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2009-01-21 19:34:38 stanford2008の投稿

桜井淳所長から京大原子炉実験所のT先生への手紙-「モスクワ旅行(12/7-15)メモ」の感想-

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T先生



いただいた「モスクワ旅行(2008.12.7-12.15)メモ」から判断すると、ロシアもずいぶん豊かになったとの印象を受けます。ロシアというよりも、むしろ、モスクワと言った方が的確なのかもしれません。私のモスクワやロシアでの経験は、1990年代初めから半ばにかけてでしたから、すでに10年以上昔の話になり、その当時に比べて、モスクワのひとたちの年収は、一桁多くなっているのでしょう。当時は、ありませんでしたが、モスクワ市内からシェレメチボ空港までの特急が走る等、だいぶ便利になったように感じました。それにしても、いつもながら、貴重な体験と詳細な観察に驚いています。これまで何回もモスクワ等を訪問し、記録がだいぶ貯まったものと思いますが、ぜひ、出版してください。これまでいただいた記録からいろいろなことを学ぶことができました。感謝いたします。それから、ニコライ・カルパン「チェルノブイリ事故の起きた数日間の個人的な体験」の記載内容には驚きました。原子力発電所として考えられる最大級の事故が発生していたにもかかわらず、関係者の行動があまりにも冷静過ぎるのが不気味で、実際に何が起こり、どの程度危険なのかの判断ができていないように感じられました。いただいたふたつの資料を再度熟読し、また、改めて感想を述べてみたいと考えています。取り急ぎお礼まで。



桜井淳

2009-01-20 19:54:06 stanford2008の投稿

桜井淳所長から東大大学院総合文化研究科のR先生への手紙 -哲学における神学・仏教の位置付け-

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R先生



日本でいま活躍している哲学者の中で私が目標にしているのは梅原猛先生です。もうかなりの高齢で、70歳台後半くらいになるのでしょうか。梅原先生は、京大文学部哲学科卒・同大学院修了(特別研究生)であり、歴史から仏教まで、広範囲の問題をテーマにしており、際立った特徴は、仏教の深い理解にあるように受け止めております。


仏教は、宗教(religion)の中の単なるひとつの種類に他なりませんが、語源は、ラテン語のreligioに由来すると言われており、その意味するところは、「不思議な事物に接した時の畏怖や不安や疑惑の感情」と「その感情を引き起こす対象に対する態度・行動」のようです。まさに哲学の精神です。内村鑑三先生は「宗教とは人生に対するそのひと自身の解釈」と言っています。


宗教を分類すると世界宗教(三大宗教と言えばキリスト教・イスラーム教・仏教、キリスト教の母胎はユダヤ教、イスラームとはアラビア語で平和・従順・純粋・服従という意味)と民族宗教(ユダヤ教等)になります。ユダヤ教は民族宗教の中でも最も民族性が強固に意識されている宗教です。神は、アブラハムとその子孫に祝福を与え、ユダヤ民族は、アブラハムを父祖として神に従ってきました。紀元前13世紀、アブラハムの子孫であるイスラエル人は、モーセの引率によって奴隷生活を強いられていたエジプトを脱出し、シナイの荒野に到着しました。モーセは、イスラエルの民を救出した神ヤハウェから十戒を初めとする神の意思を明示した律法を教示され、神と契約を結びました。


日本の宗教は、神道か仏教(天台系・真言系・浄土系・禅系・日蓮系・その他)であり、キリスト教信者は、少数派の中の少数派であり、約1.5%に過ぎません。(宗教には、雨後の竹のこのごとく、数多くの新宗教(神道系・仏教系・諸教系・単位法人系)が誕生しましたが、私は、そのような物には、関心がありません。)


ですから、日本のマスコミでは、必然的に、キリスト教よりも、仏教を採り挙げています。梅原先生等がなぜ仏教を語るのかはそのためでしょう。私は、仏教だけでなく、むしろ神学としてのキリスト教・ユダヤ教・イスラーム教とその神々を研究したいと考えております。そのために、東大大学院人文社会科学系研究科で学びたいと考えております。宗教学・宗教史研究室のある法文二号館の3階の廊下の隅には、特別の展示場所を設けて、インドのヴィシュヌ神、2階には仏陀像が展示してありますが、それは、宗教学・宗教史研究室の理念の象徴ほど強い意味はなくて、インド学・仏教学の理念の象徴のようです。


ところで宗教学者の島田裕巳先生をご存知でしょうか。島田先生は、東大文学部卒・同大学院人文社会系研究科修士課程修了・博士課程修了(宗教学・宗教史研究室)で、若くして、当時タブーとされていた宗教評論を切り拓き、抜群のセンスと能力により、宗教学のスポークスマン的存在でした。しかし、新宗教のヤマギシ会に入信したり、やはり新宗教のオウム真理教を研究対象にする等、特に、日本女子大教授(40歳そこそこで教授でしたから、相当優秀だったのでしょう)であった1995年のオウムサリン事件の直前に、サリン工場の施設を宗教施設として神聖な物と記した論文を発表したり、日本女子大の教え子に入信を勧めたりしたことが社会人として常識の範囲を超えていたとの批判を受け、日本女子大教授を辞職せざるを得ませんでした。


