58回厚労省交渉の要望書

(2004
月9日)


<厚労省側参加者>

・田宮 憲一 (医薬食品局 安全対策課 GPMSP査察官)
・浅沼 一成 (医薬食品局 安全対策課 副作用情報専門官)
・飯田 明子 (医薬食品局 厚生労働事務官)
・上田真由美 (医薬食品局 総務課 医薬品副作用被害対策室 主査)
・堀田 敏美 (医薬食品局 総務課 医薬品副作用被害対策室 主査)
・田岡 雄飛 (医政局 国立病院課 係員)
・田母神裕美 (医政局 看護課 助産師係長)

<当会会員参加者>

田村チカ子・赤羽幸生・山下睦子・出元明美


<今回の質問および要望・交渉内容の目次>

1 陣痛促進剤の副作用問題及び添付文書改訂問題

2 産科看護師問題

3 分娩介助料について

4 医薬品副作用被害救済機構について


1.陣痛促進剤の副作用問題及び添付文書改訂問題

(1) 前回交渉以降に、陣痛促進剤を被疑薬とする副作用被害の報告があれば、報告いただきたい。
(2) 前々回、会が報告した5事例すべてが副作用であると医師が認めたとの報告を受けたが、それをもって厚労省及び製薬企業は、新たな対策を何らとっていないと伺った。また、厚労省は、医薬品副作用情報全般において、報告された副作用情報を認定もしていないとのことであるが、副作用被害をなくすためには、特に陣痛促進剤の場合、報告を受けるだけではなく、この5事例全てについて、どのような薬剤をどのような使用方法で投与されたのか情報収集し、どこに問題があったのかを精査し、報告されたい。
(3) 前回、報告いただいた2事例は、帝切後の弛緩出血のために使用して「心停止、呼吸停止」になったと伺った。当事例は、どのような薬剤の使用法により起こった副作用なのか詳細を報告せよ。また、事例を検討し、今後、このような重篤な副作用の発生をなくすことが重要であるので、添付文書の使用法の改訂をすべきと考えるがいかがか。
(4) 新しい薬事法での副作用報告で、より多くの副作用情報を収集したいので報告しなかった者に対する罰則規定を設定することはそぐわないと伺った。そうであるなら、従来とは異なるどのような収集方法を検討しているのか明らかにされたい。私どもは、薬の副作用を被害者自身あるいは、その関係者が届出することが出来る方法の創設が、罰則規定に変わりうるものと考えるがどうか。
(5) 患者からの副作用報告を受ける窓口として、「医療安全支援センター」を提案した件で、それができるか否か関係部署に確認すると伺った。結果を報告せよ。
(6) 陣痛促進剤の使用に際し、「分娩監視装置の連続使用が必要である」という趣旨の改訂を要望している件について、「前向きに検討する」と伺っている。現在の進捗状況を報告いただきたい。改訂文は、あくまでも「連続監視が必要なんだ」と理解できる文章を要望する。ちなみに、前回提案したのは、「分娩監視装置を用いて、十分な監視を行い、異常の早期発見に努める」というものである。
(7) 帝切既往者に陣痛促進剤を使用することの可否について、前回交渉では、「帝切既往者に使用して子宮破裂した事例」を基に添付文書改訂を求め た。検討結果を報告せよ。
(8) 以前、脳出血の副作用事例を報告した。一例はオキシトシン点滴による事例であるが、現在も精神及び身体に後遺症を残している。二例目はジノプロストン6錠投与後に、続いてジノプロストを点滴。脳出血を起こし母児ともに死亡した事例である。しかし、主治医はそれぞれ副作用とは認めなかった。分娩経過を添付するので「使用上の注意」に血圧測定の必要性を追記するよう要望する。ちなみに、各添付文書の副作用欄には、「血圧上昇」の記載がある。1980年4月に「医薬品副作用情報42」にジノプロストによる血圧上昇事例の報告があり、「使用上の注意」に記載する必要があるとしているが、血圧測定についての指示はない。


