういうことを調査して、その結果をください、ということを言ったでしょ。
(厚)はい、すいません。…それは今回は用意してません。
(交)じゃ、聞いてない。ウソ! 聞いてないんですか?
(厚)だって、この3,4の中入ってないですからね。要望事項の中に。
(交)ないんですか! いや、だって、前回話をしてるじゃないですか!
してたら、それについて…
(厚)聞いたんですけども、この大阪府とかに聞いたんですけどね、アプガースコアだと、この細かい点が分かる、と。零点と十点は違う、と。で、それで細かく情報提供すると言う観点から書かれてるということなんですね。で、全国レベルでこれを項目に入れるとしたら、それは、そのままでいいんじゃないかと。仮死の所もあるもんですからということで。
(交)フウン。
(交)いやー、しかし、もう少し客観性のある数字の方が分かると思うけどねえ。仮死だとか何だとか主観的な判断に頼るんだからな。
(交)だから、医師に聞いたらいいじゃないですか、いうことよね。前回言われましたけど、それがそもそも何なのかということを産む側が分からないから、ここに書いてあればね、点数を書いてくれるし、いう認識で言ったでしょ。だから、そこんところでね、母親学級に於いて、赤ちゃん生まれて一分後にこういうふうに採点をして、アプガースコアというのがあるんですよと、だから、出産したら必ず聞いてから母子手帳に自分で書き加えましょうねというふうな指導があればそれでいいんですよ。だから、そのように指導してもらいたいというふうに要望するわけですが…
(厚)要望ですね。
(交)ええ。ね? はい、分かりました。
(厚)こちらの要望書の中にも書かれておりますので、その点は…
(交)はい、三月末までの。
(厚)ですから出元さんからもうちょっと早く催促出していただければもうちょっと早く書けたんですけど。
(交)いーえ。だって、何回も電話したって捕まらないんですよ。ほんとにー。
(厚)一応これまだ、課内検討メモ…。母子健康手帳盛り込むべき薬剤に関する、という点ですが、掲載する箇所としては、「健やかな妊娠と出産のために」の中の、題名として薬の服用についてというのにする、と。記述量としてこれ、また変わりますけども、二十八字か五行位が…。で、記述の内容が薬剤の効果、薬剤の副作用、インフォームドコンセント。で、記述の例ですが、まあ、これは一般的で、今日のペーパーを素にまた今後考えて行きたいと思いますが、治療のために薬が処方される際に医師が薬に求める作用が主作用と言い、望まない作用を副作用と言います、と。妊娠中の薬の服用は母体に対する副作用と胎児に及ぼす?影響を考えなければならないため、非常に慎重を要すると言えます。で、そのため、薬を服用する前に必ず医師に相談してください、という書き方で…
(交)(笑)「医師に相談してください」。あー面白い。
(交)(笑)ちょっと待って。それ、いつまでに作るつもりなのこれ。
(交)五月までに出来ないと八月印刷、言いましたよね。
(厚)えーと、はい。ですから…
(交)五月の印刷に入れるって言ったじゃない。
(厚)はい、だから、まだ五月になってない…
(交)(笑)そりゃそうだ。
(交)次回っていうのは遅くなっちゃうから全然ダメなんだよ。
(厚)ただですね、今回の話ですと、こちらペーパーに書いてあることをやってもらえるという…
(交)それはね、「こうしてもいいんですか」という質問ですよ。ちょっと、ちゃんと読んでくださいよ。
(厚)いやだから四十字×四十字で出してくださいっていう…
(交)いやだから「してもいいんですか」って聞いたら「じゃあそういうふうにしてもいい」と言ったけど、これを出したことによってどうこういうことは言ってないでしょう。
(厚)これを出したことによって…だから、今度ですね、もう少し具体的に書いた方がいいと思うんですよね。中身についても。それで、その際には母子手帳の検討会に(被害者の)会のメンバーを入れてほしいっていう要望出されてますが、実質的にまあ、前例主義で行くのが普通ですよね、私たちにとって。いうことで、こういう要望を受けてそれを、その検討会に掛けるっていうのは実質的に可能なんですがね。ですから、その面でこの要望書早くほしかったんですけども、その辺、僕も…という点ですけど……