それから最早13年、島田先生は、現在、文筆家・宗教家・東大先端科学技術研究センター客員研究員として、精力的に宗教評論を展開しており(http://blog.livedoor.jp/shhiro 中でも、日々の執筆活動・講演等の日常を赤裸々に語った「島田裕巳の「経堂日記」」http://hitorigurashi.cocolog-nifty.com/kyodo/ がおもしろいのですが、私は、そこまでオープンにしたいとは思いません)、とは言っても、内容は、新宗教の社会的問題等が多く、私の関心事ではありませんが、それでも、困難に直面しても、哲学によって、みごとに立ち直り、カムバックしたことは、まことに慶賀すべき事であり、どうか、過去の苦い経験を忘れず、これから新たな宗教評論を目指していただきたいと念願しております。島田先生は、まだ、50歳台半ばですから、もう一度、日本の代表的な大学での教育・研究の機会も残されており、幸運が訪れることを願ってやみません。


私の哲学の種本は、これまでのプラトン『国家論』、ダーウィン『種の起源』、ヘーゲル『論理学』、マルクス『資本論』、それから、新たに、『聖書』と『宗教』(仏教と神学)になりました。これから、神学研究で一次資料に当たるため、ヘブライ語とラテン語を勉強しなければなりません。研究の基礎的方法論は東大大学院人文社会科学系研究科で学ぶ予定です。



桜井淳

2009-01-20 12:50:37 stanford2008の投稿

桜井淳所長から東大大学院人文社会科学系研究科のH先生への手紙 -高さ約30cmの石像の意味-

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市川先生


先日は、ご多忙にもかかわらず、私の初歩的な質問に、親切にご対応いただき、まことにありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

【質問1】
帰りに2階と3階の廊下の隅に高さ約30cmの座った姿の石像を見かけましたが、それは、宗教学・宗教史研究室の理念の象徴なのでしょうか。詳しく見なかったもので、誰の石像なの分かりませんでしたが、誰なのでしょうか。

【質問2】
先生のゼミの議論の中心は研究分野の何々教だけでしょうか。

【質問3】
先生のゼミでの議論の様子を知るために、今年度中にぜひ一度、出席させていただけないでしょうか。ゼミ日・時間・教室番号を教えていただければ幸いです。


桜井淳
2009-01-19 23:11:39 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-六ヶ所村核燃料再処理工場の試運転期間と不具合について-

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【講演要旨】桜井淳所長は、1995年と2006年、青森県下北半島にある六ヶ所村核燃料再処理工場(,年間処理能力800tU、これは100万kW級原子力発電所約30基分の使用済み燃料を処理できます)を訪問し、最初の訪問では、建物の主要鉄骨組み立て(講演では10分間説明)、つぎは、使用済み燃料の再処理開始から1週間後の様子を見学しましたが(講演では10分間説明)、特に、後者において、工場内の配管の総延長は、1500kmにも及び、ただし、放射性溶液の流れる配管は、その約十分の一ですが(講演では10分間説明)、とにかく、システムが複雑で、試運転に時間がかかり、たとえ、不具合が生じても、不思議ではありませんが、それにしても、通水試験・ウラン試験・使用済み燃料再処理に約5年もかかるというのは、かかりすぎであり、なおかつ、高レベルガラス固化体を製造するためのガラス溶融炉の初歩的な不具合による試運転のより長期化等(講演では20分間説明)、サイクル機構東海核燃料再処理工場や海外再処理工場での経験が生かせない技術管理に対し、日本原燃の技術力に疑問を感じています。
2009-01-19 22:39:24 stanford2008の投稿

桜井淳所長の最近の講演内容-すべての原子力発電所の緊急時対策室は免震構造化へ-

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【講演要旨】桜井淳所長は、2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震の約1ヵ月後の8月14日、東京電力柏崎刈羽原子力発電所を訪問し、構内全体、6号機の原子炉格納容器内(講演では20分説明)、3号機のタービン建屋内(講演では20分説明)、管理棟(緊急時対策建屋含む)外観を見学しましたが、管理棟の損傷が大きいため、隣の空き地にプレハブの仮設事務所を設置中でしたが、地震によるゆがみにより、緊急時対策室の鉄製ドアが開かなくなり、緊急時対策室としての機能を発揮できなかったため、現在、すべての原子力発電所において、免震構造の緊急時対策室を新設する事を検討中であり、先月17日、福島第二原子力発電所を訪問した時、具体的に建設地を案内していただきましたが(講演では10分間説明)、実際に大きな地震を経験してみないと、どのような不具合が生じるか、すべて事前に分かるわけではないため、新潟県中越沖地震の経験から学ぶべき事は、多く、経験の共有化による信頼性向上を図らなければなりません。
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