【厚】医薬食品局安全対策課でございます。最初に前回以降の副作用被害の報告についてということですけれども、こちら、2例でございます
【交】はい。
【厚】1例目が、アナフィラキシーショックの症例です。胎児と胎盤を娩出後にオキシトシンを子宮筋に筋注したところ、全身の掻痒感、過呼吸の訴えがあった症例ですれども、ステロイドとか昇圧剤とかの投与で回復しているということでございます。2例目は、微弱陣痛のためにオキシトシンを使用した症例でございまして、鉗子分娩で胎児を娩出しておりまして、その後、子宮腔内より大量出血が持続して、だから緊急手術を行ったところ、子宮後壁に破裂が認められたということでございます。分娩経過中、胎児心拍、陣痛モニタリング等で、過強陣痛とは断定はできないと。本剤と子宮破裂との因果関係とは明らかでないと。
【交】2番については、娩出後なんですよね。娩出後、出血があったので、開腹手術をしたら
子宮が破裂していたということなんですね。分かりました。
【厚】(2)でごさいますけども、「前々回の会が報告した5事例全てが副作用であると認めた」というところでございますけれども、まず症例情報につきましては、製薬企業を通して、医師から可能な限りの情報収集をしているところでございまして、こういった症例については、医薬食品審議会の委員の評価をいただいているところでございます。個別の症例の薬剤との因果関係については、認定行為を行っているわけではないのと、それから、医療機関、個人が特定される恐れがあるために、個々の詳細な内容については、この場でお答えできないんですけれども、こちらも過強陣痛や、胎児仮死に関連する事例でございます。我々としては添付文書の警告欄等に記載がありますように、分娩監視装置を用いて胎児の心音・子宮収縮の状態を十分に監視すること、それから薬剤の感受性は個人差が大きく少量でも、過強陣痛になる症例も報告されているので極少量から添付文書の通り開始し、状況により徐々に増減することと、そういった使用上の注意を徹底することが、母体及び胎児の安全確保上重要であると判断しているところでございます。これらの過強陣痛、胎児仮死に関する添付文書上、今申し上げたように警告等、注意喚起がなされているところでございますし、安全性上の陣痛促進剤製剤についての新たな問題が生じているという状況ではないと考えられるため、今回、使用上の注意の改訂の対応を取っていないわけですけれども、企業に対しては引き続き注意喚起を行うよう指導するとともに我々としても副作用の情報を収集するということです。
【交】ですけどね。どういうふうに薬を使ったから、こうなったということは、それぞれの事例としてありますよね。そこのところを、このように使って、こうなったということは、すごい重要な問題なんですよね。添付文書に単に副作用としてこういうものが書いてあるから過強陣痛とか胎児仮死ですよねー。書いているから、新たな副作用ではないからという意味で、添付文書の改訂は必要ないとは思うんですがね。警告は既に出しているからそれで良いというのではなくて、出しているんだけども、このような事例がいくらでも起こってるわけでしょう。だから、事例をきちんと報告みたいな形で医師がちゃんと読めるように情報提供してあげて欲しいんですね。
【厚】症例の経過と言うことですか?
【交】このように使って、こうなったから、尚一層気をつけて下さいよということですよ。
【厚】製薬企業に対しても注意喚起というのは、引き続き行うようにしていますので、そういった情報提供の活動の中でされていると思っています。
【交】「されてると思ってる」ということは、されてるかどうかの確認はしていないわけですよねー。
【厚】確認っていうか・・・企業が自主的に情報提供を自らやっているものについて、いちいち情報伝達の文書をこちらに出せと言ってるわけではないんで。
【交】情報提供するようにという働きかけは、製薬会社の方には、厚労省からはしていないわけですか?
【厚】しているわけです。
【交】してるんですか。
【厚】適正使用の徹底ということで、常に、製薬企業に対しては、こういう事例がある、来ているということは情報提供しています。
【交】ということは、製薬企業に聞けば、そういうことをしてるかどうかは分かるということですよね。事例をきちんと・・・。一応、事例として尚、こんなことが起こっているという意味では厚労省は、製薬企業に情報提供はちゃんとしなさいと言ってるんですね。
【厚】ええ、それは、常に言っています。
【交】じゃあ、こちらが製薬企業に確認すれば良いわけですよね。本当にそういうことをしているかどうかですよね。
【厚】情報提供の中で、MRさんが副作用の情報提供しているはずですが、具体的な症例をその都度やっているかどうかは、わかりませんけれども、ただ、これ(会からの報告)をいただくたびに情報提供していますので・・・。
【交】じゃあ、確認してみます。
【交】あのねー。私、非常に疑問に思ってることがあるんですけど、つまり、こういう形でずーっと副作用事例をこちらから提示させていただいています。そちら確認していただいていますが、もあんまり変わっていないと言うか、添付文書には色々書いているんだけれども、どういう条件の時につまりさっき言ったプロセスですよね。使うに至る。そして、その人のどういう状態の時に使っているのかということですよね。   
 例えば、その人自身が初産婦さんなのか、経産婦さんなのかということもあるかも知れないし、つまりどういう条件の中でこの薬がどれくらいの量使われたっていうかね。そういうものの分析と言うか、ただただ、「こういう副作用がありました」という結果はいただいてるわけだけど、本当はもう少し内容の分析が必要なんじゃないか、というのは、同じことがずーっと繰り返されているって気がするんですよ。すごく。
【厚】そこは、一つは、添付文書にも書かせていただいているのは、非常に陣痛促進剤の反応性というのは個人差があるということなので、そこは、一律にこういう場合というリスクファクターが出るという話ではないとして、やはり、一例一例気をつけて・・・。
【交】しかし、そうなのかどうか、そういうふうに全体をくくってしまうと、確かにおっしゃる通りなんですけれども、つまり、一人一人違うんだから、これはこれで、一例一例を出産に関して十分気をつけてというふうになってしまってね。その注意すべき事柄の何かもう少し、注意すべきポイントというのですかねー。そういうものがもっと副作用という症例の中から、集積して分析をする中で、何かもうちょっと提示できるものがあるのではないかという感じがするんですよね。私はね。だから、そういう作業をする場が一体あるのか、ないのかですね。
【厚】薬剤について言うと、長年の使用経験から副作用の報告症例が来てる中で、学会とか教科書に書かれてきている中で、リスクファクターという意味では、言い尽くされていると考えています。ですから警告欄にも、そういったことを書かせていただいてるわけなんで・・・。
【交】というと、こうやって出て来ている副作用というのは、きちんとしたルールの中でやっているにも関わらず、あくまでも個人の問題として個人の副反応の出方というものの個人差で、こういう問題が出てるという認識を持っているということですか?
【厚】というよりは、むしろ、分娩監視装置の使い方とか、ご指摘いただいたところがあると思うんですけど、むしろ医師とか、個々の医療機関の個々の医師の問題という形になっているというふうに認識しています。
【交】だとすると、そこは「じゃあ、どうするんですか?」っていうか。
【厚】我々としては、前々から申し上げていますけれども、医薬品を適正に使うに当たっての注意事項を添付文書に、お使いいただく医師に、一般的な注意喚起としてこういうことが必要ですと、書かせていただいていて、製薬企業に対しても情報提供やって下さいということを言う立場なものですから、そこは、我々の方でも、できるところは、きちんとやらせていただいているということでございます。
【交】事例によって、この事例のどこが問題があって、大きな副作用になったのか被害が発生したのかということをきっちりと、検証する場が今のところ、はっきり言ってないと思うんですよね。
【厚】繰り返しになりますけれども、個々の患者さんによって違うということが一つあるんですけれども、そうは言っても、まず、基本は添付文書に書いてある注意事項をきちんと医師に守っていただくことが重要であって、ただ、それを守ったとしても、ご存知のとおり医薬品ですから、効果と副作用はどうしても不可分のところがございますので、それを守れば必ず防げるかというと、そういうものでもないと思うんで、そこがなかなか難しい・・・。
【交】できるだけその幅をどうやって圧縮して、少なくするかということなんだから・・・。
【交】それの努力を余りしてないように思うんですよ。
【交】なんか、こうやって報告をしあってるだけみたいに思うんですよ。だけと言ったら失礼な言い方かも知れないけれどね。もう少し、その作業が必要なんじゃないかなと。だから、さっき言ったように、あなたは、既に学会等で出されているとか、現場の経験がどうのこうのということもあるんだけれども、現場の経験なんていうのは、そんなにたくさん一人の医師が副反応をいっぱい経験しているとは、とても思えないですね。全体にトータルに言えば、多い数になるとは思うけれども、一人一人の医者が、色んな全部について経験しているとは思えないわけですよ。そうすると、やっぱり、もう一つ何かが必要なんじゃないかというか・・・。
 今までの作業にプラスされるものが必要なんじゃないかと。添付文書で出てる以上の何かが必要なんじゃないかという気がすごくしてね。それは、妥当かどうか分からないけれども、もう少しきちんと集積と分析をする必要が実はあるんじゃないかということですよね。これは、どこかでやらないといけないのじゃないかという意味で申し上げたんで。
【交】やっぱり、それは製薬企業がするべきことですかねー。
【厚】我々としても副作用情報を集めていますので、一般論で申し上げると、今度4月から「医薬品医療機器総合機構」を立ち上げましたので、そちらの方で副作用情報を集積して、それでもう少し多角的な疫学的なデータ等も評価を加えた上で新たなベースが出てくるかどうかということは、今後もちろん全体的には、やることになっています。ただ、本件に関して言うと、それで新たに見つかるかと言うと・・・。新たに引き続きやるんですけど、今までの長年の使用経験がある中で、使用上の注意を何回も繰り返し改訂して、問題が見つかるたびに整備されて来ている状況なので、それで新たなものが何が出るかなというところは正直・・・。
【交】でもさー、あなた方が積極的にやったわけじゃないから、実際こちら側がかなり提示して、ここが問題じゃないかと言って、あなた方が改訂したんですよ。あなた方が積極的に、自らが、ここが問題だと思っている、今検討していますと言ったわけではないですよ。
【交】そうですよ。
【交】ねっ。そこのところはねー。だからこそ、新たに、ここのところもう少し分析が必要ではないかというのは、これで全部問題が出尽くしているような感じなのかなと・・・。
【厚】そういうことではありませんし・・・
【交】だから、ここに質問で、「どこに問題があったのかを精査し報告されたい」ということなんですから、厚労省ができないんであれば、企業にやらせて、それをもらって報告してくれたら良かったんですよ。今日ね。
【厚】どこに問題があったか・・・。
【交】問題があったから、ひどいことになってるわけですから。
【厚】個別の症例については、企業は、企業で ・・・・・いずれの症例も、どういうことが重要なのかと我々に判断を求められれば、やはり添付文書に書いていることですよね。分娩監視装置を用いてきちっと十分に監視するとか、薬剤の感受性は個人差が大きいので、少量でと書いているんで、添付文書をまずはきちんとお使いいただくことが、重要なんだろうという判断です。
【交】それは、当然分かってるんですよ。ずっと前からね。それは当然ずっと前から分かってることなんだけども、そのようにきっちり添付文書には書いているんだけど、実際には、たくさんの被害が起こってるわけでしょう。それのほとんどは、十分な監視とか、薬の量的な問題とかが出来ていないから、副作用被害の発生があると認識されているわけですよねー。
 どちらかと言うと。多いですよねー。だからなんですよ。だから、既に、このように副作用はありますよと、書いているから、自分達は、どうすることも出来ないではなくて、実際起こった事例について、製薬企業にちゃんと精査させるんですよ。どうしてこうなったのか、どこに問題があるのか。どうして子宮破裂するような状態にまでいったのかということを、ちゃんと調べさせて、それで問題があるところをきちんと、ねっ。上げて、それを会員に知らせるとかですね。
医師に知らせると。
【厚】そういうことでしたら、製薬企業も我々もやっておりますので。
【交】やってると思わないんですけどぉ。事例を、このような事例でこうなって子宮破裂したので、気をつけましょうなんて、言ってますか?言ってないでしょう!
【厚】それは、どういう意味ですか?
【交】こちらが、重篤な副作用をどんどん報告していますよねー。報告したものを厚労省が製薬企業に、どうだったんですかと医師に聞いて下さいということで、毎回行ってもらってるんですけど、それを医師が、「ノーコメント」と言うか、「そうだった」と言うかは別にして、どうしてそうなったのかということをちゃんと検証するということをしていないでしょう。
【厚】どうしてこうなったかというか、副作用とかの因果関係とかですね。実際まあ、評価とか、分娩監視、どういうことが重要なのか、今後の対策としてですね。そういうことというのは企業が見解を求めているわけでして、そういう中で我々も企業もそうですけども、もし添付文書通りきちんと皆さん使っているけれども、こういう副作用が出てしまうとか、そういう時だと、添付文書で書き方が不十分だという話になって、その中の評価をしてということになるんだと思うんですけど、添付文書、いずれも今回いただいた事例に関していうと、添付文書通りお使いいただくということがまずは基本なんだと思うんですよ。ですから、そういったところで、我々として「医薬品医療機器総合機構」で、データベースに集積などして、こういう既往歴のある人が副作用が多いとか、そういうことなどの関係も見出したりして、そういうことも将来的にはやりたいなと思っています。そういう活動というのは、もちろん我々も情報も収集もするし、分析と言うのも常に地道にやっていきますけれども、ただ、今回の事例に関していうと、今まで言われている範囲の事例であると・・・。
【交】それでですね。今後、そういうことがないようにしたいということの動きは結局ないですよね。製薬企業にしても、報告したものに対しての評価をすると言われましたよね。企業としてはね。しただけで、医師の方に全く何も連絡がいってなければ、そのままの状態じゃないですか!医師に対してはね。使うのは、医師なんだからね。
【厚】添付文書はすでに医療機関に送ってるわけですし、あとは、日頃のMRが訪問するような中で、「先生、ちゃんとお使いいただいてますか?」ということは言っていただいているはずなんで、これは、注意すべき事項というのは、あるわけですよね。あとは、MRに・・・。
【交】事故を繰り返さないための策を講じているとは全然思えないですよね〜。
【厚】事故と副作用・・・。
【交】まあ両方ですよ。
【厚】副作用とは、また違うんだと思うんですが、我々としては、その〜。
【交】副作用がひどくなると事故になるんですよ。重篤になるとね。
【厚】実際の使い方が、とんでもない使い方をしたとか、注意書きに書いているのにやったという話と、添付文書通り使っていて、それで予期せぬ今まで報告されていなかった副作用が出たという話は、違うんじゃないかと。
【交】それは、もちろん違うわねー。
【交】この、5事例に関しては、全部添付文書に基づいていないがために生じていると?
【厚】ためっていうか、そこは、そういうことではなくて、もちろん、難しいのは実際に添付文書通り監視していても起こることはあるわけでね。
【交】それは、個人的な感受性の違いっていうのはあるんだけど、そこのとこは、ある意味では言えないんだけども、この5事例に関しては、少なくともそういう問題ではなくて、医者自身がもう少しきちんと添付文書に基づいた注意というものを重視してやれば、こういうのは起こらなかったかも知れないというふうに言えるわけですか?
【厚】そこは、一例一例そういう評価と言うことではなくて、我々も・・・。
【交】でも、一例一例でなかったら意味ないでしょう!なんでまとめて言ってしまうの。
【厚】一例一例この症例は、こうしたら防げたとか、そういう判断という話ではないんだと。
【交】本当はそういうふうにして欲しいんですよ。
【交】原因がわかんないところで、まるめて言ったってしようがないじゃない。
【厚】そこは、集積状況も踏まえて、我々は評価しているわけなんで。今までの事例と、今回上がってきた事例とは、それは内容的にはやはり過強陣痛が起こってるという事例ですので、そのためには、そういった過強陣痛による事故というか、重篤な転帰を防ぐにはどうすれば良いかということを考えると、添付文書に書いていることを遵守するということが大事になると。
