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<熊本知事選>自民支援の蒲島氏初当選 民主推薦候補ら破る熊本県知事選は23日投開票され、自民党の全面支援を受けた無所属新人で元東大教授の蒲島郁夫氏(61)が、民主推薦で元県地域振興部長の鎌倉孝幸氏(61)▽弁護士の北里敏明氏(59)▽前同県相良村長の矢上雅義氏(47)▽元衆院議員の岩下栄一氏(61)=いずれも無所属新人=の4氏を破り初当選した。危機的な財政の立て直しや、川辺川ダム・利水事業の是非の検討など難しい課題に挑むことになる。47年の知事選と並ぶ戦後最多タイの5人が立候補した。投票率は49.36%で、過去最低だった前回(38.67%)を上回った。 蒲島氏は当選確実の報を受けて熊本市内の事務所に姿を見せ、支持者らに「夢を持って県民総力戦で県政にあたっていきたい」と抱負を述べた。 選挙戦は蒲島、鎌倉両氏による事実上の自民、民主の2大政党対決となった。自民は06年秋の熊本市長選、昨年夏の参院選熊本選挙区で推薦・公認候補が連敗。知事選では、蒲島氏を公認も推薦もしないまま「全面支援」する異例の手法で臨み、3連敗を阻んだ。 著名な政治学者とはいえ当初、一般的な知名度は低かった。自民の県議団や県選出国会議員、農政連などの手堅い組織に乗って選挙戦を展開。民主や社民系の無所属県議の一部も支持し、徐々に浸透した。政策よりも生い立ちを中心に演説し「落ちこぼれだった私でも東大教授に、知事選候補にもなれた。夢を信じれば可能性は開ける」と訴えた。 一方、鎌倉氏は告示直前に民主の推薦を取り付け、小沢一郎代表などの来援を受けた。民主党とともに道路特定財源を非難し、川辺川ダム計画でも反対の立場を明言したが、無党派層などへの支持を広げられなかった。 北里、矢上、岩下の3氏は、過去に自民党公認で国政選挙に立候補した経験を生かし、自民支持層や無党派層などへの浸透を狙ったが、及ばなかった。 争点の一つの川辺川ダム建設問題では、蒲島氏が「第三者機関を設置して検討する」と中立の立場を表明し、残る4氏はいずれも「建設反対」を明言していた。【笠井光俊】 ●熊本知事選確定得票数● 当337,307 蒲島 郁夫=無新<1> 132,263 鎌倉 孝幸=無新[民] 105,180 北里 敏明=無新 102,134 矢上 雅義=無新 45,872 岩下 栄一=無新 【略歴】蒲島郁夫(かばしま・いくお)61 無新<1> [元]東大教授 [歴]筑波大教授▽米ミシガン大客員教授▽米ハーバード大院 [毎日新聞3月24日] ( 2008-03-24-01:39 ) [毎日新聞2008年03月24日] |