都教育委員会が職員会議で挙手・採決を禁止した問題で、市民団体が20日発表した都立高校の教員へのアンケートは、「言論の自由に悪影響があった」との回答が約8割を占めた。都教委は都立学校の校長・副校長だけからの聞き取りに基づいて「言論の自由は奪っていない」と結論付けたが、少なからぬ教員の意識が都教委の認識とは異なっている実態が浮かんだ。
回答した教員1735人のうち、800人以上がコメントを寄せた。挙手・採決を禁止した通知には、「教職員集団としての民主主義がないのに、生徒にそれを教えることなどできない」「まったく発言が許されず、一般教員はただ従うしかない」--などと批判的な意見が目立った。
一方、「多数の意見のみで方向性が変化するのも変な話」と、通知を評価する意見もわずかにあった。
通知の撤回を求めている都立三鷹高の土肥信雄校長(60)は「予想通りの数字。都教委の数字が独り歩きしていたので、意味のあるアンケートになったと思う」と語った。
アンケートを実施した市民団体「『土肥校長と共に、学校に言論の自由を求める』保護者&市民の会」は31日午後6時40分から、土肥校長を支援する集会を杉並公会堂(杉並区上荻)で開く予定。【木村健二】
〔都内版〕
毎日新聞 2009年1月21日 地方版