【交】それは、そうなんだけどね。事例、事例で言うと、過強陣痛が起こるまで薬を使ったことによるということになるんですよね。ですから、ここの段階でストップすべきだったというようなことは、厚労省が出来ないんであれば、製薬企業にきちんとやらせて、その事例を検証した上で、このような事例があるので、十分注意して下さいということをやっぱりバックした方が良いと思うんですよ。産婦人科医会の方にね。それが全然ないですからねー。だから、どんどん使い方がとんでもないし、分娩監視もとんでもないことをしているわけですね。
【厚】そういったところは、やはり、添付文書通りやっていただきたいということです。
【交】あ、そしてね。十分な分娩監視をほとんどしていないわけでしょう。この事例などはね。
【厚】いただいた事例は、分娩監視装置は使ってなかったと思います。
【交】ですよね。ですから、私達が言ってるのは、後でも質問があるんだけど、「十分な分娩監視とはどういうものか」ということに入っていくから、それは後で話をすることになりますが、分娩監視のところは、かなり重要ポイントですよ。
【厚】そこは、使ってないという事例もありますので、やはり先ずは使っていただかなきゃいけないでしょうという考えです。
【交】絶対的に使うための添付文書の改訂の仕方をずっと議論しているけれども、必ず使わなきゃいけないということを、変な、トイレに行く時に・・・とか、後で議論するけれどね。
【交】製薬企業の方には、この事例をせっかく報告しているものを検証して、それを医師の方に、きちんと「このように使用すればこうなったんだから、気をつけなさい」と言うべきではないかということは、私達が言いますから、まあしょうがないわね。(笑)
【交】本当は、製薬企業に関しては、製薬企業が考えろというんではなくて、厚労省も、もう少し離れた立場で、客観的な問題点がどこにあるかと言うことが、一例一例指摘できるように、それを整理した上で、製薬企業に融資する中で、行政として、添付文書の改訂をしなきゃいけないと提案をするなりということだから。
【厚】もちろんそうです。
【交】そのことが、もう少し、離れたところでつまり、直ぐに返すんじゃなくてね。もう少し問題を整理した上で返せるようなその議論する場が必要なんじゃないかということがさっき言ってることでね。それが、きちんとないんじゃないかと。出してることが、どこできちっと精査されて、どういうことが問題だったんだよ、この事例に関してはということが・・・。
【厚】そういった症例についてはですね。医薬食品衛生審議会の先生方に見てもらっていまして、それで、もし新たに、こういう人は危ないんじゃないかとそういう話があれば、それを踏まえて・・・。
【交】それは、こういう人が危ないんじゃなくて、それは違うんだよね。このような使い方をすると危ないんじゃないかということは十分分かるんだけど、こういう人はということはないですよ。それは、まあ帝切既往者に使うのは危ないんじゃないかというのは、当然言えるんですけれどね。それ以外については、こういう人が危ないんじゃないかということは考える必要はないんじゃないですか〜。
【厚】それは、我々は・・・。
【交】こういう人は、ですよ〜。こういう人は危ない。例えば・・・。
【厚】陣痛促進剤ということじゃなくて、一般論で・・・。
【交】今日は、一般論では困りますよ。
【厚】陣痛促進剤についても、実際に新たな添付文書に書くべき新たなリスクファクターみたいなものが見つかるかどうかという観点でお聞きしていますから。
【交】だから、それはね。聞くっていうのは、僕らずーっと分かんないんだけど、単純に、こういう事例があったと。「先生、ちょっとすみません。今日はそういう会議じゃないんですが・・・」と、そういうふうに見せてるのか、会議があって、直接会って、症例を出されて、そこで「議論して下さい」と、いうふうな場があるように聞こえないんだけど。あなたが、何かの機会に聞いてみたという話のように、ずーっと聞いていますよ。
【厚】何かの機会ってことはないですよ。
【交】でもね。きちんとした会議になってますか?なってないでしょう。
【厚】会議体というのは、そこはー・・・あのう・・・先生方のご都合とかもありますから。
【交】会議として、持ってないってことでしょう。
【厚】個別の症例等をお見せして、お送りして、その上で複数の専門家から意見を聞いています。
【交】送ってるんですか? 文章で。郵送なりで。
【厚】症例表とか・・・。
【交】それを聞くのは電話で聞くんですか?お会いして?
【厚】直接・・・FAXでもらったりとか。色々、電話で伺う時もあります。そんな感じです。
【交】議論する場にはなっていないわけだね。
【厚】医薬品はたくさんありますので。
【交】そりゃそうだね。これだけって話にはならんかもわからんね。他のものを含めてやることが必要になるだろうね。これ、頻度が高いからね。
【厚】使用上の注意の改訂が必要だということになれば、もちろんやりますけどね。
【交】けど、こういうことを無くそうというふうに思ってくれてれば、どうにかしてと、なんらかの動きがあるべきじゃないですか!それがないですよねー。
【厚】我々として、その・・・。
【交】厚労省は、何も動きが出来ないと言うんですか?
【厚】色々、問題が複雑になっちゃってるんですけど、個々の医師とか、医療機関の問題、要は、一般的にこういうことは注意しなくてはいけないと周知されている、その中で医師がそれを守らなかった、意図的かどうかは分からないですが、そういうものについて、我々の方から、どうこうという、少なくとも我々は、添付文書に必要な適正使用の情報提供をするってことですから、この前、伺ったのは産婦人科医会とかも事故の報告制度とか取り組むと伺いましたけど、そういう形の中で、学会などで、きちっとさしていただくというのが考えられることだと思いますけど。
【交】厚生科学研究なりに委託して、いままでの症例を全部、もう少し経過を含めた症例を集めて、それの問題点を出して、さらに付け加えるべき注意事項というものを付加すべきであるかないかということで、かなりの期間、まとまった症例、副作用なのか、事故なのかね。そこら辺あると思うんで、本当は、副作用って形で全部まとめて欲しくないっていうかね。さっきのようなのは、事故じゃないかと。分娩監視装置をつけていないで、こういうことになったってことは、これは、副作用じゃなくて事故じゃないかと。そういう区分けも必要じゃないかと。報告の時点でもね。それを含めて、精査する場というのが、どっかで作って欲しいなと。本当、そう思うんですよ。だから、ちょっとずつちょっとずつ変えてきてるけれども、依然として、そういう症例は変わらないわけですよね。
【厚】我々としては、むしろ一般的な使い方をした中で、きちっと添付文書に従って使った中で、どうしても出てくる、そういうことが全国的に把握していたものが出てくるという状況であれば、医薬品に付随した副作用として、何らかのそれを防ぐ手立てを考えるという形のアプローチになるんだと思うんですけど、いただいている症例は、(分娩監視装置が)付けてないという症例が多いものですから、そういう意味では、我々の方で・・・。
【交】ちゃんとやった上で、さらに出てくるなら考えるってことかねー。(笑)
【交】添付文書改訂するってことだよねー。
【厚】こちらの立場では・・・。
【交】立場ではねー。わかった。今日の議論はこれ以上やっても・・・。じゃあ、(3)だね。
【厚】(3)の症例ですけれども、前回2例あったと思うんですけど、心停止、呼吸停止というのは、これ、1例で心停止と呼吸停止の両方、副作用として上がっていた症例ということです。
【交】一人の方が、心停止、呼吸停止。はいはい。
【厚】この症例に関して言うと、内容的には、帝切後の弛緩出血に対して、ジノプロストを投与して呼吸不全と心停止来たしたけれども、回復したという症例でございます。実際、患者さんから直接製薬企業に情報が行った症例でして。
【交】これ、そうなんですか? 医師が言ったんじゃないんですか?
【厚】ええ。患者さんが医療機関とかを教えてもらえなかったので、それ以上の詳細や連絡先については教えてもらえなかったので、評価が困難というかですね・・・
【交】だけど、これ子宮筋に筋肉注射したと言ったんでしょう?
【厚】患者からの話だと、えー・・・。
【交】前回聞いたら、子宮筋に筋注したって言われましたよねー。
【厚】確かそうだったと。
【交】今のところ帝切後とか、分娩後の子宮に直接筋肉注射しても良いことになってるでしょう。一応ね。それの量的な問題が多分関係していて呼吸停止・心停止までいくような状態になると思うんですよー。だから、このような場合の被害を防ぐには、やっぱり添付文書の改訂が必要だと思いますよ。
【厚】ただ、これは、症例・・・どうしても証拠が・・・
【交】今日報告があったのも、そうでしょう。筋注してからでしょう。オキシトシンを筋注して、こうなったわけでしょう。アナフィラキシーショック。
【厚】どっちかというと、恐らく、アナフィラキシーに近いものなんじゃないかと。量的な問題ではなくて、むしろアレルギーとしてのものじゃないかと思いまして。そこは添付文書にも、そういう注意は書かせていただいておりますので、やはり、注意していただくことしか・・・。
【交】筋注した場合、けっこう心停止になるような状態は実際あるんですよね。
【厚】筋注だと心停止になるということですか。それは、静注でも・・・。
【交】量が多すぎて、静注ももちろんそうですよ。静注も筋注も一緒ですよ。結局。一気にばっと入ると。だから点滴でなくてね。
【厚】一回で・・・。
【交】ワンショットで一気に入ると、という意味ですよ。危険なということですよ。
【厚】そこは、アナフィラキシーに関して言うとですね。
【交】それは、本人の持つアレルギー・・・。前回、報告のあった方の場合は、アナフィラキシーじゃないんじゃないんですか?けど筋注をそもそも、今のところ認めてますよねー。量的な問題とかもきちんと精査しようという思いはないんですか?もしも、関係していたらとか・・・。
 これくらいの量なら良いんだろうけど、これを超えると危なくなると。心臓にまで影響がくるという話はないんですか?
【厚】もちろん、そこは、副作用の集積をする中で、そういう疑わしい新しい知見が出てくれば、もちろん対応すると思いますが、今のところそういうのが危ないという知見はないです。
【交】昔、筋注して陣痛誘発していた時代があったでしょう。あの頃は、相当ひどい事例はいっぱいあると思うんですよ。
【厚】そうですか。筋注していた。
【交】そうです。そうです。はい。筋注していましたから。
【厚】筋注の方が危ないという話はあったんですか!
【交】もちろん、だから禁止になったんじゃないですか!
【厚】禁止になったというのは・・・。
【交】禁忌になったわけじゃないですか。筋注するのが。子宮筋にではないですよ。子宮筋にしようと、どこにしようと筋注は筋注なわけですね。危険だから禁じられたわけですよね。それは、どうしてかというと、一気に入ってしまうと危ないってことですよー。
【厚】それは、静脈注射も一緒ですよね。
【交】もちろん、そうですよ。静注も禁忌でしょう。静注も筋注も禁忌で。
【厚】ワンショットが禁忌で、昔はワンショットでもやっていた・・・。
【交】そうです。
【厚】そこは、まさに陣痛促進剤の警告にも書いているように、個人の反応性というのは、もちろん違うのですから、少量からゆっくりということになるかと思います。
【交】なのに、子宮筋に筋肉注射をしても良いと未だに認められていることは問題があるのではないかということは、思っていますので医薬食品衛生審議会に、聞いてもらう必要はありますよ。
【厚】この事例は、あれですけど、そういうところは問題意識として我々の集積、あるいは寄せられる症例ですけど、筋注だから危ないとかいうことは、データを見る限りそういうことはないと。
【交】この方の事例についてはということですか?
【厚】この方のじゃなくて・・・。他の事例・・・。
【交】筋注だから・・・、危なくない・・・・。
【厚】筋注だから危ないとか、そういうことではないと。
【交】えっ。子宮筋ではなくて?
【厚】子宮筋の・・・。
【交】子宮筋の場合ですか?普通、子宮筋にするってことは、分娩後ですよねー。分娩後に、子宮筋にしても問題はないと、今のところ思われてる?
【厚】もちろん、我々も情報収集していますけど、今のところ危ないという認識はないですけど。
【交】これ、本当きっちりとしましょうねー。(笑)
【厚】問題意識は分かりましたので。我々も、そういった問題意識を持ってやりたいと思います。
【交】はい。お願いいたします。
【厚】(4)のところでございますけれども、前々から繰り返しになってしまうんですが、副作用報告についてはある医薬品によって起こりうる副作用について情報を収集し、その情報を医療現場にフィールドバックすることによって、医薬品の適正使用を確保するということを目的としておりますし、その目的を遂行するためには患者の現視下の状態ですとか、既往歴を含めて、医学・薬学的専門的見地から、薬物との因果関係が判断された症例について医薬関係者から報告いただくということで、より科学的な対応というのができるのではないかと考えておりまして、より多くの医薬関係者から報告をしていただくために我々としても医療機関等への周知徹底をさせていただいておりますし、実際、昨年7月から制度が始まって、報告数も増加しているというところでございます。また、報告をきちんとたくさんしてもらうために、例えば、電子的な報告制度の導入についても検討しているところでございまして、引き続き副作用報告制度の趣旨を理解していただくという啓蒙をしているところでございます。
【交】患者からは、結局報告制度は作らないということなんですね。インターネットを通してということであれば、医療機関側だけでなくて、患者さん方もいっぱいインターネットしてるわけですからねー。報告するというシステムが出来れば、すごく便利が良くていいんじゃないですか?
【厚】まず、医療機関報告というのは、薬事法を改正したばかりですので、我々としても、出来るだけ現場から直接もらいたいと訴えてきたわけで、そこのところは、いただきたいのが一つございます。それから、患者から自発的な情報を直接お電話いただくこともあり、このような場で、いただいている情報というのは貴重な場でありますので、医薬品総合機構というのは、今までも「消費者おくすり相談室」というのを引き続き実施して、広く一般にご助言承っているところですので、そういった情報について、副作用かもしれないという情報だと思っていますので、調査を促すとか、そういう形では活用させていただきたいと思っています。
【交】この副作用報告の様式というのは出来ているのですか?
【厚】医療機関のですか?
【交】そうです。どういう項目について、必ず書き込んでいただくのか。
【厚】合併症とか、既往暦とかですね。そういうことは書くところはあります。
【交】患者さん自身の状態を書く欄があるわけですね。一つの様式にはなってるってことね。これは、ネットの中に様式のものがあるんですか?
【厚】電子的なことに関しては、これから検討・・・予算のこともあるので。今、出来たということじゃないので。
【交】これから準備したいって言ってるんですね。
【厚】ええ。
【交】そういう様式で考えているって意味?今、すでに現実にそういう形でぺーパーでは出来てるってことなのね。
【厚】もちろんあります。
【交】同じスタイルでネットで送ってこられるようにして・・・。
【厚】具体的にどのようにするかも含めて、検討して・・・。
【交】インターネットでする場合には、患者さん側からもOKということにして、病院名をきちんと書いて、そうすれば調査に入り易いわけだから、病院名を書かない人については本当かどうか分からないと思うので、病院名をちゃんと書いて報告してもらうぶんには信頼して、それで調査するような形にすれば良いじゃあないですか。
【厚】あのー、我々としては先ほど申し上げたように、医学的薬学的な、専門的見地からの情報を得られるということが担保されるということが重要なので・・・・。
【交】それが、医師がちゃんと報告しないから私達が、って言ってるじゃないの。
【厚】一つは、患者さんのそういう話があるとしたら、我々もお願いしているのが、まず治療している医師に対して、副作用報告して下さいと言っていただけませんかと、アドバイスさせていただいておりますし、それで実際そういうことで、できれば医学的薬学的評価された情報を得られることで、的確に迅速に対応できるのではないかと思っていますので、もし患者さんから直接ということであれば、そこのところをどうやって担保していくか、実際そういう医療機関があったとしたら、企業が医療機関にきちんと情報を取りに行くとか、そう言ったことも含めて・・・・。
