川崎医大付属病院(倉敷市松島)で02年11月、くも膜下出血によって死亡した倉敷市内の女性(当時50歳)の遺族が「死亡したのは病院の注意義務違反に当たる」として、同院を経営する川崎学園に約6200万円の損害賠償を求めていた裁判で、岡山地裁(近下秀明裁判長)は20日、原告の訴えを棄却した。 女性は02年10月28日、突然意識を失って同院に搬送、くも膜下出血によって臓器移植法に基づき脳死と判定され、同11月に臓器の提供が行われた。 原告は「病院は心臓の検査を優先し、頭部CTなどの検査をしなかったために発見が遅れ、死亡した」などと主張していたが、近下裁判長は「病院の措置は妥当。くも膜下出血を疑うべき頭痛ではなく、医師にCT検査を行う注意義務があったとは言えない」として退けた。