【道スポ】高橋、歩くスキートレで決意新た 耐えて自分のカラーも出す(01/21 09:10)
「転ぶのを期待してもダメですよ!」と言いながら下り坂を滑る高橋
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日本ハムの高橋信二捕手(30)が七転び八起きの精神で、自らの野球道を究める覚悟を示した。昨年に続いて札幌・中島公園で「歩くスキー」に取り組んだ高橋は、何度も転びながら黙々と汗を流す中で、今季の決意を新たにした。
1周約1キロのコースを一歩一歩、力強く前へと進んだ。思い通りに操れないスキーに悪戦苦闘しながら、転んでしまうこともしばしば。「格好悪〜っ!!」。大声で叫んで照れ隠しするが、何度も立ち上がり着実に歩を進める姿こそが、今季の自分そのものだった。
チームの数少ない長距離砲を自任している。それでも進塁打や右方向への打撃が多く求められるチーム事情の中で、大砲としての本能を押し隠してきた。加えて昨季は、1軍で未経験の一塁守備にも就くなど、自分らしさを出せる場面も限られていた。
でも今季は違う。「去年、おととしよりは“高橋信二の野球道”というものを出していきたい。意固地になるというんじゃなく、自分の色というものを出したいと思います」。そこには、ただやみくもに突き進むというのではなく、しっかりと足元を見つめながら確実に前進していく安定感が感じられた。
温暖な土地に繰り出し自主トレする選手が多い中、毎年札幌に残り1人で黙々と体をつくる。「2月からは、嫌でもずっとみんなと顔を合わせるでしょ。この時期しか1人で練習する機会もないですから」と、自分を見つめ直す大事な時間を有意義に使っている。
我慢することには、もう慣れた。我慢しながら“高橋色”を出していく方法も、おぼろげながら見えかけている。「今年は踏まれても踏まれても出てきますからね」とニヤリ笑う信二。泥臭さの中から漂う豪快さと、最後までチームプレーに徹する精細さを今季は思う存分、グラウンドで披露する。(京田剛)