【交】こうやって法律が出来たんだったら、患者さんの方からそういう報告があれば、それに基づいて「実際こういう報告がきているがどうか」と逆にね。根拠が、報告しないといけないというふうになっているわけだから、患者さんからの報告があるのに、実際に医師からの報告がなかったとしたら、「(報告が)来てるけどどうなんだ」と逆に法律を根拠にしながら、調査じゃないけどできるようになっているんだよね。例えば、問い合わせるとかね。そういうことは、今まで何もないから、聞くことが出来にくかったわけでしょう?今度は、法律の根拠があることによって、患者さんからの情報だけであっても、聞くことは可能だよね。
【厚】ですから、それは、全部、患者からの報告を。
【交】どこでやるかという話はまた別なんだよ。別なんだけど、一つの法律の根拠が出来たということが、それはできる、つまり、どこの行政とは言わんが、行政サイドとして、問い合わせができる根拠ができたということなんだから、今直ちにとはいうつもりはないけども、いずれそういう流れにできるものを作ったんだと思うんだよね。単純に厚生労働省なりが「出して下さい」というだけのことでなくね。法律を制定したために、患者さんと行政と医療機関との間が、繋がる根拠が出来たと思うんですよ。そういう意味では、もうちょっとワンステップ上に上がれるんじゃないかなと。
【厚】そこは、実際に患者さんからのという場合に、どういう形で医薬品の評価のところをしていただくのかと・・・。
【交】それは、改めて問い合わせて情報を得ることによって評価できるわけじゃないの。
【厚】考え方は色々あると思うんですよ。受け取ったのをあまねく全て医療機関に返すというのはかなり数の問題というのも出てくるわけで、我々が直接いただいた時にお願いしているのは先ず、患者さんから主治医の先生にですね・・・。
【交】そんなことはねー。現実をあなた無視してそんなことを言ってるよ。医療の現場ってのは、そんなことを医者に対して非常に言いにくい状況なわけでしょう。だから、「報告して下さい」なんて患者の方から言えるわけないじゃないの。
【厚】ただ、もしですね、その患者さんからくる話が、中身的にはもしかしたら、医療ミスという話もあるかも知れない・・・。
【交】だから、聞けば良いんでしょう!分からないから。
【厚】それは、医政局の方でやっている支援センターの窓口が出来ているわけでして・・・。
【交】そんなの窓口なんて全然機能していない。全然違う。そういう為のものじゃないんだよ。単なる苦情のとこなんだよ。窓口は。ね。医療支援センターってのは、単なる苦情なんだよ。苦情の窓口を作ったに過ぎないんだよ。実際の被害にあったというような相談を受ける場じゃないんだよ。間違ったらいけないよ。
【厚】もちろんそうですけど。患者さんから苦情が我々にも来ることがあるわけなんですよ。
【交】苦情ってのは、薬がどうこうとか、医療被害じゃないとか言うよりももっと色んな、あの先生のこういう態度がどうこうとか、この病院は糖尿病なのに全然関係ない食事が出ているよとかね。もう少しスタンスが違う部分。もちろん医療被害のことも出てくるかも知れない。もともとそういう窓口じゃないんだよ。だから。
【厚】ですから、副作用の話と医療事故の話とミックスされているなという思いがしまして。
【交】患者さんの側は分からんからね。そこら辺のところは被害かと思うかも知らんし、副作用と思うかも知らんでしょう?それは、どっかで精査せんといかんでしょうね。
【厚】「この薬で副作用が出た」という話であれば、例えば、実際の先生と患者さんとの関係が捻れてるわけではないんで、そういう意味では・・・。
【交】それは、分からないよ。捻れてるかどうかは、ケース、ケースで色々だよ。
【交】お医者さんていうのはね。医療のプロという意識があるから、患者さんから「副作用じゃないんですか」と言われても素人が何を言ってるんだという意識があるから、取り入ってもらえないんですよう。分かってもらえますか?患者から、医者に「これおかしいんじゃないですか?副作用じゃないんですか?」といっても「何言ってるの。僕は副作用とは思ってないよ」と言ったらそこで終わりなんですよ。患者がおかしいと思っても。
【厚】今、現状やってるのは、そういう形でしていただいているという話が一つと、それから後、実際、患者さんからの報告制度というものを作るに当たって、そういう医学的・薬学的な評価が間にきちっと入ってくるような制度でやらないといけないんじゃないかと。
【交】じゃあ、これ永久に無理じゃないですか!患者からの制度なんて作れないってことですよね。今の言い方でしたら。
【交】だから、患者さんから受け付けるということと、それをどこでどういう形で受け止めて精査をどこでするということは別の問題でね。受け止めるのをどっかで作らないといかんのよ。
【厚】我々も患者さんにだけ返すのではなくて、この薬を飲んでこういう発疹が出たという話の時に、患者さんの同意を得て、医療機関に対して製薬企業が情報を取りに行くようにという話で、させていただいていますので。
【交】違うのよ。そういうルールがきちっと出来ているわけじゃないから患者さんからそういうのがあったら、「是非ここに報告すれば良いよ」となってるわけじゃないわけで、たまたまそういう人もいるって話だよね。
【交】そういうことを実際にしてるんであれば、そのようにするようなシステムを作れるわけでしょう!作ったら良いじゃないですか!作りましょう。
【厚】リソースの問題というのがどうしてもありますので。
【交】制度は作れないけど、電話が入って来た場合については、それなりに対応はしていると。
【厚】もちろんその辺はやらせていただいています。
【交】でも、それだけじゃいかんよねー。
【交】厚生労働省一人が全部請け負ってやらざるを得ないとか、あるいは機構なら機構に移したとしても、そこが全部やるって話である必要はないんで地方自治体の中に、その受け皿を作る場が必要なわけですよ、逆に言うとね。だから、最終的には機構に行くようにしても良いんだけども、その作り方がそういうつもりで作ろうとしていないんだよね。だから、地方の中でそういうことを訴えられる場が必要なわけですよ。今。そういうこと作ろうとしてないわけだよ。自分達のところだけでやろうと思えば、それは無理に決まってるわけでさー。そこをもう一つ考えないかんわけでしょう。それを全然考えてないと思うんだ!
【厚】副作用の報告をきちんと集めると言う観点では、先ずは、薬事法の改正で医療機関からの報告を法制化したというところで・・・。
【交】それは分かってるんだけどさー。
【厚】施行後、間もないですから・・・。
【交】我々の言わんとすること、分かるでしょう?言いたいことが何かというのは・・・。
【厚】例えば、(医療安全)支援センターは、もちろん解決機関ではないですけども、そういう場・・・。
【交】全くないから、あれは評価をしすぎね。評価を高く考えすぎだと思うね。まあ、そこら辺のところを是非作ってもらいたい。
【交】各都道府県に出来るだけ早くに作ろうということで、動いて下さいよ。
【厚】都道府県も都道府県で色々と、あのう・・・。
【交】都道府県の心配をしてあげなくて良いんですよ。それはね。
【厚】いやいや、そうじゃなくて。支援センターの話は最近ですから、その辺の状況を見る必要があるかなと思いますけれども、きちっと。
【交】ようやくそれはそれでも余り機能してなくても、とりあえず都道府県の中に一つ作ることにしたわけだから、それはないよりは、前進かも知れない。
【交】それと一緒にお受けするということでも構わないと思うんだけどね。
【交】今日はしょうがないな。
【交】先ほど、副作用情報の報告が増えてきたと仰いましたけど、大体で良いですが、どれくらい増えたのか・・・。
【厚】今年の1月に見たところでは、3割くらいでしょうか。
【交】普段はどれくらいですか?
【厚】えーっとー。年間5000件くらいだったですから。
【交】でも少ないですよねー。
【厚】今までも医療機関報告をお願いしてる中で、製薬企業に情報提供して上がって来てるというのが、年間2万5000件くらいですけど。
【交】その中で、重篤な副作用はどれくらいあるんですか?
【厚】報告の対象が、基本的には重篤なものと、未知の副作用の中で、軽微でない重篤なものということなんで、かなりのものが重篤なものということになると思います。
【交】5000件の内、機構に請求している人はどれくらいですか?
【厚】そういうデータは持ち合わせていません。
【交】うんっ。そういうのも大事なんだよね。本当はね。
【厚】ただ、送られてきた報告というのは個人が特定されないようになってますので・・・。
【交】だから、それは整合性が取れないという話ね。全然請求しないままでいるんだろうね・・・。
【厚】被害救済の方は、被害救済の方で広報活動は行っているので。
【交】医師がそもそもやってくれないからねー。こんなのがありますから請求するために診断書を書きますよと医師自らが言ってくれたというのは、僅かしか聞いたことがないんでねー。
【厚】医師に書いていただけない場合、機構の方から医療機関に連絡して。
【交】それは、いつからですか?
【厚】今年の4月1日からです。
【交】機構を改正したわけ?
【厚】独立法人になりましたので・・・。
【交】じゃあ、患者さんが資料を請求した段階でもう既にということになりますか?請求しますよねー。診断書の資料が入っている一式を請求しますよねー。送って下さいということで。その時にある程度の話をすることが多いと思うんですけど、こんな状態なんですけど・・・って。それに対して、患者さんが請求して、病院に診断書を持って行ったけれども、医師が「違う」とか、書かないということになった場合には、機構が電話してくれて、「どうですか?」と聞いてくれるわけですね。「書いて下さいよ」とも言えるし。
【交】どうしても書いてくれない場合はどうなるんですか?機構の方は、これはどうしても薬の副作用だと思うというような場合だけど、医師は違うと言い張って書いてくれない場合はどうなります?
【厚】難しいことですが、調査をすることが出来るので。
【交】どこまでどういうふうに調査するんですか?
【厚】あのー・・・。聞きとれず・・・・
【交】医師がその診断書を書いてくれない場合があるんですよね。
【交】はい、分かりました。(5)をお願いします。
【厚】医療安全支援センターとの関係の件でございますけれども、ご承知の通り医政局に確認したのですけれども、医療安全支援センターというのは、患者・家族・医療人・医療機関との信頼関係の構築の支援と患者サービスの向上を目的に医療に関する患者、家族等の苦情、心配や相談への迅速な対応ですとか、あるいは医療機関への情報提供等を行うために都道府県に設置されるものであるということなので、センターは中立的な立場から患者・家族・医療機関の信頼関係の構築を支援することとしているので、副作用等の相談を拒むものではないんですけども、医薬品等について個々に因果関係を究明し解決する機関ではなく、当該副作用等の相談に関する専用窓口というわけでもないので、副作用報告の窓口として広報する予定はないというふうに聞いております。センターの設置目的に照らして、相談事例を、通常業務として報告させるというようなものではないんですけれども、各センターで、副作用に関する情報、相談事例がたくさん集積されているということで、その取り扱いについて各センターから、本省に照会等があった場合には、相談に応じる場合もあるだろうというようなことです。いいですか?
【交】いやー。言葉が出ないよねー。先ほどの続きになりますよね。結局患者側からは、薬の副作用関係については、自らがどこかに言うと、必ずちゃんとやってくれるというところは、今のところどこもないということになってくるんですよねー。医師に言うしかないんですよねー。医師から上げてもらわないと、結局今は駄目ってことですよね。
【厚】その情報を端緒に製薬企業に我々が指導して、医療機関に行ってもらうと。
【交】・・・どうしたらいいんでしょう?電話した者については一応対応するんですよね。「うちは違いますから知りません」とは言いませんよね。
【厚】そういうことはないです。
【交】副作用被害対策室と、機構との関係というんですかね。機構で上がってきた副作用の内容が一つの事例として、そちらの方に上がるというシステムにはなっているんですか?
【厚】そこは副作用被害救済の支給された事例とか、うちの方でいただいて共有してそういった事例からも何か安全対策に必要な事例が出てくるかどうかということは、やっています。
【交】その反対はないんですかね。
【厚】反対?
【交】だから、企業とか医師の方から報告があった場合を医薬品機構の制度が使用出来そうなんで、こんなのがあるから、申請したらどうですかという形のものはないんですか?
【厚】申請したらどうですかということですか?
【交】はい。副作用被害救済機構の方に請求出来そうな事例の場合に、そういうのがあるからしたらどうですかと。
【厚】我々からですか?
【交】はいはい。
【厚】症例は、いずれも患者さんは特定できない形になっています。
【交】それはおかしいよねー。厚労省は知らなくても、製薬企業は医師に対して、医師から情報が入るのだから、結局バックすれば、医師に伝えれば良いわけだからね。だから、大丈夫なんじゃないですか?
【厚】製薬企業から医師に、医師から患者さんですか?
【交】医師が言えば、患者さんがその資料を取り寄せることが出来るでしょう!
【交】結局、お医者さんが言ってくれれば、すごく楽ちんなんですよ。
【厚】製薬企業が活動の中で、医師にやって下さいというのは、ちょっと・・・。
【交】救済の制度があるのを一般の方は知らないですよ。私も知ったのが大分遅かったんで・・・。
【厚】先日、新聞の一面広告に出したんですが・・・。
【交】知らない!全然見たことない。知らないということは、一気に全紙に出さないといけなということじゃないでしょうか?「市政だより」とかでは見ましたよ。
【交】自治体、例えば、保健所などの張り出しもされたということですか?
【厚】やったと思いますよ。ご存知ですかということで。
【交】あ、知ってる知ってる。「市政だより」で私はもう随分前に見ましたよ。それも私達が広報すべきじゃないかと随分前に言いましたよね。それで、そういうことをしてくれたと認識していますけどね。
【厚】市区町村に広報してお願いしています。
【交】けど、今回の新聞については全く見ないですよ。
【厚】かなり紙面に大きく載せたのですが・・・。お金も随分使ったのですが。
【交】もったいなかったね。(笑)もったいない。
【交】比較的アンテナの高い人たちで一人も知らないってのは・・・。
【交】病院に張り出してもらうんだったら、見てたかも知れない。
【交】病院にもあるんですよね。病院にも配ってるんでしょ?全部。病院が張ってるか、張ってないかの話ですよね。
【交】今仰ったのは、見開きで対談形式でしたか?
【厚】・・・是非見ていただきたかったですね。
【交】だから、少なくとも副作用ではないかという話を受けたら、それがさらに回り巡ってあなたのところに行くという流れにして欲しいねー。システムが欲しいねー。
【厚】医療機関には周知はしてるんですがね。
【交】と言うことは、医療機関が副作用だと認識した段階で製薬会社もしくは、厚労省に報告しますね。それと同時に患者さんにもそれを言えばいいわけだから、医師の方に患者さんにもこのような救済制度がありますから、言ってもらうように、広報してもらいたいですねー。
【厚】救済制度があるということは。
【交】はあー。でも、先生から「こういうふうなのがありますから、しましょう」とか、「して下さい」と言うのは殆ど聞いてないんですよ。
【交】逆に言ったら、医者がそういう届けをするんだと、新しい薬事法で決めたんだから、それの中に一体のものとして、患者にも請求が可能だということを言うようにすれば良いわけだよ。だって、患者さんに対して言えば良いんだから。
【交】素晴らしいよねー。
【交】片っぽだけ、報告するようになってるけど、同時に患者さんにも言うようにすれば良い「ここに請求すれば書類が届くよ」と言えばいいわけだから。そこんとこは、余り難しい話じゃあないけどね。こういう法律が出来た以上、そういうことは、可能ですかねー。患者さんにも言って下さいよということを。これは、通知というようなことではなく、お願いみたいなものだけど。副作用を届けるときには、同時に患者さんにも制度があるから、申請できますよということを、教えて上げてくださいと、いうことでいいよね。
【厚】医療機関への周知の方法のところで、何ができるかということで。
【交】そうですね。患者さんの方にも、制度があるからということを知らせていただければね。よろしくお願いいたしますね。簡単なことですよね。
【厚】請求するとき・・・・聞き取れず・・・
【交】それは書き方の問題じゃないですか。医師が、どういう時に請求できるかをちゃんと把握していれば、患者さんにもお話できるんですよ。副作用を報告したから、全て患者さんに言わなきゃいけないということではないと思うんですよね。請求についてはですよ、そこをうまくやって下さいよ。話が通じるように。
 そういう文書をお考えいただいて患者さんの方から請求できるような方法をとってもらいたいなと。お願いなんです。医者に対して、そういうことを言ってもらいたいんですよ。
