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政府(厚労省他)


DPC新係数の選定作業がスタート

 中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会(分科会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)は1月21日、DPC対象病院に適用している現在の調整係数に代わる「新たな機能評価係数」の選定作業に着手した。分科会のメンバーらは同日までに、新係数の評価項目として、「医療安全と合併症予防の評価」(島森好子委員=慶大看護医療学部教授=)や「診療ガイドラインに沿った診療の割合による評価」(山口直人委員=東京女子医大医学部教授=)など15項目を提案。厚生労働省はこれらと共に、これまでに分科会で検討してきた項目を整理案として提示した。

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12月3日の中医協
「DPC対象病院」?「DPC病床」?

 厚労省による整理案では、中医協・基本問題小委員会が昨年12月17日に了承した新係数の「基本的考え方」に沿って、「医療の透明化・効率化・標準化・質の向上などの評価」や「社会的に求められている機能・役割の評価」など4つの視点ごとに、現時点で考えられる新係数の候補を示している=資料=。
 具体的な候補としてはこれまでに、「後発医薬品の実施状況」や「産科医療の実施状況」などが挙がっており、今回、新たに提案があった15項目と合わせて35項目になった。

 分科会で、厚労省側は「今後の議論によっては、項目が追加されることがあり得る」と強調。また、西岡分科会長は「提案していただいた項目すべてが、新しい機能係数になることはないと思う」と述べ、データで妥当性が裏付けられるものを中心に絞り込む方針を示した。
 厚労省は、新係数の候補を年度内に固める考えを示しており、2月上旬に開く次の会合では、分科会メンバー以外の病院関係者から意見を聴く。

 意見交換では、新係数と出来高による評価をどう整理するかが焦点になった。島森委員が提案した「医療安全と合併症予防の評価」に対し、齊藤壽一委員(社会保険中央総合病院長)は、「入院基本料の管理加算という形で、既に組み込まれている。屋上屋を架す感じがしないでもない」と指摘。その上で、診療報酬本体との整合性を考慮して新係数を決めないと、「全体の診療報酬体系がゆがんだものになりかねない」と危惧(きぐ)した。

 オブザーバーとして参加した西澤寛俊氏(全日本病院協会会長)は、21日の議論について、「DPC対象病院のことなのか、すべての病院のことなのかが分からなかった。チーム医療や安全対策はDPC対象病院だけでなく、すべての病院でやっているので、すべてに対して出来高でも評価すべきだ」と指摘した。

 このほか、山口委員が提案した「診療ガイドラインに沿った診療の割合による評価」に対し、相川直樹委員(慶大医学部教授)が、専門病院や大学病院などで高度医療を提供する場合には、ガイドラインに沿うとは必ずしも限らないとして難色を示した。山口俊晴委員(癌研究会有明病院消化器外科部長)も、「将来的には重要だが、もう少し資料をそろえてからやるべきだ」と、早い段階での導入に反対した。




更新:2009/01/21 21:00   キャリアブレイン

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