(交)あの、母子健康手帳これ、まあ、素案いただいたんですが、あの、指導の方はどうですか。
(厚)指導の方は電話で申し上げたことの繰り返しになると思うんですけども、かなり、売れないんだそうですね。
(交)何かですね、だけど指導書いうのをね、出版社が出してそれを買ってもらう形になるんですって。だから、それはそれで、じゃあね、母子健康手帳交付するときに、別な資料という形で、母親学級でされるような妊婦用のものを配るという形で、そこに書いてるんですけどね、そういうふうにしないといけないと思うんですよ。ええ。
(厚)ただ、一応法律上は妊娠を知ったときは届け出て、そういうことがあって市町村が…
(交)最近、届け出る必要無いんですよ。妊娠した、言って勝手にくれるんですから。昔は、診断書をね、妊娠どうこういうことで…
(厚)妊娠したことを一応役場に言いますよね。
(交)言うだけです。ええ。診断書必要ないよね。
(厚)で、そのときに母子手帳を交付するということになってまして、で、母子手帳と、付属のリーフレットを交付するとは書いてないですよね。だから、それは各市町村の行政サービスですので…
(交)(笑)
(厚)必要となれば出すでしょうし…
(交)いや、必要な…だからね、こういう内容必要だからいうことで厚生省としてこうしてくださいということはやっぱり、国民の健康を守るために必要なことだという意味でね、別に資料を、いうこと前回も言ってるでしょう。だから、それなんですよ。それを配る、という形にしてもらわないと、もしね、母親学級に参加出来なかった方もいますよね。場合によっては。だからその方達も無事に産めるようにということになれば、やはり母子健康手帳をもらうときに資料をもらうと。それで勉強すると。で、尚、学級にも参加するということがほんとは良いわけですよね。
(厚)はい。
(交)だからその内容を、これは是非必要だっていうことを書いてますので、検討していただいて…配りましょうよ!
(厚)(笑)いや、お金絡む話ですからまあ…。じゃあ内容としてはその趣旨は汲ませていただきます。…ですから母子手帳とその指導書と色々まあ国会の答弁であらゆる手段を通じてですね、母体の危険性ですとか…
(交)安全にお産するためにですね、ええ。
(厚)安全なお産の、出産の確保っていうのは訴えていきたいと思いますので、その趣旨はまた、持ち帰って検討させていただきます。一応とりあえず今日はその二点ということになります。はい。提出資料としては貧弱で…
(交)(笑)じゃ、間に合うように、いうことになれば次回どうするかですよね。
(厚)はい、ですからまずこちらの意見に沿ってですね、課の中で手続きとしては…
(交)検討していただいて、はい。これは入れるとか、これは入れないという感じで、「これはどうしても入れてほしい」というものが中にはあるかも知れないんですよね? 中にはね。だから、そこで調整しながら、最終的に「これは入れる」って決まれば、それについて詳しく内容を詰めていく、いう形にしたいんですよ。ね? はい。
(厚)この、要望書いただいたので、ご意見を伺ったというふうに取り扱って、それだとこちらの方の中の検討に回していただくいう…よろしいですかね?
(交)回して…はい。
(厚)最終的に決まった方のをお知らせするっていうことで、やっぱり…
(交)エーッ(笑)
(交)それじゃちょっと…
(厚)「それじゃちょっと」ですか。じゃ、途中の案の段階でまた連絡…
(交)そうですね。そうですね、途中でやっぱりいただかないと、ええ。
(厚)はい。それはこの作業の真ん中かそれより後になるかも知れませんが…
(交)印刷に間に合うような形で、やっぱりね、したいんで。
(厚)じゃ、印刷に出す前っていうことで…
(交)だから印刷出来るときじゃなくって、まあ例えば…
(厚)ゲラ刷りの段階で…
(交)ええっ? いや違う、違う。
(交)案とかが出来た段階で。
(厚)分かりました。分かりました。
(交)(笑)はい、じゃあそういうことで。
以 上
4についての厚生省の答弁を要約すると、「医薬品副作用機構」不服申し立て者の審査をする場合も同一者が判定することを聞き、制度そのものを改めるよう求めた。裁判でも一審と二審では裁判官は別である。医師が副作用報告した症例であっても、「医薬品副作用機構」で認められるとは限らないというものであった。