【厚】医療機関の・・・
【交】あなたも分かんないねー。医療機関の話をしていないじゃないの。患者さんに対する話をしてんだよ、今。そういうことをやってるのか!じゃあ。
 薬事法に基いた報告義務があるんでしょう、片方で。その時に、機構の話をしなさいよと言ってるんだよ。言ってるのが分かってるのか!だから、文書を改めて出してくれれば、医師は「そういうようにしようか」と思うよ。全く別のものと考えているからね。患者さんに教えてあげるとか。全然頭にないよ。そういう前提に立って言ってんだよ。それを出すべきだと。
【交】内容は分かりますよね。
【厚】えー、えー。
【交】治療を要するような副作用や、死亡というような場合には、このような制度があるからということを、医師から患者さんに知らせてあげるような文章を何か作って下さいということですよ。医薬品機構というのがありますよというのを単に医師に知らせるのではなくてですよ。それは、患者さんがいて初めてそれがあるわけですからね。そういうことです。その文章をうまく作ってくださいと。
【交】全部が全部、副作用報告のものが機構の対象にはならないと思うんですよ。その中には対象になるものもあるから、問い合わせて手続きがとれますよと。そういう制度があるよと。薬事法に絡めて言う通知を出せと言ってるわけだよ。お願い文を出してくれと。
【厚】・・・・意味不明のことを言ってる・・・・・
【交】医師だったら請求できるかどうか、分かるでしょう!申請することができるということは、どういうことかというと、治療が必要になったということで医師が、判断した場合ですよね。診断書を書くのはまず医師ですからね。そこで、資料を請求するのは患者なんだから、患者さんに、ここに電話して資料を請求して下さいと言えば、それで終わるんですよ。患者さんに言ってもらうということが新しいだけなんですよ。
【交】一体になってるところがミソなんだよ。バラバラに個別にやってると駄目なんだと言ってるわけだよ。お願いしますよ。
【厚】(6)、前回、「分娩監視装置を用いて十分な監視を行い異常の早期発見に努める」という文言でどうかという提案をいただいたところです。我々の方で専門家の意見を伺ったんですけれども、分娩監視装置というのは当然異常の早期発見を目的に使用されるものでありますので、現在、添付文書で「分娩監視装置を用いて胎児の心音、子宮収縮の状態を十分に監視すること」と記載されていることからすれば、それを添付文書に教科書的なことを書く意義は認められないというか、実際以前にも議論はあったと思うんですけれども、添付文書が教科書的な内容の記載を書こうとすると非常に失礼になるというか、添付文書の書き方としては現在の表現で言い尽くせているのではないかというご意見でございまして、堂々巡りの状況なんで、考えられる方向性としては2つあろうかと思いまして、1つは以前にもお話させていただいたことがあると思いますが、添付文書そのものではなくてですね、企業が先生方にお配りする注意喚起の文章等の媒体を利用して、そういう提案の趣旨も含めて適正使用情報を提供していくという考え方が1つと、2つ目としては、実際動いているんですけれども、日本産婦人科学会と日本産婦人科医会に対して、「陣痛促進剤使用の使用に関するガイドライン」のようなものを作成していただけないかと。それで、会員に対して陣痛促進剤の適正使用を促すということが有益ではないのかと思っていまして、実際ご指摘の「分娩監視装置を連続的に使用する」というところは添付文書上の問題というよりは、むしろ、ずっと申し上げているように、医療のプラクティスというか、医師の医療の話に近いものでもありますので、使用ガイドラインを作成するようなことが非常に有益ではないかということで話し合いを進めているところでございます。
【交】それはすごい有益ですよね。有益ではあるんだけど、やっぱり添付文書も一番元のものなので、添付文書は、「連続監視をする必要があるんだ」ということを書いていないということは、やっぱり問題はあるんですよね。5例の中には、単に分娩監視装置を使っていなかった事例ばかりではなくて、使っていたけれども、飛び飛びとかね。そんな状況であるわけだから、だからという意味で、連続監視がされていないから、必要なんだと言ってるのだから、それはやっぱり直ぐに改訂したらいいじゃないですか。
【厚】「連続的」なところが、議論が滞ってますけど・・・。
【交】だから、大事だと言ってるんだから、大事なのよ。本当に。もうー。
【厚】実際、患者の希望で外すということもあるでしょうし、食事だとか・・・。
【交】そんなの信じられない話。患者の希望で「はいはいわかりました」と外すのが、おかしいんですよ、安全性、危険性をちゃんと考えて話をすれば・・・。
【厚】あとは、食事やトイレに行く時とか。
【交】食事をしてても構わないじゃないですか。
【厚】添付文書に文字だけ書くと、それだけが一人歩きしちゃうっていうか、そういう危険性があるんですよ。やっぱり。
【交】ないよ!全然ない。
【厚】だから、「原則として」ということでどうかというふうに思ったんですけど、医師にとっては、むしろ後退のようにも見えるという話にもなってしまって・・・。
【交】基本的な文章なんでね。やっぱり、どこが大事なのかという認識をもし持っていたら、連続に監視するのが重要だと思うわけでしょう! だから、食事の時は判断で勝手にやってもらっていいよ。もしその間に何かあっても知らないけどね。「連続監視しなさい」と書いてあるのにね。数十分外していて、その間に何かあったらそれは医師の責任ということになるんだけども、重要なのは「連続に監視する」ってのが重要なんですよ。
【厚】ですから、我々、添付文書は本剤だけではなくて、添付文書の注意喚起の仕方というもので、一定の考え方というか、こういう場合にはこう記載するということでやらせていただいている中で、現行の「使用上の注意」の書き方というのは、これで注意としては十分言い尽くせていると考えているんです。ただ、その中でいろいろなやり取りの中で、「盛り込めないか」という話でやってきたことだと思うんですが、添付文書の中にというのは専門家の先生方の中では奇異に感じるという話があるんで、ガイドラインというところや、企業からの情報提供する中で趣旨も盛り込むということで考えるしかないのかなあと思います。
【交】教えていただきたいんですが、学会と医会の方と相談されているそうなんですけど、両方の統一的なガイドラインと考えているんですか?それぞれ、ガイドラインをなんですか?
【厚】合同で作っていただければいいなということで、両方にお願いしようと思っています。
【交】まだしてないの?
【厚】今、話をしておりまして、感触としては作っていただけそうな感じではあります。
【交】ガイドラインで連続監視することが必要だという文章が入れば、当然、添付文書はその後、後追いで連続監視ということを書かざるを得なくなりますよね。
【厚】ガイドラインがどういう形になるかによりますけど、その中に添付文書に書かれてなく、さらに踏み込んだ注意がガイドラインに書いてあるということであれば、添付文書との不整合が生じるものであればそこ「連続監視」のことに限らず、調整することになると思います。
【交】そうなったら格好悪いよねー。添付文書に、こちらが何年もあけて「連続監視」「連続監視」言ってるのに、「駄目、駄目」言って書かなくって、ガイドラインが・・・。
【厚】ガイドラインのものを全部書こうと思ったら、添付文書がガイドラインになっちゃうんで、そこはもしかしたら、ガイドライン作成の中で新たな現場の先生方から見ると、こういう注意喚起が必要なんじゃないかという話があるとすれば、まさに添付文書改訂の話で、我々も受けることがあるかも知れないですし、実際にやってみないと。
【交】「陣痛促進剤使用の使用に関するガイドライン」ですか?
【厚】そういう形お願いできないかなーと思っています。
【交】ガイドラインというのは、全産婦人科医師の手元に入ると思っていいんですか?薬剤だったら、添付文書は入っているから、使う医師は皆持ってるわけですよね。
【厚】皆っていうか、難しいことですが、医療機関にはあるんですけど・・・。
【交】そういうこと。そういうこと。医療機関の薬の中に入っているかってことですよ。
【交】だから、目を通すことは出来るけど、このガイドラインというのは、日本産婦人科医会とかに入っていないと、もらえないんじゃないかと思ったりするんですよ。皆に共通してその情報が伝達できるのかということが、問題じゃないかと思ってるんです。
 「連続監視」というたった4つの文字を入れるだけでどうして・・・。
【厚】ガイドラインは、「連続監視」のことだけで作るわけじゃないです。全体としてきちっとして。
【交】添付文書に入れてくれたら良いじゃないですか!
【厚】冒頭に申し上げたように、個々の医師、医療機関の問題がなかなか出来ていないような中で、1つは、産婦人科医会の事故報告制度をやると聞いていますし、さらにこのガイドラインにも取り組んでいただけるのであれば、事故というか副作用というか、こういう事例を減らすのには貢献するのではないかというふうに考えています。
【交】ガイドラインは、内容的にはこれからあるんでしょうけど、どちらかというと、より突っ込んだ使い方ですとか、あるいは量だとか時間だとか、細かいことまで、添付文書を越えて書くようなことはあるんですか?
【厚】量とかは、添付文書を越えることはないと思いますけれども、実際どういう形になるかは産婦人科学会、医会がどういうように作るかですね。
【交】まあ、ガイドライン的なものは今既にあるんですよ。「分娩誘発法」ということで。
【厚】あれもそのー。
【交】あれは古いよ。もう、10年くらいたっていますのでね。
【厚】その後、添付文書も変わって来てるわけなんで。ガイドライン作るということで、周知するということはあるんだと思うんですけど。
【交】添付文書に書くのはどうしても嫌だから、こちらの力を借りようと。
【厚】そこは、色々不都合が生じるところがあるんで。
【交】そこはよく分からないよねー。これがちゃんと書かれていないから、いい加減に着けたり外したりするんだからさー。
【厚】書かれてたらやるかと言ったらそれは別なんじゃないですかね・・・。
【交】書かれてたらやっぱりやらないといけないと思うじゃないですか。連続監視することと言えばね。
【厚】「十分に監視する」と言えば添付文書の表現としては、通常のことで・・・。
【交】自分が十分に監視したと言えば、そう言えるんだけど、「連続監視すること」という場合には、連続的にしていないといけないという意味では、逃げ道はないんですよ。
【厚】まあ、逃げ道・・・・。
【交】だから連続監視しなければ、十分じゃないんだけどね。要するに、連続という言葉がついていないだけで、本当の意味での十分な監視が出来ない医師が多いんですよー。だから、「連続監視」という言葉が必要だと言ってるんですよ。分かってくれないよねー。
【厚】着けてない事例がありますよねー。それは、十分な監視が出来ていないってことですね。
【交】じゃあ、その医師に「連続監視すること」と、もし添付文書に書いていたら、分娩監視装置をずっと着けていましたか?」と聞いてみましょうか?添付文書に書いていなかったから自分はそういうふうにしたと言えば厚労省の責任にもなるじゃないですか。
【厚】(笑)
【交】これほど私達が言ってるのに。「後から監視装置を着けようと思った」と言われるかも知れませんよ。十分な監視をするということで・・・。連続監視と入れておけば、最初から着けようと思うじゃないですか。その考え方の思いを共通するために、「連続監視」という考え方になるわけで、十分な監視という意味は、医者によって全然捉え方が違うんですよ。慎重なお医者さんだったら「十分な監視」だったら、連続的に着けようかと思うけれども、そうでないお医者さんだったら、10分とか15分とか着けただけで、もういい、十分な監視したからもう取っちゃえってことになりますよ。
【交】あるんですよ。本当に。錠剤だからということで、その時だけドップラーでちょっとみて、それで終わりってことがよくあることなんですよ。
【厚】そこは、個々の医師のプラクティスのところの話になるんで・・・。
【交】だから「連続監視」という文章がついていたら違うと。
【厚】添付文書は医薬品を使う時の適正使用の話なんで・・・。
【交】そうですよ。そうじゃないですか!
【厚】実際プラクティスのところの話は、学会とか医会というところで取り組むべき話なんで・・・。
【交】日本産婦人科医会は連続的に着けることを推奨してるわけですよ。「連続」っていう文章は入ってないけれど、常時必要だということは、もう大昔から言ってますよ。なのに何で反対してるんですか?医会が反対してるんじゃなくて、審議会の人が反対してるんだよねー?
【厚】審議会の人っていうか、医会も含めた産婦人科の先生が何人かいらっしゃいますから。
【交】その何人かの意見であって、統一した意見じゃないわけでしょう!
【厚】統一したというか、我々が産婦人科の領域での一線の先生方ですので、当然、3人だから、5人だからどうこうという話ではないと思いますけど・・・。
【交】けど、その先生達は現状をよく知らないんじゃないんですか?
【厚】そんなことないです。
【交】その先生達は、ちゃんと使ってるからそのように言ってるんじゃないですか?この文章で十分大丈夫と思ってるんじゃないですか?現場は、本当にいい加減なんですよ。この現状を知らないからその文章で十分足りてると思っていると思うんですよー。
【厚】ただ、添付文書の書き方としては、「用いる」ということと、「十分に監視する」ということと書いてあるんで、それも通常のきちんとした書き方ですから。
【交】それで事故がずーっと続いているんですよ。まだ。
【厚】そこは、個々の医師とか、医療機関とか、一部ですよね。
【交】その一部をなくさないといけないじゃないですか!
【厚】普通の一般的な医師が使うに当たって注意しなきゃいけないということで、書いてあるんで、一部意図的にそれを理解してなくて、あるいは無視して、あえて意図的に使っているような医師のところまでの書くって話じゃないんで・・・。
【交】意図的じゃないかもしれないですよ。本当に数分間で、自分は十分な監視をしていたと思うかも知れないじゃないですか!だから、そういうのをなくしたいんですよ。
【厚】そういうのは、どっちかというと、医師個人の話ってのもあるし、そういう意味では、学会とかの方からの周知の方がいいと思うんです。
【交】学会出れば良いですけど、出なかったら・・・
【交】死ななくてもよい命が奪われているんですよ。現場を知らないからでしょう!こっちは現場を知ってるんですよ。だから訴えてるんですよ。
【厚】個々の事例で、そういうことが起きたことについては、不幸なことだと思います。
【交】インタビューフォームで現在のあの文章は連続的に監視することですよということを書きましょうと言ってたのに、書きもしないで今またそういう話でしょう!結局は。添付文書には書かれていないけれど、その内容というのは、連続的に監視することなんだということが分かるような文章を書くか、もう一つは、医会の方にということだったでしょう。この他の文章で周知するようにというか、その内容が分かるようにと、ずっと前から言っていたのに実現」してなかったわけですよう。それで、何で今こういうふうに・・・。
【厚】堂々巡りにきている中で、医会のガイドラインの話とかも出てきていますので、状況は、以前インタビューフォームに書くという話をした時は、インタビューフォーム自体は添付文書の解説書という形になってしまうので、そうするとなかなか踏み込んだ内容まで書くのは難しいという企業の意見もあったりしたんですが・・・。
【交】それは、企業の反対があったから書けなかったのですか?今、初めて知ったんですけど。
【厚】そういうことで、難しい問題もあるという話はさせていただいたと思いますけど・・・。
【交】えーっ。じゃあまー。今までは今までで、今回はこのような形で・・・はい。
【厚】できるかどうかということも含めて企業にも言って見たいと思いますし、後は、産婦人科医会のガイドラインの方でやってみたいと思います。
【交】今はお願いしているところなんですね。
【厚】協議を進めてるところなんです。
【交】何回くらい話し合われたんですか?この件で。何回もですか?
【厚】数回会ってる・・・。
【交】出来たら、ガイドラインができる前に教えていただけると・・・。私達が入るとかねー。医会のどなたと話をしてるんですか?
【厚】医会の○○先生と話しています。
【交】はい、はい。分かりました。
【交】企業の方については、話を進めているんですか?
【厚】まだです。話を再度して見たいと思いますが。
【交】もし、そっちの方向で行くのが可能であれば、出来れば同時に出た方が効果としては、さきほど仰ったみたいに一方では通じるけど、一方では通じないということではあれでしょうから、企業からも行き、ガイドラインも出るというふうになれば、比較的いい形になるのではないかと思いますので、是非こういった形で。
【交】そうですね。
【厚】ガイドラインは学会と医会の方で、お作りになるということなので、うちの方でどうこういう話ではないので・・・。こういった事例というのは、もちろん先生はご存知なので、そういう中でお作りになるということです。
【交】添付文書との整合性の問題も出てくるので、外に出す前にそれなりに整合性をとってやらないとまずいですね。
【厚】まあまあ、そうですね。
【交】助言とかは出来る立場にはあるんでしょう!
【厚】助言というか・・・。(笑)
【交】「こういうことは重要なんで」とかね。一言言うとかね。
【厚】こういったやり取りの話については、させていただいていますので。
【交】いつ頃までにお願いしているのですか?
【厚】正式なお願いという形ではまだやってませんので、「こういう形で作るのはどうですか?」と話を進めているところです。
【交】正式な依頼はまだなんですか?「出来ないか」ということを打診している?
【厚】打診して、感触として作ってくれそうな感じです。
【交】はい。(7)。
【厚】帝切既往者に関して以前、禁忌と出来ない理由といいますか、突発性血小板減少症、凝固因子異常の話とか、白血病等血液疾患がある場合というようなことで、禁忌とは書けないとお話させていただいたと思うんですが、前回、添付文書に慎重に投与するため具体的に書いてないじゃないかとのご指摘があったと思います。我々としては、帝切既往者に対する注意喚起としては、現行の添付文書の警告欄で、まず「特に子宮破裂等は、帝王切開や子宮切開術の既往歴のある患者等で起こりやすく、投与に当たっては、患者及び胎児の状態を十分観察して、本剤の有益性、及び危険性を考慮した上で、慎重に適応を判断すること」と書かせていただいて、安易な投与がなされないように、注意喚起してるのに加えて、用法・用量、それに関連する注意として「点滴速度を1〜2ミリ単位から開始して、陣痛発来状況および胎児心拍等を観察しながら適宜増量する」と、「点滴速度を上げる場合には、40分以上経過観察した上で上げる」とさせていただいているところでございまして。
【交】これは、一般の場合でしょう?
【厚】一般と言ってもですね、要は、慎重投与の場合に普通の錠剤のような「普通に服用します」という場合で、「慎重投与っていうのは、どうするんですか?」という話になればですね、通常用量の半量からというような話もあったりしてもいいですけど。
【交】もちろんあるんですよ。その話は、前にしましたよ。はい。
【厚】これについては、もうはじめから本当に少量から開始するという用法・用量になってて、それをやりながら観察をして行くということしかないんだと思うんですよ。実際、用法・用量については、有効性の観点というのもどうしても必要なので、一律に半量から始めれば良いとか、投与速度を半分にすれば良いとかいう話は、科学的な根拠に基づかないものですから、そこはもう現行の用法・用量と使用上の注意をですね、守っていただくということしかないということしかないんじゃないかと思います。
【交】じゃあ、「慎重に」という文章は、どうして入ったのですか?一般と一緒じゃないですか!今言ったことは。帝切既往者だからどうこうということで、特別に慎重にどうこうするって文章はどこにもないってことでしょう!
【厚】慎重投与のそれは今言った、一般的な言い方としては、「次の患者には、母体・胎児の全身状態、子宮収縮の観察を十分に行い、慎重な投与をすること」とは書かせていただいていまして用法・用量自体が慎重にやることになってるんで、そこは、その・・・。
【交】けど、それは一般の方もそうだってことでしょう?
【厚】一般でもそうだし、リスクが高くなると書かせていただいているわけなんで。
【交】それはおかしいじゃないですか。それは、リスクが高くなることは当然分かってるじゃないですか!傷があるんだからね。
【厚】ええ。
【交】だからね。あえても使ってもいいと言ってる限りは、量的な問題とか特別に限定するという何かがないとやっぱり安易に使うんですよ。
【厚】安易に、適応・・・。
【交】で、子宮破裂になった事例、前回出したでしょう?
【厚】安易な投与がなされないように、子宮破裂は危ないんですよというふうに、リスクとベネフィクトを考慮しなさいよと書いてるわけですよね。
【交】だから、その内容がないと言ってんの。
【厚】リスクが高くなることは添付文書でお伝えしていて、後は、個々の患者さんの状態を見て医師が判断するって話じゃないですか。
【交】だから、用法・用量は結局変わってないでしょう?
【厚】科学的根拠を持って半量からってことは言えないんで。
【交】言えないかどうかは、言えるかもしれないですよ。
【厚】それ、我々きちんと有効性、安全性が確認されたものを薬事法上承認していますから。
【交】えっ。帝切既往者に対してもですか?確認してるんですか?
【厚】その、実際の申請データの中にですね。用法・用量を定めるに当たっては、そういうことです。
【交】帝切既往者についても、そういうふうな治験をしてるんですか?してないんでしょう?
【厚】治験の中では入ってるかどうか分からないんですけど、ただ、今までの副作用報告の事例の中で一番重要なのは、「用法・用量・使用上の注意」等をきちんと守っていただくということがやっぱり重要だということなんだと思うんですけど。
【交】変わってないよ、これ。
【厚】ご理解いただきたいのは、さきほど言いましたように、錠剤を半分から開始するとか、そういう話であればまさに色々やれるんですけど、用法自体が本当に慎重にやるようになってるもんですから。
【交】本来は、疾病限定でやるかどうかってことになっちゃうってことでしょう?どうポジションを変えたって同じようなことになるよ。
【交】結局は、使い方は同じってことになるんですよ。それで、「慎重」という言葉が入っているだけで、どういうふうにするのが慎重かということが一切ないよ。
【厚】「慎重に投与」ということで、注意しなければいけない関連文ということで列記してるわけなんで。
【交】特別に監視をどうこうしなさいとかね。お腹に手を当てて子宮の収縮状態を分娩監視装置と比べながら見るということもないわけでしょう!あれがあれば、また全然違いますよ。
【交】ガイドラインに入れてもらったら?
【交】そうね。入れないといかんねー本当。「慎重投与」という言葉だけ書いていても、内容が慎重投与とは何をどうするのか分からないしね。だから子宮破裂、どんどん起こしてますよ。
【厚】だから、そこは実際にきちんと注意をして、用法・用量に従ってちゃんとやってたのかどうかという話もありますし。やってても・・・。
【交】もちろん。そこは、どうかわからないよ。
【厚】どういう状況で使ったのか・・・。
【交】先ほどのガイドラインの話の中には、帝切既往者のことについて、これから話がありますよという情報提供くらいはしてあるんですか?
【厚】それは、やり取りについては、お話してると思いますけど。
【交】そういうことも関係あると思いますね。
【厚】具体的に慎重にやるということは、本当に、薬剤の特殊性、個人差があるということで、ゆっくりとやると書かせていただいてるんですけど、これはまさにこれほど丁寧に書いているのはむしろ少ないわけなんで、これ以上に具体的にという話が出てくる・・・ただ、一律に禁忌にするというのは、まさに帝切する出血性の疾患とかある人の帝切するリスクと。
【交】そんな人がそもそも妊娠することは普通ないんだけどねー。出産までいくなんてね。
絶対ないとは言えないけれど。
【厚】出産した・・・その後、突発性の白血病とかそういうのがあるんで・・・。そこは禁忌と書くと絶対になっちゃうんで、逆に不利益を被るんで。
【交】そういう条件の人しか帝切は出来ないよというふうにするしか出来ないよなー。
【交】帝切でなくて、「陣痛促進剤を使えないよ」とね。はい。だけど、どうして禁忌に出来ないかという理由がころころ、ころころ変わったでしょう!最終的には、今は白血病とか血小板減少症の人とかいう感じのことが、ちょっと前に初めて出てきたのね。陣痛の誘発と、促進ということで、促進で後ちょっと使ったら、うまく分娩が経膣できるのに使えないというのは、困るからということをずっと言い続けてきてたわけですよ。今は、それも一応あるけど、誘発についてはどうなるのってことになるからね。
【厚】それは前回お話しましたように、腹筋と陣痛の区別がつきにくいというところも患者さんによっては、医学的な観点から見て、誘発と促進を明確に区別することができないんで、書くというのは・・・。
【交】それも専門的でないような話なんで、ガイドラインにちゃんと書いてもらうということで、分かりました。じゃあ、(8)。
【厚】最初、確認・・・。今回お示ししていただいている1例は、以前いただいた症例では・・・。
【交】以前、副作用報告という形で出したんですが、違うということだったんじゃないですか?多分。
【厚】もう1例は新しいんですか?
【交】2つとも事例としては・・・・。
【厚】もう1例は確認できなかったので・・・。
【交】そうですか!そしたら、もしかしたら出してないのかなー。今、正確には分かりません。
【厚】そちらの1例がもし新しいのでしたら製薬企業に行ってもらって・・・。
【交】全部調べてもらってもし入ってないということでしたら、はい。
【厚】それで、陣痛促進剤と脳出血の関連について述べますとですね、一般の妊産婦における脳出血の発生頻度というのが、10万人当たり約1例という報告がございまして、企業が推定使用患者数から算出した陣痛促進剤使用時の脳出血の頻度から比較からして、促進剤使うと脳出血の発生頻度が高くなるということはないんじゃないかと言っています。
【交】企業が言ってるんですね。
【厚】はい。また、血圧上昇については、薬理学的には否定出来ないんですけども、実際に臨床用量で問題となるような血圧上昇が発生するかどうか、それほどの血圧上昇のメカニズムの強さがあるかというと、そこは考えにくいんだと思っていまして、また、その一般的には分娩時には血圧が上昇するということから考えると、医薬品との因果関係を評価するってのはなかなか難しいのではないかと思っております。現行の添付文章の血圧上昇の記載があるのは、因果関係が不明なものもあったかもしれませんが、事実として血圧上昇したという症例が過去に発生していて、それで、記載しているんですけども、今までの血圧上昇の事例を見ても内容的に脳出血の関連を疑わせるほどの著しい血圧の上昇とかそういった重篤なものはないと承知しておりまして・・・。
【交】今までにはですね。はい。
【厚】現時点で血圧測定の必要性を添付文書に記載する科学的根拠は乏しいのではないかと思います。ただ、今回ご指摘ありましたので引き続き、血圧上昇とか、出血等の副作用については情報収集していきたいと思うんですけど。
【交】じゃあ、今回の件のこのYさんの血圧が190(mmHg)と、かなり上ってるんですよー。これも、ひどい陣痛ががんがんきてるからということもあるとは思うんですけど、血圧をこのように測っていて、結局脳出血起こして、原因となるものが本人の脳の血管がどうこうなってるということは全く見られないんですよね。それは、どう考えられるんですか?
【厚】そこは、患者さんのリスクファクターというものは、あまりなさそうだという感じですよね。
【交】そうなんですよね。
【厚そこらは、よく分からないんですけど、薬剤によるものかどうかというところ、我々の判断としては副作用報告を集めていく中で、そういう事例がかなり多くなって来てる、例えば、一番いいのは、陣痛促進剤を使用した群と使用してない群で、客観的に差が出たという話がでたら、因果関係が強いんで、そういう場合には、もちろん記載させていただくんですけれども、現時点で科学的な根拠を持って血圧測定を書くには、根拠としては乏しいと思います。
【交】他にも東京で三楽病院のがあったでしょう!もう、前からもう何度も言ってる話なんですけど、和解か勝訴のがあったと思うんですよ!9000万くらいだったかな。2年くらい前の春くらいかなー。新聞報道でもあったですよ。
【厚】具体的な症例じゃなくて、新聞報道の話ですか?
【交】ええ。判決文か何か入手することは可能なんですけどね。その中で、鑑定で血圧測定をすべきだったと書いているんですよ。薬の副作用として、そういうものがあるんだから、血圧測定をすべきだったということですよ。脳出血になって半身不随状態の方なんですね。この2人も本人に影響することがあってということではなくて、脳出血を起こしてるのですし他にもT産院(国立)というところで、出産して脳出血起こして、歩行が困難なという方からも連絡が入っています。やっぱり、血圧の上昇によって脳出血起こすということは分かっているわけでしょう?
【厚】ただ、血圧がもし脳出血に至るんだとすれば、血圧上昇が起きたけれども結果的に脳出血には至らなかったという症例も当然あるはずなんだと思うんですけれども、血圧上昇の症例も今回見させていただいたんですけれども、著しく上がっているというのはないんですねー。過去の副作用報告の症例ですね。
【交】上がってきてないんじゃないでしょうかね?
【厚】それは・・・。
【交】一般の出産でも血圧上昇することがあるということで、原因が分からないということにされて、上げられてないかも知れないから、今の脳出血になってしまったという出産が報告されているということを産婦人科学会なり、医会なりに伝えて、そういうことがあったら報告して下さいというふうにすれば、どんどん上がってくるかも知れないです。原因が不明というふうにされてるかもしれないです。
【厚】今回新しい1例が増えましたので、また調査をさせていただきますし、後、産婦人科の先生にも、そういう申し出があるかどうかも含めて確認したいと思いますけれども、
【交】血圧測定は、これは、お産の現場で薬を使用するかしないかは、別問題としても、血圧は上がり易い状況にあるんだから、なお一層血圧上昇が考えられるわけですから、血圧を定期的に測定することを書くことは、何ら害はないんじゃないですか?
【厚】そうすると、薬剤、お産をやる場合の注意という話になってしまいますねー。
【交】お産の注意ではないですよ。陣痛促進剤を使った場合のことなんですからね。
【厚】それを書く場合には、色んな検査をする必要性等についても、因果関係をある程度評価した上でないと、通過できないんで、情報収集させていただきたいと思います。
【交】今のところ、この2例だけでは不十分だということですね。だけど、血圧がこんなにまで上がって脳出血起こしたということは何が原因なんですか?
【厚】よく、分からないです。
【交】分からないで、話が終わる問題じゃないですよ。
【厚】「終わる」つもりはないですけれども、ただ我々が添付文書の改訂をする時には、そういった副作用の集積状況、因果関係の程度、薬理学的なメカニズムを考えた上で、実際のある程度の確立で起こりうるということをきちっと判断した上でないと、1例報告がある度に全部副作用書くのかということになってしまうので、今回、また新たな1例、これはまだ調査に行きますので、製薬企業に行かせますし、また専門家の方にも報告させていただきます。
【交】血圧測定、Hさんの場合には全然していないんですよう。血圧が普通の出産においても、一般人よりも上昇するからということで、定期的に測定する病院と、そんなこと全く考えもしていなくて、全くしない病院とにはっきりとわかれると思います。だから、測定すべきかどうなのかということになるんじゃないですかね。これは、産婦人科医に聞くよりも、例えば、脳外科医とか、薬の専門家に聞く方が話は、きちんとした話が聞けるかもしれないですよ。
【厚】ただ、薬理学的な感じで、強さでいくと、臨床上では恐らく、それほど強い血圧上昇作用はないと思いますよ。それは、もちろん実際に使っている臨床用量で、どの程度体内で作用するのかといったところからすると、あまり・・・・。
【交】200(mmHg)以上まで上がっているからねー。190台というのもありますし、170台というのも普通じゃないでしょう?陣痛促進剤を使用しだして急激に上がってるんです。一気に30以上ね。だから使い始めて40分で平常時と30以上違うわけですよ。これ最初の40分の状態ですからね。陣痛がそんなに強いとは考えられないから、陣痛が強くってものすごく上がったというのは、違うと思うんですよね。それが段々もっともっと上がってますよねー。そういうことを考えれば、やっぱり陣痛促進剤の量的な問題と、本人の子宮の収縮の強烈さが加味されて、ということになると思うんですけどね。これ、専門家にきちんと聞いて、1例でも実際こういうことがあるんであれば、血圧測定が必要だということになれば、血圧測定をしなさいというとは、書けると思うんでね。1例だから、問題はないということではないよね。
【厚】もちろんそうです。極端な例で言えば、ある薬剤を投与して副作用が出て、やめたら直って、もう1回投与したらやっぱり出たということは因果関係が疑われるわけなんで、どの程度因果関係が疑われるのかも含めて、検討します。先ほどの10万人に1人くらいという企業の今までの集積情報、血圧上昇の事例ですよね。見た中で、それほど上がったのがあるわけでないという中で、薬との関係を疑うということは現時点では・・・。
【交】まあ、専門家に検討してもらうということで。
【厚】情報収集します。


2.産科看護師問題

 前回の交渉で、助産師以外の者が助産行為をしている旨の投稿が、インターネット「掲示板」にあると話しました。資料として、添付しますので参考にして下さい。この問題について以下質問します。
(1) 平成14年度の産科看護研修学院に入学し、終了した者及び、平成15年 度 の入学者の資格の内  訳と人数を調査し、明らかにせよ。
(2) 産科看護研修学院を終了した者の就労状況調査について、日本産婦人科医会と今後も継続して話し合うと伺っている。開業産婦人科に勤務している助産師以外の全ての看護職員の就労実態調査を実施するよう提案した件は伝えていただけたか。それによって、新たな動きがあれば報告いただきたい。


【交】はい。お願いいたします。
【厚】平成14年度の産科看護研修学院の入学者と、終了した者と、平成15年 度 の入学者の資格の内訳と人数ということで、平成14年度に関しましては、入学者が267名。終了者が看護師が76名。准看護師が189名、合計が265名で、入学していて終了していない者が看護師と准看護師が1名ずつです。平成15年度に関しましては、入学者139名、終了者、看護師49名、准看護師が90名で、合計で139名です。
【交】、平成14年度の2名については?
【厚】詳細は聞いておりませんが、途中でおやめになったのではないかと。(
【交】分かりました。
【厚】(2)の、産科看護研修学院を終了した者の就労調査についての件ですが、昨年8月に産婦人科医会にお伝えした時の回答を12月にしているわけですが、どこに勤務しているか把握が困難であるので、難しいという回答がありまして、それ以降は実際に来ていただいて話し合うということをしていないのですが状況の方は今後も確認していきたいと思っています。
【交】それ以降は、話は何も8月以降はまだ4月までしていないということですか?
【厚】はい。実際にきていただいてのものは。
【交】1年に1回くらい聞くんですか?
【厚】そうです。総会等で何か変化があったかどうかということは。
 平成16年度から統一試験は廃止されたと聞いています。
【交】平成16年度からということは、この春ですよね。
【厚】卒業試験のようなものが行われていた。それをやめると。
【交】統一試験って何ですか?終了試験みたいなものですか?
【厚】それを学院の中でやっていたと。終了して良いかどうか・・・。
【交】初めて聞きましたよ。ペーパー試験。それで合格か不合格か・・・。へー。
じゃあ15年度はしたわけですね。この春には。何人合格したのですか?全員合格してるんですか?
【厚】その辺聞いてないです。調査については、いつ話し合うとは話し合っていないのですが、引き続き・・・。
【交】資料を添付したんでけど、これインターネットからの引用で、掲示板の内容なんですが、実際に開業医において資格にない方が助産行為、内診をしているということはいっぱい書かれていますよね。これ今の状況なんですね。今の状況でこういうことがあるわけなんですよー。それをどう考えられますか?
【厚】読まさせていただいたんですけど、こういったことが掲示板に載っているということは私も分かりますけれども、これをもって厚生労働省が何か動いて調べるとかいうようなことは難しいので、今までもお伝えしていたことですが、こういったことは掲示板でやりとりすることについて、こちらがどうこういうことではありませんが、保健所ですとか都道府県とかそういったところにお伝えいただきたいと思います。そういったことがないと、こちらも根拠を持ってできませんので・・・。
【交】掲示板に対しては、もちろんそうなんですが、やっぱりそういう状況があるということを産婦人科医会に伝えることによって、もっともっと厳しく注意喚起できることになると思うんですよー。実際に、去年出産した人で、てっきりと助産師だと思っていた状況の方がいたんですが、やはり資格がなかったと。准看か看護師なんですけどね。そういう人が何人もいるんですよ。去年の話ですけどね。そういうことで、黙っていれば、全く分からないけど何かあった時に調べたら、やっぱり資格のない方だったということが本当によくあるんですね。だから、その現状があるんだから産婦人科医会の方にどうしても各開業医を調べれば、どういう資格の方が何人いて、何をしているのかさえ調べればいいんですからね。産科看護学院の出身者かどうかということは必要ないんですよ。助産行為をしているか、していないかの問題なんでね。それを調べればいいわけですから、終了者がどこにいるか分からないという問題じゃないんですね。
【厚】はい。
【交】開業医に、「助産師以外の方が助産行為をしているかどうかということに対する調査をして下さい。」と言えばいいんですよ。医会の方に。
【厚】これまでも、いくつかの県の新聞報道等があったと思うんですけれども、そういったことを基に今までもこういうことがあると問題提起を少しづつではありますが、話し合いを進めてきているところですが。
【交】去年から3年計画で鹿児島県において、産科看護師の問題について費用が出て、シンポジウムをしなさいと今やってるんですか?
【厚】はい。
【交】去年から。今年の3月にあったらしいんですが、それは、何故鹿児島県だけなんですか?
【厚】何故・・・それはですねー。
【交】鹿屋の件があったからですか?
【厚】それは各自治体が、厚生労働省が補助金を出す事業がありまして、看護職員、助産師も含めてですが、各自治体が必要性に応じて、事業を立てまして、それに対して補助金を出しているということです。
【交】県が申請するんですか?はーっ。
【厚】そうです。はい。ですので、こちらもそういった問題がございますので、そういった事業もあるというふうには、お伝えしているところですが、基本的には都道府県がお決めになることではあります。
【交】都道府県が申請したことによって、国の費用が出たと、いうことなんですか!じゃあ、国が、各県にこういうことでしなさいと、お金を下ろしたということではないんですね。県からの要望があって、費用が出たと。そうですか。内容は余り大したことはなかったらしいですけどね。田村さんはしっかり言ってくれたらしいですよ。だけど他の医師達が、とんでもない・・・。これまで准看護師達がいたからお産がやれたんだみたいな訳の分からないことを言っているらしいんですよね。
【厚】それに関しては、田村課長からも・・・。
【交】どんな内容だったと言っていました?
【厚】私も一緒に行っておりましたので・・・。
【交】そうでしたかぁ。変なこと言っていたでしょう?
【厚】まあ、それぞれのお立場といいますか、まあ・・・助産については、保助看法を変えて助産業務を行えるようにするってことはあり得ないということ
【交】ですよね。言われたそうですよね。当然のことを言っていただいて、良かったと思うんですけどね。それでも尚っていうところが問題だと思うんですけどね。はい、分かりました。これについては、私達としても産婦人科医会の方に直接話をしないと、話がなかなか進まないんで・・・、分かりました。はい。次は、分娩介助料について。


3.分娩介助料について

(1) 国立病院において異常分娩の際の「分娩介助料」を自費請求しているか否か、また、しているのであれば金額についても調査し、報告いただきたい。
(2) 国立病院において異常分娩の際に「分娩介助料」を自費請求しているのであれば、これまで、5年間に渡り話し合っているように、その請求方法は、改善する必要があると考えるが、いかがか。
(3) 実費請求する時には、内容を十分説明するようにと通知したと伺った。その通知書をいただきたい。


【厚】医政局国立病院課です。異常分娩の際の「分娩介助料」を自費請求なんですが、国立病院、高度専門病センターと言ういい方になっていますが、ここでは自費請求しております。金額については、各施設によって、一律にこうだというものではありません。基本的には、地域の医療機関の中で。個々で妥当な額で金額設定をしてきております。
【交】例えばどうですか?いくらぐらいですか?あそこの病院はいくら、ここの病院はいくらっていうことは。
【厚】個別にはデータはないんですが、約10万円です。
【交】10万円程度。分娩介助料としてですね。
【厚】はい。
【交】やっぱり取ってんですね。
【厚】はい。分娩介助料が自費請求であれば、改善の必要があると考えるという話なんですが、ここに関しては、自費とかそういった形になりますと、うちの方からこうだとお示しできる立場にないんです。こちらの回答は出来ないんですけども。
【交】はっ。出来ない? 改善する必要があると思ってないと解釈して良いんですね。
【厚】請求方法に関して。
【交】異常分娩は普通、自費で請求するものではないですよね。健康保険が使えますでしょ。それですべてするべきだと思われていませんか?
【厚】分娩介助料については、自費請求をする・・・。
【交】いや、違う。異常分娩については、正常と異常があれば、健康保険が使えるようになってる訳ですからね。それですべてひっくるめて使って分娩を全部見るとは考えられてはいないんですかと今聞いてるんです。
【厚】それは、ちょっと、以前お話がされたと聞いているんですが、正常と異常とで、丸っきり全く違うものっていうふうな扱いを出来ないような、同じ重複する部分が当然考えられるわけで、それに関して、異常だけを特別に考えてるようなことはないようですけども。
【交】今、やられているところがそうなんじゃないですか?例えば、異常分娩の際に全部健康保険でみるか、あるいは逆に、異常分娩の際も自費でみるかというのであれば、おっしゃってる通りだと思うんですよ。ところが、異常分娩の際には、健康保険を使いつつ、分娩介助料という自費も請求されていることが問題であるというのが、我々のこの間の主張であり、疑問点なんですけれども、そういうことは特段問題あるなしということもそうですし、そちらとしては考える必要は特段ないと思っているってことですか?
【厚】そうですねー。
【交】その根拠ってのは未だによく分からない。何故、自費と健康保険の二階建てが可能であるのかというのが。
【厚】・・・自費と健康保険と二階建てで並べて、同じ枠の中で考えるという・・・そこは少なくても、あくまでここでの話は、正常・異常という種別の分娩における、分娩介助料は自費請求という形をとっているわけですね。異常だから健康保険の適応。正常の場合はそうでない形式をとっている。
【交】なんで、分娩介助料という言葉を使って自費で請求しないといけないのかっていうのが、理解で出来ないんですよ、例えば、帝王切開娩出術ということは、自然分娩の場合だったら、自然分娩という形であるわけで、帝王切開娩出術という方法の分娩方法だと私達は認識してるから、異常分娩であれば、それは保険が全部見るべきだと思っているんですね。吸引分娩でももちろん一緒なんですよ。鉗子分娩でもね。そういう分娩は異常分娩に入っていますでしょう?だから、それらの分娩方法は、そもそも一つのものとしてあるわけだから、あえて分娩を介助するという形のものを、何故自費で請求してるのかが分からないんですよ。
【厚】正常でも、異常であっても必ずセットでくっついている医学介助というものがあると思うので・・・。
【交】どういう理由でそういうことをしてるのかが分からないと言ってるのね。
【厚】正常分娩の介助料と・・・。
【交】えっ、正常分娩の介助料はないんですよ。分娩料だけですよ。自然分娩としての分娩料だけですよ。だから、それはそれで、自然分娩の分娩料ということでいいじゃないですか。ねっ。だから、帝王切開の娩出術ということで、それが分娩料で、終わりにすべきじゃないですかと言ってんですよ。なのに何で、一つ分娩料があって、分娩介助料というのが付くのかということが、私達には理解できないの。二重取りだと思ってしまうんですよ。分娩方法じゃないですか! 帝王切開して、赤ちゃん出して、色々するということがそそもの一つの分娩方法じゃないですか?なのに何で、プラス自費で分娩介助料を取られないといけないのか。それが分からない、私たちは。二重取りじゃないかと。ずっと言ってるんです。
【交】鉗子分娩した子供さんというのは、やっぱりそういうことでは、かなり正常分娩の子供よりも注意深く、沐浴一つするにしてもかなり注意を払わなければいけないわけですよ。そうすると正常分娩と全く違って、保険としての子供の分娩後のあり方も含めて、全部かなり普通の正常分娩でないからこそ、ケアもしなければいけない部分があるんですよ。実はね。だけどそこの部分は分娩行為だけが保険適応で、後は全部自費だよと、これがおかしいと言ってるわけだよね。例えばですよ。異常分娩の保険適応の場合、全て適応になるべきなのに、それが切られて、保険ではなくて介助料として取られて自費だよと、これは納得できないんですよ。勝手に、誰が分娩介助料というようにしちゃったのか、これは勝手に決めてるんだよね。
【厚】決まってるのは・・・。
【交】日本産婦人科医会が決めてるわけでしょう! 「そうじゃないよ」と、保険が言えばいいんだよね。逆に言うと。保険が「そういう分娩はケアしなきゃならないんだから、ここまで保険対象にするよ」と、言えばいいわけよ。そういうふうに考えられないかと言ってるわけだよね。あなた方は、保険と関係ないから、私達関係ないよと言い続けてきてるんだよ。分娩介助料は保険外のことだから、私達がどうこう言う立場にないし・・・って言ってきてるわけだよ。正常分娩でなければ、それなりのケアを要する状態で生まれてきてると思うのね。
【交】だから異常分娩という言い方をするんだからね。
【交】だからこそ、保険適応に広げなきゃならない話なのに、それを考えようとしない。始めっから分娩の手技行為だけ保険適用で、後は知らんと言ってきてる。私は、それが納得いかんといってるわけよ。「ここまで含めて保険適用だと何で言えないの、あんた方」と、こう思ってるわけだよ。それを検討しないわけだよ、全然。あなた方はだよ。あくまでも、別のところで決めたことだから、決めたことだから、自費だから。これ、大前提なんだよな。違うんじゃないのと思ってるんだよ、私は。
【交】どう思いますか? 今の聞いて。
【厚】・・・・・・・・・・・・・・。
【交】それを日本産婦人科医会だけがしているんじゃなくて、国立病院も県立病院も大学病院も全部が同じように追随して自分達が適当に決めているんですよ。8万円だったり、10万年だったり、12万円だったり適当に自費だから決めていいという感覚で決めてるんですよ。おかしいでしょう!
【厚】・・・・・・・・・・
【交】保険だけで、全てカバー出来ないのか検討してもらえないのだろうかということなのね。
【交】異常分娩の際の分娩介助料のそれぞれの内訳を聞いてもどこも答えられないんです。それもおかしいでしょう?適当に金額を決めて、「はい。プラス8万です。10万です」と言ってね。内訳は何ですかと聞いたら、言えないのね。「取れることになっていますので、取っています」としか言えないと。それもおかしいでしょう?
【厚】あくまでも、分娩介助料。内訳は言えない。
【交】そうそう。県の条例で決まってるから取ってると。おかしいでしょう? 初めて聞いたですか?
【厚】県の条例ですか!?
【交】分娩介助料取っても良いことになってると。そういう認識でしかないんでね。国がきっちりと考えて、これはおかしいと思ってくれれば改善方法はあるわけですからね。そこ、考えて下さいよ。
【交】保険課の人に伝えて欲しいんだよね。そこのところがポイントなんで。
【交】国立病院としてどうしてとっているのか聞かれました?分娩介助料をどういう意味でとっているのか。
【厚】いや、そこは、ありきでスタートしてるので・・・。
【交】そこは、ありきで考えられたら困ることなんで・・・。じゃあ、次に質問しようかなー。どういう理由で、何がいくらで、設定してるのかを聞いて下さいますか?楽しみですねー。だって10万円といったらすごいよ。顔拭いたり・・・。
【交】何がいくら。何がいくらと。何と何があって、ひっくるめていくらというんじゃなくてね。何がいくらと設定してるのか、教えて欲しいということです。
【厚】はい。


4.医薬品副作用被害救済機構について

前回、陣痛促進剤及び子宮頚管熟化剤の医薬品副作用で「胎児死亡」した2例を示し、「胎児死亡」の副作用も救済されるべきだと主張した件について、関係部署で話し合っている現在の進捗状況について報告いただきたい。


【交】じゃあ、お願いいたします。4番。
【厚】前回のお話をいただきいていた件ですが、胎児死亡の救済ということで、関係の部署とも話をしたのですが、前回もお話しましたように、民法という法律の大原則というところで、胎児が死亡された場合の権利主体としては、認められないということが非常に大きくて、法律というのは、一個一個の法律が単独で独立しているのでなくて、うまく連関して社会の中で矛盾のないように適応しているものですので、こちらの制度の中だけで違う扱いをするのは非常に難しいということで、ご理解いただきたいというような状況です。
【交】弁護士が、それはおかしいと言っていました。
【厚】それは、どのような理由で・・・。
【交】ですからね。胎児がそもそも人間でないということ自体はおかしい。
【厚】権利主体とならないということですね。
【交】先月、アメリカでDVで胎児がいる状態の妊婦さんに暴力をふるって、お母さんと胎児が死亡した場合、胎児も人間として認めるということが決まったじゃないですか!新聞にありましたよ。罪が重くなるわけですよね。今までは、認められてなかったですよね。オギャーと生まれて、出て来ないと、権利がないとそれではいけないということで、お腹の中の子供も権利の行使ができるということで、人間として認めようという文章でした。
【厚】アメリカですか?
【交】そうです。DVで。
【厚】お母さんに対して暴力を振るった時に、赤ちゃんが死亡したという場合ですね。それは刑法上の問題ですか、民事請求ですか?
【交】刑法です。罪になるという。
【厚】刑法と民事法は違うんですよ。法体系が。
【交】同じことです。内容は。去年12月にボルタレン坐薬で死産になった方が、刑法で訴える時に、業務上過失致死という時に、赤ちゃんに対しては出来なかったんですね。お母さんに対する傷害という形で告訴したんですね。だから、何なんですか?
【厚】胎児の場合、結構細かく分けられていて・・・。
【交】あるんだけど、ボルタレンの件でお腹の中で死亡したという意味では、胎児に対する告訴をしたかったんだけど、胎児はできないということで、結局できなかた。あえてして欲しかったんだけど、前例がないんですね。胎児の死亡の刑事告訴の件ではね。だけど、弁護士にしてみれば、民事裁判しても胎児にたいする評価は低いじゃないですか。そこのところはおかしいと思っているんですね。医療裁判をたくさんやっている弁護士がね。今回の場合の医薬品医療機器総合機構の件で、民法を使ってくるというのはおかしいのじゃないですかということです。だって、裁判じゃないですから。
【交】胎児が薬を使ったことによって死亡したことが本当に明らかだろうという場合まで、できていないんでしょう。救済してもらっていないでしょう?出来ないでしょう?
【厚】母親の救済ということでは・・。
【交】母親は出来るんだけれども、赤ちゃんが死亡した場合の損害はどうしてくれるんですか。薬によってそうなった場合ね。
【交】母親に対して。胎児死亡の請求権を認めるようにすればいいんじゃないの。今は、胎児にはないけれども。
【厚】
【交】亡くなったということは、大きな副作用であって、母親が請求する時の、請求の内容として、胎児が死亡した場合、一つの補償対象に入れてるんですか?
【厚】お母さんに対してということになります。
【交】「赤ちゃんに対してはないです」とはっきり言ってくれたらいいんですよ。
【厚】例えば、実際に医療機関にかかっていると思うので、医療費を請求して・・・。
【交】医療費の請求をする時に、一つの命が亡くなっているということで、プラスするような制度にして、変えていかなくちゃいけないよ。
【厚】そうしましたら、全てのものを救済しないといけなくなる・・・。
【交】そんなことを言ってるんじゃないですよ。薬を使用したことによって赤ちゃんが死亡したことが明らかな場合には、赤ちゃんに対しても大人が死亡した時と同じような500万なり、700万なりの給付をして欲しいと言ってるんじゃないですか!
【厚】そうすると、死産の場合にも権利に主体があるんだから胎児は、権利主体ではないんだから、亡くなった場合
【交】医療費しか請求できなくなるから、だから、考え方を変えるべきじゃないかと言ってるんですよ。
【交】母親がわが子を薬の副作用で亡くしてしまったと。これは明らかに被害なんです。胎児死亡ということに対して、母親にそれなりの損害賠償というか、そういうものとして規程する項目を機構の中で作るべきだと思う。だから、胎児に権利があるかないかとの議論をはじめると民法との関連性で議論が永遠にいってしまって片がつかないよ。母親が、薬によって胎児を失うということは大変なことだと思うんですよ。可能だと思いますよ。そうしないと、薬の副作用で胎児が死亡しても誰も補償しないんですかということになりますよね。母親の身体だけ補償されることになっちゃいますでしょ。
【交】それについてお願いしたいです。薬でそうなったということが、現実にあるということ
でしたら、何らかのものを立てて、検討してもらいたいです。子供の命の問題ですよ。子供の命が失われたということに対することです。
【交】アメリカの件が公になったので、日本も段々と胎児を人間として考えようということになるかもしれないですね。
【交】母親に対して大人の死亡と同じような・・・。
【交】今は即答は無理だと思いますので、検討をお願いいたします。
【厚】精神的損害を言った場合に、被害者の方が色んな考え方の方がおられるので・・・。
【交】そういう言葉でいうから難しくなるんで、考え方としては、胎内の子供を死亡させた場合、法律が民法では胎児に対しては、人間ではないということになってるから別の方法でいいと思うんですよ。精神的損害ということだと、いろんな点で難しくなるから、精神的損害だけにするんじゃない方がいいと思いますよ。
【交】考えられないか、ご検討をお願いいたします。


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